ござさんの魅力を語る部屋

ピアニストござさんについて、熱く語ります

ござの日2022 in大阪 ライブ現地レポート

 

ステージの青いライトアップにござさんのロゴが浮かび上がる。

自分は手を痛いくらい握りしめ、暗い席で息を殺してじっとその人を待っていた。

どのくらい経っただろう?永遠にも思えるその空白の時間。

やがて待ち人は飄々と、というか堂々とした足取りでステージに現れると、いつも通り全方向へお辞儀する。ほんとにずっとお辞儀してる……5回…6回?

実際の姿は思っていたよりずっと小さくて華奢?だった。細くて白い小さな手。一体どこからあんな変幻自在なアドリブや迫力ある演奏が生まれるっていうんだろう。

しかし客席を見渡してお辞儀をすると、小さくうなづくようにしてピアノの前に座る。

 

自分の席はござさんのマイクいらないんじゃないかという位、ステージの目の前だった。そんな場所も手伝って、今まさにそこにござさんがいる。ステージライトを華やかに浴びて、ちゃんとそこに立っている。ちゃんと挨拶して喋ってる。ほんとにいるんだござさん……

現実なんだこれ……夢じゃない……

 

今回の衣装は初めて拝見する(ような希ガス

カジュアルな雰囲気のノーカラージャケットには裏地に綺麗な模様が覗き、それにドットのネクタイ。海を思わせるネイビーと水色の組み合わせ。シャツは凝ったデザインのストライプ。ジャケットとシャツにワンポイントの赤が効いていて、ヘアセットもいつもの感じ。靴もかっちり決めている。

爽やかな新緑と五月の風を思わせる、初夏の候を先取りしたようなスタイル。

ござさんどうされました、ばっちりです……!

ステージから新緑の香りまで匂やかに広がってます……!

 

 

 

というわけで(どういうわけだ)、2022年5月3日。

 

やって来ましたJR大阪駅

今日の最大のミッションは、快速マリンライナーから大阪行きの新幹線へ無事乗ることであった。ヨカッタヨカッタ、これで今日の仕事は終わりである(←←違)

目的はほかでもない、ござの日ライブを聴くためだ。

 

「世界中の青空を全部大阪に持ってきてしまったような、素晴らしい五月晴れでございます」

(※引用:東京オリンピック開会式のアナウンスより、一部変更)

 

大阪駅ってこんなんだっけ?え???結構前から変わってた?ふうん……コロナで2、3年来てないとこの有様だ。というわけで文字通りお上りさんの自分はキョロキョロしながらも、今回のもう一つの目的・大阪城(の石垣)を見物して回ったのだった。ていうか石垣しか見なかった。

 

広い大阪城を一周歩きまわって疲れた自分は、ござさんファンとも落ち会って、夕方だけど開演まで時間もあるしちょっと座ってゆっくりしたいよね?と思った所で、近くのスタバへ目を向けた。

………というか目を剥いた。なんなんだあの大行列は?イヤだ。行列は嫌いなんだ(田舎民は並んだことがない)。

そこでカフェ難民となり路上を彷徨う我らござさんファン。地味に熱い太陽の光線が路上からじりじりと反射する。そんな我々の前に、古びた店構えの昭和風な喫茶店が現れた。えぇ…?自分はもっと都会的でお洒落な所がいいなと……あぁっちょっと待って……

「こーいう所、今時レアなんだよね。都会じゃもう中々出会えない店だよ」

「そうそう一周回ってレトロでお洒落ですよね~」

えぇ……その店入るんですね(お洒落とは)

 

ガチャッ……白い扉を開けると、そこはこぢんまりした空間にコーヒーの香りがゆっくりと漂っていた。

(画像はイメージです)

カウンターではマスターが黙って豆を挽いている。

 

(※この喫茶店は実在します。今回はG興業さん絡みではありません。)

そしてマスターは自分らが一見さんと分かるとすまなそうに、「カウンター席しかありませんが」と混んでいる旨を伝えてくれた。

………中々雰囲気の良い店ではないか。(手の平クルー)

自分はこういう純喫茶ではコーヒーのブラックを注文すると決めている。コーヒー本来の香りを楽しみたいからだ。

さてコーヒーを待つ間、挨拶もそこそこにござさんファン同士で先日のねぴふぁびの演奏の解釈から、今日の大阪城の混雑ぶり、それから今日グッズ販売あったっけ?プレゼントや手紙は用意した?ということまで話題は尽きることはなかった。

なんか不思議な感覚だな。

かれこれ1~2年の間ペンネームのままござさんについて熱いやりとりをしてきた割に実際会うのは初めてで、でもやっぱり意気投合して盛り上がる。自分は生ござさんを見るのも初めてだが、ああ、ござさんファンも実在するんだなあ……と感慨に浸っていた。

出されたコーヒーもおいしい。自分が注文したのはエチオピアモカ。やわらかな香りと上品な風味が楽しめる。(傍らのござさんファンに)「ブラックで飲むんですね!?」と言われたので自分的にコーヒーとはブラックで味わうもの、ミルク入れるとコーヒー風飲料という別物になっちゃう、と持論を主張した。さらに、モカ・コーヒーの起源や地名について語り出すとエンドレスになって終わらない( ´∀` )オタクだから……

モカとは世界最古のコーヒー産地、イエメンの古い港町モカから名前を取ったが、この店で出してるのは対岸のエチオピア産でどっちもモカという。イエメンの歴史は古く、旧約聖書でバビロン王に乳香を持って会いに行くシバの女王ベルキスで有名な、シバ王国があったところ。港町モカは紅海のアラビア海への出口という要衝にあり、その航路は古代インドから季節風貿易を通じて胡椒や香料がアラビア半島のイエメンと紅海へ、さらにエジプトのアレキサンドリアからローマへ運ばれた……

 

さて時間もちょうどよく、自分らはお会計を済ませて店を出ようとした所でマスターがなぜか赤いハンカチを持っている。それとスマホを。あれ?コーヒー豆じゃなくて?と、みるみるうちに赤いハンカチは自分らの目の前で、ちょっと窮屈そうにスマホの液晶画面の中央を音も無くすり抜けた。液晶画面は表示されたそのままで。

……エッ?ナンダッテー!?=͟͟͞͞(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)

 

口を開け凍りついた自分らの前で「ほ~らwww」と繰り返しやってみせるマスター。

( ;つд⊂)ゴシゴシ…見間違えか?

