ござさんの魅力を語る部屋

ピアニストござさんについて、熱く語ります

12/3の生配信 ござさん14周年おめでとう

 

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ワダツミの木


12/3(日)のYoutube生配信はワダツミの木で幕を開けた。

この曲は前日の12/2(土)にござさんもゲストで参加された、中孝介さんのワンマンコンサートの中の一曲だ。コンサートに参加できない遠隔地民とか都合つかないファンの人たちに、コンサートの雰囲気を分けて下さったのだと思う。

有難いというかなんというか。

自分は勝手にござさんからの無言の心づくしだと思うことにした。

なんというかファンの方を向いてくれてると思うんだ、音楽的に。

思い込み?ええ何とでも言ってください、自己満足とでも何とでも。行けないけどコンサートに思いを致してるファンもいるんだってことを、ござさんは忘れないでいてくれてるって思うことにしたんだ自分は。

 

ーー以下、ヲタクの早口ーー

ワダツミっていうのは海神と書く。ワタツミ、海津見ともいう。つまり海を司るというか海を主宰する神のことだ。

沖縄と奄美は由来とか歴史が厳密には違うけど、概して南西諸島は南方つまりフィリピンとかインドネシアの東南アジアの海洋民の系譜を継ぐ。遺伝的にも、文化的にも。

彼ら南方の民の死生観というのは遥か海の彼方の常世の国と往来するものであって、そこにはニライカナイという豊穣をもたらす世界があった。特に海の底ではなく海の向こうという意味だ。

生活の場も交易も海を舞台に、海に生きた民族。奄美の民謡には彼らの祈りがこめられている。

 

ござさんのピアノは静かな波をたたえる青い大海原のように……どこまでもひろがる壮大な世界を、奔放な筆致で描き出す。

ござさんのオリジナル曲の清新の風は大海原に漕ぎ出す冒険の始まりであり序奏。

ワダツミの木はそういった航海者をも全てを俯瞰して包み込み抱擁するかのような、海という存在そのもの。歌詞は人の心の機微を書いているが、曲調は民謡の憂いを帯びながらも美しい旋律が印象的。

 

 

ござさんの生配信は14周年

そして何気なく拾われたリクエストは戦場のメリークリスマス。この曲のござさんの演奏は生配信を中心に名演奏揃い。坂本龍一氏への畏敬の念がそうさせるのだろう。

メドレーで目まぐるしく変わっていくアレンジとは違い、腰を据えて聴かせてくれる。季節の曲というよりは、その時のござさんなりの解釈が盛り込まれてて、いつも考えさせられる曲だ。

でもござさんとしては「昔からリクエストをたくさんもらう人気の曲」だから生配信で弾く、とのこと。やっぱファンの方を向いてくれてるんだよ、ござさんは。音楽的に。

ファンが望む曲を、どういうふうにしたらより魅力的にして届けられるか。

それがござさんの配信のテーマだ。

その姿勢は一貫して昔から変わらない。

 

ござさんがYoutube配信を始めたのはだいたい2015~2016年頃?だがその前はツイキャスとかその前はニコニコ生放送で配信を行っていた。

そして突然生配信中に告げられる、配信開始して何年か記念。

このニコニコ生放送履歴(アーカイブは非公開)を見ると確かに先月25日で14周年記念日を迎えている。

 

 

ござさんのピアノ配信は、

2009年以来のニコニコ生放送ござで御座います。-ニコニコミュニティ )

ツイキャスござ 🎹 (@gprza) 's Live - TwitCasting )

と、媒体を変えながらも定期的にずっと続けられてきた。

今年で14周年。

大学に通いながら、仕事をしながらと生活基盤の変遷を経て、途中に中断もあったのかもしれないけど、自分はリアルタイムで聴いてないのでわからないがとにかく続けられている。

ずっとリクエストを拾いながら。

自分が知ってからのござさんは、それまで続けられてた介護職から音楽専業になり、(途中でペンギンマスクをかぶりながら、)ピアノも買い替え、引っ越しし、CDも出してオリジナル曲の楽譜集も出してコンサートも開催して……と活躍の場を広げられている。

