ござさんの魅力を語る部屋

ピアニストござさんについて、熱く語ります

アイガットリズム 変奏曲についての考察 (菊池亮太×ござ 2台ピアノコンサートにおいて)

 

目次:クリニックで各項目へ飛べます

 

 

 

この記事は、2024/9/14菊池亮太×ござ 2台ピアノコンサート 岡山公演の感想から、アイガットリズム変奏曲についての追記です。

※資料コーナー:岡山公演の感想

 

大阪公演について

この間、9月14日の2台ピアノコンサート岡山公演が盛況のうちに幕を閉じたのは記憶に新しいところだ。公式アカウントから、鮮烈な記憶を呼び起こす演奏中のカットも投稿されている。

現地でも指定されたアンコールの時と、開演前後の時しかホールの写真は撮れなかったので、色々な角度からの演奏時の表情をうかがうことができて新鮮な印象です。

 

そしてござさんと菊池さんからは、2台ピアノコンサートについて次なる大阪公演への案内動画が届いた。

背景に流れているのは、コンサートのメインプログラム、アイガットリズム変奏曲だ。

どうでもいいことに気づいただけ

ここで菊池さんがDuoコンサートとおっしゃられてるのは、アイガットリズム変奏曲は原曲を尊重したアレンジなのでその通りなのだけど、本来Duo(デュオ)=二重奏で、クラシック演奏会で使う用語だと思うんですよね。

Duoって譜面の指示通りの決まった演奏形態と表現で演奏されるじゃないですか。

(アイガットリズム変奏曲はその通りとして)他のボレロつまりアドリブ主体の曲とか、そのほかの8割部分の決まってない曲の2台ピアノ演奏は、Duoって言わないと思うんですよね。

8割方のアドリブ主体の即興演奏は、つまりJAZZでいうジャムセッションじゃないですかね?

でも二人は純粋にJAZZだけをベースにしているわけではなく、あくまで二人のオリジナルのアレンジなのでジャムセッションとも言えないわけですが。

とにかくDuoではないと思うんです。

ていう揚げ足取りでしかないどうでもいいつぶやきですいません。

 

ご当地関連の演奏

岡山では、出身アーティストの藤井風さんにちなんで「きらり」の二台ピアノアレンジを即興で披露されていたが、さて大阪公演も同様に地方での開催ということで、菊池さんが話題を振って「果たして大阪にちなんだ曲は弾けるのか!???」と掛けつつ、ござさんは「果たして弾けないのか!??????わかんないですけども!!!」と混ぜ返してて営業トークにも何にもなっていない。

ござさん。まじめに宣伝してくださいませんか。

自分はここでまじめに予想しますので。

そこで、どういった曲がご当地関連のつながりとしてピックアップされるのか考えてみたけど全く見当がつかない。

大阪関連といえば緒方洪庵(そうじゃない)、楠木正成(違う)。

はい、真面目に考えるんでしたね!?????

大阪出身の作曲家だけでも

加古隆映像の世紀OPテーマ:「パリは燃えているか」作曲)
参考動画:- YouTube

大栗裕(作曲家:管弦楽吹奏楽)
なかでも大阪といえばの曲--「大阪俗謡による幻想曲」(注:12分あって長い) - YouTube

歌手も入れたら数えきれない。

aiko大塚愛槇原敬之大江千里絢香(以下略)………???ここで関連楽曲を連想しても徒労に終わりそうなのでやめておく。

 

そこで大阪公演独自の公式アカウントとかポスターとか探したが見当たらないので、情報を引用します。

(ござさんの公式サイトから)

※ホールの公式サイト。

公演スケジュール │ 住友生命いずみホール

 

※イープラスのチケット購入サイト。

菊池亮太×ござのチケット情報 - イープラス

 

この記事をご覧の方は大阪公演に行くかどうかはともかく開催されることはご存じの方が大半と思いますが、まだチケットは残席あり、販売中のためここでも再掲しておきます。

 

