ござさんの魅力を語る部屋

ピアニストござさんについて、熱く語ります

NEO PIANO Acoustic

 

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NEO PIANO Acoustic

この記事ではこのコンサートについてまとめてみます。

略して

#ネピアコ  

とお呼びいただきますようお願いいたします。

 

公式アカウントからの告知ツイート。

 

 

日時:2024年4月28日(日)

場所:サントリーホール

開演:13:30~ (開場 12:30~)

 

さて、サントリーホールで5人のピアニストが集うコラボコンサートですが、当日券は売り切れとなっています。

しかしチケットをお持ちでない方、当日の都合がつかなかった方にも朗報です。

コンサートは生配信でも聴けることになりました。

すばらしい響きのサントリーホールでの生演奏。

グランドピアノによる5人のピアニストたちの夢の競演をご自宅でも鑑賞できます。

 

↓↓↓配信チケットご購入がまだの方は下記URLからどうぞ。

NEO PIANO Acousticのチケット情報 - イープラス

 

 

出演メンバーは

石井琢磨さん

菊池亮太さん

けいちゃんさん

ござさん

Budoさん

の5人となっています。

 

 

さて、勝手にタイトルロゴを考えてみた。

 ↑ ↑ ↑ 音ゲーぽくてなんか違うな…?

 

 ↑ ↑ ↑ ロックバンドのフェスぽくてやっぱ違う……?

 

↑ ↑ ↑  クラシックホールでのアナログでアコースティックなライブのイメージ……?

 

NEO PIANOライブのたどってきた足跡

さてこの NEO PIANOライブは形を変えてシリーズ化(と言っていいのか)している。

というより、初回の2020/7/24のライブはコロナ流行の影響で当初予定していた有観客ライブが開催できず、無観客での半ば見切り発車となった。

リアルの空間で直接ライブやコンサートを鑑賞できることが当たり前だった中に突然発生した未曽有の事態。

そんな時期に、

無観客ライブ、

生配信のシステム、

視聴者の受信環境など……

何もかも手探りで行き当たりばったり。

緊急事態宣言によって芸術の公演存続自体が危ぶまれ、現実に観客を前に公演できない中でどのように活動を維持するのか?

世の中全体がその是非を問われた時でもあった。

この NEO PIANOライブが暗中模索しながら拓いてきたオンライン配信公演というツールはそのまま、演奏家と聴衆の葛藤を受けて形を変えながら変遷してきた。

振り返ってみれば、コロナ以降ネット発信してきたピアニストの経歴の一端がわかる。

(※この記事の最後に資料部屋を置いて過去の NEO PIANOライブとそのときの自分の感想記事も貼っておいた。)

 

5人の出演者

ここで、出演者のうち三人の連弾動画が載っているこの動画をみてみよう。

けいちゃんさんは動画編集の手法に特色があることで自分の中では要注目なのだが、この動画はひとつのテーマでけいちゃんさんがいろいろなピアニストと連弾してみた動画となっている。

人によってまったくアレンジも、奏法も、音も違うのがよくわかるだろう。

今回の出演者でこの動画に見える三人に加え、石井琢磨さんとBudoさんが入ってどのようにクラシカルな演出になるのか楽しみである。


 

では50音順にいきます。

石井琢磨さん

クラシックホールでのグランドピアノセッションということで、演出の主軸となると思われるのは、去年2023年7月のSummerPiano Junctionに引き続き、石井琢磨さんだと思われる。

ウィーン国立音大を卒業された経緯から、Youtube動画にはウィーンの歴史あるロケーションで撮られた演奏が多い。ピアノ演奏にも由緒正しいモーツアルト由来の古典派の気風。どこまでも奥ゆかしく品性を保っていて正統派の演奏。

何を演奏しても、ピアノをピアノとして扱っている。

絶対にピアノとしての音色から、軌道を外れない。

クラシック音楽をそれだけ深く研究し、真摯に向き合っているプロとしての矜持が感じられる。

曲を知り尽くしているからこその思い入れが半端ない。

しかしYoutube動画の演出はそのようなミュージックビデオから面白い企画ものまで、どれも見ていて演出が楽しい。

たくおんさんの目的は「難解で知名度のないクラシック曲をより身近に感じてもらって素晴らしさを知ってもらう事」なのかもしれない。コンサートホールのツアーも好評のようであり、実際に聴いてもらってクラシック曲のすばらしさを肌で感じてもらうというたくおんさんの願いは少しづつ叶っているのかもしれない。

 

参考リンク:クラシック曲が中心のミュージックビデオ動画

"Classic MV" - YouTube

 

ところで今回は複数のピアノによる演奏会ということでたくおんさんの連弾動画を聴いてみた。共通する出演者ということで菊池さんとの連弾動画。

その前に。たくおんさんは地元である徳島県内の各地でこのようなチャリティー的な性質のイベントやホールでのコンサートを多々開催されている。芸術を研究するだけじゃなくて一般に幅広く普及するべく地道な活動もされているのである。

特にこの鳴門で演奏された連弾は、鳴門大橋の目の前の山(にある道の駅)までわざわざグランドピアノを搬入し、当日は地元の子供たちに参加を募ってたくおんさんと連弾するというイベントの中の一環であった。当然たくおんさん一人で企画したのではなく、開催には地元新聞社などが関わっている。

言い得て妙である。

東京やウィーンで発信してるだけじゃ対象者は限られる。ネットが広まったとはいえ、たくおんさんが追求する生のピアノ演奏の音というのは実際に聴いてもらってこそ。

そのためにたくおんさんは地道な活動を経て発言力を大きくしていった、ともいえる。

【菊池亮太】渦潮の前にあるストリートピアノで超高速グリーグ弾いてみた! - YouTube

海辺で世界的プロと「最速クラシック曲」ガチ連弾したら観客が大爆笑!?【ストリートピアノ】【たくおん×菊池亮太】天国と地獄/剣の舞 Session with a world-class pianist - YouTube

 

別のストリートピアノ動画。これも菊池さんと。

お互いクラシック曲を知り尽くしているからこそ、そして鉄壁の演奏技術と表現力があるからこその遊び。

【菊池亮太】ガチクラシック曲であるハンガリー舞曲を連弾してみた!【ブラームス】 - YouTube

【ドッキリ】本場のプロに突然ガチクラシック挑んだら大変な事にwwwwwk【石井琢磨×菊池亮太】ラデツキー行進曲/ヨハン・シュトラウス一世/Radetzky-Marsch - YouTube

 

菊池亮太さん

石井琢磨さんがクラシック音楽におけるこのコンサートの軸。

すると菊池さんはクラシック音楽に重きを置きながらも他ジャンルへの架橋となる存在だ。

石井琢磨さんーBudoさんのクラシック奏者ルート

菊池亮太さん(クラシックと他ジャンルの融合ポジション)

けいちゃんさんーござさんのJAZZその他あらゆるアレンジを主体とするルート

という3つの流れに大別できるかなあと思う。

 

石井琢磨さんと菊池さんのクラシック演奏の共通点というと?

知識がなくても聴いてて楽しい。理屈抜きで本能的に音楽に入り込める。

石井さんの演奏はどちらかというとぎりぎり理性を以てクラシック界の境界線は超えてないといったところか?

その境界線を石井さんはどうやって超えてるのかというと、それは演奏以外の動画の面白さであったり、演奏会での演出であったりすると思う。しかし何よりも、石井さんのピアノの品格ある音が多くの人を惹きつけているのは言うまでもない。

 

では菊池さんはどのように聴衆を惹きつけているのだろうか?

それはつまりピアノアレンジです。

もう一度言う。ピアノの多彩なアレンジこそが、菊池さんのピアノの身上だ。

クラシックピアノを深く研究し(そのために音大の大学院に入り直して志す分野の研究を改めて修めている)、その土壌の上でピアノならではの音楽技法を駆使しまたアレンジの可能性を追求している。

バンドのキーボード奏者として色々な曲を経験していることも、菊池さんのピアノの表現の幅広さに大きく関与しているといっていいだろう。

菊池さんのピアノはJAZZのバッキングもみどころ。

世界的プロとジャズの名曲を即興連弾したら大喝采!?【都庁ピアノ】Fly Me to the Moon - YouTube

クラシック曲はオリジナル曲を発表している。

Paganini Variations - Ryota Kikuchi/菊池亮太 - パガニーニ変奏曲【LIVE at Suntory Hall】 - YouTube

ストリートピアノにも名演奏は枚挙に暇がない。

ラフマニノフの神曲メドレーを大学生のリクエストに応えて制限時間内に弾いたら都庁騒然!?【都庁ピアノ】improvised Rachmaninov Medley on the street piano - YouTube

 

この二刀流ともいえる菊池さんのピアノ、はっきりいって表現できないものはない。

自分は自信をもって断言する。

地球上にあるあらゆる事象をピアノで芸術的に表現して見せることも容易なはずだ。

菊池さんは有言実行なんですよね。

ほかにも色々ピアノへの熱意がすごすぎです。

連続Youtube動画500日投稿とか、人間としての限界を超えてる。

このように息するようにあらゆる表現をピアノで難なくこなしてしまうと思われるので、どのメンバーと2台ピアノセッションになるかわかりませんが安心……いや想像を超えて度肝を抜かれる事態になることだろう。

 

菊池さんの実態、それは完璧かつ常識外れの奏法、無限とも思われるクラシックの知識、とかいう王道だけではない。

アレンジの作法ぎりぎりというかこっそり素人には分からないレベルのマニアックさで何かをねじこんでくるいたずらっ子気質である。

よく耳を澄ましてみよう。

菊池さんの操る音にはよく考えると首をひねらざるを得ない、ひと癖もふた癖もある謎の音や謎リズムがこっそり間違い探しみたいに隠されている。それを探すのも、単なるクラシックコンサートとは違った楽しみ方である。

 

けいちゃんさん

さて、たくおんさんと菊池さんがクラシックと他分野の融合ジャンルなら、けいちゃんさんとござさんはあらゆる分野のアレンジに軸足を置く。

というかけいちゃんさんとござさんはピアノという楽器と鍵盤というツールに留まらず、音そのものをシンセを使って自由に操る。

けいちゃんさんの聴きどころはこの色んな障壁が取り払われた独創性だ。

けいちゃんさんの最大にして最強の看板は、創り出すフレーズのキャッチーさとオリジナリティ。(自分はそのまま広告代理店に出せるレベルだと思うが)究極で普遍的かつ親しみやすいのだ。CMにそのまま使えるじゃんというくらい、耳になじんで記憶に残るメロディライン。そして曲の全編を彩る前衛的で抽象的な和音。

 

Youtube動画も当初から、映像作家さんですか?というレベルでどれも面白い。ご本人も動画編集はどんだけ時間かかっても楽しいと言われていた。

Youtubeチャンネルの比較的初期の動画ですでにこの完成度。すごすぎない?

