とことはに 吹く夕暮れの 風なれど 秋立つ日こそ涼しかりけれ
現代語訳:いつも吹く夕暮れの風だが、立秋の日というのは格別に涼しいことだ。
(※立秋の日をだいぶ過ぎてますがすいません)
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夏の終わりは、ジブリで決まり(宣伝ではない)
夏休みの課題に大体めどがついた自分へのご褒美だろうか?(違う)
8/13の生配信では夏休みのお約束(小学生か)、ジブリ映画の音楽を弾いてくれた。
それにジブリスタジオの映画がTVで流れるのは、夏休みの恒例行事である。
「モンスターズ・インク」ご覧頂きありがとうございました😌
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) 2022年8月5日
来週からは、3週連続スタジオジブリ✨
🥽8/12「#天空の城ラピュタ」
🌳8/19「#となりのトトロ」
🐱8/26「#耳をすませば」
名シーン、名セリフの数々をお楽しみに😊 pic.twitter.com/zeyFXPRHp5
というか最近自分は隔離期間で部屋から出られないので、ござさんの配信聴いてジブリの名場面を思い出すことにします。名場面というか、自分にとってはこの辺のジブリ映画は、絵コンテの各コマを思い出す風な要領で、どの場面もどのセリフも覚えてるから。
自分みたいなジブリ映画本編の懐古厨向けになのか、ござさんのアレンジは超リアル版である。
真っ黒な竜の雲の中に突如現れた、空に浮かぶラピュタの威容。
鉱山の深い渓谷にさっと差し込む朝の光の中、群れになって飛んでいく白い鳩。その背景に響き渡る高らかなトランペット。
分厚い雲の闇の中を一点の光とともに落ちていった少女と、壁画風なOPロール。壮大な音楽に乗せて描かれる、古代ラピュタの栄華。
メーヴェからの視点で展開される雄大な景色と、悲哀を帯びた旋律が物語る戦争の無力感。
得意の魔法で空高く舞い上がり一気に視点に近づいてくる様子を、真上からっていう斬新な構図で切り取った迫力ある画面。空に高く小さくなっていく影を送り出すかのような、軽やかに心躍る旋律。
真っ黒な生き物が人知れず、何かにぎやかにしゃべりながら空を渡る様子が素朴な音で描かれる。
文明と自然は衝突するのか共存できるのか、という永遠の命題を神秘的に描き出す旋律。(でもこの作品で言う神様は、とっくに滅ぼされているのかもしれない)
………以下略。
どれも映画の場面そのまま。
……冗長になるのでこの辺にしとく。
そのあと軽快な可愛らしい曲を挟んで、
紅の豚のEDで若かった時代へ思いを馳せ、(え??)
あの夏へで壮大な物語は幕を下ろす。
ジブリのBGMは映画音楽、ひとつひとつに奥深い物語が込められている。
ござさんの捉えるリズム、和音はそのまま場面展開と一体となって、スクリーンで見ているみたいな臨場感を味わえる。さらにござさんの作り出す抒情あふれる音楽はそのまま映画のストーリーを再現して聴く人の胸を打つのだ。
(……よく考えたらサントラ盤は家にあった。CDケースにセルがプリントされてる版。これを聴くと、更にござさんの演奏がリアルに迫ってきて鳥肌もの)
楽しんで弾くってこと
ジブリ音楽はおそらく自分みたいな懐古厨に忖度してくれてたのではないかと思われる。でもござさんのレパートリーに多数入ってるのは、コード展開とかが何か刺さるものがあるからなのか?よくわからないけど。
とそこに懐かしのボカロのリクエストが流れてきた。
自分はボカロの懐古厨ではないのでいちいち思い出すのは避けますけど、べつにそこは問題ではない。知らない曲でもござさんのメドレーの構成は緩急織り交ぜて聴いてて心地よいから。
このござさんがネット配信を始めて以来の馴染みであろうジャンルのボカロは、たぶん思い出さなくてもいつまでも弾いていられる分野だと思われる。
ござ(ピアノ演奏者)の非公式ホームページ ~即興ピアノアレンジの天才ござさん~
ござさんファンにはお馴染みと思われるのでリンクで引用するけど、この非公式HPにリンクがあるござさんのレパートリーリスト。
↓↓↓
ござさんアーカイブ案内所 - Google スプレッドシート
この一覧によればボカロのレパートリーは50曲を超える数である。それでもアニソンに比べれば少ないという説もある。このニコニコ動画のプロフィール画面に貼られているボカロ曲の数はもっと多い。(と思う。たぶん。)
ただこのニコニコ動画のプロフィール画面が作られたのが2009年、最終のニコニコ動画更新が2018年、ボカロ曲のレパートリーはだいぶここから削られていって残ってないのも多いのじゃないかなあと思う。それは古いのが多くてリクエストに飛んでこないからなのもあるだろうし、実際この辺を知ってるリスナーはどのくらの割合を占めるんだろう?という疑問もある。