アイガットリズム変奏曲

この記事の目的はおもに、アイガットリズム変奏曲についての補足です。岡山公演の感想で全然内容が不十分だったため。

今回演奏されたバージョンは何なのか

I Got Rhythmはガーシュウィン作曲のスタンダード・ジャズナンバーだ(原曲はミュージカル)。この人気の主題をもとに、『ラプソディ・イン・ブルー』や『ピアノ協奏曲 ヘ調』に続く同様の形式の曲として書かれたのが、Variations on "I Got Rhythm" アイガットリズム変奏曲だ。

この協奏曲をもとにガーシュウィン自身が2台4手のピアノ曲として編曲したものがある。

 ↑  自分は今回アイガットリズム変奏曲を2台ピアノとして演奏すると聞いてこのバージョンを予習していった。

だって間違いじゃありませんよね……?

2台4手のピアノ用に、作曲者自身が編曲した版。

合ってるじゃないですか………???

 

果たして今回演奏されたのは似て非なる曲、別の曲といっていいくらい別物だった。

ガーシュウィン自身による2台4手のピアノ編曲は、純粋にクラシックピアノとしての編曲だったことに、自分は当日ござさんと菊池さんの演奏を聴いてみて気づいた。

というか自分の予習が致命的に的外れだったことに気がづいたが元の木阿弥。後の祭り。

そんなこんなで、自分は当日の演奏を脳裏に焼き付けることができたのかというと、全く心もとない。この部屋で感想を書いてみても、アイガットリズム変奏曲のところだけ記憶が上滑りして内容が無い。そこで、もう一度落ち着いて事実はどうだったのかを考えてみる。そうしないと消化不良過ぎて夜も寝れたものではない。

 

菊池さんとござさんそれぞれの立ち位置

このガーシュウィンの名曲について。菊池さんはことしの11月にソリストとして、オーケストラと共演予定だ。

 

 

告知以来、菊池さんのアカウントにこのお知らせはずっと固定されていた。そして既にアイガットリズム変奏曲もプログラムのひとつとして掲示されている。

このあたりの情報を自分は追えてなくてまったくチェックしていなかったのがそもそもの敗因だ(べつに聴衆として勝ち負けを問われてるんじゃないけど)。

 

菊池さんは今回のコンサートでこのソリストとしての公演に向けての前哨戦という位置づけだったと思う。

そのため、今思えばアイガットリズム変奏曲の菊池さんパートはそのまま協奏曲としてのソリスト=ピアノパートだった気がする。タイミングとして、ござさんの管弦楽部分の演奏をバックにソリスト部分の表現を深く掘り下げていく絶好の機会というか、聴衆としては11月の本公演を前に菊池さんのソロの仕上がりが早くも体験できる機会ととらえたほうが良かったかもしれない。

だから今思えばござさんの担当していたのが管弦楽部分の全パートというわけでして。

ござさんファンとしてもこの曲の演奏は垂涎の的というべきだと考える。ござさんの独特の演奏、管弦楽曲からピアノソロへ書き換えるいわば逆オーケストレーションというべきアレンジは特筆すべきものと思うからだ。

ガーシュウィン自身による2台ピアノ編曲は全く別物だった。

 

誰の編曲か

というわけで、今回の2台ピアノコンサートへ向けて協奏曲版から書き換えたのはござさんだと思う。

単なる想像だけど。

オーケストラの多様な編成と多岐に渡る楽器・音色、それぞれの特色を生かして、ピアノで演奏した時の和音に反映させる。弦楽器、管楽器、それに打楽器それぞれの奏法上の特色とか独特のアーティキュレーションまでも、繊細にそして大胆に鍵盤上に写し取っている気がする。

ピアノ曲管弦楽に編曲したものは(展覧会の絵とか)よく見かけるが、ござさんはその逆をやってるのではないかと思う。

ピアノで和音を感じながら管弦楽の響きをイメージしているというか。

 