けいちゃん「World & Me」【Official MV】/Piano Instrumental “Keichan” - YouTube

危険すぎる革命のエチュード/Chopin Etude Op.10-12 dangerous arrangement - YouTube

この「初音ミクの消失」は1日に1回しか弾けません【ピアノ】 - YouTube

 

最近のYoutube動画も相変わらず映像作家さんレベルで発想が面白い。そして見てて楽しい。(自分の中では)路上ピアノ動画三部作。 

路上で「月の光」を弾いたら女性が近づいてきて…【ストリートピアノ】ドビュッシー - YouTube

路上で「幻想即興曲」を弾いたら女子高生が1万円札を持って近づいてきて…【ストリートピアノ】ショパン - YouTube

路上で世界一癒されるといわれるクラシック曲を弾いたら…【ストリートピアノ】 - YouTube

《※アルバムと連動したミュージックビデオはほんとうに映像作家さんが関わってるぽいのでここには貼らない。それは面白くて当然なので個人の発想とは別だからだ》

 

そこで今回のNEO PIANO Acousticコンサートにけいちゃんさんを呼んだコンセプトは何なのか?というお題が浮上してくる。

 

つまりクラシック曲を斬新にアレンジするコンサートっていうコンセプトを体現してくれる立ち位置がけいちゃんさんなのでは、と思う。

けいちゃんさんのソロピアノ動画も、どれもアレンジが難解だが都会的な演奏でスタイリッシュ。(リズムは違うけど発想が)ボサノバとかシティポップの方向性に似てる気がする。

エレベーター前のピアノでABBAのDancing Queenを弾いたら歌声が…【ストリートピアノ】 - YouTube

あまりにも難しすぎるあの名曲を弾いたら人々が…【ストリートピアノ】 - YouTube

マジで難しすぎる「踊/Ado」を街で弾いたらヤバいことになった【ストリートピアノ】 - YouTube

 

ござさん

自分は個人的にはござさんファンなわけです。いつもは超単推し熱血ガチござさんファンなのです。というわけでここのコーナーだけ不自然に充実すると思いますがやむを得ない。

上記の通り石井琢磨さんーBudoさんから菊池さんをクラシック奏法のルートとするならけいちゃんさんとござさんは多様なアレンジで攻めるルートと述べた。

ござさんはけいちゃんさんよりさらにあらゆるキャラ設定を内包している。苦手なジャンルはあるのか?そんなジャンル分けはござさんの中では意味をなしてなさそうです。

新作ゲームトレイラー風「チャルメラ」を弾いてみた - YouTube

【ピアノ講座】ショパンの「別れの曲」を演歌風にアレンジする方法!(解説つき) - YouTube

 

そして菊池さんと同様かそれ以上にギリギリ攻めたラインを突っ走る。何がギリギリかって、使ってる和音がぶっ飛んでると思う。それからあらゆる実験的要素が詰め込まれてる。テンプレ的展開はひとつもない。

ちょっとオシャレな「学校のチャイム」2台ピアノアレンジ! - YouTube

Take5をTake2→Take11まで色々な拍子で弾いてみた - YouTube

【上級者向け?】コード(和音)とモード(音階)の違いが何となく分かる「うれしいひなまつり」アレンジ - YouTube

 

あらゆるジャンルの奏法を駆使して、ベースラインから和音のバッキングから時々アドリブの高音の味付けまで、何から何まで担当しそうなのがござさん。

ござさんの左手演奏論についての動画です。

【ピアノ講座】Lemon(米津玄師)の左手講座 - YouTube

ポピュラーピアノの左手講座 - YouTube

 

また、2021年5月9日河口湖畔で開かれたPIANIC-STREET PIANO Festivalのフィナーレの連弾で、ござさんは一人だけ電子ピアノでエレキベースパート(?)を担当している。

Digest video of ”PIANIC-STREET PIANO Festival-" - YouTube

この時ベースライン弾いてるところがどう見ても楽しそうです。

 

よって、セッションのバッキングなりアドリブなり、独創性を加味したいと思うときにプラス要素としてござさんはそういう演奏パートに入ると思う。より豪華に、より感動的に、よりおしゃれに、より迫力を持たせて……

どうすればもっと演奏がすばらしいものになるのか?ござさんの求めるところはそこであり、よってござさん的に完成された演奏とかいう概念はなく、どこまでも追求してそうなところが底なし沼みたいである。

 

 

ござさんと参加者のみなさんの連弾動画

けいちゃんさん:お互いにスマートな和音の使い手らしく、かっこいい仕上がりです。

駅で「残酷な天使のテーゼ」を弾いてたら撮影者が乱入してきて会場騒然www【ストリートピアノ】【けいちゃん×ござ】 - YouTube

【丸サ】演奏中にまさかの飛び入り!?けいちゃん&瀬戸一王さんと夢の連弾!!【大きな古時計】 - YouTube

 

菊池さん:ござさんの動画で連弾として上がってる中で群を抜いて数が多いのが菊池さんとの連弾です。どれもお互いのギリギリラインを攻めすぎてて一触即発何が起こるか分からない緊張感あふれる雰囲気。見えない火花が散っている。お互い譲れないこだわりを存分に主張してておもしろすぎます。

スタジオの2台ピアノでJAZZスタンダート曲のチキンを演奏。今回のコンサートに一番近い設定かもしれない。
【ござ×菊池亮太】怪しい2人がジャズの名曲セッションしたら最高な事にwwwwwwww【ピアノ】 - YouTube

2人の初めての連弾。そうとは思えない意気投合ぶりです。
怪しすぎる二人が都庁ピアノで丸の内サディスティックを即興連弾した結果... - YouTube

都庁ピアノ連弾からもうひとつ。単なるきらきら星ではない。いろんな曲がこっそり隠されている。
【ござ×菊池】きらきら星を即興で連弾したら驚きの展開に!?【都庁ピアノ】 - YouTube

ストリートピアノ動画からいくつか貼っておきます。どっちも謎和音とこだわりのマニアックなコード進行の連続です。

【神回】不審者と変質者が駅で「名探偵コナン」を即興連弾したら史上最高の盛り上がりにwwwww【新百合ヶ丘駅ストリートピアノ】 - YouTube

黒ずくめの男性二人がスペインをピアノ連弾する事案が発生!with菊池亮太 - YouTube

【神演奏】即興でルパン三世連弾したらあまりの演奏に観客が驚いた!?【都庁ピアノ】【ござ×菊池亮太】 Transcendental technique Lupine III duet - YouTube

 

いかがでしたでしょうか。ふたりのはじけっぷりをご堪能いただけたことと思います。今回のコンサートはクラシックホールのため、こうした踏み外し方はせずお行儀良くされるのでしょうか。そんなわけもなく、自由に和音で遊ぶ二人の姿がみれたらいいなと楽しみにしています。

 

さてござさんの楽しい展開の動画を最後にもうひとつ貼っておこう。ござさんの描く音楽の世界は何が起こるかわからない。最後までわくわくさせてくれる、生粋のエンターテイナーだ。

呼び込み君のメロディ(ポポーポポポポ♪)の一人セッションが超楽しい!! - YouTube

 

Budoさん(ここでは詳しく書きません)

自分はBudoさんの動画をあまりチェックできてないので、ここで詳しく言及するのは避けます。当日の演奏を聞いてみるのを楽しみにしたいと思います。(コロナ流行で緊急事態宣言とか出ていた時期に何かの拍子でパジャマでピアノ弾いてる人の動画として見たことある気がするが系統的に聴いてたわけではないし)

適当に述べることはしたくないので。

なぜなら、Budoさんは石井琢磨さんと同様にクラシック音楽演奏家であるので、自分は完全に門外漢だから何かを述べる立場にないからだ。石井琢磨さんはクラシックの枠にとどまらない面白い活動を展開してるのでピアノじゃなくてその独自性については上で述べた。

しかしBudoさんは純粋にクラシック奏者であるので、クラシック曲について自分は詳しくないため、Youtube動画で予習して本番に備えたい。

 

結局ネピアコのききどころって何なのか

それぞれの奏者についての足跡を分かる範囲で辿ってみました(長くなりすぎた)。

セッションの醍醐味とは、JAZZとクラシックで楽しみ方が大きく分かれる。

クラシック曲の複数台ピアノは、二人じゃないとカバーできない原曲が大編成の曲とか、例えば交響曲とかバレエ音楽やオペラなど、二人ならではの豊かな和音の響きと迫力が聴きどころだろう。豪華な雰囲気を楽しめるはずだ。または抒情的な響きも二人だとより表現の幅が広がり、味わいが深まると思う。

JAZZ風アレンジによる複数台ピアノセッション、今回はベースとかドラムパートの人の参加はないようですが、しかしござさんと菊池さんとけいちゃんさんは各々ペースラインやドラムパートの左手カバーなどを得意としていますので、そういったセッションがクラシックホールの音響で演奏されるのは楽しみである。

また、彼ら三人はクラシック以外のあらゆるアレンジを得意としているため、クラシック曲を他ジャンルのアレンジに、また他ジャンルをクラシック風にという演出もあるかもしれない。

4/28日のネピアコまであと数日のため、それぞれの奏者さん達はどのように演出を仕掛けてくるのか?

