ござさんの魅力を語る部屋

ピアニストござさんについて、熱く語ります

音楽作りの現場とバーチャル講座

 

とある梅雨明けの夕暮れ。

 

驟雨がアスファルトをしっとりと黒く染めて行った。

濡れていっそう艶を放つ、道端の苔。濃い緑が鮮やかに映える。

どこかで小さく鳴いている蛙の声。

 

辺りにはむせかえるような湿気がたちこめている。

畑から漂う土の匂い。

水田の苗を揺らして吹き渡る風は、熱気と爽やかさがない混ぜになった夏の空気を運んでくる。

 

 

目次:クリックで各項目へ飛べます

 

 

謎のインタビュー番組

高2男子を塾に送ったその帰りのことだった。

風通しがないと言っていいウチの茶の間、そこには壊れかけのブラウン管TVがある。果たしてスイッチをガチャガチャ回すも全く映る気配がない。うーん叩いてみようか?(バシバシ)

むっとした空気がこもる部屋の中ではうちわが手放せない。首筋を汗が流れ落ちた。

 

 

パッと映った画面はいつもおなじみGちゃんねるである。

ん???なんか、対談番組やってるぞ?

 

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なぜかネクタイにワイシャツという、正統派サラリーマンの格好でキャスターやってるIさんの姿が映し出された。あれ?Iさん、Gちゃんねるでアナのバイトでもやってるのだろうか。

 

「えー梅雨が明けて久しい中、早速夏本番の日差しが眩しいですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?エアコンを適切に使って熱中症対策を万全に。では早速今日の特集に参りましょう」

 

ふむふむ?

 

「GZさんは即興演奏の配信が人気のネットピアニストですが、本日のお題は『最近話題をさらっている、ピアノとまっっったく関係ないGZさんの一連のつぶやきについて』です!本日はゲストにご本人をお招きしてお話を伺うことになっております!ではGZさん、どうぞ〜〜〜!!(←異様にテンションの高いIさん)』

 

ほほう???


果たして、ネクタイにピンストライプシャツ姿のGZさんがスタジオに顔を見せた。相変わらずそこに停止線でもあるかのように立ち止まりながら、全方向にひたすらお辞儀しまくりである。

 

 

「こんにちは〜GZと申しま〜す!今日は宜しくお願い致します!!」

「去年もこのチャンネルの対談に出演されてましたね、GZさん?」

「あの時は確かファッション特集……まあ、昔の話はいいじゃないですか?過去は振り返らないに限りますよね!」

「過去って言ってもほんの1年前なのにねえ…(とこっそり過去記事を貼る、ペター)」

 

「そういや最近もやってたなあ(ペター)」

 

「今日は僕、何で呼ばれたんですか?」

(机の下でIさんにムギュウウウウと思いっきり靴を踏まれるGZさん)

「なんか最近お忙しそうですねGZさん??」

(露骨に眉間に皺を寄せて)

「はあ、………」

「ピアノの練習に加えて他にも仕事抱えてるんですか?」

「僕いろいろとピアノ以外にもやることありますし」

「それは鬼滅のネタを出したかっただけかと思ってました」

「僕はネタに生きてるんじゃありません」

「デスクワークって言えば月刊ピアノ連載記事と楽譜のとは違うんですか?」

「う〜んそうといえばそうだし、違うといえば違いますねえ〜〜…」

「(GZくん昔はもっと正直でしたよね…時間の流れが人を変えるんだなあ…)なるほど、皆様お待ちかねの事務仕事の謎はもうすぐ明らかになるってわけですね!?」

「まあ僕17歳ですし、今から人生はたっぷり時間あるんで。そんなに気忙しく追求することないじゃないですか、鷹揚に構えていきましょうよ」

「( ̄∇ ̄)………」

 

 

GZさんが忙しい理由

「事務作業って、GZさん書籍でも出版されるご予定がおありなんですか?このキャッチコピーを考えてる風なのは本のオビを考えてらしたのでしょうか。」

「ピアノ本にホラー映画のキャッチコピーは関係ないですよね」

「GZさんなら『涼しくなるフレーズ!夏に使えるひんやりアレンジ!』とか、『真夏にぴったりなスリラー音楽 使い勝手のいいショート版』とかいくらでも本出せそうですけどねえ」