 

やっぱりスマホの液晶画面は光ったまま。

(;゚д゚)(つд⊂)ゴシゴシ(;゚Д゚)…?!

 

自分らはどよめきつつマスターにタネあかしを迫るも、「いや~気が向いたらやるんですよ(*^^*)」とニコニコされるだけであった。

自分らは狐につままれたようになって茫然自失のまま店を出た。

 

フラフラしてる場合じゃない、もうホールは開場時間を過ぎている。

と………とにかく気を取り直してライブを聴くんだ!

 

 

目次:クリックで各項目へ飛べます

 

 

 

ござの日2022in大阪 ソロライブ

2022年5月3日(火・祝) クールジャパンパーク大阪 WWホール
配信チケット販売中:
ござ ござの日2022 in 大阪のチケット情報(Streaming+) - イープラス

※視聴可能期間 5月10日(火) 23:59まで

 

さて、ござの日ライブは自分はうどん県から日帰りで見に行きました。

念願のござさんのライブ、生で見る初ござさん、2年間ネット上で聴いてきたけど現場で聴くのは初めて、ほんとに実在するのかな???うわぁどうしよう、ドキドキ……

 

 

ステージのバックに写る、"ござーgozaー"のロゴ。ここに大きくランドマークとして掲出できるような公式ロゴができた点も、去年のござの日と大きく違う点だ。

 

 

宿願

ござさんの介護職をやめてからの音楽活動は、そのままコロナウイルスに翻弄されてきた歴史と言うことができる。(ここで唐突にBGM:American Wake 【ネピサマ】リベンジ!ござの新居お披露目Live! - YouTube より)

ござの日を冠するタイトルのライブは、今年3回目の挑戦である。要するに3度目の正直である。(心の声:コロナウイルスよ見ているがいい。いくら猛威を振るおうとも思い通りにはさせないからな、今回中止は断固阻止させてもらうよ。)

 

〘2020年の場合〙

この時計画されていたのは都内での30人ほどのライブ。でも当時既にYoutube登録者数20万人超えていたのに予定客席30人とは?(無理があるよね)

 

【※試しに比較:2019年3月のライブが定員30人位だった。2020年もこの時期と同規模の会場を考えていたということになる。ござさん……?おーい……?】

 

〘2021年の場合〙

ねぴらぼ・ねぴらぼinvention(無観客公演)などの舞台を経てのこのステージ。ござの日ライブはレストランでの公演が予定されていたがこれも無観客・配信のみとなった。

 

自分はこの知らせを受けてある意味メンタルを直撃され目標を見失った。周りの全てが輝いて見える中、どうやってござさんを応援していけばいいのかと、霧の中をさまよう毎日だった(8月まで)。

(その間のブログが色々病んでる感じになってる。無理してるのが目に見える)

 

〘2022年の場合〙

つまり今年のござの日は何が違うのかというと、バンド編成で有観客ライブができるという点である。ウイルスの動向は沈静化したわけではない。学校とか病院・介護等の現場ではまだまだ感染対策は従来通りである。しかし世の中はこの春から少しずつ行動制限の緩和に向けて動き出した。

バンド編成のライブといってもペンライトを振ったり歓声を送ったりする舞台ではない。観客はただ着席して拍手するしかなくて、その点クラシックコンサートのように静止して聴くだけだが、やはり目の前で鑑賞できるというのはファンにしても何物にも替えがたいものがある。

ござさんも(浜離宮に続き)今度はバンドメンバーと共に、新アレンジを引っ提げてファンの前で披露できるという点。

また同時に配信ライブでもあり、観客を来場者に限定せずファンのライフスタイルで自由に楽しめる文化として定着した点が、コロナ流行以前と比較しての唯一の改善点だろう。配信がなければ、東京や大阪等の都会で行われるライブ・演劇・バレエやオペラの舞台というのは、ツアーも来ない地方民にしてみれば、ほぼ縁のなくアクセスの難しいイベントだったのだから。

 

 

チームは家族

別にこれはお宮参りの写真でも入学シーズンの写真スタジオでもない。

どの辺が父親なのか?そうすると母役と息子役は誰なのか。深く考えない事にしよう。

彼らはねぴらぼinventionから(メンバーによってはねぴらぼから)戦場を共にしてきた盟友である。それにしては雰囲気が和気あいあいとしているが、チームワークの現場に必要なのは気軽で忖度のないコミュニケーションだ。一見障壁のない雰囲気のように見えるセッション。

しかし彼らは一瞬のわずかな閃きをも逃さず、紙一重ギリギリのところでせめぎ合っている。丁々発止のやり取りが繰り広げられ緊張感に満ちているステージ。バンドメンバー同士で絶えず目くばせし、ござさんは絶妙なタイミングで手を挙げアイコンタクトを取って指示を出す。

厳しいキメが次々と決まり見ている方は思わず息をのむが、しかしメンバーは誰もが目に余裕の色を浮かべていた、のは気のせいか。

 

 

ドラム Dr.:高橋 遥平さん

ドラムはリズムとビートを刻むバンドの要、今回ござさんのアレンジとよりシンクロしてて後半のバンド編成が以前にも増して素晴らしかった。

 

パーカッション Per.:直井 弦太さん

後述するが、今回の演奏ジャンル的にドラムスとパーカッションはやはり不可欠な存在である。パーカスの特殊楽器が加わることで、ござさんが脳内でイメージして鳴ってる音が絶妙な呼吸のアンサンブルで再現される。干しエビが入ったお好み焼きみたいに最後のパーツがキマるから。(←決してボケではない)

 

エレキベース Ba.:兼子 拓真さん(熊吉郎さん)

ベースの存在はバンド編成上の重要さとしてここで語るべくもない。さらに、ござさんはベース大好きなあまり、わざわざベースを曲に合わせて家で練習するくらいである。
【菊池亮太×ござ】ピアノ超絶技巧の二人の練習法を披露!月刊ショパン2月号ストピフリーセッション - YouTube

よってござさんアレンジでは、よりベースラインにこだわった楽譜になっているとみてまず間違いないだろう。演奏技法が奏者に優しいかどうかは置いといて。

 

