ござさんの魅力を語る部屋

ピアニストござさんについて、熱く語ります

紅葉のころ

今は、クリスマスも間近な年の瀬の時期。

しかし今回のお題は秋のYoutube動画。

 

秋と言えば。

 

突然ですが、ちょっと愚痴っていいですか?

ウチの職場は病院だが、今年の秋、9月から助走をつけて10、11月~12月も巻き込んで、数字ベースでいくと史上最高レベルで忙しかった。担当は予約や問い合わせとかその他をやる部署。やる事は多岐に渡ってて、ここの所ずっとお茶を飲むための片手も空かない勢いで忙しい。お茶くらい飲ませてほしいんだけど。

思い出してみよう。じゃあ8月はどうだった?夏はコロナの影響か、ウチの部署は不自然に暇だった(つまり予約申し込みが激減してた)。その反動か、秋以降今に至るまでずっと忙しく、自分ははっきり言って最近、いい加減スタミナが切れ気味である。

とか色々あって、疲れてる時は脳死状態なのでこれも書けませんでした。(書き始めて少しやっては寝落ち、の繰り返し、下書きだけが山積み状態)

あー、愚痴ってすっきりした!

 

目次:リンクで各項目へ飛べます

 

 

 

季節は巡る

そういう日常に疲れて、自分はふと思い立って紅葉見物に行っていた。正確には、秋メドレーの動画が上がってたので、自分も秋の気分に浸りたかったというか。

※紅葉見物は去年も行った。(↓参考画像:去年の紅葉、場所は今年とは別)

f:id:tushima_yumiko:20201105220435j:plain
f:id:tushima_yumiko:20201105232933j:plain

コロナ流行の折、そういう自然だけは人間界のごたごたに関わりなく毎年変わらない表情を見せる。調子に乗りすぎた人間たちは自然から無言の懲罰でも受けてるんだろうか。っていうくらい、自然の風景は変わらずにそこにある。

 

 

去年行ったのは観光客も多い有名なお寺だったが、

今回行ったのはもっと鄙びた所。

ひっそりと山あいに佇んでいたお寺、地元では別名をもみじ寺という。人影がまばらに散見されるだけの、こぢんまりした静かな境内だった。コロナ流行の影響で毎年恒例のもみじ祭りも中止の模様。

森閑とした、物音ひとつしない空間。

そんな中「ニャー」と鳴き声。って………?

この猫さん、お迎えの挨拶?なのかお腹を上にして自分の靴の上でごろごろと……自分の知ってる猫とは何かが違うんですが。初対面の人に、あり得ない!?お寺のご主人に、お客さんには挨拶しろって言われてるのだろうか(そんなわけない)。

f:id:tushima_yumiko:20211216204935j:plain
f:id:tushima_yumiko:20211216214216j:plain

とにかく山門でこのように辺りを見張ってて(?)、さながら門番である。その後自分が境内へ入っていくと、「こっちやで」と誘導してくれていたのか、奥の方の紅葉の合間にいつのまにか猫さんは姿を消していた。

お客さんみんなをそうやって散策に案内するのが仕事なんだろうか?
猫が住職をつとめる寺。いいじゃありませんか。

 

っていう話題は置いといて。

ここを訪れたのが11月11日、紅葉には一週間ぐらい早かったかもしれない。そもそも平日で、イベントも特に無くてもみじ見物の人影もまばらな場所だったため、人混みとか雑踏が苦手な自分はすっかりくつろいだ気分でゆっくりと楽しめた。

日常に忙殺されてるのをちょっとでも忘れられたのが良かった。

f:id:tushima_yumiko:20211216205109j:plain

 

このお寺に行く途中に寄った場所もレアなので貼っておく。ため池の堰堤なのですけど。建造物としてレアですが、通りすがりには絶対に行かない場所なので……

やっぱり紅葉には一足早かった。でも自分はこの堰堤から放水してるっていう、田植え時期以外はふつう見かけない光景に出くわしたので、尚更レアだった。

 

f:id:tushima_yumiko:20211216205133j:plain

 

 

 

f:id:tushima_yumiko:20211216211038j:plain
f:id:tushima_yumiko:20211216210903j:plain

