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告知スタイル
この記事は11/16の告知配信の事を書く。
11/9のYoutube配信でさりげなく告知の告知があり、またツイートで丁寧にお知らせもしてくださった。
【グランドピアノ】告知配信 2024/11/16 https://t.co/Qys85XJRPU 先日の配信で話しましたが、土曜日はグランドピアノで告知配信します!
— ござ🎹 (@gprza) 2024年11月13日
そして配信のサムネ画像はござさんのイメージカラー畳色に気合の入ったフォント。
告知配信でグランドピアノって久しぶりですよね?
最近のイベントはこんな感じでTwitterで知ることが多かったし。
菊池さんとの二台ピアノコンサートとか。
ちょっと告知が遅れましたが、菊池さんと9月10月にライブします!
— ござ🎹 (@gprza) 2024年6月30日
【岡山】9月14日(土)
会場:岡山芸術創造劇場ハレノワ 中劇場
一般発売:2024年6月15日(土) 10:00〜
【大阪】10月4日(金)
会場:住友生命いずみホール
イープラス先行:本日まで
一般販売: 7月6日〜
詳細はhttps://t.co/im52vtHqiq
ネピゲーとか。
なんと、11月にゲーム曲を弾くピアノコンサートへ出演させていただくことになりました…!これはテンション上がる…! https://t.co/xIXwLO3n3G
— ござ🎹 (@gprza) 2024年8月31日
ということは消去法で今回の告知は少なくともソロライブか、ソロアルバムか楽譜集の発売とかに自然と絞られてくる。
ソロライブは年明けとか、ござの日にしては早い時期だなとは思ったけど。
そしてわざわざグランドピアノで告知するとなると、マスク外して顔出し配信とか、プライベートの何かの発表とかいう可能性は無いに等しくなった。
マスク外して顔出しも期待しないではなかったけど、そんなことあるわけないし。
顔出しの歴史
ここで横道に逸れる。
ござさんといえばニコニコ時代の当初は名前すらなく自動でついた記号_(アンダーバー)をリスナーが親しみを込めてあんだば先生と呼び習わしてきた。また、ニコニコ生放送から投稿動画、Youtube配信まで長年、画面上も手と鍵盤だけで、リスナー間ではどうやら「手だけの人」といううわさがまことしやかに囁かれてきた節がある。
そこで突如ござさんが始められたのがペンギンマスク姿の放送だった。
(余談だが、この2020/1/3のメンバー制限がかからず公開されてる生配信が曲もアレンジも珠玉のセレクトで素晴らしい。ファンの方々にはおなじみでしょうけど。)
というわけで、ござさんが2019年10月から「顔出し配信」と銘打って始められたのがペンギンマスク姿だったので、ござさんの素顔はペンギンということで終止符を打ったらいいではないか。
ペンギンマスクをやめられたのはその後年が明けてから、徐々に暑くなってきたからであって、その後もインタビューとか何かメディアに登場されるときはペンギンマスクだったし。やむをえず帽子とサングラスに変えただけでござさんはずっとペンギンマスクが良かったのかもしれないし。
真意はわからないけどそういう可能性も残っている。というか普通にあり得る。
ござさんはピアノ以外のことを語らないので自分らリスナーが試されている気がしてきた。ピアノ以外の事を詮索するのはプライベートエリアに踏み込んでいるのだと牽制されているような。
配信
印象としてはござさんはこれで5~6回目の告知配信?もっと多いかもしれないが、慣れてこられたのかトークも演奏も配信の構成として落ち着いて進められていたように感じた。
どんだけ落ち着いてこられたかというと。
2022年の初めてのソロコンサートとソロアルバムリリースに向けての告知配信のときのようすを、当時の時系列で以前まとめたものがあるので参考資料に置いておく。
今回ござさんは落ち着いて冷静に語っておられたので自分も当時のように右往左往せずに、事実を客観的に書くに留めたい。
当時ソロコンサートが初めて決まったとき自分はゴールの見えない道のスタート地点として写真を貼った。つまり自分はあまりにも当時舞い上がってて現在地がはっきり見定められていなかったともいう。
途中に目印も道標もなくてゴールも見えない。スタート地点もどこだったのかはっきり分からない。っていうフワフワした観点だったと思う。少なくとも当時の自分は。
でもござさんはそれからいくつかのソロの舞台と様々なコラボのコンサートを経て、今回の告知においても、はっきりとご自身の現在地点をご存じなのだという気がした。