以上、彼らバンドメンバーは去年以降様々なイベントの舞台を踏んできて、さらに頼もしくなっているように見える。

 

※どれくらい彼らが気の置けない仲か、裏付けは取れているのだ……

 

 

演出の工夫

音響

反響板とREMIX

ねぴらぼinventionでも配信があったが、今回との違いは譜面台裏にも新たにアクリルの反響版が2枚あることである。これで、ピアノの本体で共鳴してる音をよりリアルにマイクが拾う事になる。

浜離宮ではホール全体が反響する楽器として機能していたが、今回のWWホールはイベントホールであり、そこまでリアルにアコースティックな音は拾ってくれない。そこで、配信はいいとして現場の客席の隅々までどのようにピアノやバンドの音を届けるのか?ということで、マイクで精密に拾われた音は舞台両脇の巨大なスピーカーで増幅されていた。巨大というか、6~7個くらいで出来た複合スピーカー?

 

配信と実際の音

では実際の観客席と配信では音はどのようになっているのか?

忌憚なく言えば、これ以上ないくらい豪華な機材とシステムで配信は行われていた。しかも家のパソコンの超リアルサラウンドモード周辺機器で聴くと、まさにその場で聴いている音そのものである。これを家でいつでも聴けるすばらしさ。

しかし今回現実に客席で聴いた感じからすると?

特にバンドメンバーの音は配信の方がより鮮明に聞こえる。しかし、ござさんのピアノの音は、配信を2次元の音と仮定すると、生演奏は3次元の音だという事ができるだろう。

配信が平面的な抑揚のない音だとは言ってない。

配信もすごいけど、ござさんの生音はデジタル技術のさらに上を行くんだと言いたい。

自分のパソコンに接続したサウンドカードの性能が追い付かないござさんの音。

どんだけ?

 

 

遥かにスピーカーを凌駕するござさんの音、その本質を考える

上で、配信と実際の現場での聞こえ方の違いを書いた。

しかしここで疑問に思われる方もいるだろう。

「ピアノって楽器の弦を通じて音が鳴るんでしょ?アコースティック的な。現場で、スピーカーで増幅しちゃったらCDとか配信で聴いてるのと一緒じゃん。なんでそんなことすんの???」

理由は上記に書いた通りである。ホールの客席に隈なくリアルな音を届けるためだ。

しかしそれで増幅されてもなお、何故かござさんの弾くピアノは楽器から直接手元で音が聞こえるのである。

粒のそろった真珠の玉が舞台から五線譜に乗って客席に舞い降りるような、眩しくて綺麗な音が飛んでくるのだ。

音が飛ぶ。

(学生時代に部活で)管楽器をやってた自分は、ホールの奥まで素直に飛んでいく綺麗な音を追求していた。管楽器の場合は息が音質を左右するから姿勢や肺活量が問題になるけど、ピアノの音を綺麗に飛ばすすとはどういうことだろう?

ござさんの音はたとえ小さくてもピアニシモでも主張する。音の大小にかかわらず、遠くまでよく透る澄んだ綺麗な音。それが遠くでも聞こえるのが、音が飛ぶという事だ。(ピアノってたぶん、打鍵コンロトールによって音を調節してるんだと思うけど、詳しいことは知らない)はっきり聞こえるけど硬くない優しい音が、クラシックやラテンの様々なリズムに乗って自分らの手元にそっと降りてくる。

 

眩しい照明に照らされて。

 

 

照明と演出

今回の会場は比較的新しい。大阪には他にもクラシックならフェスティバルホール、イベントなら大阪城ホール、バンドのライブならZEPP、他にも数え切れないくらい会場があるはずだがなんでここを選んだのか?実際に見てちょっと分かった、気がした。

ピアノライブならスピーカー装置があるとは言えそこまで大きなホールは必要ない。

ここならちゃんと客席もありしかも舞台演出が様々にできるから、かもしれない。

ねぴらぼinventionの照明演出も十分凄かったけど今回さらにすごい(語彙力)。ステージ上のござさんのロゴをバックに、スモークが効果的に幻想的に広がる。その中を様々なライトがシーン別にドラマチックに、抒情的に、またリズミカルにと自由自在に演出してくれる。

ラテンのリズムに乗って細かく照明のスイッチが行き来する。どうやってリハしたんだろう?謎は深まるばかりである。

そんな綺麗な照明で浮かび上がる、ござさんの演奏する鮮明な姿。自分は思わずこれ以上見れないっていうくらい目を見開いて見ていた。この時ばかりは、自分の生体的な眼の解像度の性能に感謝するのだった(なんのこっちゃ)。

 

衣装

※去年のござの日。「攻めてた衣装」との事。

 

それから一年経ち、ござさんはものすごく垢抜けた、と思う。公演にはスタイリストさんがついてくれてるようだし、私服もファッション偏差値を爆上げされてるし、もういりすさんの指導は本格的に必要なくなったのかも、と思う。

 

あまりの垢抜けたこなれた感じに、舞台に登場された姿を拝見して自分は一瞬呆気にとられた。ポッケに携帯入ってるかどうとか、どうでもよかった。

ござさん本人はさわやかな感じがお気に入りの様である。これで最高のパフォーマンスが引き出されたと考えると、スタイリストさんには感謝してもしきれません。クレジットが上がって来ませんのでお礼が言えませんが。

 

 

自由自在のござさんワールド

ソロライブで、いやソロライブだからこそ全方向のファンに気を遣っているござさん。どうやったら会場に来てる老若男女の皆さん、配信を聴いてくれてるすべてのファンに広く楽しんでもらえるのだろう?そんな隅々までいきわたるホスピタリティを、ござさんの言葉の隅々に、一挙手一投足に、ステージを見渡す視線にも感じた気がする。

心ゆくまでお楽しみくださいませ、と。

 

ソロ曲ーーーござさん成分100%

しかしござさんの第一言語は音楽であるので、おもてなしもピアノ演奏であった。

あらゆるところまで計算され尽くされたプログラム。

いちいちジャンルも書いておこうか。

 

JAZZ  およげ!たいやきくん 

なんでこれなのか。大阪だから?(いや関係ないだろ)自分は最初、一瞬だんご三兄弟かと思った(昭和枠ということで)。生配信ではこのたい焼きくんアレンジが毎回すごすぎて、原曲のイメージがなんだっけ?となるからだ。