紅葉の色合いに癒され、ため池でマイナスイオンを浴びてきて、リフレッシュできた休日だった(またの名を有給消化)。

ござさんのYoutube動画を聴きながらのドライブ。

ソロアルバム発売の2週間前のとある木曜日のことであった。

 

 

 

秋の音色

そのころ投稿されていた動画というのは、その名も「秋メドレー」である。

 

www.youtube.com

 

このサムネ動画のキャッチコピーを見ると、浄化だそうだ。

前回のディズニー動画のキャッチコピーは「熱演」だった。ござさんのストピはいつも熱演じゃないかっていうツッコミは置いといて。

ディズニー動画の時にこのストピの立地についてまとめてたので、リンク貼ります。


テーマが浄化というか、このピアノが浄化される音色なのだ。

最初の指慣らしタイムも好きなのだけど、まるで映画のポスターか何かのように

「めくるめく幻想の世界へようこそ」

って感じで一気に別世界へ持って行かれそうである。

自分だったら鈴を振るようなこの可憐な音色が聞こえたら、どんなに遠くからでも無意識に引き寄せられてきてぼーっとそこに立って聴いてるだろうけど、果たして通りすがりの人達はせわしなく通り過ぎていく。

なんで?

ここは駅だからです。

今からある用事を前に、また仕事を終えて家路を急ぐ人たちが交錯するところです。

最終演奏という所からも、もう夜の時間帯かもしれません。

ござさんのピアノは、「すごいから聴いて」っていうより、例えばこの時間帯なら「今日も一日お疲れ様でした」ってな具合に、周りにいる人が何が聴きたいかっていうシチュエーションに、曲とアレンジを合わせてきてる気がするんです。

なので、通りすがりの人が足早に歩きながらこの音色聴いて何か癒されてたら、いい感じなのではないでしょうか。それがござさんが目指してるスタイルな気がする。

実際立ち止まって聴いてる人もいるのかもしれないが、集まるのが憚られる昨今、遠巻きに聴かれていたようだ。ありがたいことです。

 

 

その音が吹き抜けの構内に広がって、ハープみたいな上品な響き。

 

秋。

そこに日本人は散り際の美しさを見出す。

儚い命に思いを馳せるというか。散りゆく紅葉の短い間の燃えるような色に情熱を感じると言うか。

冬に向かっていく、景色が緑から色を失っていく様をわびさびで表現するというか。

(自分はミーハーで和歌の本を買ってみたが、どの時代も秋の和歌が質量ともに群を抜いて多かった。反対に夏の和歌は絶滅危惧種かっていうくらい、少ない。)

 

最初の指慣らしの終わりも、ちょっと不思議な音。

JAZZの枯葉も、このピアノにかかれば教会のオルガンふうな厳粛かつ華麗な曲になる。ちょっと影がある辺りが、JAZZふうだけど。

 

ここで曲の途中から忘れて動揺したから童謡という、この寒い中さらに寒くなる親父ギャグはスルーです。寒さに弱い自分はこれ以上寒風に身を晒すわけにはいきませんww

 

この動画の聴きどころは、同様です。(あれ?間違えた)風立ちぬのJ-POPも、JAZZも素敵ですけど、童謡は「皆知ってる」以上に郷愁を誘う、何か深層心理に訴えかけられるようなものがある。

童謡はPOPSだったものから唱歌、民謡まで由来は様々だが、ござさんにかかればアレンジで曲調をがらっと変えつつ、お洒落な印象に統一され、しかしどの曲もはっきり特徴が違うから最後まで展開を楽しめる。(あんまり分かってない人が書いてます)

 

明るくかわいい虫の声。小学校の頃雑誌か何かのおまけについてた小さなプラスチックのレコード?で聴いていたような。

 

そこから一転、ここで本気アレンジの赤とんぼがキタ。夕暮れがだんだん早くなる中、稲を刈り取ったあとの田んぼに飛び交う赤い影、みたいな。

曲を一歩進むと景色が違う、とはこのこと。

鍵盤をじっとガン見しながら弾くござさん。本気でアレンジ考えると鍵盤ガン見になるんでしょうか?