上記で考えたテンプレ演出以外に意表を突くアイデアも出てくるかもしれない。

どのような公演になるか、過去の演奏動画を参考に聴きながら当日を待ちたい。

 

 

 

資料部屋:過去のNEO PIANOライブと感想日記

事の発端はこのとき(2019年11月)に出た話のようだ。つまりコロナ流行前に企画されたライブがもとであり、新築されたZEPP羽田で有観客で開催されるはずのライブだったそうだ。

このとき出たコンセプトは無観客ライブとなってもそのまま上演方針となって受け継がれ、その後のNEO PIANOライブにも生かされていくことになる。

 


①初回ライブ……NEO PIANO CO.LABO. 

出演:けいちゃんさん、菊池さん、ござさん、かてぃんさん

無観客ライブになるという切羽詰まった状況ではあったが。

ストリートピアノ文化の流行とYoutube動画で話題に上っていたネットピアニストが集う話題のライブであることには違いなかった。

そして上演半年後、一年間の期限付きで出演者によるトークの副音声版が新たに配信され、DVD販売等は(たぶん著作権の関連で)なかったけど、長い間にわたってファンに親しまれたライブとなった。

 

 

②2021.2.11 NEO PIANO CO.LABO. -INVENTION-

出演:けいちゃんさん、菊池さん、ござさん、かてぃんさん

コロナウイルス流行により2回目も無観客配信となったNEO PIANOライブ。

しかし第一回よりも多ジャンルにわたるプログラム、使用した鍵盤のバラエティあふれるラインナップ、衣装を含めたトータルコンセプトによるプロデュース。

さらに豪華ホテルで告知配信、記念冊子発行にグッズ販売、何もかも贅沢で充実したライブであった。

このライブもまた無観客でありながら上演半年後に、一年間の期限付きで出演者のトーク(映像付き)あり版が配信され、長く楽しめた公演である。


③2022/4/24 第一回NEO PIANO Far Beyond

出演:石井琢磨さん、菊池亮太さん、ござさん、Jacob Kollerさん

趣を変えてクラシックピアニストの石井琢磨さんとJAZZピアニストのJacob Kollerさんを迎え、編成もピアノにベース・ドラム・パーカッションのバンド編成から、2台ピアノ中心の公演にストリングス部門を加えてクラシカルな演出になっていた。

この回も前回同様に半年後から開始して一年間、アーカイブが公開されている。

そしてこの公演から対策を取りつつも有観客公演へと切り替わっていく。

 

※感想が4つに分かれているが全部貼ります。

 

 

④2023/1/21 第2回NEO PIANO Far Beyond
出演:石井琢磨さん、菊池亮太さん、ござさん、瀬戸一王さん

第二回と違うのは出演者が瀬戸一王さんに変わり、よりクラシック色が強まったこと、そして場所がかつしかシンフォニーホールというクラシック音楽のホールとなり、ピアノの音がスピーカーで拡散されず生の楽器の音がそのまま楽しめる、クラシック色の強い公演に変わっている。

ストリングス部門の方の演奏もこの回はひときわ印象的であった。

ただ瀬戸一王さんはゲーム音楽を得意とするので、他の出演者さんも含め、やっぱり演奏曲のジャンルは多方面にわたっていて、このコンサートの「ピアノの可能性を最大限に追及して引き出す」というコンセプトはずっと生きていると思う。

 

 

⑤2023/7/23 Summer Piano Junction

出演:石井琢磨さん、菊池亮太さん、ござさん、瀬戸一王さん

キービジュアルが公式アカウントから出ていたので貼ります。

この時はメンバーも四回目と同じ、場所もオペラシティということで四回目と同様のクラシックホールであり、グランドピアノの響きを生かした生のピアノの音自体を楽しむコンサートとなっていたようだ。

自分はこのとき配信がなかったので感想記事を書いていない。そのためプログラムもよくわからないのでここで言及することは避けたい。

ござさんファンなので、リハーサル動画が上げられていた中から、ござさんと瀬戸さんのリハの様子のツイートをお借りします。

 

 

 

さて、今回のコンサートは

である。

acousticという名前の通り、今回のコンサート会場はサントリーホール、クラシック演奏会の殿堂ということで、よりグランドピアノの音そのものを堪能する公演になるのではないか。

 

 

 

 

 

 

ござさんのピアノーー即興の謎

 

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生配信

ござさんのピアノ生配信は、ひとつの壮大な物語。

 

ござさんのアレンジは、

配信という大きな流れでみても、

テーマごと、曲単位、さらにひとつのフレーズ単位まで細分化して解析しても、

常に起承転結がはっきりと意識されている。

 

はじめに音が生まれ、

いくつかの流れが集まって主題をかたちづくり、

その主題は次第に大きなうねりを伴いながら昂ぶりをみせ、

やがて壮大な流れになって幕を閉じる。

またはささやかな日常に溶け込むように、おだやかな陰翳になって姿を消す。

 

このような展開はあくまで通常論であるがござさんの音楽にはこのようなはっきりとした流れが見えるのだ。(もちろん通常の一般形でない方が多いのはいうまでもなく)

どんなに大きな括りでも、

どんなに些細なフレーズでも。

 

ござさんの生配信は世の中のすべてを表現する物語そのものだ。

自分は本好きなため文字が世の中でもっとも真実そして真理を表現する媒体だと信じているが、しかしござさんのピアノもまた世の中でもっとも雄弁なのではと感じ、今までの持論を少しだけ軌道修正した。

 

無邪気に胸をはずませ、

胸が踊る。

胸がいっぱいになり、

胸が張り裂けそうになる。

胸ということばひとつで考えても、ござさんのピアノはあらゆる表情をみせてくれるのだ。

 

しかし本来の顔は、どこかにクスっと笑えるポイントを絶対仕込んでくる生粋のニコニコ生配信出身らしい一面があるのをよく存じ上げているけど。

ぎりぎりの攻防に手に汗を握り、

意表を突かれ、

足元を掬われ、

奈落に落とされる。

それもまたござさんのピアノのほんとうの姿。

世の中のすべてのことを美しいヴェールに包んだまま、ござさんは裏表なくピアノで語る。

 

Youtubeツイキャス配信

ござさんのYoutube配信が大きな物語だとすれば、ツイキャス練習配信は物語を構成するパーツの辞書だ。

レパートリーから無作為に抽出した選曲だから演奏曲にだれも異議は唱えない。

これで珍しい曲もレパートリーから姿を消すことはない。

 

ジャンル別にござさんが2018年に分析されたところの構成はこんな感じ。

 

ファンにとってはこっちのツイキャス練習配信のほうが生命線だったりする。

なぜなら無作為にExcelファイルから抽出される曲なので、youtube配信で拾われない、いにしえのレパートリーが発掘されるからだ。ひょっとしてござさんもこの練習配信でアレンジをメンテナンスしてる節すらある。

というかござさんも弾けることをすっかり忘れてる曲もある気がする。

2000曲を超えるレパートリーを暗譜で維持するという事はそういうぎりぎりの綱渡りみたいな作業だということがこれでよくわかる。

ただただ、その人間離れした偉業に敬服するばかり。

 

ござさんのアレンジ

上の項目では生配信を客観的に聴いた印象を書いてみた。

しかしござさんはただ闇雲に原曲通りを再現しているわけではない。

確かに原曲通りかと見紛う演奏も多々あるが、しかし原曲の構成を全部踏襲しているわけではない(はず)だ。

 

この日記部屋でも何度も書いてきたが、ござさんの第一言語は音楽なのである。

ピアノで語ると、

また音楽を通して表現すると、

とたんに流暢になるござさん。

 

なぜなら、精巧で綿密な設計に裏打ちされた、複雑な音楽理論が伏流水のように見えないところで張り巡らされているからだ。

 

ござさんの音楽はただ聞いているだけでも一級品のエンタテイメントである。

事実は小説より奇なりというが、

自分にはござさんの作り上げた現実世界での演奏が、よっぽど小説よりも奇抜で意表を突き、またオリジナリティにあふれてると思う。

 

でも。

ござさんは、あくまでファンにもこの音楽の無限の底知れない奥深さ、楽しさを分かち合ってほしいと言ってるように見えるのだ。一般人には難解でしかない音楽理論とそれに基づいたアレンジを、どうにかして理解し共有して楽しんでほしい、らしい。

(即興でコードを自在に操り、独自の解釈で表現するピアニストはなにもござさんだけではない。それ自体は、世の中の普遍的文化ともいえるだろう。)

なんでだ?

ござさんは即興生配信で自由にアレンジして弾いてるのが一番息するように楽なはずなのに。

 

 

でも思えばこの和音解説動画にはじまり、ござさんのYoutubeには各種のおびただしい解説動画が投稿されている。

【ピアノアレンジ講座】①「和音(コード)の概要」 - YouTube

【ピアノアレンジ講座】②「コードの種類と単体での性格」 - YouTube

【ピアノアレンジ講座】③「オンコードとテンションノート」 - YouTube

【ピアノアレンジ講座】全調練習入門~いろいろなコードに馴れる - YouTube

 

★ほかにも、このJAZZふうアレンジ解説動画とか、

かえるの合唱でジャズリハモ講座 - YouTube

 

★リズムの解説とか色々ある。この動画もなにげに74万回再生されてて、需要はあるところにはあるんだなあと痛感させられる。

「丸ノ内サディスティック」で実用的リズムパターン解説! - YouTube

 

★さらに練習ガイド動画まであった。ほんとになんでもある。


さてこの動画のお題というかサムネになんか書いてますね。

魅力的なことばが。

そう、「Youtubeを見ながらでもできる!『永遠に続けられる基礎練習』」という素敵なキャッチフレーズ。

なになに?Youtubeを見ながらでもできる!?

