ござさんの魅力を語る部屋

ピアニストござさんについて、熱く語ります

休息する時間ーー生配信についての包括的な考察− 2023年5月の現状②生配信

 

目次:クリックで各項目へ飛べます

 

 

 

この記事は今のところ、時系列に起こった順に書いている。

従って今回の記事は、主に4/22の生配信の感想である。

 

 

 

ござさんからはこの配信とそれに先立つツイートで、告知があった。

 

これについては別記事をあとで書く。

(とりあえず自分が思っていた予想)

 

 

リラックスできる場所

【リラックスの同義語ーーくつろぐ、ゆったり過ごす、肩の力を抜く、落ち着いてのんびりする、なごむ、緩む。】

歴史をさかのぼれば、2ちゃんのセッションとかニコニコ生放送、それからYoutube配信と、プラットフォームを渡り歩きながらもかれこれ13年間?いやもっと?ござさんはピアノ放送をずっと続けられてきた。

それは、生配信がいちばん自然体でいられる所だから、ござさんにとって生配信とはホームグラウンド、帰ってくるべき自分の庭だからだろう。

いわば、生配信自体がござさんの目的とも言えると思う。

 

この告知により、配信や動画撮影と並行してずっと本を執筆されていたことがこの配信でも語られていたが、その作業はござさんにとっては仕事であり、集中するためにはホテルに缶詰めになって一晩中書いていたこともあるらしい。ござさんは文字を書くことも好きだと思うしツイートの文面にもこだわりが感じられるけど、しかしこの分量を書くのは慣れない作業だったには違いない。

一日5000字が限度らしい。

そういう本の執筆以外の、コンサートに向けてのセッション楽譜作成とかリハ、投稿動画の編集、あとソロアルバムリリース前のレコーディングもそうだと思うけど、ござさんにとってはそれらも仕事だ。そりゃそうやろ。というわけで前回の4/15にも「部屋の後ろにはまだまだ紙が広がってて」という状態で今回の4/22も「まだペンタブ使っての校正途中です」と、まだまだ多忙の真っ只中のようだった。(このハードスケジュールはコンサートの前後とかでも練習が追い込みだったりして同様な状況だったと思うが、)しかし今回も定期の生配信でピアノを弾いている。

やっぱござさんには生配信はリラックスの場にして仕事の合間の息抜きなのだ。しかも運動にもなって素晴らしい…

いわばライフライン、なくてはならないもの。誰しも家に帰ってくつろぐ事で体も心も休まり、明日への活力が生まれるのだ。様々な仕事に忙殺される日々を送りながらも、癒しを与えてくれて前向きな気持ちにしてくれる存在、それがござさんにとっては生配信。

 

キメ譜もなくテーマもプログラムもなく、その場でリクエストをチャット欄から拾って弾けばいいだけの縛りがない空間、選曲もアレンジも好きにしていい場所。

京都の平安神宮もだいたいこれと似たような設定だったが、あの時も振り返り配信で「楽しすぎて、時間制限なければ夜6時半ごろの開演から日付変わるまでやってたかも」と言われてたし、家での生配信もできればエンドレスにやっていたいのだろう(無理だけど)。

ござさんは第一言語が音楽だから、時々ネイティブ言語で喋らないと息が詰まるのか?

なんのこっちゃ。

Youtubeでは次々とチャットにお題が投げられ、ござさんのの流暢な語り口にファンがみんなで耳を傾ける配信。華麗な鍵盤捌きに目をみはりながら。

(いや?ペンギンかぶる前とかの視聴者数がまだ少なかったころはスパチャもチャットもゆるやかで、ござさんは日本語で本格的に音楽談義を語ってた配信もある。その話題も興味深いが……おっとこの件についてはまた別の機会に)

 

 

表裏一体

ショーウインドウ///Youtube配信

Youtube配信は国際見本市に並ぶ最先端かつ未来のモデルを提案するショーブース。

誰もが注目するきらびやかな世界。しかし注目を集めるだけに観客の目はシビア。

 

ござさんの配信は13年間以上続けられてきたにも関わらず、レパートリーが果てしなく多いので聴いていていつも新鮮な感覚を味わえる。そして空恐ろしいことに、たいていの曲は聴くたびに微妙にアレンジが違う。おそらく前弾いた時のアレンジなんか覚えておられないだろうから、なんとなく思いついて毎回違う風な内容になっているのだと思うが。それだけ潜在的な引出しを無数に持っているという意味だろう。