楽しくて明るい、以外の感情を思い出す。

 

そういえば、赤とんぼの歌の内容とは?

この歌詞は一人称。歌っているのは、赤とんぼを「負われて見た」人である。おんぶされてたということは、おんぶしてたのは誰か?お母さん?いや違う。「15になって嫁に行った姐や」だ。

つまりお母さんじゃない、15にもならない姐やがおんぶして子守してくれていたという意味だ。姐やというのは姉ではなく、子守の目的で幼いころから奉公に出されていた近隣の(つまり貧しい小作農の)子女、ということだろう。

 

赤とんぼ(作詞:三木露風

夕焼小焼の、赤とんぼ
負われて見たのは、いつの日か

山の畑の、桑(くわ)の実を
小籠(こかご)に摘んだは、まぼろし

 

十五で姐(ねえ)やは、嫁に行き
お里のたよりも、絶えはてた

夕焼小焼の、赤とんぼ
とまっているよ、竿(さお)の先

(参照:https://media.toriaez.jp/y3046/64051.pdf)

自分はこの歌を聴くと、小さい頃に見た(正確には親が見てた)朝ドラのおしんの幼少期を思い出して絶対泣く。タオル必須案件。

それにござさん本気モードのピアノ演奏って、反則である。

戦後の農地解放までは、ウチも小作農で家は掘っ建て小屋だったらしい。祖父は10になると大阪の商家へ奉公に出されていて、祖母も、貧しさのせいで幼いうちにきょうだいを4人亡くしている。

この歌、他人事とはとても思えない。

 

 

※さらに、同様の意味を持つ歌をもうひとつ。

五木の子守歌

(リンク:五木の子守唄

おどま親なし 七つん年で ひとの守り子で 苦労する
おどまいやいや 泣く子の守りにゃ 泣くといわれて 憎まれる
つらいもんばい 他人の飯は 煮えちゃおれども のどこさぐ

 

おどんが打死(うちん)だちゅうて 誰(だる)が泣(に)ゃてくりゃか
裏の松山(まつやみゃ) せみが鳴く
せみじゃござらぬ 妹でござる 妹泣くなよ 気にかかる

おどんが打っ死ん(うっちん)だら 道ばた生けろ
通る人ごち 花あぐる
花は何の花 つんつん椿 水は天からもらい水

つらいもんばい 他人のままは 煮えちゃおれども のどこさぐ
ねんえした子の可愛さむぞさ 起きて泣く子の 面(つら)憎さ
おどんがお父っぁんな 山から山へ 里の祭りにゃ 縁がない

(以前リンク貼ったことあるような…?まあいっか)

赤とんぼは、「負われて見ていた」つまり子守されてた子のほうが成人してから思い出を歌にした事が指摘されていますが、こっちの歌は「子守奉公をしていた姐や」が、子どもに聞かせるではなく労働歌として歌っていたらしい。

そう思うと、聴いてて余計悲しくなる。

 

 

・・・・・Σ(゚д゚lll)ハッ!!!

なんか暗くなった!

やばい!

 

ここはもう一つの動画を思い出してみるに限る!

 

 

同じ場所のストピ動画がもう一つある。

ただしコンセプトは正反対…?

 

 

情熱的なござさん

 

www.youtube.com

「日本のバラードトップ3」勝手に選んで駅で弾いてみました - YouTube

 

これが投稿されたのが12/5。

それにしてはいまだに着てる服は秋の、というか7月頃の動画から着てる7分袖の涼しそうな夏服。………この動画に映り込んでる人がみんな薄着なので、まだ暑い季節に撮ったのだろう、ということにしとこう。

 

大正時代の名建築でジブリ弾いたら調和しすぎてやばい!? - YouTube

春、5月ごろ投稿の、旧古河邸撮影のこの動画から変更したんだっけ?動画編集ソフトをそれまでのとは変えたということで、今回のバラード動画も「字幕のフォントを容赦なく派手にしていきます、これでこそYoutuber」っていうスタンスではなく、どことなくお洒落です。すっきりとした画面構成。

 

「帰宅中の人も多い中、駅構内によく響く」ってことを意識されてるとあるから、やっぱ通りすがりの人にも、心にしみじみとくるような演奏を心がけてるんでしょうか。

 

共通のコンセプトは?