「ひとりで弾いてはいけないピアノアレンジってことですか?そういう怖いアレンジは僕得意じゃありませんしね。僕は聞いてて元気が出るような、また心を打つようなアレンジが身上なんです」

「(そうかなあ…)」← Iさん心の声

 

「それよりもほらこれは、本の表紙デザインでしょ、きっとそうですよね」

「デザインだのイラストだのは本職に頼みますよ。僕が絵描くとどうなるか1番よく知ってるのは、Iさんじゃないですか」

 

 

(↑ 例:実際の絵)

 

「でもピアノのアレンジャーにして書籍の著者本人が描く絵とか、味があっていいよね」

「えーーーとでは次の話題に行きましょうか」

(言いながら次のフリップを見て、しまったという顔をするGZさん)

「このかわいいサンリオキャラクターについてはいかがですか?新しくGZさんチャンネルの看板キャラに設定するとかじゃないですよね。某ピアノチャンネルさんとこでいつも登場してますもんね。この間生配信されてましたが」

「全然関係ないですよ、今日モスに食べに行ったらこんなポスターあったから、へえーと思ってちょっと出来心でググっただけです」

「しかしなんでまたサンリオキャラをググったり………」

「ほっといてください」

「そういやマイメロの曲なぜか弾けましたよねGZさん?」

「人間が成長するにはエモい和音とコード進行を探究する心ってのが不可欠ですから」

「はあ………なるほど〜〜〜……」

 

「ふむふむ……でも漸く事務仕事から解放されそうだということで、これで心置きなくピアノに集中できそうですね!」

「そうですねえ、ここまでの道のりは長い旅路でした」

「しかしそんなモンエナをキメたりしなくても……ステージの本番前じゃあるまいし」

「失敬な。飲んでたのはコーラですよ」

「それはキメてるっていうんですか?」

 

Twitterにはまだまだ動画があって楽しめる件

「とにかく無限作業編だったので、何にも動画の編集とか投稿もできないし、ちょっと昔弾いた曲でもTwitterから RTして皆様にお楽しみいただこうと思ってたんです」

「なるほど夏っぽいですねえ〜」

「あと最近グラピ配信してないし、生ピアノの弾いてみた動画もRTしました。録音の音質が全然今と違いますけどそこは目を瞑っていただけるとありがたいです」

 

「ゲーソンつながりでこれもどうかなと思って…」

「普通じゃないバージョンもあったなーほんとゲーソンっていうと無限に出てくるよなあ…」

(ハッと我に帰るGZさん)

(うんうん分かるよわかるわかるっていう顔で I さんが横でうなづく)

「アニソンゲーソンその他のアレンジ動画はこのGZさんのモーメントにまとめられてるのでよろしかったらご覧ください〜!」

リンク:Twitter投稿動画 / Twitter

「ああっそれは昔のツイート……!!動画だからまあいっか……」

 

 

「それに七夕の日は、季節感も出さなきゃと思ってこんなの出してみました」

 

「それ四角形!」

 

ーーーここで唐突に流れるエンドロールーーー

【おまけ:資料】
アレガとは (アレガとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
『化物語』ED【君の知らない物語】supercell 本家音源 4K 高音質 Full AAC-LC - 320kbps - YouTube
supercell 君の知らない物語 歌詞 - 歌ネット

 

提供:Gちゃんねる
出演:アナウンサーに扮した Iさん
   GZさん

 

しかしエンドロールと共に聞こえ始めたEDテーマはなぜかGet Wildーーー

GET WILDをガチ全力で演奏してた結果手が全て残像になった【ゲットワイルド】 - YouTube

 

 

 

MテレのGZ先生

ふう、何だったんだ今の座談会みたいなのは?と思ってチャンネルをガチャガチャ回すと別番組が始まった。何やらどこかで見たような?スタンドカラーの黒いシャツに前髪をピタピタにセットしたGZさんが、スタジオで座ってるふうな番組である。

なになに、肩書きは放送協会Mテレチャンネル・バーチャル講座の非常勤講師?

