ござさんの魅力を語る部屋

ピアニストござさんについて、熱く語ります

番外編:リヒテルさん

スヴャトスラフ・リヒテル(1915~1997)

 

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昨日ネットでお題をいただいたので書いてみる。文中では敬称略です。

自分が知ってる、そして好きな数少ないクラシックピアニスト。

そういや以前にも言ってたな。(もう一人はアルゲリッチ。ござさんも人に興味があるとするならアルゲリッチみたいにピアノ弾ける人って言ってた。)

(過去ツイから) 自分が好きなクラシック演奏家リヒテルがこんな風に思い付きでシレッと出てくるぐらいには、好き。

twitter.com

 

クラシックの演奏家という視点で見ると、誰がいいのか?

ホロヴィッツとかブーニンとかキーシンとか色々ピアニストはいると思うが、自分はピアノの専門家じゃないから細かいことは知らない。この枠で考えると自分の中では日本人ピアニストは視界に入ってこない。レベルが違いすぎて同じ俎上では語れないぐらい別物である。

じゃあござさんって何なの?って言われても……。このページはテーマがクラシック演奏家なんですよ、ござさんはクラシック枠の演奏家じゃありません。

ござさんは、そんな枠には入りきりません。

てかそんな枠に入れないでください。

 

 

えーと、本題に入ろうっと。

リヒテル(Svyatoslav Teofilovich Rikhter)

ソ連邦のピアノ奏者。20世紀後半を代表する大家で,レパートリーは広いが,とりわけベートーベンの厳粛と豪快,ラフマニノフの壮麗と豪華は,類がない。1937年モスクワ音楽院に入学,第2次世界大戦をはさんで,47年まで在学。在学中,42年にプロコフィエフの《ピアノ・ソナタ第6番》の初演者に選ばれてモスクワでデビュー,45年に全ソビエト音楽コンクールのピアノ部門で1位入賞。49年には早くもスターリン賞を受け,東欧諸国で演奏活動を開始,さらに60年アメリカでデビューし,西側諸国に新鮮な衝撃を与えた。リヒテルの演奏技術は卓越したものであるが,いわゆる技巧家ではなく,豊かで深い表現力と異常な緊張感を伴っているのが特色である。70年初来日。

※引用:≪平凡社 世界大百科事典より≫岩井 宏之

 

リンクです: スヴャトスラフ・リヒテル - Wikipedia
イメージ写真。↓↓↓ Wikipediaから。

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 20世紀最高のピアニスト。後にも先にもこの人を超える人は出てこない。(自分基準)
ここは自分の部屋なので何言っても自由。自分はピアノ弾けない人なんで、あくまで素人の視点からしか書けない。ご了承ください。

 自分がリヒテルを知ったきっかけ

 それは、フィギアスケートの浅田真央さんのオリンピックの演技がきっかけだった。明るい印象が強かった浅田真央さんの演技に使われていたラフマニノフの協奏曲が衝撃で、フィギアってこういう表現もあるんだっていう意外な一面を見れた気がした。

しかしラフマニノフって、誰だっけ……?って思った。吹奏楽オタクの自分には、ピアノと協奏曲が有名なこの作曲家は縁遠い存在だった。それから色々調べてみて、偶然買ったCDのピアニストがリヒテルだったのが、初めて聞いたきっかけだ。その演奏を聴いていきなり度肝を抜かれたという意味ではござさんと重なるものがある。

 このように、自分は本質的にミーハーである。これっと思ったらもう動いてる。しかしござさんの演奏聞いて気付いたら動いてたのは、根本からして違う。……以下省略。

 自分が持ってるCD

 所詮ピアノに疎い自分が持ってるのはこの2枚くらいしかないので、これをベースに考える。あとは、ネットでいろいろ聞いた。録音が少ないリヒテルでもどんどん出てくる演奏動画。Youtubeってすばらしい。

 ※何か頭部がさびしい感じがしますが気のせいですよ。ほら、見てるとイケメンに見えてくるでしょ。意識の差ですよ。

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左・・・①   右・・・②

 

ジャケ写その①・・・スタニスワフ・ヴィスウォツキ指揮のワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団と共演したラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の録音。名演中の名演、異論は認めない。
CD参考リンク:スヴャトスラフ・リヒテル/チャイコフスキー&ラフマニノフ: ピアノ協奏曲, 他 / スヴャトスラフ・リヒテル

 

 ジャケ写その②・・・ほぼ初めて、東側から出てきて開いたリサイタルの録音。展覧会の絵全曲や、リストなど。これも名演。
CD参考リンク:スヴャトスラフ・リヒテル/ソフィア リサイタル/リヒテル(P)<完全生産限定盤>

 

 

リヒテルの演奏ーーその哲学

自分の語彙力だと素人のつぶやきなので、戴いたコメントを基準に考える。

 

何とも言えない陰がある音

ちっとも弾けない人が何言ってるんだとか、…ああっ石を投げないでください。だってそう思ったんですよ。

クラシック枠でないござさんだが、純粋にその音を考えてみよう。ござさんの音は本質的に伸びやかで明るい。トルストイの小説みたいな、何してもそれ自体が光ってる存在。

それと比較すると?自分からは光らない月みたいな存在なのだろうか、リヒテルの音は。

 