しかしそれはここ3~4年ほどの話。

上記の通り、ござさんの活動は基本的には黙ってリクエストを拾いながら生配信でピアノ弾くのである。ペンギンマスクかぶる前は画面も手だけの出演であった。ニコニコ生放送では、登録名を空白にすると自動的に  _ っていうアカウント名が割り振られるらしい。つまり名前とか入力せずにただリクエスト拾ってピアノ弾いてたってことになるが、ファンからは _ 先生、つまりあんだば先生と呼ばれて慕われていた。

どのくらいファンがいたのかというとニコニコ大百科に項目を立てられているほど。

あんだば先生とは (アンダバセンセイとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

奇を衒った趣向もなく目を引くキャッチフレーズもない。目を引くというより、度肝を抜くのは演奏そのもの。そこにファンがさざ波みたいに静かに寄り沿ってピアノに耳を傾ける。

ござさんの活動の本質は今も昔もそこにある。

 

ニコニコ生放送時代のレパートリーは、このプロフィールによると
資料:【 ござで御座います。-ニコニコミュニティ 】

三大巨頭(byござさん)である東方の曲、ボカロ、それとアイマス。それからアニソンにゲーム音楽音ゲー……

限られたファンによって支えられてる狭いコミュニティ?そうかもしれないけど再度注目されたりして、ござさんによれば「形を変えて伝えられてる」ものも多い。

 

【春夜宴桃李園序(の冒頭)】(李白

夫天地者萬物之逆旅、 それてんちはばんぶつのげきりょにして

光陰者百代之過客。 こういんはひゃくだいのかかくなり

而浮生若夢、 しこうしてふせいはゆめのごとし

爲歡幾何。 かんをなすこといくばくぞ

(現代語訳)月日は万物を泊める宿。時の流れはゆきかう旅人のようなものだ。生者と死者の違いは夢を見ているか、夢から覚めたかの違いでしかない。楽しい事と言ってもどれほどのことがあるだろう。

松尾芭蕉奥の細道にも引用されてるこの李白の詩を意訳すると、

「だからこそ、その時代の『今』を全力で楽しもうよ」

ってことだ。

きっと記憶に残るからだ。

 

ござさんの年齢が12才だったり17才だったり14才だったりするのは要するに追及するなってことでしょうから、謎の存在ってことにでもしときましょうか。

時代も、そして国境も民族の壁も超えてあらゆる音楽に精通するござさんですから。

 

そんなござさんにも心の故郷はあるわけで。

ニコニコで流行ってた曲がござさんの帰るところなのだろう。

10代に聞いた音楽は一生聴き続けることになるっていうし(え?ござさんの年齢ですか?シリマセンケド)、それは精神的なベースを築くことになる重要なファクターだ。

心の拠り所があるって人間形成のうえで必要不可欠だから。

今流行ってるかどうか、そういう議論はしてない。

 

ニコニコ生放送でよく弾いていた曲

さて何気なく拾われたリクエスト、戦場のメリークリスマス

坂本龍一氏の曲でもありござさんは思い入れがあるのだと思う、いつも印象深い演奏をされる。まずイントロが標題音楽風に幻想的な雪景色を描いてて、それからJAZZバラードふうにとかSwingで盛り上がったのも束の間、さらに冬のぴんと張り詰めた空気みたいなオルゴールふうな中間部から終盤へ劇的な展開を見せる。

戦争という普遍的なテーマをも超えて、かといってクリスマスという標題で終わるわけでもなく。ござさんの抱くイメージは抽象的、哲学的なものを内包しててもはやひとつの宇宙を形成していてコンテンポラリーダンスの舞台を一本見たかのような重厚な世界観。どう解釈するかは聴き手ひとりひとりに委ねられている。

この曲とござさんが歩んできた音楽活動の歴史そのものが凝縮されていると言えるかもしれない。

ニコニコ動画(いりすさんのアカウントから):まだあんだば先生と呼ばれてた頃のござさんと、いりすさんによる演奏。

 

リクエスト曲の栄枯盛衰を辿るーー組曲ニコニコ動画と、ニコニコ動画流星群

最近コンサートの練習が続いていたから、自由に自分の持ちレパートリー(いうても2000曲以上あるわけですけど)を弾きたくなったのだろうと思う。それがきっかけ?