通常、業界の最先端にいるクリエイターが新しいものを生み出すまでには、それなりの複雑な行程があるものだ。

しかしござさんの配信は、膨大な曲を、しかも即興で、見事に違う表情をつけて仕立て上げてくる。生配信の流れの中でチャットから偶然拾った楽曲を、自分の語り口のルート上に絶妙に配置し、説得力のある展開にするその手腕にはただただ脱帽するほかはない。

聞く人全てをうならせる、全ての人の心に感銘を与える稀代のストーリーテラー

原曲の展開を尊重されているときもあるが、複雑に生き物のように展開が絡み合う配信の中でその楽曲が位置づけられる意味は、配信ごとにまた違った見方をすることができるのだ。

 

オープニングに位置づけられる曲は、幕開けに相応しく心地よい響きで奏でられる。

4/22の配信で言えばクラシック曲も何度もメドレーでやってくれているジャンル。しかしベートーベンと言われてこれだけ出てくる引き出し(クラシック専門じゃないのに)、それに滅多にリクエストに出てこない曲も交えながら、メドレーに起承転結をきっちりつけてくるところ。そしてその中にシレっと第九の四楽章を冒頭からの短縮版で混ぜてくるところ。どこを切り取っても特筆もの。

このクラシック曲と、カーペンターズメドレーがご自身でも言われていた通り癒し枠のようだ。

 

 

ただメドレーで弾いてくれると、より多くのリクエストに応えられる反面、じっくりとアレンジを聴くことができないので、時々は1曲そのままの丁寧な演奏も聴いてみたい。思いもかけない展開とかアドリブとかをじっくり聴けるかもしれないから。特にこれらの国も時代も超えた名曲たちは、なおさら、ひとつひとつを足を止めてじっと聴いていたくなるものだ。

 

次のゲーム音楽メドレーはただ楽しそうなござさんをみんなでそっと見守る枠です。20分以上あったかもしれませんが気のせいです。なんなら生配信全部をゲーム音楽でもぜんぜんイケると思いますが、慣例上やらないだけの話です。たぶん。

みんなお馴染み有名曲に混じっておそらくニコニコ動画時代から弾いてたであろう曲もありましたし、首がピコピコ動き出してヘドバン気味になってくるとスイッチ入って止まらなくなるようなので、そっとしときましょう……

強いて言うなら?

東方の曲ももうちょい弾いてくれると、喜ぶ人たちはいるのでは…?いやウチはゲームの事は何も知らない通りすがりなんで、別に……

 

配信のメインコーナー(そうだったんか)のノンストップメドレー

こここそ、それぞれの曲のファンは、聴きどころだ。スパチャリクがあったころ、段々配信時間が長引いて4~5時間を超えていたころ、最後のノンストップメドレーは駆け足で10分くらいで過ぎていくといった感じだったけど、1曲が10秒とかもざらだったけど、最近は(=家配信になって時間制限なくなってからは)1曲にじっくり手間と時間をかけて丁寧に弾いてくれるようになったからだ。それであの曲数こなしてるからこのコーナーに今回は1時間くらいかかってて、ござさんお疲れ様です。

そこから生まれる名アレンジの数々。

 

カービィ戦艦ハルバード和音の命中率が悪いのか、案の定練習が始まった。この納得いくまでずっと練習するところが好き(ひとりごと)。しかし、配信でお出しできる状態には至らなかったようで悔しそうに歯ぎしりする音まで聞こえそう、この分だと次の配信で完全版弾いてくれるのでは?と勝手に期待している。だって過去動画にはいくつか演奏が上がっているから。

※資料動画 アップライトピアノ
Piano exercises on nintendo Kirby songs - YouTube

グランドピアノ版(演奏部分の頭出し済み)
My twitter piano videos vol.3(Japanese Songs) - YouTube

この記憶が散佚したとなるとそりゃ悔しくて夜も眠れないのでは……ござさんのことだから。

・その勢いのままだからか、ハレ晴レユカイが謎の精度で原曲完コピだったので必聴です。謎のノリです。ござさんの悔しさがこの曲にそのままぶつけられているのがよくわかる。