編曲や雑誌の連載など、関わる仕事が多角的に変化してきたがそこで活動するござさんとは別のござさんが居て、それらの最前線からはっきりと見てわかる形で距離を置き、だいぶ別の角度から俯瞰して趨勢の変化を客観的に眺めているように見える。
配信の構成もリクエストを拾うという形を標榜しながらも、ござさんはきっちりと形式を整えられていた。
配信におけるウェルカムドリンク、いわば雰囲気づくりにいつも弾いてくださる冒頭の曲も今回ははずさずにバラードのWe are All AloneとJAZZスタンダードの枯葉という王道で、三々五々に集ってくるファンを優雅にかつお洒落な空間で出迎えてくれる。
いつもならござさんは遊び心を忘れないからここで絶妙にアニソンとかボカロとか用意されてて、かつアレンジをバラード調とかに変換してくるんだが、そんなお茶目な素振りは微塵も感じられないように見えた。
しかし。
重大な告知そっちのけにしてピアノ弾きたい欲をいまいち隠し切れていないござさん。
「せっかくグランドピアノ配信なのでもうちょっと弾いて告知という形にしましょう、いつもどおりのスタイルでリクエストどうぞ、何か弾いてほしい曲ありませんか」
と、冷静に落ち着いているようでいて、トークが始まるとやっぱりピアノ触るの楽しくてしょうがないという気持ちが全面に滲み出ている。
(グランドピアノ前にして先に告知ってあり得ないよね?)と言うかのように、テーマ決めもそこそこに、もうござさんの手は鍵盤をなぞっていた。
ござさんの代表的レパートリーが絶妙に配置されつつグランドピアノの豪華な響きが映えるジャズバラード風なワルツメドレー、冒頭のメドレーってイントロのウエルカムドリンクに続いて、ござさんが考えるところの配信へのエントランスな感じがする。
イージーリスニング風アレンジていうか、リラックスした雰囲気で配信ルームへいざなってくれるというか。
自分の中ではトークに続く配信冒頭のメドレーはまだ配信のメインエリアじゃなくて前菜その2。アレンジがゆったりで耳に優しいから。
ござさんとクラシック
そしてもうひとつはクラシックの豪華で壮大なアレンジ。
ござさんのレパートリーは音楽ジャンル、国境、時代、そういうので分類された先入観を外してくるのだが、こういう曲ですらないところから動画で上げてきて、そのたびに凝り固まった概念で音楽を考える自分は後頭部を殴られるような衝撃というか、斜め後ろから撃たれたような気分というか(物騒だなあ)、いつもハッとさせられる。
プレイステーション(初代)の起動音を鍵盤(シンセサイザー)で弾いてみようと思ったけど、途中の包丁研いでるみたいなアレは再現できませんでした pic.twitter.com/XFxrStO50p
— ござ🎹 (@gprza) 2023年6月15日
またボカロの難解な曲を耳コピされて曰く「写経のようなもの」とのたまわれている。
できた(長かったので前半ちょっと割愛)。所々予測していた和音とは違った響きがあり、趣がありました。耳コピはどういうものかというと写経のようなものです。 pic.twitter.com/MaAHOkEpeI
— ござ🎹 (@gprza) 2023年6月5日
要するにござさんのレパートリーに特徴的なのは
「好きだから聴いてたら耳コピして覚えてた」
という点だ。
そこでござさんが演奏されるクラシックはどちらかというとベートーベンとかモーツアルト、バッハとかハイドンとかいういわゆる王道、世間で考えるクラシック曲が多い気がする。普通クラシック曲ってピアノ教室の教本に載っていた曲が入り口というか、そこから興味のある曲練習したり、音高・音大で習ったりしますよね。師匠について研究しながらだったり。
ござさんとクラシックの出会いは、ときどき配信のトークで語られてた気がしますが、
「図書館に行ったら(期間限定・枚数制限で)CD借り放題なのを知って以来、小学生のころはひたすら図書館でクラシックのCDを借りて聴いた」
とか言われてて、それが出会いなのはわかる。
そこから
「家にも親の持ってたクラシックCDたくさんあって、ベートーベンのソナタとか?それとか図書館で借りたCDを聴いて、好きなのは覚えて弾いてた」
ていうくだりからがよく分からない。
ベートーベンのソナタとか?モーツアルトとか?その他ピアノ曲とか管弦楽とかCD聴いて覚えちゃったし、なおかつ覚えて家で弾いて遊んでたってことらしい。
(さらに小学校のパソコンルームで自作の曲を打ち込みで作ってたらしいし、プロになる人はこの時点ですでにプロの萌芽が見られるというかやってることがもうプロ。)
もうそれってセルフピアノ教室ですよね?