いつの間にそんなことになってたんだ!道理でまじめそうなスタジオセットだなと思ったら!さっきの番組と全然違うじゃん!あ、この番組はVTRなのか(納得)。

 

アウトプット

※ 参考リンク:トリスタン和音 - Wikipedia

 

ふむふむGZさんは月刊ピアノの連載楽譜を通じてリスナーの音楽偏差値上げたいとか言ってたし、こういう講座番組でGZさんの発想を身近に感じられるのは嬉しいことだ。

 

にしても最古の記録とか追求したがるのは何なんだろう。作曲編曲してるとそのへんを突き詰めたくなるんだろうか。この進行、いいよねー!じゃダメなのか。

でも自分の手持ちのエモいコード進行とかキメの和音とか??(よくわからん)っていうのは、たくさんあるに越したことはないだろうけど。使いこなすには理論から入ってないと、すぐには出てこない気がする。

GZさんのレパートリーの膨大さからいって、ベースというかバックグラウンドには相当な知識、理論と経験があることは今までの配信歴からいっても明らかだし。

こういうちょっとの疑問も逃さない研究者肌なところが、あのいつ聴いても新鮮な感動を覚える演奏につながってるんだろうなと思って、自分は陰でこっそり、ありがたく講義を拝聴することにする。

やっぱりルーツを探さないと理論も追求できないのはあるだろう。

 

 

(この白いボールって何だろう、エースを狙えだからテニスか…?)

 

 

即興演奏はGZさんのピアノの真髄だ。

なぜなら楽譜通り弾いているより、アイデアを探ってその演奏が見事キマッた時のほうがGZさんの音は生きている気がするからだ。

ただ生配信の選曲の展開が早すぎてアイデアを探ってる隙が見当たらないけど。

そんな一瞬の攻防の中で、迷いなく、しかも単音のメロディじゃなくて左手もろとも和音ごとどんどんアレンジしていくところ。

そういうところに、決然とした潔さを感じる。

 

寡黙だけど、GZさんはピアノで饒舌に語る。

あらゆる音楽表現を通してGZさんは何を伝えようとしてるのか。

それを少しでも捉えたくて今日もピアノを聴く。

 

 

インプット

GZ先生のバーチャル講座はわかりやすい。なぜなら、実際の例題(曲)とか図解とかを使って解説してくれるからだ。音楽理論わからない民に優しいシステムとなっているのだ。

 

しかしフリップが4枚用意されている。わーちょっと待った。

こうやってGZさんは覚えてるんやな、それを開示してくれるってファンとしては嬉しいな、半年前からって浜離宮ソロコン終わってすぐってこと、ソロコンってほんといい影響しかないよね!!

とのんきに見ていたのが間違いだった。その画像一瞬で通り過ぎるのやめてもらえる?スクショしていいですか?

Wikiが雑に知識を整理するのにぴったりなのはわかる。自分もこの日記に引用する他サイトはWikiがほとんどである。信用できるし、情報も網羅されててしかもリンクフリー。使わない手はない。
でもこの整理の仕方は単なるExcelじゃなくて動画リンクも貼ってスマホで見れるとこがスバラシイですね。Excelに動画リンクで便利🙄?どっかで聞いたな、まあいっか。

 



しかしスクショをよく見てみるとその詳しさにぶっ飛んだ。アフリカ諸国、とか赤道沿岸、じゃなくて国別の音楽の歴史、音楽のジャンル別とかあと民族音楽も整理されてる。

音楽という地球上共通にして無限のバリエーションがある文化、それを比較することの面白さに気付いたのかな。文化というのはほかにも文学だったり服飾だったり料理だったり、国ごととは限らないけど、バリエーションが無数に存在するという意味では同じだ。そういうひょっとしたら有史以前から連綿と受け継がれてきた人類の叡智。

音楽だって、なにも楽譜に記されたものを指すとはかぎらない。

明らかに、労働の場、祭祀や冠婚葬祭、旅など、さまざまなところで自然と歌はうたわれまた音楽は紡がれてきた。古代の壁画にだって楽器を演奏する様子は描かれているのだから。

 

しかしこの規模で整理されてるとなると、もっとこういった包括的な音楽の研究は陽の目をみてもいいと思うんだけど。こういう音楽Wikiサイトとかあってもよさそうなものだけど、今のところ見当たらない。JAZZとかラテン音楽などに至ってはGZさんの言う通り、日本にそもそも情報がほとんど入ってきてないのかもしれない。

 

しかしこの表を見て、難しすぎるわーーー!と思ってたら。

いきなり解説が始まった。

実際の動画つきで。

前触れもなく。

びっくりするじゃないかー!