・東方とかボカロとかの、ニコニコ生放送ゆかりの曲も毎回絶対に入れてくれる。これも上記のカービィのようなゲーム音楽と同様、ござさんは「弾いてないと忘れてしまう」分野のようだ。しかし自分はわからなくてリクエストできないので出てくる曲全部、いま原曲を聞いて覚えてるところ。お力添えできなくてすいませんけど。

新宝島は個人的にねぴらぼinvention聴き込み過ぎてあのアレンジを覚えてしまって大好きなだけです。懐かしさに一人で胸が張り裂けそうになってるだけです。

 

パリは燃えているかは、1995年のNHKスペシャル映像の世紀」のテーマ。この番組はニコニコ動画にだいたいアーカイブが残っている(小声)。

ご覧になりたい方は自由だが、あくまで視聴は個人の意思によるものだ(小声)。

自分はこの番組の6集と9集に影響されてベトナム戦争の本を読んでいるがいささかPTSDになりそうだ。しかしこれはほんの数十年前のうちにアジアで起こったことであり、自分たちはイデオロギーを超えてごく身近なこととしてとらえるべきだ。なんなら内線、戦争はそれからも途絶えることなく各国で繰り返されている愚行であるから。なのでこのテーマ音楽にも自分は思い入れがある。

このテーマ音楽、名曲には違いないのだが、番組を見ながら聴くと画素の荒いはずの映像と淡々としたナレーションが余計に冷徹な説得力を持って迫ってきて、底知れない恐ろしさに背後から襲われる。

ござさんの演奏は、イントロの旋律が番組のナレーションを抑揚までをも静かに映しとっている。左手の分散和音は穏やかながらも、徹底したリアリズムを描き出す。さらにサビの旋律が高音のオクターブで動いて、悲惨な現実を見ているものに突きつけるのだ…

なんで主題歌の演奏だけで、このドキュメンタリー番組の本質を(しかも即興で)ここまで如実に浮き彫りにすることができるんだろう?

自分が想像するに。ござさんの耳コピっていう機能は、音楽の記号を指定通りなぞるのではなく、その音楽が内包するテーマの本質を深層まで掘り下げて、本能的に感じ取ってるんじゃないかな。

そうして自分は、焦点の合わないうろんな目線をどこへともなく虚空へ投げると、小声でぽつりとつぶやく。まるで幻覚に追われて急性症状を起こした患者のように。

ござさんの才能、空恐ろしいんですよほんとうに……

そしてこのドキュメンタリーで描かれた20世紀という時代を省みることなく、人類は次の21世紀になっても何ら学習することなく同じ轍を踏んでいる。この2007年に起きた邦人ジャーナリストがミャンマーの軍事政権にデモの最中殺害された事件、撃たれた時に持っていたビデオテープが先日やっと返還されたニュースと、そのカメラに入っていた映像が公開された。我々はこのニュースから何を読み取るべきか?ベトナム戦争は終わったとされていても東南アジアでは平和は程遠く、内戦も戦争も地球上のあらゆるところで続けられている……

ミャンマーで銃撃され死亡 長井健司さんのカメラ 遺族へ返還 | NHK | ミャンマー
「市民集結の中、軍隊来た」 カメラに長井さんの姿 ミャンマー - YouTube

 

 

・I amも以前良くリクエストを毎回のように拾われていたと思う。解説動画も出ていたくらい。みんなも生配信ではこの解説動画を思い出しながら演奏を聴いてみよう!

しかし、この時代からはピアノも変わり、(たぶん音源ソフトも違って)ござさんの演奏は迫力もリズムの歯切れよさも段違い、今回はちょい短めの演奏だったが、アレンジは素人には分からんとしても、こういうのを久しぶりに聴くとあー応援してきて良かったな(´;ω;`)泣って思う。

【演奏実況】ノープラン即興演奏あるある(ピアノ)【I am(報ステ)】 - YouTube

確かに国宝。菊池さん、音楽専業でやっていくように説得してくれて本当にありがとう。

自分もその黄金の手が野に埋もれていくのを傍観するのは嫌だった。だって介護職辞める発表配信で「軌道に乗らなければ音楽活動から介護職に戻ればいいだけで、そういうことも可能なところが介護現場はイイですよねっ」って言われてたと思うんだが、「何ーーーっっ?冗談じゃない、音楽専業の道やめられてたまるもんですかそうはさせませんからねーーっ」と一人で焦っていたので。