このステキな呼び込みにうっかりつられてピアノ練習始めたのはほかでもない自分です。

だってYoutube見ながら手軽にカンタンに練習できるって、楽しそうじゃないですか(^o^)

しかしこれが落とし穴だったのだった。

この動画のレベルの速さで練習できるござさんだからこそ、この24調の指の動きが無意識にできるまで頭と体に叩き込まれてるからこそ、ここに至るまでの長年積み重ねた練習があってこその、

Youtube見ながらでもできる」

練習という意味だったのだった。

端的にいってYoutube動画見ながら基礎練は絶対できない。リズムがわかんなくなるし、youtubeの音はピアノにかき消されて聞こえない。二兎を追う者は一兎をも得ず。

そうですよね、世の中そんなに甘くないのです。黙って真面目に練習しなきゃ。

ほんとに、しみじみとプロの偉大さを噛み締めるばかりです……

 

さて暗に地道な練習こそ王道と指示してくれるござさんの動画だが、実際に動画だけではなくピアノ練習ガイドもござさんは執筆されている。

それは月刊ピアノの連載、そして「ござ式ピアノ演奏裏ワザの極意」である。

 

 

月刊ピアノの連載講座「ござさんの All that Goza's Piano Arrange」

この動画リンクは再生リストで、わかりますかね、ちょうど動画が53本ある。つまり連載は53回を数えるということになる。だからなのか何なのか、気がついたら2024年5月号、今発売してる号でござさんの連載は終了となるようだ。

ござさん4年余りの間、毎月欠かさず楽しい楽譜を連載して下さりありがとうございました。

 

 

ござさんの53回分の連載の内容を追うと、いろんな分野のアレンジを系統立てて習得できることに気がついた。

終了が決まってから気づいてもタイミングが遅すぎる?

はいごもっともです。

今更過ぎてすいませんが、しかし素人には一つ習得するのに最低3か月~2年以上はかかる月刊ピアノ連載なので、自分的には半永久的に練習のお題が提示されている現状には変わりない。

月刊ピアノ連載は左ページがその回のアレンジテーマに沿った音楽的解説、右ページが譜面となっている。

この解説が、本格的で充実してるのに素人にもわかりやすく読んでて楽しい内容なのだ。

そして譜面もござさんこだわりの和音だったりリズムだったり曲の展開も凝っていて、一分前後の短い曲ばかりなのに、曲を理解し習得すると自然とござさんの考える音楽理論が身につくというか方向性を共有できるように設計されている。

自分は理論じゃなくて経験から入るタイプ、しかも楽しくないと練習する気にならないので、月刊ピアノの楽譜はやってて身についたなーという実感があった。

ござさんの書く解説を頭から鵜呑みにするのではなく、自分の中で主体的に理解しようとするとより奥深い意味が分かってくるような気がする(なんのこっちゃ)。

 

というわけで、月刊ピアノの連載楽譜が気になる人は練習にチャレンジしてみよう。

上の動画リストから気になる動画を選んで、自分に合ってるな?と思ったら該当する月のバックナンバーを公式サイトから購入できるのです。

公式サイト:月刊Piano|雑誌|ヤマハの楽譜出版

 

そんなんタイミングが遅い、4年間も連載期間あったのだから途中で書いとけばよかったと言えばそれまでですが。

自分がピアノの練習楽しいなーとすなおに向き合えるようになったのもほんの最近のことですし。ものごとはなるようにしかならない。

 

この月刊ピアノの連載53回分は、動画再生リストから見てもわかる通り、ござさんの昔のYoutube解説動画とは質量ともに比較にならないレベルの充実ぶりですので、ぜひ一回分でもいいから関わってみてほしいのです。

まず一つのお題の曲で3回分くらい違うアレンジになってる。この時点で全く別の曲かって言うくらいどれも個性的なアレンジで、聴いてても飽きない。

また、どのお題の曲も誰もが知る耳になじんたもので、「知らないから取っ掛かりにくい」という音楽に関わる際の最初の敷居が低い。

さらにどのアレンジも専門的に仕上げられてるのに、左ページの解説が親しみやすくておもしろいから理解するのも苦にならない。

 

ござさんの解説文の言い回しひとつにも、またアレンジ楽譜の和音ひとつとっても、なんとかしてファンにもピアノに親しんでもらいたいという気概を感じる。

だって解説文がやさしいので難しくてもつい読んでしまうし、それよりも楽譜が弾けるようになってくると、ござさんのアレンジの工夫が実感できるようになってきてよりすごさがわかってくる。そうなると楽しくてさらにやめられなくなるのだ。つまりピアノ練習の沼である。(^o^)

弾くのは難しいかもしれないけど、それでも習得すれば音楽の新たな素晴らしい世界が見えてくるから、頑張りましょうっていうござさんの叱咤激励みたいな声が聞こえてくる(気がする)。

 

ござ式  ピアノ演奏裏ワザの極意

ござさんの執筆した練習ガイドはもうひとつある。言わずと知れたこの本である。

YAMAHA出版の特設サイト:ござ式 ピアノ演奏裏ワザの極意~今日から使える弾き映えテクニック~

この本は左ページ見てれば手を置くだけで弾けるっていうキャッチフレーズだが、自分の中では月刊ピアノの楽譜でござさん特有の和音使いに慣れてから、一定の演奏と知識を積んでから読むと、より面白く感じると思う。

左ページを理解するにも、コードがなんなのか分かってたほうがより理解できて面白い。

自分は分からないのが大嫌いなので、この本を読むには素人すぎるので手を出さないことにした。もっとコードの事がわかってから読もうと決めた。

素人にもわかる、かんたんに習得できるっていうキャッチフレーズは間違いではないがそんな表面だけできるようになったのは自分の中でできるようになったとは言わない。

 

この本は月刊ピアノの連載楽譜よりももっと具体的に、直截的にござさんが使ってるアレンジについて解説している。

はっきりいってそんな詳しく書いていいのかレベルで全部バラしている、ように素人目には見える。

それは企業秘密ってやつじゃないんですか?

いいんですか全部バラしちゃって?

と素人は心配になるのだが、しかし単なる杞憂にすぎなかった。

 

だって録画が遺ってる時代だけでもニコニコ生放送から通算して14年以上の生配信歴ですよ。Youtube動画とかツイキャスも入れたらそれどころじゃない分量で放送してるござさんがですよ。本でひととおり基本アレンジを解説したからって、持ち札が枯渇したりするとかありえない。

ていうか毎回生配信のたびに新しいアレンジやら不思議和音とかいちいち使ってくるくらいですから、たぶんござさんの持ってるカードは無尽蔵に湧き出てくると思って差し支えないだろう。

 

最近のござさんの出演するコンサートに自分は都合により行けてないことが多かったが、しかし心配はいらない。だってこの通りござさんはいつも楽しそうにピアノ弾いてるし、持ち曲とか持ちアレンジがなくなるのもありえないとわかりきっているから。公演後にニコニコしてる写真がUPされてきて、あー楽しかったんだなーよかったーと安心するだけである。

むしろ、公演ならではの特別感出したアレンジにしてみたり、より豪華な和音使ってみたり、そんな工夫を盛り込んでしてやったり感を出してドヤ顔してるござさんの様子ならありありと思い浮かぶが。

 

この本は実際にござさんのように耳コピアレンジで即興演奏されてる奏者の方に、より親しまれ実践の場で読まれてるといいなと思うのだ。

昨年出版されてから、再重版されたということです。おめでとうございます。

 

 

ござさんの活動にはこのほかにも楽譜集、来月に控えた2ndアルバムのリリース、ござの日のソロコンサート、セッションにおけるござさん、ピアノ以外の音源も駆使した投稿動画とかいろいろあるが、そのことは次の記事でつぶやくとして、とりあえずこの記事は筆をく。

 

 

 

 

雑感ーござさんのピアノを聴いて

 

気がつけば、季節はすっかり春の盛りになっていた。

夕暮れに咲く満開の桜。ソメイヨシノじゃないらしいので、珍しいので撮ってみた。

 

 

古くから三寒四温という言葉があるように。

時に雪が降り、また冷たい雨に当たりながらも世の中は、つくしが顔を出し野の花も一斉に芽吹き、一日ずつ前へ動いていることを感じさせる。

 

世は桜の真っ盛り。

しかし自分は個人的には桜は散ってしまう儚さの中に美があるから、ござさんには例えたくない。

ござさんはもっと普遍的な美を求めていると思う。

いや、美という一方的な価値観じゃなくて、森羅万象すべてのものごとをあまねく捉えて表現する、その方法がござさんにとっては音楽だったのだろう。

 

ときはなる松のみどりも春くれば今ひとしほの色まさりけり

古今和歌集 第一巻 春歌上 源宗干)

常に変わらないはずの松の緑色も、春が来ると、一段と色が鮮やかになる。

春の到来は松の色さえもあざやかに見えると詠んだ歌。

 

ござさんの活動スタイルは演奏家というより研究者といったほうが、自分の中では腑に落ちる。

研究者を続ける方法として演奏家をやっているという方がイメージとしてしっくりくる。

でも自分は、ござさんのピアノが大好きなのでなんとしても多くの人に聞いてもらいたいと思っている。

この部屋を続けようかどうしようか冬の間悩んでたけど再開させたのはこのためだ。

 

ござさんのつくる音楽の世界は通りすがりには取っ掛かりがなさすぎて、世間に広く訴えるキャッチーさはない。

いや、ひとたび聴きさえすれば、誰もがどこかに心に響くものがあるはずで、絶対リピーターになってくれるポテンシャルがあると思うのだけど。

その聴いてもらうまでの障壁が高すぎるだけだ。

この障壁を下げる手立ては数えきれないほど素人の自分でも思いつくが、かといってそういった対策を講じている気配は特に感じられない。

部外者なので特にそういう具体的なことはここでは挙げないでおくが。

でもひとつだけ言わせてもらうとすれば。

 

ござさんのTwitter投稿動画、これを自作できるひとは、打ち込み動画いわゆるDTM界隈にたくさんおられると思いますけど、ゲーム音楽とかもそれらのひとつのジャンルですが、その演奏をアドリブを交えてJAZZにしたり、クラシック曲をアレンジしたり、ここまで自由に演奏できる人はかなり稀有な存在だと言えると思う。

 

 

 

いわば看板、売りにできるジャンルの一つであるはずのござさんの一人合奏動画ですが、このようにYoutubeのような動画メインサイトに投稿するでもなく、かといって# を特につけるでもなく、検索にあえて引っ掛からないようにしてる感さえあるコメントを何気なくつけるだけでこのような動画をTwitterの片隅に置いておくのはどう考えてももったいない。

部外者が何言っても詮無いことではあるがどうしてもこれだけは言いたかったので。

 

ござさんは研究者気質なのだと思うんですよね。

何を演奏してもたぶん永遠に満足してないと思う。アドリブのアイデアとか、コード進行の奇抜さ?とか、常に自分の中で試行錯誤して、気分はずっと研究生のままなのではないかと思う。