JAZZは実践が中心。「実践こそが基礎力維持につながる」(練習動画より)

結構大変!?クラシックもジャズも弾いてるピアニスト(兼YouTuber)の練習風景がこちら【解説付き】 - YouTube

ちなみにござさんが最近何の舞台を経験したか。それはねぴふぁびだ。あの個性の全く違う4人が集うことでお互いが刺激され、新たな化学反応が生まれるようにそれぞれの演奏に影響を与えた事は間違いない。

ござさんの演奏においても然り。

特にJacobさんともコラボされたし、どう見てもあの舞台での経験がござさんのアレンジにインスピレーション、ひらめきを与えたとしか思えない。上記の動画では「基礎力維持」となっているが基礎力維持のレベルを超えている。斬新なコード選びと洗練されたアドリブ、全てにおいてついこの間から2回くらい脱皮したんですかっていうくらい、アレンジが独創的で垢抜けた感がある。

しかしねぴふぁびの感想で「ござの日ライブではまた華麗に変身を遂げていることだろう」とかいう趣旨の事を書いたと思うのだけど、まさかほんとにこのレベルで変わってくるって思わないじゃないですか。今までのすべての経験がござさんには糧となっていると思う。あらゆることを凄い勢いで吸収されている気がする。

ありきたりな忖度なしに、今聴いてるござさんの演奏は、次聴く時はきっとなんか違ってるぞって安心して期待できる。ファンとしてこれほど嬉しいことあるだろうか。

 

アニソン  Get Wild 

ござさん曰く「オーソドックスにして王道なアレンジ」。ちょっとたい焼きで最初から羽目外したからですか。誰でも知ってるアニソンときて、ルパンかコナンだろうと思ったら。誰でも知ってるアニソン?そもそもジャンプ全盛期のシティハンターED曲をござさんが知ってる所からして世代ずれてるんだよね??いや、TM NETWORKの名曲だからか?

個人的にはこの曲大好きなので飛び上がるほど嬉しかった。ていうか、今日選曲攻めてるなと感じた。アルバム曲中心のソロコンから趣旨が変わってるのもあるし、ライブにおける新しい表現を模索してるというか?アニメのラストシーンと同時にかぶせてくる印象的なイントロ、ED曲なのに謎のワクワク感があるところも完コピ。これをバンド構成じゃなくてあくまでソロでやりきるあたり、ござさんならではの面目躍如。つまりポイントはござさんの代名詞といっていい左手のビートがさらに複雑になってる?のと、サビ直前の原曲には無いハイトーンまで弾くとキマる所にきっちりねじ込んでるところです。(伝わらない)

このアニメの名シーンの如く白銀に光るスポットライトが、ござさんの姿を克明に浮かび上がらせている。

 

 

オリジナル曲 アネモネ 

行灯に貼った厚い和紙を透してやわらかな光の輪が拡がるような、そんな温かさを感じる。心に響く音はまるで暗闇の中静かに灯る橙色の光。ござさんならではの特徴的なコード進行が、無言でしかし雄弁に語りかけてくるようだ。

 

この曲を作曲したきっかけは確かツイートによると「癒しが欲しかったから」。

ござさん自身も今回曲の解説で「こういうゆったりした曲を弾くと、場所の響きをよく感じられて非常に良い」と、この曲がもつ穏やかで静かな響きに愛着を感じていたようだ。

聴いてると自分も素人なりに、ござさんの独特なコード進行?和音の配置(リハモっていうんですかね?)が生み出す深い味わいある世界を存分に堪能できて、いつもは静かに黙って自分は涙を流す。というかライブでこの曲が来たら絶対泣く自信があった。でも今回客席に実際に座ってみると、演奏が流れてもなぜか涙は落ちてこない。

タオルも何枚も持ってきたのに必要なかったのだ。なんで?

想像というか仮定だけど、そうやって感情がボロボロになるのが分かっていただけに、本能的に自分の精神にバリアーを張ってしまったのかもしれない。そういう安全な繭の中で仮死状態になることで、身の安全を保ち平静を装うことができたのかもしれない。

精神のだいぶ前の方に防衛ラインを引いた。そこを超えようとすると、ピーーーーーとエラーが響くように。

だって。ステージに近い席で、目の前でござさんがピアノ弾いて喋るんですよ。やばくない???何の曲弾かれても正気を保てるとはとても思えなかった。(遠い席ならよかったのか?いや同じだろう)現に家で一人で聴いてると例えカレー用のうどんを茹でながらでもタオル握って号泣してますのでね。

 

ござさんの和音は、癒しというか、冬なら小春日和の日差し、春なら暖かな風を受けて庭の隅に咲く可憐な花のように、和音を噛みしめるほどにじんわりと気持ちがほぐれ、 しみじみと幸せを感じさせるのだ。

 

 

クラシック ショパンマズルカとCHOPIN syndrome

ショパンの曲は昨今特に人気が高い。それは去年秋のショパンコンクールが非常に話題となってネットで生中継もされ、日本人も入賞したのが大きいだろう。

ござさんもそういう世の中の流れを読んだのか?というよりは小さい頃から親しんできたクラシック曲がここにきて大きくクローズアップされているのを感じて、アレンジ曲を作ってみようという創作意欲が高まったのかもしれない。

ソロコンサートでもショパン即興曲の難曲アレンジ版を演奏されていたがあれはご本人いわく「すでにできている編曲版、既製品」であり、そこからさらにござさんのこだわりが詰まったショパンアレンジメドレーができあがったというところか。(こだわり過ぎて?Youtube動画では自動チャプターが全く的外れな構成になってて残念な限り)

 

生配信で時々顔を出すショパンの曲を思い出しても(ex.2020/1/10とか)、リクエストに応えて弾くレベルではなかった。でも自分のどこかに「これだけご存知なのだからもっと練習時間取れれば凄い事になるのでは…!」とどうしようもなくやり切れない気持ちがくすぶっていたので、この曲がYoutube動画で出されて衝撃だった。

「ストピでもなくスタジオガチ録音!遂に、キタ!(語彙力死滅)」ってその時思った。

しかもその難曲を今日は生演奏である。目の前で演奏してるのを聴けるのである(←改めて現場でも語彙力無し)。自分は思わずうめき声をあげるか万歳して立ち上がりたかったが前の方の席でそんなことはできない。よく考えよう、これは生配信中の公演だぞ?