いいえクラシック専門家の方々におかせられては、楽曲の解釈とか奏法とか長い歴史の中で培われてきた学問としてのクラシック曲があるわけでそういうのを学ぶ道としての音楽教室があるという理論はわかる。
でもござさんは曲が好きだからCD聴いて耳コピして弾いてってやってたわけで、そういう無意識のうちに習得してマスターしたものは、ものすごい解像度で自分の物にできるし一生残るって言いますよね。
好きこそものの上手なれっていうか。
ござさんのクラシック曲には、音楽と出会った頃の純粋に楽しんでる気持ちが込められてる。
聴いてて原点に返った気がする。
そして告知の回数を経て手慣れて来たなあというか、ござさんは配信の中での告知に向けて巧妙に演出を施すのも忘れていない。
壮大に且つ厳粛に盛り上がること必至と言えば、チャイコフスキー。ござさんはピアノ1台で大編成の管弦楽を再現してしまう。特に白鳥の湖の哀愁を帯びた展開、日本でも人気の演目ときて固唾をのんで見守るばかり。そこからのオペラでもう感動の涙は不可避。
なんていうか告知番組をアナウンサーとBGMで盛り上げて画面のナンバーでカウントダウンするっていう過程を、全部一人でこなしてる。何人分やってるのか。
ござさんには音楽的にスタッフはいらないというのが見てたらよくわかる。
(事務的に、とは言ってない)
代表曲揃い
この配信は全体的にござさんのレパートリーの中でもそれぞれの分野の中で1、2位を争う有名曲(ファン的に)が多く演奏されていた。
ストリートピアノ動画のメドレーだったり、単独のYoutube動画で上がってるものだったり、ソロアルバム2枚のいずれかに収録されてたり、また生配信でよく演奏される曲だったり。
少しでもござさんの演奏にどこかですれ違っていれば、どれかは必ず耳にしたことのある曲が登場したであろうと思われる王道かつ定番曲。
チャット欄からリクエスト曲を選んで拾い、次の曲の調性とかコードとかを踏まえてなおかつ曲の傾向を恣意的に方向づけてることになるので、こういう点からもござさん落ち着いてたなあと思う。
別にお知らせのツイートにも配信動画の概要欄にも、そして配信中のトークでも何もそんなことには触れられていないけど、でもそこにはござさんからの無言の
「初めての方、久しぶりの方もいらっしゃい!ゆっくりしていってね」
ていう歓迎のメッセージを演奏からありありと読み取ることができた。
しかも、ノンストップメドレーの途中で数回告知を挟みながら進行していく親切設計。
ノンストップの冒頭の「春よ、来い」からの次の告知を挟んでジングルベルまでのメドレーが、配信の中でも随一、ピアノを弾ける喜びと希望に満ち溢れた新しい季節を待つというささやかな幸福感に満ちあふれていた。
ただ、展開はそれぞれ原曲に寄せてきながらもちょっと愁いを帯びたジャズ風な音やリズムが混じっていて、まだ見ぬ舞台へのわずかな不安を抱きつつも期待の方が勝っているという感情の揺らぎがアレンジに織り交ぜられていた。
そこが見てるファンとしても不安と期待という同様な感情を共有できた気がして、告知内容をすぐには受け止めて消化できないファン心理も察してくださってるんだろうかと思ったりする(←そんなわけない)。
(告知内容は次の項に後述するが、)ござさんは新しいスケジュールに胸躍らせながらも告知を無事終えたという安堵感からか、ノーストップメドレーであとは自由にできるという解放感もあったからなのか。
圧巻だったのが山下達郎のクリスマスイブから後。クリスマス曲はまだ11月なのに早い?街角はもうクリスマス一色だから調度季節に合ってよかったのではないだろうか。
そこは問題じゃなくて、ここから後が曲としては文字通りござさんの代表曲目白押しなのだが、しかし演出が色々上記に述べた背景を勘案してとかいう計算を通り越していつものござさんの配信通り、最後のノーストップメドレーを彷彿とさせる、いやグランドピアノで豪華に演出されたこの配信だけの特別版と化していた。
ここからあとはラストに向けて盛り上げるだけ、とござさんの中のリミッターが外されたのか。色んな意味でアレンジが極度にどこかに振り切っている。想定できるアレンジ全て盛りましたとかいうござさんのアナウンスが聞こえる(空耳)。
代表曲に時々珍しく耳にする曲も混ぜられていてどの曲も甲乙つけがたい。
(この配信の直後は絶対ここのラスト30分のメドレーが出色の出来!と書こうと思ったが後々聴きこめば中間部の曲も味わい深いことに気がついた)
以下、②へ続く…