 

演奏家は演奏して音楽を表現するが、

ござさんは音楽そのものを構築する研究家として、演奏はその表現の一手段なのだろう。

ござさんの部屋は研究室。

だったらJAZZ専門の大学とか音大のJAZZ科とかで院に進めばいいのにな?と、疑問に思うこともあったが、今思えば、限られた学閥の中で与えられた課題というのは、ござさんにとって意味をなさないものだったかもしれない。

研究環境としてそういった施設は充実しているかもしれないが、ござさんは別にそういう外的要因は必要としてないんじゃないかと最近思うに至った。

学閥が考える既存の枠はござさんにはどれもあてはまらないと思う。

 

ござさんにはありあまる好奇心があってそしてピアノ演奏が大好きなだけ。

ちょっとした遊び心があるのだ。

3/30の配信の最後、蛍の光の直前のモルダウの最終盤、BASS音域が鳴る中で弦楽器が最弱音でアルペジオで動くところを、このアルペジオの調を変えて2~3往復している。単純にアルペジオを弾くだけじゃつまんないじゃない?とでもいうように。

冷徹な研究者肌にして、このお茶目心が随所に現れているギャップ感が、大好き。

 

 

新しく2ndアルバムもリリースされることが決まっている。

Fantasia | ござ オフィシャルサイト

 

ござさんの演奏は13年以上生配信でアレンジを演奏してきても、およそ同じものはひとつとしてないと言っていい。

自由自在な活動の拠り所として、形としてのこる可視化された演奏を発表することで、ござさんの研究活動はこれからも飛躍的に……ではなく、一日ずつ地に足をつけた確実な進歩を遂げていくことだろう。

 

自分はこの部屋でわかりやすい広報でも一発打ち出したいところだが、

ござさんの活動姿勢を鑑みて、粛々と生配信を聴きそのアドリブというか奏法を理解しようと努めることにしたい。

 

 

 

 

 

 

 

ござさんのスタイルと、3/17の生配信

 

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前衛的

ござさんのピアノは不思議な音がする。

旧来の懐古的な響きでもなく、

安定したおなじみの展開でもない。

なぜならそれらは、ござさんが過去に全て通ってきた道だからだろう。

そしてその過程ですべて掌握してしまった領域だからだろう。

 

ござさんは見たこと無い景色を見ながら新しい道をたどりたいのだろう。

でもその道は危うい。

破綻するかどうかの境界線を眼下に眺めつつ、

ぎりぎり境目の稜線を颯爽と闊歩する。

踏み外すという単語はござさんの辞書にはないらしい。

 

ござさんのやっている音づくりはそれくらい前代未聞なのだ。

でも、誰もやらないから新しい。

聞いたこと無いから面白い。

前と同じことやらないからこそ。

 

ござさんはいつも、新しいこと思いついた!という風にいたずらっ子のような目を輝かせて一つ一つ音を紡ぐ。ただその速さが見てるぶんには目に止まらないだけで。

 

自分はござさんの果敢に攻めたアレンジが好きなのであって、また如何様にもなる表現が好きなのだ。

新しい調の組み合わせ、新しいリズムの取り方、色んな音楽のジャンル……

ほら無限に面白くなるでしょ?

とでもいうようにござさんの手は鍵盤の上を踊る。

ござさんにとっては常にピアノで実験してるだけなのかもしれない。

手当たり次第に組み合わせてるわけではなく、ござさんの過去のおびただしいアレンジ解説動画を見てわかる通りその手法にはセオリーや王道テンプレともいえるパターンが無数に生かされている。

これはアレンジで演奏されてる人は誰もが取り入れてることのはずだが、自分はござさんのアレンジが水になじむらしい。理由は知らないけど。

 

こうやってござさんが自由に音で遊べるのは、言うまでもなく理論と知識が徹底的に叩き込まれてるからであり、また日々の膨大な練習量がその理論を現実にする。これを音大行かずに仕事しながら何年もかけて習得されたというところにござさんの自己完結した世界と飽くなき音楽への執念を感じる。

この今使ってるシンセも前代のやつからしてステージでプロがライブに使うやつだが、そのマニュアルを仕事しながら昼休みに覚えてるところとか。体力仕事の介護職で合間にやることじゃない。

n回目ですけどこのツイートを引用します。

仕事しながら何かを習得するというのはよほど確固たる意志がないと、資格にしろ何でも難しいことです。

 

ござさんにとってピアノの練習とは演奏の練習と音楽理論の構築を含めて、描いてる世界を具現化する手段にすぎないのであり、演奏そのものを目的というよりは、演奏はあくまで理想の音楽表現への通過点なのかもしれない。

ござさんが提唱する音楽の世界はピアノにとどまってないから。

 

 

これらの各楽器の音源ソフトを入手されたようで(というか以前に)、音源ソフトを使いこなすための実験と実益を兼ねた趣味などとのたまわれておられた。各パート楽譜に起こし、バンドスコアまで作って。もはやそれは趣味っていうかアレンジ曲の作曲家というんです。

それを匿名SNS(いうても公式アカウントではあるが)で何気なくそっと置いてて、単に公開しているだけというのが……

そういう雑念はこの記事では書かないことにしたんでした。

 

3/16の生配信

この記事ではあわせて3/16の生配信のことを書きたいのだった。

ピアノ弾いてますリクエスト募集中! 2024/03/17 - YouTube

 

といっても、具体的に述べるのは素人なのでできない。

自分が言いたいのは、

「全くトークできないのでピアノ弾こう」

とござさんが言い始めたらそのときの配信はアレンジが格別に冴えわたってるから絶対に聞き逃さないように、ていうかYoutubeだからアーカイブあるから必ず、で き れ ば  ど う に か し て ゆったりと聴ける時間を作って、ぜひござさんの作る世界に存分に浸ってほしいということだ。

 

あ、この部屋を読んでる人はそんなのご存じですね。すいませんでした。

ござさんの第一言語はピアノでしたね。なので、トークが全然振るわず、手持ち無沙汰にピアノ弾き始めた時点で、その日の配信は最高なの確定です。永久保存版です。いえいつもアーカイブ置いててくれてるので大丈夫ですけど。自分の中で永遠にリピート決定版です。

場繋ぎに演奏されてる間奏がすでに音楽としてえもいわれぬ完成度です。

そんなのいつもでしょという説もあろうかと存じますが、確かにいつもですが、でもあえてトークが振るわない日は中でも格段に素晴らしいということを自分は意地でも申し添えたい。

 

自分はアレンジの有識者ではないため、具体的に曲について言及しませんが。

ござさんの配信は見た目に「あの曲弾いてるんだな」という客観的事実では推し量れない。

上記に述べたアレンジの引き出しの膨大さから、ほんとに、同じ曲でも一回として同じ演奏は無いと断言して差し支えありません。

え?そんなの今更大きな声で言わなくてもわかってる?

いいじゃないですか敢えて明文化するくらい。

 

とにかく、毎回アレンジ違うので正確にアレンジごとに分類しようなんてことは不可能で、およそ250回を超えるYoutube配信と、アーカイブ残ってないから回数不明のツイキャスとニコ生を含めればその歴史をたどることはもう無理といえるござさんの演奏遍歴には、文字通り天文学的なアレンジのアイデアが玉手箱みたいに詰まっている。

ござさんは、自分みたいな素人にだって平易にわかりやすく聴きどころに山場をつくり、心に響く印象深い演奏をしてくれる。

 

ござさんほどの腕を以てして、素人のために分かりやすい音楽を奏でてくれるのだ。

なんか、ここが自分が今まで抱いてきた音楽家のイメージと決定的に違う点でしたね。だって偉大な演奏家は偉大なままで、その演奏がどうすごいのかは聴衆が音楽の情報を集め、多くの演奏を聴き込んで知識を積まないとわからないものだったじゃないですか?

でもござさんは偉大な存在だと思いますけどでも演奏の表現手法は素人に近づいてきてくれてる、だから素人でも楽しめる部分はある。いちいち予習しないでも、ござさんのピアノは楽しいし美しいし洗練されてるのは誰が聴いても首肯するところだろう。

そうやって表現を磨き上げつつ、どこかにちょっと笑える機知を潜ませてくるお茶目でやっぱりいたずらっ子なのだ、ござさんは。

 

そして、聴いててもじゅうぶん楽しめるのだが、ござさんは毎月月刊ピアノに楽譜と解説記事を連載されている。2019年暮れからだから、連載4年目に突入してることになる。この月刊ピアノはあくまで例えで、Twitterにも楽譜付きの演奏動画を投稿されていたり、またソロアルバムの楽譜集も公式に発売されてるから、ござさんの演奏は本格的かつ難解だが誰でも手に取ることができる。

だからござさんの演奏の秘密に触れることは、誰でも可能でもある。

楽譜の公開というか販売って普通、やります?

アレンジが伝家の宝刀であり秘術なのだったら普通それは企業秘密として秘匿しますよね。

それをどんどん楽譜付き動画とかまたは販売楽譜として公式に出している。

ということで、企業秘密にするより、ござさんはアレンジをファンと共に楽しみたいのだと思う。

いつか、ファンの音楽偏差値あげるんだというようなことを言われてたし。

そんな教師みたいなことではなく、あくまで少しでも多くの人と音楽の楽しさを分かち合いたいっていう意味だったような気がする。

 

まあ自分はござさんの楽譜を練習してるけど実際にその理論がわかるまでは地平線の彼方までの道程が必要なようで、遠い道のりです。

 

しかしござさんの楽譜は見てわかるというより素人には鍵盤を押しさえすればその不思議さの一端はわかるというか。

まるで今まで見たことない和音使って、世の中のセオリーからすると「次はそうはならんやろ」という展開で意表を突くのです。

月刊ピアノもかなりの回数を重ねてきましたが、しかし毎回盛り込まれてる要素がいちいち本格的。なのに全く話題は尽きない。

 

ござさんの配信聴いてると、やっぱり不思議な和音と不思議なリズムが目白押しで、さらにいろんなジャンルが交錯して、聴いてて一瞬たりとも飽きない。

 

結論としては、ござさんの演奏は聴いてて楽しいし、感動する。

だが実際に弾いてみると、さらに楽しい。

 

どっちにしてもござさんはファン全員に楽しんでもらいたくてその一心でピアノ弾いてる……んだろうな。

いや、ござさんが楽しくピアノ弾いてたら、ファンも楽しめる演奏になってる。といったほうが正しいかもしれない。

 

 

 

 

 

ソロアルバム「Fantasia」リリースとござの日ライブ開催決定にあたって

 

唐突ですが自分がござさんのピアノを知ったのはこの動画からだ。

動画投稿は2019/12/25。まだ、介護職とピアニストを兼業されていた頃。


このブログ部屋をご覧になっている皆さまにも、それぞれござさんのピアノとの出会いは様々なシーンがあり、それぞれに思い出があることだろう。

 

でも自分の中でのござさんは、どんなに演奏スタイルが変わっても基本的に変わらない。自分が知る前も知った後も、配信始めた13年前からいやもっと前のネット掲示板でのセッションスレの頃から……

ござさんがやってることはずっと変わらない。

それはピアノ弾いてるということだ。

そんなのいちいち言わなくても見てればわかる?