このショパンのアレンジ動画がYoutubeに投稿されたのは4月上旬、そこからわずか1か月でライブで演奏できるレベルにまで仕上げてくるあたりは相変わらず人間技ではない。動画でよく聴いていたはずの演奏にライブならではの呼吸や表情が加わって、ショパンの曲のもつ明るさから哀愁まで繊細な感情を持って語りかけてくるようだ。

 

ござさんのどこから湧いてくるのかという無尽蔵のモチベーションはおそらく1/15のソロコンサートからもらった所が大きいだろう。あのよく響くホールにピアノとござさん、そして観客だけが存在した空間。その時の演奏に拍手をもらえたことでござさんははっきりした手応えを感じたにちがいない。

あのホールで聴いてくれたファン、見えない所でも配信で聴いてくれているすべての人々から、背中に大きな後押しをもらったことはその後の活動に影響していると感じる。この曲のようなアレンジ曲やオリジナル曲の作曲・編曲、コンサート、動画投稿、毎週の配信、その合間にひたすら練習し……そのすべての活動に、無言の自信が滲み出ている。

ということはまたコンサートやればモチベーション上がることは間違いない。次のござさんの動きが楽しみである。

(この曲のもととなったクラシック曲に関しては専門家の方のご意見を聞くのが適切でしょう。)

 

 

静かに一旦退場(ここはツッコミどころ)

ここまでソロ曲が続いたので、今から後半部、バンドメンバーが登場するんだな?と察しはついた。でもね、なんか喋ってから退場しましょうよ、ござさん。何でもいいじゃないですか。準備の間しばしお待ちを、とか。気がついたらステージから捌けられていて、次の準備までのビミョウな間が「どうすれば……?」と客席で見てて思った。

 

 

バンドの本領とござさんの研究ーーラテンコーナー

個人的にこのコーナーが一番このライブで大好き。つまり別名ラテンコーナーとも言う。なぜ大好きなのか。理由を考えてみた。

・去年もござの日はバンド編成だったじゃん?………たぶんあれから月日がたち、バンドの皆さんも多々ステージを経験されて演奏も変わって来た説。また、ござさんのアレンジもラテン音楽の本で研究されたり、より本格的になってきた。

・選曲の違い………去年のござの日は、En Visionの基となる曲が中心。今年はもっとバラエティに富んでいる。ござさんが、生配信ライブを通じて昨今の各有料ライブのセトリも勘案して、今回演奏するのに適した曲、として曲順、アレンジも考えてこだわりぬいて配置した可能性。バンド編成に向いた曲というのも選び方が上手い?気がする。(よく分かってない。)

 

小フーガト短調

今回のライブの10日ほど前に別のステージがあった。ねぴふぁびである。そこでストリングス編成でござさんはこの曲を演奏しているが今回はバンド編成である。

観客も、一粒で二度おいしいのである。

色々細かい所まで計算済みなのである。

事前に生配信(4/16)でコソッと演奏しといてステルスマーケティング

ねぴふぁびではストリングス編成で正統派バロック調に、

そして今回バンド編成で現代風……ラテン風?ではなくロック調であった。

 

バロックとロック、合うんだ…???

ござさんにしてやられたというか。

ござの日直前まで4/16の感想書いてた自分はこれ聴いて思わず膝を打った。バッハつながりやん!的な、よく考えたら自然な流れだ。しかしござさんは「クラシックはちゃんとやってないし」の一点張りを通してるが、バロックから古典派のモーツァルトやベートーベンも絶対にがっつりとやりこんでると思う。ござさんと菊池さんの連弾動画とかには、どっかにクラシックモチーフが必ず隠れてるし。そーいう西洋音楽の基礎となる曲の大切さを理論的に分かってるからなのではないか(何も知らない素人がすいません……)。

 

この曲でドラムやベース聴いてさっそく思った。

去年のござの日の配信より、(今回は現地で聞いたが)比べものにならない位音響がいい。新しいホールだから機材が最新なのかもしれないが。去年の会場がそもそもレストランだったのはあると思うがあの時はあれで十分感動してた。しかし今回のを聴くとどうだ、同じメンバーか!?っていうくらい印象が違う。

それほど設備と機材って大事なんだということだ。

しかしドラムスの大音量が現地で聴いてると体に直接響いてきて地鳴りみたいだ。ここに紙相撲を置いてたら置いてる関取の駒は全部一気に落ちちゃうんじゃないかと思う勢いだった。その大音量のドラムの中に対旋律的な低音が音程を動いてるがあれは何だ…もしかしてあれがベース音だったのか!?よく分からない。

 

ラテンのパーカッションに乗ってバンドメンバー紹介

このリズムを刻みながらのメンバー紹介も新鮮。BGMあるから楽しい。ござさんが一人ずつコールする声もはっきりとよく通り、なんか座長としての自信みたいのが感じられる。そして、お互いに信頼してる感じがよくわかる。お互いの才能を尊敬し合ってる。

何より、ラテンのリズムが心地いい。バンド編成、すばらしい。

何よりも存在感を放つのがパーカッション。普通のバンドにはない特殊楽器で普通とは違うリズムや合いの手を入れてくれる。だからドラムスは本来のドラムパートに専念でき、ござさんもピアノで思う存分和音で遊びたい放題。より楽曲の仕上がりが本格的に、豪華になるというわけだ。

 

 

Pretender

ござさんは曲名をコールせずに弾き始めた。なるほど有名曲……ん?よくこれ有料配信で著作権的にオッケー出ましたね…?あれか、交渉がぎりぎりで第1回ねぴらぼとかSummerRainはリハの当日に許可が下りるとかいう運営だったらしいので、今回も交渉を頑張ってくださったのだろうか。

おかげでござさんのノリが心底楽しそうである。髯ダン大好きですもんね多分。

 

しかもバンド紹介のノリのままラテンのリズムでセッションが始まった。ここでもガッツポーズやらを我慢し、縦ノリしたいのも我慢し、ひたすら大人しく優雅に聴くしかない。目の前で聴けるのは何にも替えがたい喜びとはいえ、いったいこれは何の罰ゲームだろう?