しかし、こういう動画で解説版って久しぶりだな、うるさくないうっせえわ以来かな(もっとあったっけ🤔)

 

GZ先生のよくわかるバーチャル講座コーナー

Youtubeリンク:16世紀のクラシックから国歌になりJPOPまで受け継がれたメロディがあるらしい - YouTube

 

なんか最後にアニソンが聞こえる…気がする?

(えーい、ややこしいから一覧にしてしまえ)

 

16世紀 イタリア 
「La Mantovana」 ラ・マントヴァーナ 
作曲:Giuseppe Cenci ジュゼッペ・チェンチ

 

ふむふむ。もともとはルネサンス華やかなころのイタリアの音楽だったのですね。

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1874年ごろ チェコオーストリア帝国
「Vltavaヴルダヴァ(モルダウ)  」連作交響詩「我が祖国Má Vlast 」より
作曲:スメタナ

引用ーーわが祖国 (スメタナ) - Wikipediaより

最初の主題には、15世紀から16世紀にかけてイタリアで活動したテノール歌手ジュゼッペ・チェンチ作の『ラ・マントヴァーナ』に由来するメロディが改変されて用いられている[3]。同曲はモルドバモルダヴィア)などにも伝わり、民謡の一節に流用され、イスラエルの国歌『ハティクヴァ』のメロディの基礎ともなっている。スメタナの祖国ボヘミアにおいても、民謡"Kočka leze dírou"に用いられている。スメタナはこの『ラ・マントヴァーナ』に由来する祖国の民謡のメロディを、第1主題として採り入れたものと思われる。

 

なるほど、モルダヴにつながるんですね。

さすがGZ先生、勉強になります!

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1878年 イスラエル国歌(元はモルダヴィア民謡「Cucuruz cu frunza-n sus」)
「ハティクヴァ」
作曲:ガリツィアの詩人 ナフタリ・ヘルツ・インベル

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1848年 ルーマニア国歌
「目覚めよ!ルーマニア人」
作曲:アントン・パンAnton Pann

 

このあたりは、ウイーン会議後の民族独立の機運にも関係してると思う。

国際色豊かなメロディでもあるのですね。

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1822年以前 スウェーデン民謡
「麗しのヴェルムランド Ack Värmeland, du sköna 

↓【カバー曲】

1951年 JAZZスタンダードナンバー
「懐かしのストックホルムDear Old Stockholm」
スタン・ゲッツマイルス・デイヴィスによるJAZZカバーが有名。

 

JAZZにも影響していたのですね。JAZZに造詣の深いGZ先生ならではの指摘でしょうか。

もともとのスウェーデン民謡も美しい曲です。

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1987年 JーPOP(光GENJ I)
「ガラスの10代」 短調のカノン進行
作曲:飛鳥涼

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2000年 アニソンOP
「STORM」 これも短調版カノン進行
OVA真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』のOP&EDテーマ曲。
作曲:作曲:千沢仁 

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2002年 ゲーム「東方Project」より
明治17年の上海アリス」
(『蓬莱人形 ~ Dolls in Psuedo Paradise』トラック.4)
作曲:ZUN

 

そこでこっそりジャニーズからのゲッターロボからの東方をつっこんでくるGZさん。

最後だしシレッと入れとこうという感じですか?www 草超えて森ですwwwwwwwww

ジャニーズの曲の時代、現役小学生で明星とか買ってローラースケートで遊んでた自分としては、さらに作曲はチャゲアス飛鳥涼さんときて、ガラスの10代は素通りできない曲ですけど、動画全体はまじめな作りだなあと思って感嘆していたら最後は通常運転のGZさんだったので安心しました(?)。ニコニコ動画要素満載ですねwww。

 

それよりモルダウの起源とその関連曲は有名としても、その後の曲はよく見つけましたよねとしか言いようがない。

発想が柔軟というかなんというか?だからおよげたいやきくんがJAZZになったり、ショパンが演歌になったりするんだろうけど。

参考動画リンク:

およげ!たいやきくん(Japanese popular song)Jazz cover - YouTube

【ピアノ講座】ショパンの「別れの曲」を演歌風にアレンジする方法!(解説つき) - YouTube

新作ゲームトレイラー風「チャルメラ」を弾いてみた - YouTube

【解説付き】スイカの名産地をニュース番組オープニング風にしてみた - YouTube

 

ああいう自由な作風の講座動画を思い出して懐かしくなった。

 

GZ先生、非常勤講師だとは思いますがまたMテレバーチャル講座で解説してくれたら嬉しいです。