ござさんの魅力を語る部屋

ピアニストござさんについて、熱く語ります

寄港地

 

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ござさんにとって音楽とは何なのか、目指すところはどこなのか

 

大海原を悠々と、うねる波を乗り越えて進んでいく一隻の帆船。

風向きを読みながら舵を切っていく。

嵐の恐怖も顧みずに。

盗賊の危険もものともせず。

 

画像引用リンク:ダウ船 - Wikipedia*1 最後に注釈あり

 

帆に風をいっぱいにはらませて、荷を満載した船は長い旅に出た。

天体を頼りに航路を読みながら舵と帆で進路を取る。

しかし後戻りはできない。

 

いわば、賽は投げられたのだ。 ( 賽は投げられた - Wikipedia )

 

 

ござさん。

プロの活動というのは後ろ盾もコネクションもない、正真正銘の腕一本勝負です。

無風の日も向かい風の日もある、転覆の危機もいずれやってくるでしょう。

 

でも音楽制作や演奏の合間に、ござさんが関わってこられた数々のこと。

ラテン音楽の研究、

中世から以降の広く世界中にわたって分布する音楽の歴史。

西洋のバロック音楽の書籍。中世史の歴史概説書。

ドラムやベースも鍵盤を通して演奏をこなしてしまう。

ござさんはまた吹奏楽管弦楽など、ピアノ以外の楽曲への造詣も深い。

 

それらのことは、ピアノと演奏技術という意味では直接関係ないかもしれません。

しかし演奏家として生きていくなかで、またクリエイターとしての活動の上では、幅広い経験こそが音楽の表現に深く奥行きをもたらすのだと思っています。

 

 


ダウ船 (画像引用元:冒頭の写真と同リンク)

 

それぞれの寄港地にはその土地独特の風俗、食文化、言語などほかの地にはないものがある。

ござさんの乗る船は、いろいろな土地で色々なものを見て経験し、現地で物々交換しながら多彩な積み荷をつんで次の港へ向かっていくのでしょう。

音楽という広い海を航海していく船乗りのござさん。

これまでの、またこれからの経験、出会う人、目にするもの、それらのすべてが血となり肉となって、ござさんの描く世界観、また演奏を情感あふれるものにしてくれるはずです。

 

 

ござさんの作り出す音楽はセッションで更に輝く

また音楽専業になられてから、色々なステージへの参加もされていた。

ねぴらぼからねぴらぼinvention、PIANICやそしてねぴふぁびと、ござさんの演奏はセッションの場でも常にキーを握るポジションだと思う。

音ゲーコンサートへの参画は今年は縁がなかった。でもまた必ずあの晴れ舞台に、はにかみながら立つござさんを見れる日が来ると信じたい。それはござさん自身が胸中に秘めた決意でもあるようだから。

また先日は、日本遺産コンサートを通して奄美民謡の歌手の方との交流もあったり。

 

でもござさんはネットを始められた当初からセッションが主な活動の場だった、そういう意味では他の奏者と駆け引きしたり何かを得たりというのは、ネット活動歴とほぼ同様の期間、すでに経験を積まれていたともいえる。

こんな演奏とか、一人でお手の物である。というかなんて楽しそうなんだ。

 

いわゆる2ちゃんねるのセッションスレでのbansouさんがネットでは初出なのかな、またはninjamでセッションされたり。このツイートはどこでのセッションかわからないけど。

 

介護職やめられて音楽専業になられてからはもっと具体的にセッションへの思いを述懐されている。

※このころの菊池さんとのセッション配信
菊池亮太さんとピアノとたわむれるコラボ配信! 2020/10/16 - YouTube

 

 

 

音楽専業になってさまざまな舞台でさまざまな人とふれあってきたござさんの音。

 

それはますます澄んだものに、

しかし時には重く暗いどこか憂いを帯びた群青色、

また時には太陽のフレアが爆発するようなエネルギーを放出していて、

その表情は千差万別、人間の持つどんな感情も表現できるかのようである。

 

ピアノのために生きてる、というよりは。

ござさんの人生の中にピアノというピースがぴったり嵌まって、ほかのいろんな出来事と相互的に作用しながら独特な音楽を形成しているんだなあ、とそういうふうに捉えたい。

 

 

誕生日だけど通常配信

さてござさんは毎週定期的に生配信でピアノ放送してくれる。メンバーシップ特典もこれのアーカイブをランクに応じた期間見放題という、ござさんチャンネルの実質的な看板コンテンツである。

 

そこで、youtube界隈の生配信ではよく見かける誕生日配信だが、ござさんファンの自分には関係ない。自分は誕生日についてというよりは、あくまでござさんの演奏そのものにコメントを述べたいといつも思ってるから。