今年は先月でちょうど14周年ということで、ニコニコ生放送でむかし良く弾いてた曲メドレーやりましょうと弾き始めるござさん。

そして俄然色めき立つチャット欄。

きたか…!!

  ( ゚д゚)
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/    /
     ̄ ̄ ̄
  ( ゚д゚ )
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/    /
     ̄ ̄ ̄
  ( ゚д゚ ) ガタッ
  .r   ヾ
__|_| / ̄ ̄ ̄/_
  \/    /

 

 ⊂( ゚д゚ )
   ヽ ⊂ )
   (⌒)| ダッ
   三 `J

 

このくらい一斉にチャット欄が湧いて一気にコメントが来た。みんなどこにいたんですかそこだったんですねっていうくらい、藪に隠れてたんかと思うくらい。 

ニコニコ時代、たぶんこのキーワードですでにテンプレのメドレーをみんな思い浮かべてたのかもしれない。

いつも隙あらば配信でアニソンを選び、ボカロとかゲーム音楽のリクエストを拾うとなると時間を忘れて楽しんでるござさん。そういう姿の原点を見た気がした。

※今回ござさんが生放送で弾いてたメドレーの元動画:投稿は16年前。
ニコニコ動画流星群 - ニコニコ動画
組曲『ニコニコ動画』 - ニコニコ動画

(※原曲版(?):「ニコニコ動画流星群」を原曲だけで再現してみた - ニコニコ動画
( 組曲『ニコニコ動画』を元の曲で再現してみた(最終調整版) ミラー - ニコニコ動画 )

と言っても、もともとは個人ユーザーが耳コピして作ったDTM打ち込み音源らしい。

ひとこといいですか?

耳コピして音源作るって、ござさんの耳コピしてピアノ弾いてみたとやってること一緒じゃありませんか?

ござさんのホームグラウンドがニコニコ動画と生放送なのがなんなく腑に落ちた。そういう自由な創作の場で混沌としたカオスの世界なんだな。ちなみにルールは存在しない。

そういやこの冬曲メドレーの粉雪のところでこなあああああああ(以下略)って字幕がついてるけど、ニコニコの弾幕そのままだなってことに、今気づいた(遅)。
観客0人が2分で満員コンサート!?冬うたJPOPメドレー! - YouTube

ござさんのニコニコ動画の概要欄に決まって「ゆっくりきいていってね!」とあるのも、(東方キャラの)霊夢魔理沙ゆっくり実況ふうなんだな!ってことにも今気づいた(遅)。
黄金の太陽「サテュロス・スターマジシャン戦」を弾いてみた - ニコニコ動画

 

ニコニコ生放送で人気を博し一世を風靡したニコニコ動画メドレー。

ござさんのピアノメドレーは、上記に挙げた既存のメドレーを新しく曲を組み替えて要所を押さえてるところに、並々ならぬ思い入れとこだわりを感じる。

当時をリアルタイムで生きてた生放送の住民:ござさんの独断と偏見満載の選曲。メドレーの元の構成からベースライン強調してみたり(らき☆すた)、曲の別のところをピックアップしてみたり(True my heart(きしめん) )、ボカロも混ざっててローリンガールは激しい原曲がバラードのサビ風になってて感動する。

微に入り細を穿つ演出の再現度につられ、思わずチャットに浮上したと思われる人々であふれててめっちゃおもしろい。ニコニコ動画時代からのファンの方かなあ?と思うとなんだか嬉しい。知らない民としては聴きどころがわかって参考になりますし。

ござさんならでは、ここでしか聴けない組曲「みんなのニコニコ動画」。

いえここでなくてもほかにもニコニコ組曲その他一連のメドレー曲を弾いてみた動画はネットに上がってますが、自分はござさんの演奏が好き。上記のようにござさんならではの視点が反映されてるから、そういうアレンジが好きなので。

最後のさくらさくらの曲も原曲通り(?)のエフェクトかけて音程外れた琴みたいな感じにしてくるところも大好き。そこでチャット欄が

そこまでやるんだwww

音の外れがバッチリwww

組曲まんまwwww

とか、総ツッコミの嵐で笑う。

 

(自分ですか?ええござさんの生配信で細々と覚えてたところに、この組曲が9割わからなかったので、必死でニコニコ大百科で調べてたら一週間かかってこの感想書くのが遅れてすいません)