それはともかく、ござさん自身による一人バンド状態の配信はもはやお家芸というか看板の一つといってもいい。(どちらも配信切り抜き動画)

(※ドラムスの自動演奏と左手ベースによる一人合奏)
【作業用ピアノ】アニソンゲーソン17曲を即興でJazzアレンジしてみた【ルージュの伝言・宝島・マリオ他】 - YouTube

(※一人合奏じゃないけど:スチールパン音色によるメドレー)
【リクエスト即興ピアノ】アレをアレしただけで全てが南国風に!?【BGMにどうぞ】 - YouTube

これらの配信はリクエストを(自動演奏か打ち込みのバッキングに乗せて)ピアノアレンジするっていう生放送ならではの楽しみがあったと思う。しかしセッションライブが実現してバッキングがシンセではなくバンドによって流れる中、ござさんのピアノが楽しめるという、ずっと夢見てたものが聴けてもう思い残すことはない(←3回目…?)。

 

しかし。

去年のござの日も、何ならねぴらぼinventionもセッションライブだったのに。でもメンバーがほぼ同一だったとしても、自分の中では今回のソロライブとは全く別物である。

以降のバンド構成曲全てにおいて、以前のイベントとは全く別物の演奏になってる。

上の方のバンドメンバーの項でも書いたが、ござさんの編曲が垢抜けたのか、メンバー全員色々なステージを経験してきたからか?去年のバンドはそれはそれでかっこよかったが、今回よりセッションとして別次元っていうくらい聴きやすい。

ドラムスの刻むラテンのリズムにパーカッションがアクセントを加えて本格的に、それをベースが支えてそこにござさんが思う存分和音で盛り放題のアドリブ。(ほんとこれだけ書けば去年と一緒……何が違うっていうんだ……有識者じゃないからわからん←←)

 

 

ソロアルバムの曲で季節感からこの曲を選ぶ所に共感する。

季節感を出した和風の曲ながら近未来感がある。和音が斬新だから、だけではない。それは8分の7拍子から来てると思う。分類するとポリリズムってことになるのだろうか。絶対自分のわからない分野。(アフリカ音楽に起源を持つ?ソンとかクラーベもどうも乗れない)

流れるリズムとそれに静かに乗るパーカッション。対旋律みたいに動くベースがアクセントになっている。その後ろでゆっくりと回る花吹雪みたいなライトアップ。

独特の7拍子とバンドのバッキングが情景に軽やかに動きを与え、満開の桜というより、風に舞い散る花弁で視界が埋め尽くされるような華やかな景色が浮かぶ。

 

(ござさんの感じる細やかな季節感はこういう所からもうかがえると思う。)

 

 

 

葛飾ラプソディ

何といっても、ござさんのアレンジの振り幅にばっちりついてくるバンドの皆さんがやっぱりすごい。この葛飾ではベッタベタなJAZZアレンジにストライドが効いていたが、それをいいことにみんなアドリブやりたい放題である。

この曲もそういえばアニソンだった(遠い目)その片鱗はどこへ。これもジャンプ全盛期のアニソンですけどござさんはなぜご存知なのでしょう?そしてアニソン聴いてなんでこれがJAZZだってことに気づいたんでしょう?

(今更だけど参考リンク:ござさんいわく「結構古いアレンジ」)
葛飾ラプソディ(こち亀OP)ピアノで弾いてみた - YouTube

あのJAZZアレンジ動画からござの日、ソロアルバムときて、今回は羽目を外すにもほどがある。両さんのパトカー暴走するの巻。道路のガードレールをぶち抜き(いかんやろ)、見知らぬ家の壁を通り抜けて(アカン)絶好調であった。

ござさん「みんなどうしちゃったんでしょう」あのさあ?自分が一番飛ばしてたやん(小声)……椅子から体は浮き上がり、ソロでグリッサンド入りまくり、オクターブで高速16分音符ソロ…あれ、シフラ版ナントカで聞いたことあるような………

そこに照明がこれ以上出来ないくらい派手かつベタに駆使されていて火に油を注いでいるダメ押しである。

ござさんのよくそこまで詰め込んだなというアドリブから、ドラムとパーカスのソロ回しがさらに2周。彼らの本来の役目、セッションにおける拍の保持とスパイス的役割はどっかに吹き飛んで、見えない火花が散っているのか誰かが叫ぶ。

ベースソロは(専門的なことは有識者の方に任せて)アドリブも制限時間も自由だったんじゃないのか、ござさんの控えめかつよく透るコード?にのって楽しそうになさっておられたので素人はノーコメント、観客みんなでその妙技を堪能したのであった。

あんまり全力で消耗しすぎである。曲が終わるとござさんの足取りは絡まっておぼつかない。これからまだ曲は残ってるのにどうするんだ。

 

 

聴く人すべてを唸らせるトーク

そしてここでも曲の合間の解説トークが入るのであった。

だいたい最初から「念のためどうしてもっていう場合のために」サイドテーブルに置いてる進行表?カンペ?をカンニングしていたものの、それ以降のトークがあまりにも完璧といって余りあるものであった。

ござさん比で完璧というのではなく、イベントの座長としてその曲ごとに解説と分析をし、バンドメンバーと連携し、さらにお客さんの笑いまで取るという非の打ちどころのないまるで実況中継アナウンサーのようなプロの仕事であった。ねぴふぁびで曲名がまるまる飛んでた事を思い出せば、その直後のイベントでこうも流暢に変身するとは誰も思わないだろう。

すごい。

いつから噺家になったんですかござさん。これ以上完璧になってどうするんですか。しかし、実況解説は当事者ができればそれが一番的を得ているわけで、人に任せないに越したことは無い。

何より、聴いてる我らファンはござさん自身の言葉でリアルタイムでイベントの実況中継、解説や裏話、チャットへの対応や色々を全部聴けるわけで、生演奏も嬉しかったけどリアルタイムで曲解説を聴けるのがそれに劣らず嬉しかった。

ござさん自身が楽しそうに喋っていたことが一番嬉しかった、とも言う。

演奏を楽しんでいた、仲間とのセッションを楽しんでいた。そういう余裕が感じられたところが、見てて嬉しかったというか。

ソロコンサートから半年も経っていない。あのポッケからカンペ出して棒読みし、チャット欄でファンに総出で応援コメントもらってたござさんと同一人物とはほんと思えないのだ。