聴いてさえもらえればこの人の活動が軌道に乗るのは分かり切ったこと(って確信してたからな)、(当時)サングラスかけて服装がダサいからってなんなんだ関係ないやろ、聴いてくれればわかるんやからまず聴いてもらうにはどうすればええんか?せや、ブログに思いのたけを綴ればええんや!(でも読まれたくないな!)←←どっちやねんwwwwって気持ちで今もこれをせっせと書いているのはあまり状況は変わらない。

 

・アタックNo.1のOP

ここが今回の配信のクライマックスという説もあるが、自分はあくまでメインの曲は別である。別だったら別だ。そんなのは個人の自由である。

この曲はアニソンメドレーとか女子アニメの曲特集とかでもよく演奏してくれる有名曲だが、自分はエースをねらえ!とキャンディキャンディ(え??)と、アニメのキャラがかぶって区別がつかない。ということでござさんはこのアニメのセリフも隈なく拾って音にしてくれたのだった。だって涙が出ちゃう。女の子だもん。(合ってる……?)

こんなことできるくらいだから、小さいころからアニメのセリフを拾ってピアノで遊んでたであろうことは、想像するに難くないのだけど。というか音楽室でみんなでピアノで遊んで、わーい面白いって盛り上がってるところが目に浮かぶ……

 

・カンパネラ風のEverything

ちょっと何言ってんのかわかんないですね。自分では説明できません。カンパネラから引き継いで、最初優雅なワルツ風で始まり、そのままカンパネラの中にEverythingの旋律が居座ったかのような?全曲だと非常に長い大曲のカンパネラだが、その後半部分にEverythingが乱入して鎮座し、豪華かつ壮大な仕様になっていた。

……さっきから何書いてるかわかんないなー(;¬∀¬)汗

とにかく正統派アレンジが多かったこのラストのメドレーで、その真っただ中にやってきたカンパネラ、きっちり弾いてくるなーと思ったらそんなわけもなくァハハ…(゚∀゚ll)。o

 

・アニソンのガチ原曲版アレンジ

恋愛サーキュレーション (化物語)
創聖のアクエリオン
・プラチナ 
ルパン三世のテーマ‘80

・J-POPの、夏色、カブトムシ

・映画音楽
・キャラバンの到着 
ニューシネマパラダイス テーマ

この辺がどれもガチすぎる。迫力があるとか大音量とかそういうんじゃなくて原曲耳コピ度がガチという意味ですごすぎる。化物語のかわいい台詞みたいな旋律、夏色の疾走感、カブトムシのちょっとJAZZふうなお洒落なアレンジ、そしてニューシネマパラダイスの感動するしかない演奏……どれも手に汗握る迫真の展開。まじで映画の演出か?って思う。

 

チャイコフスキー ピアノ協奏曲 第1番

陰のメイン曲。誰が何と言おうとメイン曲。異論は認めない。まず完成度がメイン級。このあまりにも有名かつキャッチーな冒頭部、フルオーケストラの雄大な旋律と、ピアノの豪快な和音をそのままなんとなく(?)一人でやってしまう所。普通やろうと思わない。思っててもできない。

どうやってるんだろう……ピアノのオクターブで動く和音をがっつり押さえながら、その時空いてる指(そんなのあるのか)が中音域に来たときに凄いタイミングで、弦楽器の流れていく旋律をつなげてる。要するに、3本の手奏法ってやつですか?

(※資料:「3本の手奏法」ソロピアノアレンジに3本目の手を入れる方法 - YouTube )

しかし実際にできてるのが、すごすぎない………??????  自分の目で目撃しても、いまいち何が起こってるのか現実を解析できないですねえ………

(この3本の手奏法は、伏線であった。恐ろしいことにこの伏線はその後回収されるのだ。それについては後述する)

そしてレア度的にもメイン曲。

ここまで完璧にがっつり弾いてたのはあんまりない(と思う)。グランドピアノ配信で1回くらいやってたかもしれないが。チャイコフスキーと言えば白鳥の湖とかくるみ割り人形をクラシックメドレーで弾いてくれるのが多かったので、このピアノ協奏曲はレアなのだ。しかも、最後のメドレー部分で、この内容の完成度、返す返すもすごい。仕事が丁寧にもほどがある(賛辞)。

 

 

とにかく見本市の名のとおり、4~5回の生配信を通しで概観すると、ござさんの生配信はあらゆるジャンルを網羅してて、どなたにも心に響くものがあるであろう構成になっている。

 

 

生配信の目的とは?