 

そうですけど、この動画を見つけて咄嗟にこの部屋を開設したのも、自分の潜在的な意識の中でもっと違う形でもっとたくさんの人にこのピアノを聴いてほしいっていう思いがあったのだと思う。

結局、自分が見てたのはござさんのピアノそのものよりも、社会的・表面的なことに過ぎなかったということなのかなあ。

 

ござさんには、楽しそうにずっと一生ピアノ弾いててほしいんだけどなあ。

それだけなんだけどなあ………

でもそのままだといつか介護職へ戻って行かないか、今のままでのピアノ演奏は楽しめなくなるのではないかという意識が心のどこかに澱のように淀んで去らない。

(自分は石橋を3回くらい叩いた挙句予備の石橋を渡してそっちを行くタイプだから)

 

というのが常々抱いてる自分の願望なわけですが、そんな横槍を入れるまでもなく、ござさんはちゃんと自分で強固な橋を選び、足跡を盤石なものにしながら進んでいたのでした。

 

万全整ったところで颯爽と渡っていくござさんの姿は威風堂々というにふさわしい。

 

 ↓ イメージ

 

というわけで。

この記事は、ござさんの2/25の配信で告知された2ndアルバム発売とソロコンサート開催について書いていきます。

 

 

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告知配信

ござの日ライブ

さて、先日2024年2月25はござさんからの久しぶりの告知配信でした。

告知って何か?ほんとなら大喜利大会をこの部屋で繰り広げたいところでしたが個人的にそんな場合じゃなくて、思考回路が中途半端に錯綜するにとどまってました。

 

グランドピアノ配信というところからも、何か改まった告知なのだなということはわかる。そこで過去のグランドピアノ配信を思い出すと、

2023年ござの日ライブ(東京)のお知らせ
【ピアノ配信】告知配信 2023/03/24 - YouTube

2023年1月のソロコンサートのお知らせ(アルバムの楽譜集発売の関連でPiascoreスタジオから配信)
出張グランドピアノ配信! 2022/10/15 - YouTube

2022年ござの日ライブ大阪のお知らせ
告知があります!!! 2022/02/25 - YouTube

 

全部ソロコンサートかござの日ライブのお知らせなので、今回もライブのお知らせなのだろうと、だいたい存じ上げてはいた所ですが。でも想像にすぎませんし。

それにソロアルバムEnVisionのリリースが2021年11月だったので、あれから約2年ほど経ったということでアルバム発表かなあと思っていた所でもありましたが、それも想像でしたし。

ノリで発言するようなことは、石橋を叩く主義の自分はそういう発言は絶対しないので黙ってました。それでもし違ったら目も当てられませんしね?

 

しかし予想していたことがしかも同時発表だったということで取り急ぎ、お祝いにこの記事を書いている。

 

 

 

これはたぶん定番の展開なのでしょうけどこの台詞を言いたいがために足掛け三年かかってるので、自分はこの際声を大にして言う。

ソロアルバムリリース、そのプログラムを携えてコンサート開催!

わーい!!!

.゚+.(´∀`*).+゚..゚+.(´∀`*).+゚.

🎉🎉🎉🎉🎉🎉
 ↑
わかりにくいけど泣いてる

 

このねぴらぼinventionが終わったころに(まだ毎週グランドピアノ配信されてた頃)、こんなツイートあって、「長い時間をかけていたあるものがひと段落した」、それはソロアルバムの演奏の収録だったのではと仮定してみるわけです。

この後アルバムリリースの発表は10月にされ、その後の2022年ソロコンサートにつながるわけですが、自分の中では上記の仮定からEnVisionのソロアルバムはもっと前に演奏・収録済んでた派なので。
【配信】重 大 発 表 2021/10/02 - YouTube

 

何が言いたいか?

今回のアルバムは実際の今のござさんの演奏を録音し、そのままのプログラムを再来月のござの日で聴けるということです(アレンジの違いはあれど)。

 

たびたび振り返りますが、最初に予定されてた2020年ござの日ライブは確か都心からちょい離れたとある音楽サロンにて、定員30名で予定されていたものです。なぜ定員30名だったのかというと、その前2019年に2回開催されてたライブも定員30名だったからです。

 

今回は紀尾井ホールで開催ということで、ここはサントリーホールと並んでクラシック演奏会のメッカらしいので、ござさんの音を生で、すばらしい響きで堪能できることでしょう。
紀尾井ホール/公益財団法人日本製鉄文化財団

そう、クラシック演奏向けに設計されているので去年の葛飾ホールと同様スピーカーを通さずに生のござさんの音が聴けます。

いつもYoutubeツイキャスを通して配信されてますがそれは電子ピアノのソフト音源なので、告知配信でもグランドピアノで演奏されてる通り、ござさんの音は一目見たらわかるというか一瞬聴いただけでもわかる特徴的な魅力的な音。

演奏曲のジャンルも下記に述べますが多岐に渡っていてあらゆる表現を楽しめることでしょう。

ぜひ演奏会に足をお運びいただき鑑賞されることをお薦めします🎹

 

と、通り一遍なことを書いてみたものの、告知でのござさんはいつも通りグランドピアノを触れて楽しそうな配信であった。ツイートに上がっていた写真にあるように、マイクも本格的でピアノの音が最高でした。え?顔が見えない?そうですね、仮にもCDも発売になろうかというのにご本人がマスクしてるとはいえ顔出ししてないのは販促活動としては致命的ではないのかという意見もあろうとは存じますけど、とにかく事実、配信で顔出しされてないのでそこはスルーするしかないですよね?単なる部外者がこんなとこでわーわー騒いでも意味ないので次行きますね。

ござさんの発言には内容が前後することが多々あり、自分もこの部屋で散々ツッコミを入れて来た過去があるが、そんな不穏な空気を察知されたのか、告知配信にはスタジオに同伴されたのか匿名のスタッフさんが字幕を配信画面に載せてくださっている。以前の告知でもこの字幕には大変お世話になった記憶があるな。

ござさんも告知に先立って「配信での言は意味ないので皆さま字幕および公式サイトをご参照ください」とのべられている。字幕、大変助かります。ありがとうございます。

…………それじゃ告知配信の意味ないじゃん!?ΣΣΣ( ̄ロ ̄lll)

とにかく配信は、告知と名付けたござさんが楽しくグランドピアノ弾くタイムなのであった。自分ら視聴者もウキウキでピアノ触るござさんと素晴らしい演奏を楽しく鑑賞するタイムなのであった。

 

この配信のみどころとは。

それは鍵盤が見える角度だということだ。

ござさんが押さえてる複雑な和音や一部の指だけが動くややこしい和音。

瞬時に正確に押さえられるすごい幅で跳躍して飛ぶ音。

(たぶんメトロノームを内蔵してるんでしょうけど)寸分の狂いもなくタイムを計ったように細かく決まるリズムと、複合拍子のややこしいアレンジもサラッと演奏されている。

それらが全部、至近距離で楽しめる。

過去に2020~2021年にかけてグランドピアノ配信を続けられていたが、その前半の時期?くらいはピアノの上から写す角度の配信だったので遠目にではあるけど、鍵盤を演奏される様子も楽しめた。しかしこのような鍵盤が全部見える角度でのグランドピアノ配信は、ピアスコアスタジオでもそんなことはなかったので初めてかもしれない。

上から鍵盤を映してる角度の家での配信は多々あれど、このグランドピアノ配信は貴重だと思うので、末永く楽しみたい。

なんといってもカメラがずっと後ろから鍵盤へ固定してるのですべての曲を鍵盤見ながら楽しめるのですよ。ええ、素人には押さえてる和音がなんなのか具体的に推察することはできませんけど?でもこの音の時にこういう動きなのかーっていう新しい発見の連続ですよね、そんなすごいことしてるんだΣΣ( ̄ロ ̄lll)!!!って改めて思い知ったというか。

この演奏を支えてるのは?いうまでもなく毎日の膨大な練習量があるから、ござさんの不断の努力の賜物にほかならないので、ござさんにはなんも他の事を気にせず憂慮する要因無く、思いっきり毎日ピアノ練習できる環境が続くといいなあという思いを強くするのだった……

 

ちょっと重箱の隅を楊枝で洗っておこうか。

「アルバムに収録した曲は、配信でリクエストを拾うことを避けていた」と言われていたが今までの配信でもこの告知配信でも、避けていた曲はリベルタンゴくらいなのでは?それとオリジナル曲の「そして鐘が鳴る」。

あ、そういういらないツッコミはしないんでしたね、失礼しました。

 

《どうでもいい視覚的な情報》

どうでもいいと言いつつ、とりあえず備忘録として貼っておく。

 

今回告知配信ではスーツを着用されてて、見ててこちらも身が引き締まる思いでした。

青いスーツはたしか2022年の『日本遺産物語コンサート』で着られていたのでツイートを引用させていただきました。ついでにインナーのチェックのシャツも同じでしょうか。

ネクタイだけ今回ストライプになっててちょっと違いますね。

ほんとどうでもいいですが、このスーツぴったりござさんに合ってて、ピアノ弾いてて窮屈かもわかりませんけど見てて似合ってるので自分は大好きなのでいちいちメモ代わりに書いている。