経験が糧になるって、こういうことをいうのか。(ここはひとつござさんには更にライブ開催を重ねていただき……)

 

なんか呟いておられるので追加で貼っておく。

やっぱりそういうことらしい。

 

 

新しいスタンダード

ここでEnVisionから2曲。この曲は去年のござの日ライブでも、ソロコンサートでもやっていた。いわばござさんアレンジ的にスタンダードの位置を占めつつある2曲。ござさんにとっても節目をそれぞれに飾って来た思い入れがある曲、だと思う。ただし編成とアレンジが違うが。

 

清新の風

厳密に言えばスタンダードといえる演奏はソロアルバムの方かもしれない。やっぱりライブではその時ごとに表情を変えてきた、いわばござさんと一緒に成長してきたというか、生きてる曲だと思う。

※この曲を初演で聞いたのはねぴらぼinventionだった。新曲ですっていうござさんのコメントに、画面の前ながら自分はどよめいて大騒ぎしてたのが懐かしい。ござさんの代名詞といえば独特なアレンジ演奏、逆にいえばベースとなる曲が必ずあったから、あの時全く新しいござさんの曲っていうのをリアルタイムで聴けるんだって思って、ほんと一人で画面の前で興奮のるつぼと化していた。(配信でそういう騒ぎ癖がついてた自分は、今回初めて客席に座ってみて、お行儀よくしなきゃいけない事に若干違和感を覚えた)

自分も初めてだったけどござさんのピアノとバンドの演奏があの時は恐る恐る、というかはじめの一歩を踏み出そうか迷ってるふうな初々しさがあった。曲がだんだん壮大に展開していくので自分は聴きながらござさんのまだ見ぬ未来に思いを馳せていたが。未来っていっても何も具体的な事は思い浮かばなかったけど、でもござさんはどこに行っても何やっても大丈夫、絶対仕事仲間の信頼を勝ち取るんだから、という自信を自分は勝手に持ってたので、一人で画面の前で胸張って聴いていた。

 

思い出せば1年前。あの初演を聴いてた自分に言いたい。大丈夫だったよって。

正確に言えばここでも過去形でいうべきではない。まだござさんご本人に言わせればピアニスト2年目なのだから。でも、あの1歩目を踏み出していいのかどうか躊躇してたぎこちなさは感じなかった。

バンドメンバーとのシンクロ率が高まったのもあって、ここでも見えない自信みたいなのを感じる。ござさん特有の複雑なのに透明で綺麗な和音が、明るく開けた大海原を体現しているのだ。そこには波がうねっててむしろ荒れてないことの方が少ないかもしれないけど、ござさんの日頃の訓練と長年の経験から、巧みに舵を取って乗り切っていく姿が見えるようだ。

自分の席からはござさんの背中しか見えなかったけど、その背中には見えない色々なものを背負っていてがっしりしているように見えた。演奏してる所も初めて見たけど、その鍵盤を押す指遣いに迷いは無かった。あの複雑なアレンジをほんとに生演奏してるんだと思うと、コードとか頭に入ってるんだろうとは思いつつ、これはひたすら練習の賜物だなとこの目で見てつくづく思い知った。

 

なんか、曲の感想なのか何なのか?よく分からなくなったけどすいません。

 

 

DannyBoy

郷愁を誘うベースソロとそれに絡むコンテンポラリーなピアノの単音。

バラード風?なドラムに乗って静かに抒情的に奏でられるピアノ。

 

このライブにおける、チルアウトにあたる位置づけと言えるかもしれない。

竹ひごスティック(ロッズっていうらしい)とスネアがしっとりと緩い歩調を刻み、ベースが静かに響き、ござさんのピアノの音はその中で例えようもなくただ美しい。

落とされた照明の中で、ほの暗く浮かび上がる微かないくつかの影。

時制でいえば一日の終わり、このライブを振り返ってかみしめる時間が我々に与えられたのだ。

この大阪での短かったけど楽しかった時間をそっと胸に抱いてお持ち帰りくださいと言われているかのように。

 

 

 

このライブ全体を見ても曲ごとの振り幅がすごい。演奏はメンバー皆で作り上げられているが、設計はござさんである。これを一人で考えるところが凄いの通り越して、怖い。

逆に言えばござさんファンは、このオールマイティなござさんの世界からどこかにヒットする自分のストライクゾーンを探してそのジャンルを重点的に聴くこともできるわけで、ほんとファンを選ばないなと思う。しかしどのジャンルのアレンジも秀逸であるから、そんな選り好みするような贅沢はやめてその世界にがっつり浸っていればいいだけである。

 

 

 

………と、ラストの曲であるとのコールを受け、自分は客席で勝手に総括していた。

アンコールくるかな?

アレですね、アンコール専用のピースがありますよね、ござさんなら……

やっぱルパンとかかな?意表をついてラジオ体操ナントカversion……はないか。

とこれも勝手に自分の中で大喜利を始めていた。

それがこの日一番の自分の過ちであった。

 

 

真の伏兵はアンコールに潜んでいる

それがここにきて

「アンコールは新曲です」

ですって。

なんですかそれ?心臓に悪いんですけど?ファンを何だと思ってるんですか(狂喜乱舞)。ここでも、わーい!!!と叫んで飛び上がりたいのを一生懸命我慢するのみ。ほんと客席で聴くのも一長一短(贅沢な悩み)。

 

発想としては?ソロコンサートからインスピレーションを受けたようだ。

オリジナル曲の発表に向けられる客席からの拍手にも恐縮するというより、それに応えるお辞儀にそこはかとなく、しかし確固たる自信を感じる。

 

にしては。いつも座るのを待ち切れないように弾き始めるのに、今回イスに座り、姿勢を整え、深呼吸していたような…

席で見ているこちらも固唾を飲んで見守る瞬間だった。

 

結論から述べますが、この曲も清新の風と同様、ピアノソロを想定して作られたものではないと思う。今回バンドもいるのにあえてアンコールにソロで初演をもってくるあたり、ござさんのただならぬ意気込みを感じる曲ではある。しかし和音というか、フレーズというか、どう考えても色んな楽器のパートが思い浮かぶのだ。勝手に自分の中で仕分けが始まって困る。