ウチの高2男子に言わせればその辺のボカロは全部化石呼ばわりだ。
じゃあ一体キミはどこで動画見てるんだ?と聞くと、youtubeでもTwitterでもなくTikTokだった。
この辺の若い層に訴求する曲を弾いていかないと、ファン層を形成していくにあたって若返り化を図ることはできないと思ったりもする。
しかし見てる限りそういう年齢層は概して飽きるのも早いというか3日経ったら好みが変わってたりするので、そこをメインに売り込んでいくにはコンビニの新商品開発部なみの流行に対する敏感な意識が必要だろう。
彼らは流行好きの新しいもの好きであるから、期間限定商品みたいに次々新曲を弾いて行けば一定数のファンは残ってくれるかもしれない。
しかしござさんの弾く曲の傾向を見るにつけ、そういう若者限定の営業活動みたいなのはたぶんござさんのアレンジに向いてないな、と思って自分はここで妄想をやめた。
ござさんは一体どこから見つけてきてどうやって覚えてるのか、聞いてる音楽ジャンルも弾ける曲も、古今東西あらゆる時代のあらゆる地域にわたって幅広い。しかも昨今Twitterとかで見かける内容を見る限り、さらに新しい分野を開拓というか分析というか、習得していこうっていう動きはとどまるところを知らない。
新しい曲に的を絞ってレパートリーを増やせば、こうしたござさんを構成する音楽の世界の多様性は失われることになるから、得るものよりも損失のほうが計り知れないという結論になる。
新しいファンの人がもっと増えたらいいなっていうのは自分が常に思ってることだけど、問題はそう単純ではなさそうだ。
ござさんの弾くボカロはどの曲も生き生きしてて、まさに水を得た魚だ。
自分はそんな楽しそうなところをずっと見ていたい、それだけ。
憂鬱じゃない、雨の日
ござさんのレパートリーの縦横無尽ぶりを最も物語っていたのは、その日台風が来てて荒天だったからって(どんな理由だ……)弾いてくれた雨メドレーだ。
レイスト(ボカロ)、ビルエヴァンズのJAZZ、昭和歌謡にフュージョンJAZZ、あと合唱曲としても定番の桜ノ雨で感動的〆を飾るっていう、こう書くと混沌とした世界に見える。
でもござさんのアレンジにはコード進行が統一性があるのか(どうかは知らないが)、選曲から構成から繋ぎから自然に聴ける。
テーマは雨。
生活してると、雨模様の天気は洗濯物も乾かないとかイベントにも出かけられないとか、ちょっとマイナスのイメージが世の中の認識の大半を占めるかもしれない。
でも不思議と雨っていいもんだな、とピアノを聴いてて思うのだ。
ござさんの描く雨の世界はそういうどこか暗いイメージを背負いつつも、窓ガラスを静かに濡らす雨粒を部屋の中から見てるみたいな、そういう抒情的な場面が浮かぶ。
フュージョンJAZZの描く鮮やかな雨。
昭和歌謡の紡ぐ、しっとりと霧雨の中に流れていく情景。
まあ結局自分はござさんの構築する世界を見てるっていうか、その世界観が好きなだけかもしれないが。でも好きに理由とかいらないですよね。
※自分が今まで一番好きだった雨の曲(今でも好きだけど)
ASKA - はじまりはいつも雨 (Official Music Video) - YouTube
以上、感想は終わりである。
なんかまだ続きがあるが、おまけコーナーである。あんまり気にしなくて結構である。
証人喚問
とあるショッピングモールのカフェ。
外はここ数日しとしとと降りつづく雨模様である。
レインブーツに傘を差した人が時折、足早にモールの軒先に駆け込んでくる。
空調が行き届いた店内は、外の湿った空気から遮断されたひんやりした空間。
ゆったりしたソファ席のテーブルには、パイとケーキがそれぞれドリンクとセットで並べられていた。
壁一面を占める大きなガラスに雨の雫が時折流れて落ちていく。
モールの通路に植えられた小さな灌木の葉は、水を弾いて一層艶やかな碧色に輝く。
通路の向こうに見える噴水の池にいくつもの水紋が広がっては消える。
ここはほかでもない、ねぴふぁびでGZさんが登場したステージのある、T川ステージガーデンの一角だ。
テーブルの上にはアップルパイと紅茶。どうやらこのカフェの看板メニューらしい。
向かいの椅子には、GZさんが所在なさそうに座る。
「この度はお足元が悪い中、お運びいただき恐縮です。ささ、どうぞケーキセットをお召し上がりになってください」
「はあ・・・・・」
GZさんは胡散臭そうにテーブルのチョコレートケーキとコーヒーを眺める。
「いえ別に気にしていただかなくて結構なんですよ?去年うどん屋にJ・Gさんがいらした時みたいにチオペンタールなんてそのコーヒーには盛ってませんから。ご安心してお飲みになってくださったら宜しいんです」
【 ※去年のうどん屋の話 】