このスラっとしたスーツが似合うのにいったいどこからあのピアノ演奏するエネルギーが湧いてくるんだといつも不思議に思うところではある。

 

2nd ソロアルバム

箝口令とは

実質、レコーディングの話はこのあたりですでに匂わせ発言が繰り返されていた。

ござさん、ここでレコーディングってはっきり言っちゃってるじゃん( ´∀` )wwww

もう9割9分アルバム収録ってわかってましたが公式発表がなかったのでそれに触れるのは避けてました、というか自分はこの部屋で去年から休止中だったので筆が止まってたのでした。

その後の配信でのトークによると、レコーディングは四日間にわたったとのこと。

なんかこう、ござさんは、純粋にピアノを練習して演奏し、ファンはそれを鑑賞するというコンテンツに集約されているので、ファンは見てる景色の視界が明瞭で進む方向もわかってるから安心して推せるというのはある。

 

そのとき聴いてて面白いのは、しかしファンとしてはすぐ飽きる。

いわゆるすぐに廃れて捨てられるファストファッションみたいなものである。消費され淘汰されることを前提としたニーズ、安価で使いやすいデザイン、すぐ次に移ろっていく購買者の嗜好。

 

というわけで、ござさんにおかれましてはじっくり納得するまで楽曲に向かい合っていただけたのではないか?と、ファンとしては思うわけです。

1st アルバムの「EnVision」がいままでのレパートリーや投稿動画をアレンジして演奏されていたので、その後出る投稿動画はアルバムを意識されてるのかなあ、というようなスタジオ収録の完成された演奏が多かった。ストリートピアノ動画も二つ投稿されていましたのでそれはそれで嬉しかったのですが。

研究者が史料の学術的な面を研究したり、科学的にあらゆる可能性を否定せずに追求したり……という、楽曲に対して妥協せず、限界まで攻めた姿勢を崩さないござさんのスタイル。

聴いてて飽きないのはそれが理由かもしれない。

綱渡りするようなぎりぎりの線上をかろうじて踏み外すことなく持ちこたえながら、バランスを保って渡る。

ござさんの音使いにはそのような常に挑戦する姿勢を感じる。

平凡な日常なんてつまらない。

ござさんの音楽アンテナをもってすれば原曲を原曲通りにピアノで弾くことは可能だ。

しかしそこから踏み込める限界線まで鋭利に切り込んだ、常に冒険者のスタンスを崩さないござさんのアレンジは聴いてて心地よいスリルを味わえる。変化のない日常に刺激を与えてくれる。

音楽の深い森には果てしない未踏の地が広がるが、その闇を切り裂いてござさんの太刀筋が翻り、鋭く閃く。

ござさんは自称17才だが、言い得て妙である。

自我の無い子供でもないが完全に自立しきっていない、まだ未来に無限の可能性を感じている17才。実年齢は存じませんけど、ござさんのつくる音楽には全てそういう若々しさと、真実がどうなのかを恐れない勢いと潔さがある。しかし、演奏は確固たる円熟の域に達し、老成されたとさえいえる技術と圧倒的な知識に裏打ちされたもの。

有無を言わせない説得力をもつ演奏の前に聴衆はただ感服して聴き入るのみである。

 

いつだってござさんのピアノは聴く人にえもいわれぬ充足感を与えてくれるが、ござさんの中でも納得のアレンジで演奏されたという意味で、このCD収録はファン垂涎の演奏と言っていいだろう。

 

下記に挙げる収録曲から、ござさんのフライング。ちっとも隠せていませんwwwwこの時点で、レコーディング?CD??トロイメライ入るの???ってファンはざわついておりましたがまだ未確認情報に過ぎませんでしたので。

(※トロイメライの演奏)

 

ちなみにござさんのピアノは、ござさんが構築する音楽の世界を鍵盤で表現したに過ぎない。ピアノ以外にも無限にフィールドは広がっている。その一郭をピアノというツールで切り取ったに過ぎないのだ。CDでの表現が全てのように記述すると、現実との甚大な齟齬を生み誤解を与えるので、ござさんの描く音楽シーンをほかにも貼っておく。

ござさんの音楽活動は全て実験室、ファンはその試行錯誤の過程を一緒に迷いながら跡をたどっている。

 

ござさんのシンセにはプリセットされた内臓音源の多様なものがあるが、また市販で音源をダウンロードされて使われてるらしい。(そういうのは楽器演奏をサンプリング録音して鍵盤に対応させて再生できるようにしてるようだ)

そこでクラリネット音源をてにいれたからって、中学の部活でクラリネットされてたからって、このレベルでわずかな息遣いの揺らぎからアーティキュレーションのリアルさまでサラッと再現、感性で遊ぶってこういうことでしょうか。

 

こっちはJAZZアドリブ。JAZZは奏者の数だけアドリブが存在すると言っても過言ではない。そこで耳コピしたからってセッションのサウンドを楽器ごとに完コピ。すごい。このテナーサックスのリアリティが、本物よりも本物に迫ってる。

 

こっちもセッション。一人ドラムが………といいつつ絶対楽しんでるに違いない。

 

 

話が横に逸れた。

さて、CDのお取り扱い店は下記のようになっており、それぞれ通販または店頭販売で対応されている。それぞれに特典が異なっているのでご確認ください。特典の在庫は、多分予約の先着順です。

Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0CV52P75H/

楽天楽天ブックス: 【楽天ブックス限定先着特典】Fantasia(L判ブロマイド) - ござ - 4582552480425 : CD

セブンネット:https://7net.omni7.jp/detail/1301548469

TOWER RECORDSござ/Fantasia

HMVFantasia : ござ | HMV&BOOKS online - EM-37

 

《収録内容》
※曲順未定
Chopin Syndrome
幻想即興曲
悲愴
リベルタンゴ
ミックスナッツ
森の出来事
大きな古時計
空の陰影
そして鐘が鳴る
Tank!
トロイメライ

(Amazonのサイトより)

 

 

トロイメライから読み解くござさんアレンジの謎

さて、再びトロイメライのツイートを貼る。なぜならこの曲はござさんのアレンジの歴史そのものでもあるからだ。

 

つまりこのアレンジが原型と思われる。

 

さらに楽譜も販売されている。ちなみにEnVisionアルバムからの楽譜集よりずっと前に、ござさんが仕事の傍らまとめられた楽譜である。ほんと仕事の傍らとは思えない世界観の究めっぷりですごいですね………(語彙力)

【楽譜】トロイメライ / シューマン ジャズバラードアレンジ / ロベルト・シューマン (ピアノソロ / 中級) - Piascore 楽譜ストア

 

そしてそれらの、以前まとめられた楽譜は13編もある。どれもござさんのこだわりと思いが詰まった珠玉のアレンジばかり。いかがですか。

 

そこで、これらのアレンジは一見優しそうに見えてものすごく難しい。自分が素人だからなのもあるがこれよりずっと取り掛かりやすい月刊ピアノの楽譜でさえ、自分はちっとも習得できない。

なぜなのか?(そりゃ君が素人でヘタだからやろwwという野次馬のツッコミは放置します)

 

指運びが難しい。

リズムも難解。

でもそれだけではなくて、上のほうでも述べたがござさんが操る和音が難しいのだと思う。ピアノを習ってきた初期の教本でおなじみの和音たちは全く影をひそめて、「なんでそこでそう来る??そこはこうやろ???」っていう展開ばかりで、脳がバグるというか本能的に拒否ってる気がする。

「それはクラシックの定番展開をイメージしてるからやで、ござさんの使うのはJAZZの和音やから展開がまた違うんやでwww」

というツッコミもありそうだが、でもJAZZアレンジにしても、YoutubeとかCDで聴くスタンダードJAZZの演奏とは何かが違う。

何が違うってそれはわかんない。それがわかってたらとっくに自分もJAZZアレンジ弾けてますよ、わかんないので困ってるんだ。

そこでだ、界隈の某有識者のHさんから助言をいただいて推測してみたが、

「(いろいろな曲をJAZZアレンジに読み替えて)さらにござさんならではの和音展開にしてるからこそ、耳慣れない独特の響きになってて、それこそが魅力」

なのだそうだ。

ふうん??????

だから、ぱっと見では覚えられないのか。

 

この独特な和音使いこそ、

ござさんのピアノの特色。

ござさんのピアノを聴く醍醐味。

「ござさんのピアノでないとなんか違うな?」ってなって満足できなくなる要因の、正体ということか。

聴衆を引き寄せる問答無用の説得力。

惹きつけて離さない強靭な引力。

すると、このござさんならではの和音使いは、ござさんが広い芸術の海を泳ぎ切っていくなかでの切り札になるだろう。伝家の宝刀ともいう。

 

ござさんの演奏するピアノ、ござさんの編集された楽譜から、ありがちな和音が聞こえて来たことが未だかつてあっただろうか、いやない(反語)。

そういう意味ではクラシック曲を弾いていてもなんらかの手心を加えてござさんふうに読み替えている気がする(詳しくは知らないけど)。

ほんと全く油断ならない。

 

 

大きな古時計の歴史

今回のアルバム曲の中で、トロイメライと並んでござさんのアレンジの歴史をいろどってきた曲に、大きな古時計がある。

そしてまたしても黙っていることができないござさん。ほんと、箝口令とは……?