曲そのものの維持のためか?

それともいろんなアレンジの引き出しをキープするために実験する場か。

たぶん両方の意味を持っているのだろう。

一見逆の目的に見えるけどそれぞれの目的がお互いを補完し合っているのでは?

 

多様な引き出しを持っているから何にでも対応できるし、ファンは絶対に退屈しない。

ベースにあらゆるレパートリーがあるから配信の選曲も幅が広がる。

 

ござさんのアレンジが常に生きたものとして精彩を放っているのは生配信を続けているからであり、このアップデートが過去のものになった時点で、ござさんの即興演奏は文字通り命を絶たれると言っていい。

そういう意味で、ござさんが遠くへ度々旅行するのを躊躇するのは分からないではない。ピアノから離れたくないのは、まあ分かる。

え……???

大丈夫ですよ、今は折り畳み電子ピアノとかあるでしょ?音色変えなくてもアレンジで自在に音を操るござさんなら、複雑な機能とかなくても大丈夫、弾ければいいんですよ、それ持っていけば旅行も長期間オッケーじゃないですか?旅先の景色や体験から得る印象って、演奏にみずみずしい影響を与えると思うんですけど…?

……ダメだ今年はコンサートのスケジュールが詰まってるんだった。あれ?じゃあコンサートに出かけた先で旅行とかいかがですか??フジロックは苗場だし、新潟県とか北陸もいいと思うんですけど……?

 

 

国際見本市で配られるサンプル

この配信でいうところのサザンオールスターズと見せかけたJAZZメドレーが、それに該当するだろう。Youtube配信だからと一般的正統派アレンジでまとめられた中に、それとなくお茶目に混ぜ込まれてくる謎ジャンル。しかしアレンジの完成度で言えば、こういう斜め方向に走ってるほうが群を抜いて研ぎ澄まされてて、素晴らしいのだ。

ござさんの生配信を聴く醍醐味。本当の意味でいうメインコンテンツはこっちだろう。

しかしYoutubeは比較的初見さんも多いと思われ、そのためかこういったアレンジ曲の比率はあくまで配信全体でいうと1割程度、あくまで一隅を占めるにすぎない。配信のメインはあくまで一般的な範疇を出ないアレンジが主たるもの、という看板を下げるつもりはないらしい。

 

そんななくてはならない存在である生配信だが、生配信自体が別の効果も生んでいる。

生配信によって得られるもの、それはいつも弾くパターンの持ち札を維持するための変形とか応用とか展開とかメンテナンス。

Youtubeでは定番にして各ジャンルの有名曲を弾いてくれるが、同時に実験的要素をしっかり入れてきたりする。

そういう意味ではござさんの配信はJAZZに近いのかもしれない。

クラシックは伝統文化として楽譜と奏法が代々受け継がれてきた。

それとは違いJAZZのアドリブは、コード進行以外はセッション現場で育てられてきたし、名演と言われる録音も聴きどころは名奏者のアドリブソロだ。ござさんの即興もその場限りのもので、思い出せないから同じ演奏はできないらしい。つまり厳密に言うとアレンジはJAZZ特有の和音の選び方やコード進行とは路線が違うのかもしれないが、手法がJAZZなのでは?

主題ーアドリブー主題ーさらに展開ー………主題に戻るとかいう構成が、JAZZ。

あんまり言ってるとガチのJAZZ畑の人からツッコミ入るといけないのでここまで。厳密には全然違う、と言われるのはわかる。しかしござさんの演奏をJAZZにかっちりあてはめようとするのは、かっちりクラシックの範疇にはめ込もうとするのと同じくらい無理があると思う。ござさんはござさんんなりに、自由にアレンジしててほしい。JAZZ以外にも無数の世界をその掌中に内包しているのだから、はてしなく境界を越えて自由にやっててほしい。

ジャンルの境界がないと何でもやり放題とも取れるが、ござさんはどの音楽に対しても同じ目線で接し、極めようとしている。それは決して簡単な道ではない。

 

 

見本市のブースを散策していると帽子を目深にかぶった一見不審者と思われるようなスタイルの人が、何やら配っている。その一見奇抜なグッズ、劇薬かもしれない怪しい効能を記載した外見はカラフルな錠剤。それを受け取るかどうかは、見学している人の裁量に委ねられている。