 

自分がござさんを知る前、まだ介護職をされていたころは誕生日当日はこんなふうだったらしいし。公表されてなかったので当然だが。

 

そこでその翌年、一気に登録者数とか増えてからの2020年のお誕生日。

寝てたのか?茶番劇です。どうしてもその話題に触れたくなかったんですね。

まあこのころインタビューされていた月刊ショパン動画ではいまだにペンギンかぶってましたし。ピアノの前でないところでは音楽を語ってないときはとたんに声が小さくなってた気がします……というか音楽に関係ない発言とか聞いた事ありませんでしたし。

 

この去年のときは、後日でしたが誕生日ごろということで生配信もしてくださいました。

 

 

今年は前の週から生配信は通常通りと銘打って宣言されていたのでそうなのかと思いきや。

 


蓋を開けてみればなんか暗闇の中、どこかで見たライトが部屋いっぱいに花火みたいに光ってる。

これかなあ?動くカメラは違うけど、今回はこの時のライティングを使ってたみたいですね。

 

今回、翌11/13のイベント前日という多忙の中、パーティライトとかいう非日常な演出までして下さって、なんだかござさんの誕生日をこっちが祝ってるのか、それとも自分らが逆に贈り物をいただいたのか、どっちなんだという感じだった。

去年のネピサマ、それからソロアルバム告知配信で着られていたシャツ(?)も、特別感がある。

逆に言えば今回のお題をござさんから先にやってしまったので、生配信の内容は普通通りって言いたいのかもしれないな……だって冒頭の曲がなんせハッピーバースデーだからな……しかもシティポップみたいな(?)おしゃれアレンジだし。全部先取りされたので自分はおとなしく黙って配信を聴くことにしたのでした……

 

なんでイベント前日に生配信やってたのかというと?

以前みたいに本番前に落ち着かなくて生配信してみるとかいうことはもう最近なかったのに。※本番前日の配信(メンバー限定):真・ねぴらぼ前日グランドピアノ配信 2021/02/10 - YouTube

今回は「なんでかというと、僕がピアノ弾きたいからです!」だそうで、4/24のねぴふぁび前にも「決まったアレンジを弾いてると自由なことができない」とか言われてたから、生配信で即興演奏することでアイデアとか実験的なアレンジを試してみたいのかもしれないな。

まあ第1回ねぴらぼの直前配信では演奏が熱すぎて(?)爪割れてたから、そういうことがなければいいんじゃないでしょうか……

 

しかし介護職辞められた年は色々経験があって、次の年(去年)は色々ストピに言ったりアクティブにやっていた年だとすると今年は研究?として色々本や資料を読んだり、ソロアルバムの曲の楽譜集を作ったり、動画もスタジオ収録だったり、と語られていた。

なるほどストリートピアノへ出ておられないのはそういうシーズンだったからでしょうか。ストピで演奏したら絶対まわりの人はどよめきながらござさんのピアノに釘付けだと思うし、誰だろう?ってyoutubeを検索してくれるかもしれないんですけど。

 

確かにずっと同じアレンジやっててもね。研究は演奏家なら続けていく宿命なのかもしれないですね。

 

 

ござさんとピアノ

そう、ござさんの演奏は毎回違う。ちょっと違うんじゃなくて、

「あ~あのアレンジ良かったよねー!!今まで聴いた中で一番感動したよ!なんでって(以下略)」

って自分の中でお気に入りランキングに登録するレベルで好きな演奏ばかりのはずなのに、次に同じ曲とか同じジャンルの曲聞いてもほぼ100%の確率で、

「前のもよかったんだけどさー、やっぱ今回のがダントツ大好き~~ほんとやばい」

っていう現象が起きてるくらいには、毎回違う。

 

ござさんは介護職やめられてからというもの、多くの人と音楽で関わりながらさまざまなものを吸収され、すべてご自身の糧とされてきた。切磋琢磨して競うというより、演奏家同士いい意味で影響を与え合ってこられたというか。

それは毎週の生配信においても、ファンから投げられるリクエストをもとに様々なジャンルの演奏を経験することで、いつもご自身のアレンジの研究というかその場で実験というか、未知の分野を開拓されている気がする。それはふつう裏で準備してからなのだろうけどござさんはその場で即興で常に新しいことに挑戦してそうな気がする(素人考え)。

 

年月を経るごとに味わいを増していくであろうござさんの音。

ゆっくり流れていく時間軸の中、ファンとして、その変容していく様をまさに体感できること。

それは数字を追って生き急ぐのではなく、ゆっくりと音の熟成を待っているかのようだ。

 