 

しかし当時の流行から10年以上、このメドレー動画から数えて16周年らしいので、少なくとも流行ってる曲というカテゴリでそれらの曲をリクエストしてくるファンはもういない。

「自分と同様に、当時を懐古するファンはしかし一定数いる。」とござさんは前置きしながらも、リクエストにも時代の流れがあり、ファンの思いに応えるかたちでずっと演奏してきたからニコニコ時代の曲のリクが飛んでこなくなったことにござさんは、もう取り戻せない時間の流れを噛み締めていることだろう。

そんな現在のYoutube生放送には、一抹の寂寥感が片隅に居座って去ろうとしない。

………どうするって?

リクエストし続けたらいいんじゃないですかね。自分らファンが当時の曲を。上記のメドレーにある曲に限らずいっぱいありますよね、ニコニコ時代からおなじみのござさんのレパートリー。

世の中の流行が絶えず変遷していく様子はもう生き馬の目を抜く勢いで目にも止まらない速さだが、ちょっとくらい昔を思い出してリクエスト飛ばすのはいいはずです。

だって歴史と同じく語り継がなければ記憶は人々の心から消える運命なので、ござさんが弾き続けることで文化は継承されるのではないだろうか。

何をリクエストすればいいかって?

そんなん自分も全然リアルタイムではシリマセンデシタけど、このござさんのニコニココミュニティに曲リストあるからこういうのをリクエストすればいいのでは?

主にゲーム音楽音ゲー、ボカロ、東方の曲が詳しく挙げられている。その反面アニソンは詳しく載っていないが……

 

いたづらにリクエストを飛ばしてコメント欄が無駄に速く流れていくことには反対派なのだけど、しかし流行曲をたくさんリクエストすればファンも新しく聴いてくれるひとがいるかもしれないという説もあるが、しかし古い文化も大切にすることにも意味はあると思うので。

常に配信にて新しい曲を装備し、新しい世の中の流れを意識するのも一つの方向性ではあるけどそういう風潮はござさんの配信には似合わないと思うから。新しい曲だから弾く、というよりファンに求められて弾くという方針のように思われる。

昔のニコニコ動画きいてた人にこそほんとは今のござさんの演奏聴いてほしいけどな。

画質も演奏環境もよくなって全然残像じゃないござさんの手が見えるしほんと迫力が段違いです、バラード調に聴かせてくれる曲もなにもかも次元が違うんだけどなあ。

 

 

クリスマスの曲

ござさんはいつも季節に合わせてこまやかにリクエストを拾ってくれる。

まるで和菓子が、その意匠に四季の移ろいを繊細に映し出すみたいに。

秋の曲と言っても夏の残暑厳しい中に一瞬秋めいた空気を感じる初秋、澄んだ空気に満月が皓々と輝く仲秋、爽やかな秋晴れに時折木枯らしが混じるなか芸術を堪能する晩秋……といったふうに、ござさんはメドレーの構成からアレンジの演出まで細かく使い分けているのだ。

季節の曲はその時期に弾いてこそ共感される、その時期ならではのアイテムということも出来るだろう。旬の味覚は、栄養的にも味も旬の時期に食べてこそだし、また年中行事にもその時期に行われるのにはそれぞれ意味があるように、音楽も季節に応じて楽しまれてきたジャンルがある。とくに民謡や民族音楽、童謡。POPSやクラシックにも季節を描いたものは数えきれない。

 

ござさんにとって、クリスマスにまつわる曲は宗教的な讃美歌から洋楽などいろんなジャンルにわたっているしアレンジの発想は尽きない楽しいお題なのかもしれない。

今回もニコニコメドレーの後に仕切り直して洋楽弾きましょうと始めたはずが、がっつりクリスマス曲に持っていかれている。

チャット欄から、洋楽どこいったって総ツッコミだがそんなことは気にしてはいけない。ござさんが洋楽っていったら洋楽なんだ(棒読み)。ほら外国の曲ばっかりじゃないですか???