スタイリッシュで、お洒落。

 

ちなみに自分がござさんを知った最初の動画は髯ダン動画である。まだサングラスに帽子時代のころ。コロナウイルスもまだ存在が明らかではなく、ストピに大勢のギャラリーがつめかけて都庁ピアノも大賑わいだったころ。

それからコロナ流行の時期はストピ動画の投稿がなく(だからねぴらぼがあって驚いたし、嬉しかった)、投稿動画としてはずっと過去に投稿されたストピを聴く毎日だった。あのころのござさんは、

何を弾くかも、その時の気分、シチュエーション次第。

演奏中に何か起こっても、乗り切る。

好きな曲になるとノリノリになってしまう。

っていう自由さを感じた。

(※資料リンク:この動画で首がぴこぴことなってる辺りが、ノリノリである

不審者が都庁でクリスマスメドレーを弾いた結果wwwwwwww - YouTube

【マリオ・ゼルダ他多数】ゲーム音楽メドレーをあまりに熱演で弾きまくったら…!? - YouTube

 

要するに心底楽しそうなのである。

今考えてみると、このころは家ピアノはFA08、まだ介護職時代で合間に生配信をしてたくらいなので、楽器として生ピアノ弾けるだけで純粋に楽しかったのかもしれない。

この頃から定期のグランドピアノ配信が始まるまでには、まだ一年を要するわけで。

 

そこへ来ると、最近ここ半年前後のYoutube動画は、最初からテーマも決めて(そうじゃないのもあるようだが)やってるような気がする。

演奏はあくまでも即興のようだけど。

 

 

ここへ至るまでにグランドピアノ配信を通じて、演奏が天と地ほど変わったのは言うまでもないと思う。

アレンジは?昔からすごかったですよ。それだけは今も昔も人間技とは思えない事やってますよね。

ピアノの演奏っていう意味です。ござさんを知った頃から生配信も大好きでどの回も鬼リピし、思い余ってこのブログまで開設してしまいましたが、今になって当時の生配信をじっくり聴いてみて思った。

どの回もそれぞれにすごいのだけど、やっぱ今現在のござさんのピアノが好き。

 

生配信は言うに及ばず。

ストリートピアノを聴くともっと違いを感じる。

なんていうんですか、落ち着きがあるというか演奏に説得力?理論?自信?みたいのを感じる。即興演奏で勢いでやってるのには違いないんだろうけど。

そういうとこが、介護職辞めてがっつりピアノ練習できるようになり、色々勉強もされてきた結果だと思う。

コソ練の成果っていう意味です。

ござさんが頭の中で描いてるであろうアレンジ像に、実際の演奏が追い付いてきたというか実現可能になってきたというか?

 

独特のアレンジで一歩先はわからない。

なのに曲の展開にぐいぐいと引っ張られ、コード進行(?)に謎の説得力を感じる。

ここで「この先どうしよう!」ってなって守りに入ってる演奏より、自分はござさんの挑戦的な(?)アレンジが好き。

ストピを聴いてる人も、そこに心を掴まれて足を止めるのだろう。

 

 

自分の趣味(別に、悪趣味では決してない):

ストピでござさんの音色をどこからか耳にし、フラフラと吸い寄せられ、気がついたら聴き入ってて、ハッと気がつき「そうだ、急いでるんだった!」とアタフタとどこかへ消えていく人を、見つけること。

 

今回の動画みてたら、バラードを情感たっぷりに演奏してる所に、曲を知ってたのか演奏にうっとりしたのか学生が二人「ねえねえ、ちょっと、素敵じゃん?」っていう感じでじっと聴いてるところを発見した。

 

そうだよね、素敵ですよね?

自分はバラードを聴いてときめく気持ちになるっていうのは長年忘れていたけど、ござさんのピアノにはいつもときめいてる。

(しかし、実際にござさんのストピ演奏現場に出くわしたら、たぶん挙動不審になって手が震え、何か物陰に隠れ、陰で聴いた挙句泣いててハンカチで拭き取ってる怪しい人と化してるだろうなあ)