ござさんの魅力を語る部屋

ピアニストござさんについて、熱く語ります

1日遅れの号外

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号外(ごうがい、newspaper extra)とは、突発的な事件、事故、災害やスポーツの試合結果など、世間の関心度が高いと判断されるニュースを逸早く伝えるために、街頭で販売または配布される新聞である。( 号外 - Wikipedia  )

 

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寝耳に水

あるお盆の昼下がり。菊池さんのサントリーホールライブも無事終わり、自分は感想の記事を書くのに追われていた時。

その話題は前触れなく唐突に降ってきた。

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 (情報量が多すぎて一旦フリーズ…………)

(いつ収録したんだろう?忙しかったのはこの事か?)

TVでござさんのピアノが流れるって?

色々ショートカットで考えた結果こういう結論に至った。しかし知らないワードが多すぎる。ふむふむ録画予約はしましたよっと………

 

本格的美術番組という予告

さて、TVの番組内容は小早川秋聲という画家について。20世紀前半、京都を中心に活躍した日本画家。旅を多くしたこともありその絵には国際的な色彩が強いようだ。( 小早川秋聲 - Wikipedia )

特別展が8/7~9/26まで京都で開かれており、今回はその広報的な番組らしい。
小早川秋聲 旅する画家の鎮魂歌(レクイエム) | 京都府京都文化博物館

※その後、東京と鳥取へ特別展は巡回するらしい。

 

ござさんが担当するのは主題歌のアレンジ。歌っているのは歌手の佐賀龍彦さん。

twitter.com

 

 

参考資料:番組情報の記事 

twitter.com

  

とりあえず予習できる範囲で調べてみた。小早川秋聲は大正~昭和期に活躍した日本画家らしい。絵の特集番組というか展覧会の広報的なのは、自分も日曜美術館とか美の巨人たちとか見ていたので結構好き。友人に新婚旅行の土産は何がいい?と聞かれて、ルーブルの図録って頼む程度には絵が好き。ただし今回は日本画、うーん自分が好きなのは長谷川等伯伊藤若冲だなーと勝手に妄想しながらその日は暮れていった。

【 勝手に資料コーナー:長谷川等伯 - Wikipedia    伊藤若冲 - Wikipedia】 

 

 

 公共の電波

 さて菊池さんのライブの感想も書いて自分の中で納得した所で。ござさんの予告のあった番組の時間、13:30に向けて録画予約もばっちり、さてリアタイで見ようと思ってTVの前で陣取った。高齢者たちは出かける用意であわただしく、高1バカ男子はなぜか買ってほしい物リクエストを言ってくる。……ちょっと一言。

何で今なんですか?静かにしてって言うのってそんなにダメなんですか?

こっちは番組始まってびっくりしている所なんですけど?

とにかく後で録画でちゃんと見ましたけどね。 

 

 何にびっくりしたかって、番組冒頭の数秒、告知にあった主題歌?と共にござさんの映像が突如流れたからだ。恐らくござの日のライブ映像、ちょっと加工されてるけど。サブリミナル効果のように、え?と思ったまま番組の内容がイマイチ入ってこなかった。

京都の写真が次々映される中、主題歌と伴奏のピアノが流れている。ナレーションと歌がメインだけど、聞こえてくるピアノの和音とリズムが間違いなくござさんぽい。 

 その絶妙な和音の展開にそう来るのか―と唸りつつ、番組は画家の代表作を次々と鮮明に映し出していく。調べてはいたが、改めて大画面で見るその美しさに思わず息をのんだ。特別展のホームページでもこうはいかない。

番組の終盤でこんなコメントがあったが、

「音楽もそうだが絵画も実物には独特の迫力がある。実際に体験しないと分からない魅力がある。」

その通りで、音楽も今のご時世、配信が主流だが本当は目の前で演奏されている音楽を聴きたいし、絵画も一緒で複製とか図録の誌上からではわからない本物だけが持つ存在感?というか、画家の筆跡やタッチ、画材の感触や色彩の見え方とか、そこに行かないとわからないニュアンスはあるのだろう。コロナ以前は自分も演奏会とかこういう特別展とか結構行っていたけど、そういう理由があるからだ。

この 小早川秋聲という人は大規模な回顧展はこれが初めてだそうで、開催地はゆかりのある京都だった。今まではっきりした評価が行われてなかった事もあるからか、出典は個人蔵の作品も多いそうだ。関係者のあいだで大切に保管され伝えられてきた名画の数々。