しかし断言しよう、その怪しげな人は不審者じゃないし、配られているのは一度足を突っ込んだら出てこられない世界へいざなう不思議な効用を持つ物質かもしれないが、決して健康を損なうことはなく、それどころかこの偶然配られた物質こそが、滅多に出会う事のできないレアアイテムだったのだ………

 

 

 

整備ピット////突発ランダムレパートリー練習キャス 

こんな時間に突発ランダムレパートリー練習無言配信1 / ござキャス - ござ 🎹 (@gprza) - TwitCasting

こんな時間に突発ランダムレパートリー練習無言配信2 / ござキャス - ござ 🎹 (@gprza) - TwitCasting

Youtubeが正規のショーウインドウとするなら。

メンテナンスを引き受ける整備ピットが、ツイキャス練習配信といえるだろう。

つまり、どっちもなくてはならない存在という意味だ。

ツイキャス練習配信は4/19の録画は非公開のままだったが(あの時は出てきたお題に対し?)途中で練習されてたんだっけ?自分も詳しくは忘れた。その次の回の4/25の分は公開されているので、それについて考える。

 

メンテナンス

Youtube生配信が、公的サービスかつ私的リラックス放送だとすると。突発ランダムレパートリー練習ツイキャス放送は、さしずめ棚卸といえばいいだろうか。少なくともござさんにとっては。

ござさんの2000曲を超えるアレンジのレパートリー。正確にはもうどれくらいあるのは正確な数はわからないがそこから減っていないことだけは確かだ。そこで、この世界共通の文化遺産ともいうべきレパートリーを維持していく方針について、謎の秘密結社、建物の表の看板には(株)G興業 と掲げられている組織で、方針が練られたのではないだろうか。(まず公的放送としてYoutube配信を毎週定期的にやってることを前提に)

以下の議事録は単なる自分の想像だけど事実は当たらずとも遠からずだろう。

ツイキャスなら視聴者層が通りすがりの人はいなくなり、Twitterとかツイキャスチャンネル通知ONにしてる人しか来ないから、レアな曲ばっかでもOK

・事前告知せずに突発配信にしてしまえば、さらに同接数が減ってレアな曲にもツッコミがないだろう

・無言練習てことにすればさらにこの練習キャス自体にツッコミもないだろう

・(Excelデータベースからランダムでピックアップする技術を開発できたことで)パソコンがランダムに曲を選んでるから、ファンのリクエストでもなくござさんが選んでるのでもないから誰も選曲にツッコミはできないだろう

・ござさんもYoutubeの滝コメチャット欄からジャンルを公平にリクを拾うという、視力を酷使し、しかも気苦労の多い重労働から解放されるから良かったと思う

・今まで配信の演奏曲はファンからのリクエストという、ファン各個人の好みと記憶に基づくはなはだ偏向極まりない方法に拠っていたから、事実パソコンが選曲してるとそういう一切の感情によるフィルターが撤去されて純粋にレパートリー在庫を掘り起こせる

・ファンの好み以前に、ござさんの配信チャットという秒を争うタイミングでのリクエストにおいて、ニコニコ動画時代からのレパートリーを的確にまんべんなくリクエストするというのは、いくら各分野に明るい有識者ファンでも無理があるのである意味パソコンが曲を拾うのは理にかなっている

 

この練習キャスは、アレンジを加えずに原曲通りのパターンで在庫チェックするのが目的らしい。そしてそこには思いがけない効果があったようだ。

 

以前にもこのキャス練習をやる意味と効果はまとめた気もする?けど、それなら再掲ってことでいいでしょう。

実際に、youtube配信の演奏への影響は直接曲目へは顕れてなくても、潜在的なござさんの記憶容量が広がったことによるのか、youtubeで演奏される曲目に幅が出てきたような気がする。たぶん。あくまで聴いてて感覚的にというか野生の勘だけど。

かけがえのない文化遺産であるござさんのレパートリーの行く末を案じている身としては、どうやらもっとも最適な方法でメンテナンスに成功しているらしいことを実感できて安堵するのだ。

 

あ、もう一つあった、ファンにとってのキャス練習の効能。

Youtube配信が各種事情で間が空いてもこの練習配信が入ることで別方向に楽しめて、ファンは退屈しない。このキャスが楽しみというくらいにござさんのレパートリーを知り尽くしたかなりマニアックなファン層に限るけど。