時代背景の影響

 何でそんなに渋いのか?生まれはウクライナのジトーミル、その後同国のオデッサで育つ。父親がスターリンの粛清~その4年後銃殺で処刑、母親はドイツへ亡命したという経緯も、演奏に見え隠れする影に影響してると思う。スターリンは芸術家を迫害して粛清・シベリア送りにしたりして、それでやむを得ず転向させられた音楽家もたくさんいる。

スターリン体制下の芸術方針を簡単にいえば?社会主義に迎合した労働を賛美する音楽を書けってところだろうか。カバレフスキーとかグリエール(赤いけしの花とか)、あとハチャトゥリァン社会主義の枠を出ていない気がする。自分はそれらの作曲家も好きだが、特にショスタコーヴィチプロコフィエフがその主流に賛同しながらも、絶妙に音楽によって社会主義を暗に批判しているかのような作風で気に入っている。心のどこかに意地を感じる。絶対に精神的には社会主義に転向しないぞみたいな。

 で、リヒテルのピアノにはそういったソ連時代の陰を感じるのだ。その育ちから、また時代を背景にした、哲学?

 

二人の共通点「どういう練習をしてきたのか、謎」

 そもそも、スターリンの粛清で父親が逮捕されたその同じ年、22歳でモスクワ音楽院へ現れるのだが、このとき既に教授をして「何も教えることはなかった」と言わしめた、演奏の完成度。

リヒテルについて色々知りたくて調べるとこの事実に行きついて、思った。どんなんやねん。自分の中でどーしてもござさんと被るんですけど?そういう音楽院だの教授だのという権威のあるアカデミーに師事することなく、ピアノ教室に習いつつ後はほぼ独学で音楽的に大成したという点が。一応リヒテルは、その後音楽院は修了している。(リヒテルの父は教会のオルガン奏者だったがその影響はあまりないようだ)

 

こんなん見つけた(*´▽`*)。これは西側こと日本での録音。爆速速弾きなイメージがあるかもだが、この演奏では瞑想するみたいな静かな世界に誘われる。なぜか和室で畳?

スビャトスラフ・リヒテル 幻の東京リサイタル - YouTube

 

これも貼ってみよ。1953年の録音。スケルツォ2番。渋い…
Sviatoslav Richter plays Chopin Scherzo no. 2, op. 31 - video 1953 - YouTube

 

ギレリスの名言

 その育ちから亡命を危惧されていたのかソ連当局に徹底的に監視されていたらしく、西側へコンサートに出ることもなく、録音も出回らず、幻のピアニスト状態。

アメリカでの演奏会で、ソ連のピアニスト:ギレリスが、演奏後拍手を贈ろうとしたオーマンディを制して言ったセリフが好き。

リヒテルを聴くまで待ってください。」

そんな事言われたら、西側の人はますますどんなんやねんと思うでしょ知らないから。

 

どんな練習積んだのか知らないが、まるで手足のようにピアノを使いこなし、また呼吸するようにその音色を自由に操る。ピアノを弾くというよりピアノが勝手に鳴ってる、しゃべってるんかという錯覚に陥る。

 

そのクラシックレパートリーも無尽蔵、ついた愛称は百科事典。あんまりにも何でも弾けるから、だったっけ。

 

自分の印象。

暗譜はしなくていい派の人。

クラシック演奏家の中では異色。いわく「暗譜する労力があれば他の曲練習できるだろう」でもコンサートで譜面を置いて弾きながら、譜めくり係の人がタイミングを誤ると、ギリギリ理不尽なことを言う神経質な人。

手が大きい。

確か12度まで届いたとかなんとか。力も並外れてて、その迫力ある演奏が魅力。

どんなピアノでも弾ける。

上のソフィア(ブルガリア)でのリサイタルの時のピアノも劣悪だったそうな……どこ行っても、どんなコンディションのピアノ用意されてもなんとか弾きこなしてしまう、常識はずれに無茶苦茶な実力の持ち主。

ビジュアルを全く気にしてなさそう。

やっぱり、自分の中ではビジュアルが素敵なこととピアノの実力は反比例するっていう先入観がどこかにある。どうしてもその意識がぬぐえない。何でだ?わからないけど見かけが素敵な人を称してピアノが素敵だ、とどうしても言いたくない。

……なぜ?それは、ござさんを最初に発見した時の刷り込みがあるからに決まってる。

最初に見つけた髭ダンのストピ動画。あのビジュアルが、自分の中でのピアニストの基準になってしまったとしか思えない。

リヒテルさんはそれより前から知ってたけど。ステレオラジカセでCDを聞くだけだったから、画面を見なくてよかったのでそんなに見た目を気にしなくてよかったのはある。

 

ーーござさんの回想ーー

【※CDについて当時、妄想が爆走してました。(*´▽`*)】

 だから、余計にござさんの髭ダン動画を初めて見た時「え……?それ自分が持ってるあのリヒテルさんのCDとかと同じレベルじゃない?ピアノはよく知らないけどすごくない?なんで通りすがりの駅でやってんの?料金タダなの?」と混乱した。ちょっと理解不能だった。

 

これなら、この人もCD出してたりコンサート開いてたり、どっかの音大で教えてたり……するよね?

「ござ」さん……?誰なんだろ?CD買いたいなーー!!

と思って調べてみても、何にもそんな肩書はついてなかった。

Twitterのアイコンは、いらすとやの、畳。何でやねん。

 

何でござさんのCD売ってないの?どこ行ったら買えるの?

え ????? そもそもそんなの出してない?なんで……?

 

もうほんとござさんって、謎です。今でも、その存在はやっぱ天然記念物です。