牡丹を飾られた軍馬を描いた「愷陣」

幼い子供の夢の世界だろうか、着物の柄も美しい「未来」 

鶴と水墨画に出て来そうな文人が描かれた屏風絵「薫風」

そして告知にも使われている「長崎へ就く」 

母親の実家の経済力を背景に、ふんだんに使われた金泥や高価な画材。また大正期に世界各地を外遊して回ったというのもその経済的援助があっての事と思われる。 

それはさておき、代表作とされている「國之楯」の他の作品を見ていくとどれも生命力にあふれていて画題の視点も多様なのに気づかされる。外遊をしてきたとの事もあり、長崎へ就くなどはおそらくオランダで描かれたもの、ほかにも絲綢之道とか各地で描かれた国際色豊かな絵も多く紹介されていた。

Wikipediaを見てみてもあまり「國之楯」以外の、戦争以外についての画業にほとんど触れられていなかったので 、確かに今回の回顧展は画期的なものがあると思った。

 

これらの存在感たっぷりな絵のバックに、ボーカルの「私を泣かせてください」という歌(ヘンデルの歌劇から)が流れ、ござさんのピアノが特徴的な和音で独特の色彩を添えている。作品を引き立たせてしみじみとした情感あふれる空間を演出し、それでいて一ひねり加えてひそかに主張するピアノ伴奏。

それからフルートとピアノの「愛の夢」につながっていくBGMが素敵すぎる。 

 小さいころのエピソード、「おやつよりも紙を欲しがった」というくらい絵を描くのが好きだったというあたりが、ござさんぽくありませんか・・・?常に鍵盤から離れられないあたり、分野は違えど共通するものを感じるんですけど。

 

 

自分なりに持っていた夢

すごい画家だったんだなあ………と感慨に浸っているとラストでアナウンス役の佐賀さんから、伴奏はピアノのござさんと紹介されている!しかも字幕付き、再度ござの日の映像つきで!

というわけで「TVをつけたらござさんが出演してた」というシチュエーション、ピアノメインではないけどある意味達成できた気がする。

ござさんを知った当初からの自分の夢。

「ソロライブのステージで演奏してる姿を見る事」

「TVやラジオといった公共のメディアでピアノが流れる」

どちらも達成できたといえなくもない。しかしソロライブは観客有りでやれてないし、今回メディアで演奏は流れたがピアノメインではない。

 

しかし落ち着いて考えてみよう。こういった編曲や楽曲提供といったスタイルは、もっともござさんの得意とする分野だったのではないか。それから大好きなベースラインも含めて。以前から「仕事来るならこういうジャンルかもな、そういうやつの方がござさんにはぴったりかもしれない」とは思っていた。ピアノ1本で勝負するならコンテストなりに出ればいいわけで。しかしござさんの世界はピアノだけにはとどまらないし、コンセプトが「聴いてる人に合わせる」というか「セッション相手に合わせる」というのがメインな気がする。ソロピアノで勝負するのもいいけどこうやってボーカルの人、また番組のお題すなわち絵画を引き立たせるように寄り添って弾いてる時がござさんが本領発揮してるのかな、と思う。

 

また、この会場となった京都文化博物館(の別館)も一見の価値あり。旧日銀の京都支店だったらしい煉瓦造りの重厚な建築物である。 京都の特別展の会期は9月26日までだったと思う。まだまだイープラスその他プレイガイドでチケット販売中。 

 

・・・イープラス? 

特別展の主催者をもう一回確認してみた。

主催:京都府京都文化博物館京都新聞、BSフジ、ライブエグザム

 

ライブエグザム?ZEPPの運営会社のアレですか?ござの日のイベント制作会社だったアレの事ですか?

それ繋がりの権利関係で、番組の中でござの日の映像が使えたのかもしれない。今までの活動も何らかの意味があるんだなと思った。今回TV番組に関わった事で、業界の音楽制作担当者には存在を知ってもらえたわけだし。

TV、ラジオ、映画その他のコンテンツには必ずと言っていいほどBGMや主題歌というのが存在する。またお店に行ってもたいてい何らかの音楽が流れている。ござさんのアレンジは「ここでござさんの演奏だったらなあ!」という場面で、どこでもぴったりに合わせて来る気がする。

 

今回の仕事で何が重要って、G興業さんでも何でもない、何のつながりもない所からの仕事っぽい点です。要するにこれを機に新たな仕事ルートが拓ける可能性が残ったということです。

仕事が来るのは大事です。というか死活問題だからです。バックも後ろ盾もないござさんにはまず仕事です。

大きなビッグイベント、名前が前面に出る大きな仕事も結構ですが、大衆はすぐ忘れるというか飽きっぽいのでござさんにはこのように地道に業界に名前と腕を売り込んでいただき、存在を認識してもらって少しづつ信頼を得て行けば、道は開けるのではないかと思った次第です。Youtubeのシステムに依存してる現在ですが、Youtubeというプラットフォームがいつまで機能するか、ござさんの生涯を通して収入源として機能するかは不透明ですし。)