「ふうん・・・・」
さらに眉間にしわを寄せるGZさんにはお構いなく、さっそく自分は話を切り出した。
「この間、いつものように生配信されていたようですが」
「この間って、いつの生配信ですか?」
「ほかでもない8月13日の放送ですよ。シラを切っても無駄です。ネタは上がってるので。」
【 ※8/13の配信動画リンク 】
「どういうことでしょう?」
「7/23のJAZZメドレーは、ガーシュウィンとかを挟みつつ夏の情緒も感じられていい感じでしたねえ」
「はあ・・・・・?」
「今回の8/13ですけど、いろんなメドレーの演奏も素晴らしかったですが、終盤のJAZZ弾くコーナー、あれはどうしちゃったんですか?」
「え?ちゃんとJAZZメドレーでしたよね?ほら You'd Be So Nice to Come Home toも弾いたし?Fly me to the Moonもちゃんとやりましたよね?」
いきなり不自然に、声高にまくし立てるGZさん。
「ルパン3世とか、あれもめっちゃJAZZですよね?」
「そんなに力説しちゃうくらい後ろめたいんですね」
「え?別に何も?」
「中森明菜がJAZZになってるなんて青天の霹靂ですよ。それにルビーの指輪ってもしかしなくても昭和歌謡でびっくりするし」
「え?でも次の星野源さんの恋はyoutube動画でもJAZZアレンジでお馴染みじゃ……」
「そんな耳当たりのいいことでごまかされても……マツケンサンバはゆったりJAZZでいつものサンバと違って調子が狂うし。それから、笑っていいとも!と笑点で、思わず合いの手を打ちそうになりつつ、でもJAZZになってるのでどうしたらいいのか最早わかりませんでしたよ」
「それは何よりです…あ、いや災難でしたねえ~」
「にんげんっていいなのJAZZ風で、とどめを刺された感がありますし。それから立ち直れなさ過ぎて、最後に大好きなBigbandの曲のSing Sing Singが来てもよく分かんないうちに終わっちゃったんですよね?めっちゃ大好きな曲なのにどうしてくれるんですか?」
自分は勢いで好きなだけ喋り倒すと、大きなカットのアップルパイを矢継ぎ早にほおばった。
やりきれない時は食べるに限る。
「そんなヤケ食いしてると痩せませんよ…?」
「ほっといてください。ジブリとか沖縄の曲とか、クラシックの曲にも感動して微動だにせず聴いてて、次は?JAZZだ~!うわ~大人なしっとりアレンジなのかなーラグタイムも来るのかな~?ってワクワクしてた自分のコケ方なんて、想像もつかないでしょうから」
「いや、何気なく普段聞いてるPOPSや馴染みのメロディをどうやってJAZZに変えていくか?どうやって即興で辻褄合わせて別ジャンルに読み替えるか?ってのが、僕の生配信の看板コンテンツなんで。そこ聴いてくれてないと困ります。コケてないでちゃんとやってください」
「そうですね………(ふーむ)確かにおよげたいやきくんはJAZZアレンジの王道ですし(あれ、そうだっけ)。自分はラーメンプランなんで動画視聴に期限はありませんから、またちゃんと正面からまじめに聴いてみます。なんか今回気が付いたら色々終わっちゃってたんで」
自分はティーポットから注いだ2杯目の紅茶の残りを飲み干すと、席を立った。
「お代は払っときます。ごゆっくりケーキセットをお楽しみになってください。ここの近くのH王子には、アップライトだけどストピも設置されてるらしいですよ。練習の気分転換に、ああいう所でピアノ弾かれてはいかがですか?」
カフェから一歩モールの通路に出ると、強くなってきた雨脚が地面に打ちつける。あわてて大ぶりの傘を開いた。それから、バッグから小さな青いイヤホンを取り出す。
「そうだ、よくわからないけど最後のメドレーもすごかったんだよねえ…というか最後が一番すごかったというか……もっとじっくり聴かなきゃ……」
自分は傘を広げると雨の中足取りも軽く、駅へと続く並木道を歩き出した。
おまけコーナー:終わってなかった宿題
ござさんから出されていた課題はまだ終わっていなかった。
「こないだのウルトラソウル動画で、バロックのアレンジは理解できましたか?」っていうテストみたいな動画が続いて投下されていたからだ。
18世紀に作られたと思われるさくらんぼ(feat.パッヘルベルのカノン) pic.twitter.com/gj1W4Mhl2d
— ござ 🎹 (@gprza) 2022年8月9日
ふうん…さくらんぼは18世紀の曲だったんですね?なるほど…左手でカノンを追いながら、右手もさくらんぼーと言いつつ和音で宮廷風に……
そんなわけないでしょ。
さくらんぼっていえば。
「あーたしさくらんぼーーー!」
って歌ったら、その場のみんなで
「もーー1回!!!」
って叫ぶのがお約束。
それ以外の発言は断じて認めない。
ええ?