世の中にはインスタライブとか色々、Youtube配信ほどには準備が要らない手軽な配信はあるらしいがそういうのはアーカイブが残らない(らしい)、いや残すこともできるのか、よく知らないけど。その点、ござさんは原則ツイキャスアーカイブは録画公開してくれるから、ファンは自分のペースでござさんの妙技をいつでもそばに置いて楽しめるというわけだ。コンサートが配信なくなって寂しいという説もあるが、ござさんは逐一現在での演奏をこうやってアップデートしてくれるから、ファンとしては置いてかれた感がなくなって寂しさは薄らいでいく。

 

 

謎技能ーストリングス

上でキャス練習の目的のひとつに、原曲通りに練習することで正確にレパートリーを把握できると書いた。今回の放送で言えば滝廉太郎の花とかパッヘルベルのカノン、その他基本的にアニソンからクラシックまで原曲通りの完コピ演奏が多かった。微笑みの爆弾の、台詞みたいな合いの手まで再現するとこも原曲通り。どの曲も原曲を凌駕するかのようなキレキレのリズムと、ゴーストノートが効いた立体的な音の設計。

 

ござさんの記憶の欠けたデータを修復し、更にハイスペックにして送り出すのが役目のツイキャス配信……のはず。

アニソンもいちいち全部Youtubeでは聴いた事ないしリクエストも見たこと無いようなレア曲ぞろい。遥か昔の時代の、どういうタイミングで知って覚えてるのかも謎なら、なんで何年も演奏履歴が空いてて弾けるのかも謎なアニソンやボカロの数々。J-POPもクラシックも軒並み全部がレア。たまーに有名曲が来て「あーそれ知ってる」と一人でつぶやいてしまうくらい、全部が自分にとっては勉強だった。原曲にいちいち飛んで復習したいが全く追いつかない。

 

しかし今回の練習キャスは、そんな原曲に忠実なメンテナンスから逸脱していた。なんでだろう。まじめに復習するというキャッチフレーズから、ちょっとお茶目にやってみたいというござさんのアレンジ魂がちょっと顔を覗かせてしまったのだろうか。というわけで、今回のキャスはストリングスの音色が随所に生かされていた。

(例外はピタゴラスイッチとTake5。そこだけは弦楽器セクションでもピチカート奏法の音だったんじゃないの?と思う。ハープでも琴でもない、ピチカート。ただ、ピチカートは現実には単音しか出せない(?)のに鍵盤でやってると無限に指の数だけ和音で響きをつくることが出来るのが、実際の楽器演奏とは違って面白いところ。これだけの数のピチカート聴こうと思ったら10人?20人?何人必要やらわからない。)

 

合間に元気なアニソンとかPOPS、ケルト系音楽とか様々な曲を挟みつつ、絶妙なアレンジでストリングスの音色が入ってくる。ずっとではなく部分的に、ピアノの音色も時々変えたりして(?)色々楽しんでいるようだ。コード進行とかは原曲通りでも?表現ひとつでこんなに音楽は変わるんだよって言われてるみたい。

そう、ストリングスは部分的なのだ。両手の押さえてる鍵盤からは確かにピアノ、しかしストリングスの音も聞こえ…………ちょっと待った。それはもはや部分的ですらなく、どっからその弦楽器の音は出てるんだ。どゆこと?間で録音して重複させていく一人合奏じゃあるまいし(過去にそういう放送あったけど)。関わってる曲数が多すぎて煩雑になるので個別に曲名は挙げませんけど、しかし仕組みがわからない。弦楽器の音を一定の長さで伸ばせる機能でもあるのだろうか。いかにも弦楽器が弓捌きを長いスパンで弾くような音の設定が。

 

というわけで、在庫確認と共にシンセ機能の活用という名目もツイキャスには加わったようだ。そんなのYoutubeでやったらいいじゃんという声が聞こえてきそうだが、告知されていた通り、最近というかずっと、本の執筆で多忙だったりしてそういうゆったりとyoutube配信を企画・放送してる余裕はなかったのかも、それでキャスでちょこっとやってみたのかもしれない。

このシンセを購入して2、3日のうちにはマニュアルを読み込んで既にその機能でこうやって遊んでらしたようだが。もう心底楽しそう。

キャスを見てるとこの買った当時よりもずっと操作が板についてきてて、より手足のように使い倒されてるんだなと思って自分は安心した。ここまで使い込んでくれたらこのピアノも幸せ、本望というものだ。