それは単なる自分の想像に過ぎないが。

とにかくアイガットリズム変奏曲の演奏は、ピアノの物理的な許容範囲を超えた豊かな響きが感じられた。

どうみても、他の楽器の音が聞こえる。

 

【参考資料コーナー:ござさんの生配信から。どの動画も一定期間過ぎるとメンバーシップ限定公開になってしまいますが、ご了承ください。】

2024/8/3のYoutube配信から。プッチーニのオペラ・トゥーランドットよりアリア「誰も寝てはならぬ」。壮大な世界観までまるごと再現。

(頭出し済み)- YouTube

 

2024/7/28のYoutube生配信から、クラシックメドレー。管弦楽曲だけでなくオペラとかオルガン曲とかいろんなジャンルに跳んでるが、しかしそれぞれの楽曲としての響きを正確に反映している。

(頭出し済み)- YouTube

 

何に似てるのか

アンコールで演奏されたラスト部以外にも、貴重な当日の公式音源が公開されたので転載させていただきます。

 

この中間部は、原曲でいうところのこの部分。ただし頭出ししてるところから少し遡って聴いた方が曲の流れがよくわかる。

(頭出し済み)- YouTube

 Earl Wildピアノ・Arthur Fiedler指揮・ボストンポップスオーケストラ

 

ついでに(自分が当日撮った動画の)アンコールは、原曲でいうところのラストの部分。

(頭出し済み) - YouTube

 

ここまで見てきた皆さま、この曲の特徴的な響きになんか聞き覚えがありますよね。

よく知ってますよねこの響き??

みんなどっかで聞いた事ありますよね??

ねっ?????

 

この時代、1920~1930年代特有のいわゆるスウィングJAZZ全盛期というか、ガーシュウィンはジャズの作曲家としてのちにスタンダードとして親しまれる曲を多数作曲していたなか、アイガットリズムもそのうちの一つで多くのJAZZの歌手に歌われていた。

しかしガーシュウィン管弦楽に明るくなく、協奏曲として発注されたラプソディインブルーやこのアイガットリズム変奏曲の作曲過程において、オーケストラ版に編曲していったのはグローフェの功績に拠るところが大きい。グローフェが管弦楽版の作成に携わったガーシュウィンの協奏曲やオーケストラ曲は、シンフォニック・ジャズとして当時の音楽界を席巻することとなる(つまりグローフェや、ほかにルロイ・アンダーソン大義でいうシンフォニックジャズの作曲家に含まれる)。

 

つまりアイガットリズム変奏曲の響きがグローフェの曲と響きや構成が類似してるのは由来からしてもっともなことだった。

だからといってあのオーケストラでもアンサンブルを合わせるのは至難の業で和音も前衛的な難曲を、二人で通して演奏して見せたござさんと菊池さんの偉業にはただ驚嘆するほかない。

たしかにおふたりをして「この演奏は世界初で云々」と語らしめるだけある、まさに唯一無二の演奏。

 

というわけで、再度宣伝。

大阪公演、チケットまだ残りあるそうですので。参加を迷われている方、いかがでしょうか。

チケット購入サイト:菊池亮太×ござのチケット情報 - イープラス

 

 

ところでグローフェって誰なのかというと。

ここ↓↓↓↓↓にピックアップした曲でみなさんご存じですね?

絶対知ってますよね?

それぞれの部分だけだと似てるかどうかはぴんと来ないけど、全曲聴くと、随所にアイガットリズム変奏曲となんとなーく響きが似てるなーと思いますよね???)

 

代表曲はミシシッピ組曲組曲「ナイアガラの滝」、組曲「グランドキャニオン」とか。

参考音源:ミシシッピ組曲

第四曲・マルディグラMardi Gras:- YouTube

第二曲・ハックルベリーフィンの冒険:- YouTube

全曲(13分くらいある):- YouTube

 

参考音源:組曲「グランドキャニオン」

音楽の授業で聞いたことあるのはこっちです。

第三曲・山道をゆく:- YouTube

全曲(33分くらいある):- YouTube