もっとまじめにやれ?
はあ、18世紀っていえばバロックから古典派の時代ってところですか?
ウルトラソウルで仕込まれてたネタはピカルディ終始でしたね……
えーと今回のはさくらんぼとカノンの合体だからこれがネタですか…?
クオドリベットって名前しか知らなかったけど、「歌詞や音の動きの異なる複数の歌曲旋律を同時に別々の声部で演奏させる多声音楽」らしい。これって今のネットピアノ界隈の人々がちょくちょくやる混ぜて弾くアレなのでは。というかはるか昔のバッハもやってたらしい。知らなかった。
— ござ 🎹 (@gprza) 2022年7月25日
んー、右手と左手で別々の動きで複数の旋律をやるってのは、ウチには脳が一つしかないんで無理です。この動画もなんでこんなことできるのかよくわかりません。
確か、左右別々の指の動きを身に着けるには?っていう練習方法をこの動画で菊池さんが語ってた。
【菊池亮太×ござ】ピアノ超絶技巧の二人の練習法を披露!月刊ショパン2月号ストピフリーセッション - YouTube
名付けて対照的練習法。で、実例として突然10-4をぶっ込んでくる菊池さん。
「これ流行らせたいんですよ~マジこの練習方法イイんですよ~」
「脳で考えてることと指が直結するんですよね~脳トレになってイイですよ~」
菊池さんがスラスラやってても、こっちは1mmもできる気がしません。一般人はハノンとか単純な練習本でやるといいんだろうか。自分は普段から……全然やってませんけど(だから上手くならんのや)。
実際にその練習法を取り入れてたピアニスト(上記動画から)。
・マルカンドレ・アムラン - Wikipedia
・マウリツィオ・ポリーニ - Wikipedia
・ルドルフ・ガンツ - Wikipedia
要するに出されてた宿題を復習しろってことだと思うので、ネタ記事を置いときます。
ふう、次はなんか綺麗な模様みたいのきましたけど。
え?アレですか、ござさんアレンジをAIが採譜したらこうなっちゃった的な?
なるほど~(うっとり)素人には10連符とか逆立ちしたって関係ありませんので鑑賞用です。そりゃ弾いてて指の動きも残像になりますよね。
自分の演奏を採譜してもらったら、かっこいい模様みたいになって返ってきたのでテンション上がってる(この書き方で合ってる) pic.twitter.com/lFH4T7W3YI
— ござ 🎹 (@gprza) 2022年8月12日
自分のアレンジか何かを譜面に起こしてるということは?やっぱござさん書籍か何か出版するんでしょうか?アレンジ楽譜集とか(弾けるとは言ってない)。だんだんネタが出そろってきた気がする(合ってるとは言ってない)ので楽しみだ。
この進捗が生まれるっていう日本語に謎は残りますけど、何か一段落ついたのでしょうか。
なかなか進まなかった仕事がようやく軌道に乗ってきた………進捗が…生まれる…!
— ござ 🎹 (@gprza) 2022年8月18日
7月から言ってた色々なこととはまた別なのでしょうか。
別なら別で、お知らせが増えるという事なので結構なことです。
どっちにしても、告知が楽しみ!?