というかそっくりなイメージの曲を知っているはずなのだが喉まででてきてるのに曲名が浮かばない。それは置いといて、これも結果論ですが、ござさんにはクラシックジャンルのピアニストには収まってほしくありません。個人的に。クラシック奏者としてピアノを極めようとすると奏法もアレンジもごく限定されてしまいます。ござさんの広げた風呂敷はそういう固定概念の枠に入れてほしくありません。

 

曲としてのイメージは鐘というラフマニノフとかから連想する重いイメージ……というより、自分にはあくまで前向きな希望を抱かせるテーマに映った。

清新の風が海をイメージするなら、この曲は青年という印象。

途中短調になって照明が一転するけど、それも含めて未来ある若者というイメージを抱いた。

 

 

 

ある時代の終焉と始まり、そこで自分が思う事

 

さて、ここに一つの動画がある。都内のT辺りのピアノスタジオにて。時は2019年11月。

おそらくこの時話し合われた本当のお題は、第1回ねぴらぼだと思う。

 

(※スピンオフ動画もある)
史上最大級に豪華な伴奏で歌ってみた~ピアノYoutuberオフ会の様子 - YouTube

 

ここで(たぶん介護現場で利用者さんから噛みつかれた案件を受け)菊池さんから「ござさんの腕は、国宝だから!」発言が出たのだと思う。

ここで説得されてなかったらはっきりいって今のござさんはいない。と、断言できる。

Youtube登録者数の伸びが既にこの時凄い勢いでバズってたとはいえ)

 

【Live】重大発表!!!! 2020/02/15 - YouTube

それにより説得されたござさんが、そののち年明けに介護職やめて音楽活動のみでやっていく宣言になったのだと思われる。

この重大発表で語られていた「ソロライブします!」「東京以外でもライブやるかも」云々、チャットではCDも期待するなど様々な声が飛んでいたがそれらが実現するには今回のござの日を待たなければならなかったことを考えると、この間にコロナウイルス流行が入るので自分は複雑である(でもそれがなければ有料ライブ配信は普及しなかった、ともいえる)。

 

 

しかし、それ以前(2019年以前)の配信で楽しそうにピアノや音楽について語る姿、

緩く流れるチャット、

それに応えてリクエスト曲を弾き、

また質問に丁寧に解説している姿を見て思った。

 

今の活動はこの頃とは方向が逆なんだけど、

ござさんはどう思ってるんだろう?

本当に楽しいのかな?と、一瞬立ち止まって考えた。

 

……考えるまでもない、今の方が楽しいに決まってると思う。

何より介護士っていう仕事と両立させなくていいし、ただでさえ事務仕事とかは全部一人でなさってるけどそれにしても職業として音楽に全部の時間をつぎ込めるのは大きい。

「仕事としてやっていくには楽しいことばかりではない」とはよく言うけど、ござさんにはその論理は当てはまらないと思う。ござさんは音楽に仕事という制約がつけばその縛りの中で、自分なりにこだわりを見つけ楽しんでいる気がする。

職人気質ともいえるござさんのこだわりそのままに、音楽を無制限に追求できる環境が整っていると考えればそりゃ今の方がいいに決まってる。

 

とにかく。コロナ流行前に持ち上がっていたねぴらぼとソロライブの計画はここにきて一旦決着を見た。

紆余曲折を経て今全く違う姿で歩いていくござさんを見るのは感慨深い。

 

 

 

そこでくれぐれも繰り返すがござさんは音大には行ってない。

学ぶべき内容とその方向性

自分に適性あるジャンルの把握

モチベーションを保つこと

これらすべて独学。

 

さらに音大でなら専攻したであろう何らかの演奏分野にとどまらず、編曲、作曲、録音、スタジオ音響、セッションでのリードというか指揮的存在、……どの分野にもござさん独特のアレンジセンスが盛り込まれているから。

ある意味ソロライブは

あらゆる面からござさんならではの世界を味わい尽くすことができる夢の世界。自分にとっての理想郷、ユートピア

とも言えるだろう。

 

 

ファン同士の交流も楽しいが、みんな自分の胸の底に宝箱を抱えている。その中身はみんな違うから。

 

自分は自分の中に映るござさんの姿を追いかけて、見失わないようにまたこの記事に書いていくことにしよう。

 

 

 

 

運営といえば(ツッコミポイント)。

今回の公演、非の打ちどころがなく自分の中では完璧じゃないかと思うが、ツッコミを入れるとすれば。この告知が、なんで前日の午後なんだ?という点。どう考えてもおかしい。他の運営面では今回何もかも完璧なのになぜこれだけ。絶対わざとだ、故意にやったに違いない。なぜ?ウチの同僚は、コロナ対策であまりプレゼント等が寄ってこないよう直前に告知したのでは?ともっともらしい意見を述べていた。

いや逆だ。わざと集まらないように仕向けたんだ。きっとそうだ。なんか、「えっプレゼントにお花?そんな……ちょっとだけでいいです…」と打ち合わせでぼやいてるござさんの姿が目に見えるようですよ。

しかし自分はその策略には乗らない。

まかしてくださいそんな見え見えの罠にははまりません。前回ソロコンサートに行き損ねたので、今回手紙書いていいなら書きますよ。夜まとまらなくても、朝出る前にちょっと下書きしてさーっと便箋に書けばイイんです。日頃からこの記事に色々書いてるから手紙にまとめるのは早かった。

どうだ!

プレゼント多いとねぇ…?と渋ってる運営さんをギャフンと言わせてやるんだ!ふっふっふ。(後になって何を書き散らしてしまったのか思い出し、正気に返って泡を吹いてるがもう遅い)

 

 

 

 

 

反省点

もし次回ライブに行ける機会があるなら。

今度は余裕を持ってライブ本番を楽しめるようにしたい。

今回、当日が近づくにつれて動悸はするし呼吸はおかしいし、2週間前くらいから微妙に酸欠状態だった。全て現実と思えず、前日も寝れなかったし大変だった。行けてない人に暗殺されそうな準備不行き届きだが、これで自分にも免疫がついたことにして、もっと落ち着いて現実のござさんの存在というのを受け止めたいところだ。