 

今回、音色変更はさらにゲームボーイ風のピコピコ音でカービィも演奏されていた。ほんと楽しそうですねえ!(←←カービィはやったことない単なる通りすがりのおばさんだが時代的にゲームボーイ現役世代だったから懐かしがっている)

 

3本の手奏法とアスリート奏法

アスリートは、いつものことだからここでは省きますけど。気になる方は(どれとは言いませんけど)ござさんが映ってるyoutube動画を片っ端から探して、ピタピタのTシャツでストピ弾いてる動画(ござさんの投稿とは言ってない)でもご覧いただいて、その背筋のすごさでもご確認いただければと存じます。特にここにリンクは貼りませんけど。

ピアノは背中で弾くとはよく言ったものです。

運動量的にござさんのペースで配信やってたら立派に長時間有酸素運動、つまりジョギング?いやマラソンみたいなもので、あなどりがたしピアノ配信。

 

ありゃ、話題が逸れた。ここでは3本の手奏法の伏線回収をしたい。記事の上のほうで、4/22配信のメドレーにチャイコフスキーピアノ協奏曲1番があってその奏法が人間業じゃない云々と書いたが、その奏法を使ってる曲がこのキャスにも出てきたので書いておく。

星条旗は永遠なれもいわゆる3本の手奏法の曲だ。つまり2本の手で演奏しながら、合間のタイミングで中音域とか対旋律とかをできる限り拾うっていう仕組み。(ちょっと違うかもしれない)正確に言うとキャス後半の31:45頃から。最後の旋律と対旋律、リズムパートが大編成で一斉にやってる上をピッコロが高音で有名なソロパートをやってるとこの、ピッコロパートを根性でねじ込んでいる……無理でしょ。でも諦めるという単語はござさんの辞書には無いらしい。恐るべし。どっから湧いて出たんだそのピッコロの旋律は。っていう謎の動き。

無理っていえば、こういう管弦楽系とかの曲の多重パートを全部拾うために右手の旋律は常に2音か3音の重音で時々16分音符とかで動いてたりして、その動きはショパンエチュード25-6みたいな超絶技巧じゃないかい?って自分は青ざめながら一人でツッコミを入れている。

あ、和音欲しいからそこは華やかな響きで……(うんうん)、えー、そっから平行移動で全部の指で動くんかーい!いやー!ひえーー!しかも和音は変わってて平行でもないから余計ややこしいやん!というツッコミを。その変わっていく和音の仕組みはどうなってるのかは素人は知らない。

今回のキャスがカメラが上からの視点で、こういう真横からだと分かりづらい、しかし人間離れしてるござさんの職人技が垣間見れて非常に楽しい(ストーカーではない)。

ござさんはそんなのアピールしてないが、それにピアノ有識者の方からは一家言あるかもしれないが、いやいや即興アレンジにこういう動きをシレっと入れてくるあたりが十分人間じゃないので(←←賞賛)。

 

 

練習キャスはレア曲ばかりで自分はさっぱり分からない曲が多いので今原曲で復習してるところ、細かいコメントは差し控える。

J-POPはだいたい分かるんですけど。アニソンが壊滅的に分からない。なんでそんなに詳しいんだ、というかなんでそんなに弾けるんだござさん。きっと一回テレビで見たら覚えちゃうんですね、やっぱり人間じゃないじゃん(ほめてる)。レパートリー表でアニソンの在庫は確か400以上……?ゲーム音楽も300くらい……?

すごすぎない?

ござさんのレパートリーは人類の文化遺産なので。なんかこう音楽全てに対して姿勢が同じ視点から見てるので。先入観とか忖度とか打算とかいう雑念を感じない。

ただござさんが音楽的にいいな、と共感を覚えたものを宝物のように拾い集めてコレクションした感じですかね、浜辺で見つけた綺麗な貝殻的なノリで。

そういう意味で、みんなで共有すべき文化遺産です(繰り返し)。

 

 

 

ちなみにどうでもいいオマケを書くと、今回着てたシャツは、このときの服かなーと思ったりする。ひさしぶりですねっ(ほんとどうでもいい情報)

 

このシリーズ動画はほかに2つあって、今回のキャス同様(ちょい違う?)ベースとか駆使して一人セッションみたいになっててかっこいい。ちょい長めだからBGMとか作業にぴったりかもしれない。

と、こっそり宣伝しておく。