このお誕生日配信でいえば。細かく言うとどの曲もジャンルはともかくよく演奏する曲を避けてリクを拾う(という器用な事ができる記憶力に感服する)という工夫をされているが、しかしジャンルはよく弾いてくれるものが多い。髭ダン、ゲーム音楽(ポケモン)、B'zは珍しいとして、洋楽とアニソンとか、よく聞くジャンルである。洋楽はいつも避けられていたのか、実は得意だったようで初めて聞く曲も多かったが。あとポケモンも。

 

こうやってファンの投げてくれる珍しい曲を選びながら、毎回ギリギリに攻めたアレンジ?で自分たちファンはその実験に立ち会っているということなのかもしれない。

 

実際の配信での演奏ですか?

上記の通りです。おんなじ分野のメドレーや1曲フル演奏のアーカイブは過去にもありますが、今回の配信でも自分はいちいちアレンジが新しいとか言ってそのピアノにくぎ付けです。どの演奏も耳に新しい。アニソンなんてしょっちゅうやってるはずなのに?

ただし洋楽だけは今までジャンルが広すぎてリクエストを拾うのを躊躇されていたらしい。おかげで幅広い洋楽というか聞いたこと無い演奏も多く聴けた。

 

圧巻なのは最後のノーストップメドレー。ほんとに約1時間やっていた。

拾いきれなかったリクエスト、今回やってないジャンル、もうちょっと掘り下げたいかもしれない曲。さまざまな音、色々なリクエストが飛び交うカオスな空間となっていた。

 

 

去年のソロアルバム発売時の記事なので古いけど、再掲。

 

この記事によれば。

聴いてくれる人がいる、

そしてござさんの演奏で喜んでくれる人がいる、

それがござさんをしてピアノを、音楽を追求せしめる原動力になってるんですね。

 

 

どうでもいいおまけコーナー(読まなくていい)

 

例として挙げる動画その1:

 

 

 

例として挙げる動画その2:

 

 

補足するとすれば。

生配信や動画で致命的にpopsとかの話題の新曲をあまり弾いてないこと(新時代は別です)。

 

弾いてたとしても「これはやらなきゃ」と思って意図的にやってると思う。

ウチの高2男子に言わせればですけどござさんの配信で流れてる曲は全然知らないか、知ってても化石の域を出ません。米津玄師とか髭ダンあたりのメジャーなのは知ってましたがしかし「いつの曲弾いてんの」とのことでした。

 

また、マスクとってくれないし配信でも顔もほぼ見えないこと。

 

動画の概要欄にもツイートにもタグをほぼつけてないこと。

英語表記もしていない。クラシックや洋楽など、英語さえつければもっと海外の人に聴いてもらえるのに。

 

このあたりでしょうか、その辺をちょっと変えれば、チャンネル登録者数だの動画再生数だのは、ちょっと人目につくところに出ればというか売り方をちょっと変えるだけで、ござさんのピアノは聞けばすぐ分かる特徴的な音ですから、そういう数字は簡単にすぐ稼げると思います。

 

 

それでですね、ござさんはそういった数字稼ぐ目的の諸々は一切しない方針のようです。

横から見て非常にやきもきして胃が痛いのですが、しかしここで一時的に数字稼いだからといって何になるんだと思って自分は愚痴をTwitterに書くのは思いとどまりました。

 

ござさんの演奏の特徴からいって、一時的に瞬間最大風速みたいに観測される数字っていうのはあまり意味をなさないと思う。

まあ鑑賞にあたって昭和曲にくわしくなる必要もありませんが、しかしじっくりとそのアレンジを、別に音楽の専門家じゃなくても聴けば分かると思うんで、しみじみ味わう系の人が向いてるのだろうかとは思います。

 

 

別に、勘違いしないでください。

自分はござさんの音楽は、数字を稼ぐ方向に行くと破滅すると思ってる。

じっくり寄り道していただき、今からの長い音楽人生のなかでゆっくりと世界観をひろげて育てていただきたいと思う。

 

どう生きるべきか、音楽とはどういうものなのか、それは相互に作用する終わりのない命題だと思うので。

表面だけ耳触りの良い音楽、それだけじゃないところがあると本能的に思ったから自分はござさんの演奏を聴いてるんです。

 

 

 

 

 

 

*1:インド洋、アラビア海で今でも(エンジンを積んで)使われている木造の帆船。釘を使わない。季節風、通称ヒッパロスの風によって、紀元前よりアラビア半島からインド間航路を行き来していた貿易船