 

このアレンジもまた遡ればここに行き当たる。そして楽譜もこのときすでに発売されている。この時代、すでにござさんの描く音楽の世界は大体完成されていたということもできる。

 

さらにござさんの独特な和音についての解説動画。

ちょっと疑問なんですが、自分はピアノ習ってて小学六年でやめましたけど、それまでにこういう内声とか和音の工夫って言う指導はピアノ教室ではやらなかったんですけど???個人のピアノ教室へ通ってましたけどね、バイエルとかソナタとかソナチネツェルニー等の教本しかやらなかったんですけどね。この和音を工夫して自分なりに曲の表現を変えるとかいうことはやらなかったし、知識を仕入れとけばござさんのいうアレンジを弾くのに今ここまで悩むこともなかったんですけど。

なんでなん?(わからない)

 

その後もござさんからは月刊ピアノの連載シリーズで三つのアレンジが提唱されている。それぞれに平易で短く素人でも挑戦できるアレンジとなっている。

月刊Piano 2020年10月号「ござさんの All that Goza's Piano Arrange」第10回 大きな古時計(ラヴェル風) - YouTube

月刊Piano 2020年11月号「ござさんの All that Goza's Piano Arrange」第11回 大きな古時計(ジャズ・バラード風) - YouTube

月刊Piano 2020年12月号「ござさんの All that Goza's Piano Arrange」第12回 大きな古時計(80年代AOR風) - YouTube

 

また、現在毎週の生配信の冒頭ムービーのBGMとしてござさんの演奏が毎回流れてるのは皆さま周知のことと存じます。

おまけで、ストピ動画にも大きな古時計アレンジがある。この動画の前半が、ござさんによるアレンジ演奏である。この動画が好きすぎて、自分はもしこの動画がカセットテープだったら間違いなく擦り切れていたであろう回数を聴き倒して、もうアレンジの展開も全部覚えてしまったくらい、大好きである。

【丸サ】演奏中にまさかの飛び入り!?けいちゃん&瀬戸一王さんと夢の連弾!!【大きな古時計】 - YouTube

 

編曲が古典的または有名な童謡とかが多いのは、童謡や民謡は主題が明快で、モチーフとしてアレンジしやすいとかいうことをいつかござさんは語られていた気がする。

それにだれでも聴けば知ってる曲で、挑戦しやすいこともあるだろう。

ござさんファンなら知らない人はいないであろう、ござさんと共に歩んできたアレンジがこのたびアルバムに収録されることになり、(いや自分は弾けないけど)感無量です。

ござさんのレパートリーが幅広すぎて、最初のアルバムEnVisionの曲を選ぶにあたって絶対悩まれたと思うんですね。でもこうして足跡を新たにされていくことで、ファンもまたござさんの活動をリアルタイムで追うことができてファン冥利に尽きる。

 

 

ござさんの詩的な世界

ござさんの作りだす独特な世界でもうひとつ特筆すべきは、言葉選びだろうか。ござさんの使う言語はピアノでありリハモというかアレンジ言語なので、日本語は第二言語だと思いますけど、曲の題名につけられる言葉が独創性にあふれてて、どんな曲だろう?って色々と想像が広がる。

 

まず最初にござの日ライブを開催するにあたり、アー写のロケ地に選んだのが旧古河邸っていう時点で独特のこだわりを感じる。

( ↓ この背景が旧古河邸)

 

※ついでに、アー写撮影時に収録したと思われるYoutube動画。背景に映る旧華族の邸が、和洋折衷でレトロな落ち着いた雰囲気を醸し出している。

 

また、介護職を辞めた当時(2020年2月当初)、どこにでかけてたのかをたずねられて「六義園です」と答え、ぜろいちさんに「おじいちゃんだな」とツッコミを入れられていたのもいい思い出です。

そんな思い出はさておき。今はこのアー写も差し替えられておりますので。

 

なにげなく切り取られた風景も絵画的で情緒がある。この、花がつぼみのところに趣を感じるのが日本の古典文学に通じるものを感じるのです。

 

そしてござの日ライブで初めて東京以外(大阪)に行くものの観光せずトンボ返りしてこの都立植物園に行き、「観光してきました!!」とのたまってたのは置いといて。

ござさんの目に入るのは自然物というか静かに植物と対話してる感じがします。

 

ネコも登場してみたり。去年の京都での桜音夜の帰りと思われ、後日の振り返り配信によれば、京都から西に電車で向かってみたそうで、ネコと坂道で有名な文学作品ゆかりの町尾道だそうな。

 

ござさんの使う言語はピアノであることは間違いないとして、でも第二言語の日本語にも、奥ゆかしさと洗練された意識を感じる。

含蓄に富んだ言葉遣いによって何か深いところの意味を示唆しているような表現だ。

森の出来事

空の陰影

そして鐘が鳴る

(オリジナル曲の曲名)

 

また1stアルバムの「夕さり」という曲も、古語に由来を取った古風な言い回しだ。

夕さり - YouTube

 

その言葉は古く万葉集にも見える。

玉かぎる夕さり来ればさつ人の弓月が岳に霞たなびく

 

また、古今和歌集 紀貫之の和歌の詞書にも夕さりの語がある。

雷鳴り(かんなり)の壺にめしたりける日、おほみきなどたうべて、雨のいたくふりければ、夕さりまではべりて、まかり出でけるをりに、さかづきをとりて

秋はぎの花をば雨にぬらせども君をばましてをしとこそ思へ  貫之

 

 

また、アルバム名の「Fantasia」は音楽では幻想曲というほどの意味である。

ござさんの作る世界はすべて幻想の世界ということか。いやいや幻想即興曲という、収録曲にちなんだ題名なのだとは思いますが。


 

でも幻想曲という単語自体も、ござさんのアレンジを的確に表現しているのではと思います。

配信ではほぼ全部即興アレンジだし、同じ曲でもその時によってアレンジが違うのでファンは毎回新鮮な表現を楽しめるし、ござさんも配信での即興が一番アレンジがアグレッシブで攻めてる感がある。

そしてそれらの表現は楽譜に残らないから毎回一期一会の表現をござさんとファンで共有していることになる。そういう意味で幻想。

 

 

 

 

音楽についての短いつぶやき

 

ピアノは毎日練習しないと上達しないし、少しでも練習の間が空くとたちまち習熟したことは無に帰すも同然になる。

それは楽器全般にいえることだが。

だから、自分は楽器が演奏できる人を尊敬する。

いまどきシンセサイザーに代表される電子楽器が隆盛を極める時代、楽器演奏の習熟とは単なる技術だけには終始しないのだが、でもそういったツールを使いこなす土台としては基本的に楽器そのものを演奏できることが前提といっていいだろう。

 

こつこつ目に見えないものを積み上げるように継続できるひとだけが手に入れられる、また到達できる境地。

そこから見える景色は努力を怠らなかった人だけが味わうことのできる、何物にも代えがたい、素晴らしい眺めに違いない。

そういった不断の努力だけが形作る音によって自由自在に表現できる、

それこそがまさに音楽家の醍醐味であり悦楽の時なのではないだろうか。

 

また、音楽を演奏するという事はそういった鍛錬に裏付けられた技術が反映されるだけではなく、演奏者から滲み出るというか燃え上がる情熱、見えない炎が音となり形になる自然現象。とでもいおうか……

奏者の感性が音という形代に拠って発露する。

それが、音楽であり楽器で演奏するということだ。

 

その音の表現に上も下も横もない。

あるのは、ただ聴き手による好みであろう。

それは人間が聴くところであるから好みは千差万別、聴く人の数だけ好きな音楽表現は違う。

 

でもただ一つ言えるのは、どの演奏、どの音楽にもそれぞれの魅力があり、相対的に比べるべきものでは決してないということだ。

 

音楽はそこにただ存在するだけで最高の芸術表現なのだ。

 

それらをどう捉えるか?

聴く人の人間性がそこに反映されるのだろう。

 

自分は個人的にござさんのピアノに心酔するところがあって、だからこの部屋でござさんのピアノについて語ってるということだ。

 

でも音を奏でる人の数だけ、音楽が存在し、

また音楽を鑑賞する人の数だけ音楽の解釈は存在する。

それらの概念は決して一束にまとめることはできないし、また画一的に語ることもできないだろう。こういった多様性が演奏シーンを極彩色にまばゆくいろどるからこそ、音楽は一生を捧げるに足る芸術たりえるのだろう。

 

 

 

 

ブログを休む話

 

この部屋で三年半くらい書いてきたわけですが、

書きたいことは一段落した気がするのでこの辺でこの部屋は休止します。

 

最近個人的に身辺が落ち着かないのでしばらくここの部屋のことは考えられないのもありますが、他にも要因はある。

 

ござさんの世界については、本質的には書いても尽きることはないはずだけど、自分の書ける範疇はここまでです。

あとは音楽アレンジの内容に懸かることなので自分の理解の及ぶ圏外です。

そこは有識者の方が解説したらよろしいかと存じます。

 

特記するべきことは尽きてきたと一年位前から思ってたのですが惰性で続けるのも意味ないのでここで筆を置きます。

今までご愛読いただきありがとうございました。

年末からここの記事を休んでみて、お試し期間というかその間にやっぱ書く気になるかどうか様子をみてたけどやっぱり同じだったため。

 

あまりにも視点が近すぎて解像度が逆に下がってた説もあるので、いったん休んだら何か見えてくるかもしれないし。

 

どっちにしても事件の匂いを嗅ぎつけるとすっ飛んできますのでご心配なく。

気性が新聞記者のため。

若い頃は新聞記者になりたかったし。

でも今思うとそういうメディアの屋台骨というか看板を背負ってやるのは言論に制約しかないので、自分は野良で好きな事やってるのがいいし。こうやって好きな時に好きな事つぶやいてるのがいいです。

 

久しぶりに大河ドラマが好きな分野のためそっちの記事でも書いてみます。

別の歴史オタク部屋で。

その感想のツイートも別アカウントのため、ピアノのTLをお騒がせすることはありませんのでご安心ください。

 

最近ござさん本人から明らかにもうすぐ告知あるぞムーブがきてますが、本来、告知関連の情報はそんな個人のつぶやきでもたらされるものではなく、もっと「第何次プレスリリース」的であるはずだ。

つまり、個人でつぶやいてるうちは、取材してほしくないモードなんだなと解釈しました。

 

というか売りたい雰囲気を感じないので、このブログで拡散する意欲が出てこない。

あのレベルの演奏家さんに必ずあるべき、広報部が発信する形式の情報がない。

あるのはただ演奏だけ。

あまりにも無造作になにげなく、野辺の茶堂にそっと手向けられた音楽。それは行き交う人の心を慰め、元気づけ、癒す。

ただ自由にひっそりと存在する音を、無碍に脅かしてはいけない。

 

事件の端緒をつかみ、取材してほしい雰囲気がどこかに感じられたらまたこの部屋に戻ります。

たぶん。

 

それまでは別の歴史部屋に棲息しているのでそっとしといてください。

では。

(歴史部屋の記事は大河ドラマの#つけてテキトーにTwitterにでも上げることにする)