12月に入りいわゆる待降節、つまりアドベントの期間に入って世の中は街のイルミネーションも華やかに彩られ、お店のウインドーは賑やかに飾り付けされて、クリスマスマーケットではグッズを求める人々でにぎわい、子供たちはサンタさんにリクエストするプレゼントを考えるのに忙しいし、何かと気ぜわしい中にも胸躍る季節だ。

そんなワクワクする季節なのだから、待降節のカレンダーを数えるようにクリスマスの曲で盛り上がるのも悪くないだろう。

なんどもいうがござさんの演奏はあらゆる手段で趣向を変えてくるのでまあ聞いた事あるからって飽きることはほぼないですね。

ただ。ござさんのレパートリーが振り幅大きすぎるので、もったいないから同一テーマはもうちょい間隔をあけてやっていただき、もっといろんなテーマでランダムに拾っていただきたいってことくらいでしょうか。ござさんとしてはあくまでメドレーを拾うにしても偶然というスタンスを貫きたいようだから、そこを深く考えるのは無理なのだろうと推察しますが。

(個人的に)ウチでは餅はついてもクリスマスツリー出すとヒンシュクかうので、ござさんの配信が唯一クリスマスらしい雰囲気を楽しめる空間なので演奏してくださるのはすっっっっっごい楽しみです。

さらに個人的にいえば、 ジョンレノンのHappy Xmas (War Is Over)をじっくり演奏してくださって嬉しかったです。クリスマスの曲ですがこの歌詞に考えさせられることは多いです。

 

資料:過去の動画リンク。ストピだけでも4つある。生配信の曲も入れたらメドレー演奏は数えきれない(ので数えてなくてすいません)

2019/11/17  都庁ピアノでクリスマスメドレー

 

 

 

 2019/12/08(これもクリスマス曲メドレーです)

 

2020/11/23 教会で讃美歌聴いてるような響きです


 

2021/12/13 圧巻の迫力です


 

 

今年流行った曲とかいう当たり障りないお題

厳密に言えばここ数年で流行った曲メドレーらしい。そうだよねござさんはその年の流行曲を紅白見て仕入れて覚えるって言われてたから、この時点じゃ今年の流行曲はまだマスターできてないはずだ。部屋にテレビ置いてないらしいですし。

そういうわけで暫定的今年の振り返りと、ここ最近の人気曲ってくくりでいってみようってことになった。というお題の、強風オールバックがどの曲と相性いいかっていう実験でした。あしからず。

だって流行りの曲そのままやってもみんな知ってる曲だしつまんないですよね?というござさんの心のつぶやきが聞こえた(ような気がした)。

あ、B’zのウルトラソウルが聞こえるなーなんでだ今年の曲じゃないぞと思ってたらAdoさんの唱でした、大変失礼しました。セトリ見るまで間違えて考えてましたすいません。

 

この辺の曲は全部サブスクでリアルタイムで手軽に聴ける環境にあるので、まあ生放送で何が面白いってござさんの配信でいえばどうやってヘンタイな 意表を突いたアレンジしてくるかが聴きどころですしね。

クリスマス曲が洋楽からのメドレーというお題で正統派だったじゃないですか、やっぱ流行りの曲はどんだけ混ぜれるか縛りで遊ばないとつまんないですよねっていうござさんの心の声が聞こえます。

どうやって即興で混ぜてるのか。たぶん曲のキー(原曲の調)が近親関係で混ぜやすいとか?コード進行が似てるからやりやすいとか?リズムとか拍子が似てるとか?あるんだろうと思われるが素人だからくわしいことは知らない。

なぜか曲混ぜながらなのに鍵盤ノールックでモニターを眺めるござさん。チャット欄はいいように手玉に取られて混乱を極め、そんな上へ下への大騒ぎの狂乱ぶりをしてやったりとほくそ笑みながら……優しい視線で見つめながらリクエストを拾っててほんとにwwwww

メドレー弾いてみても「もうちょっと混ぜようがあるな、研究の余地が……」と練習が止まらない。それは勤勉で真面目な姿勢というのかなんて言ったらいいのか。

 

 

あと。

最後のメドレーの長調で弾くビッグブリッジの死闘も即興とは思えないです、独創性が炸裂してる。綺麗なアルペジオからショパンシューマンの曲でそういうのあったっけっていうイントロからのゲーム音楽が意外過ぎる。

長調っていっても古典派とかバロックみたいな正統派よりロマン派っぽいですね。

何言ってるんだか。

なんか優雅な宮廷サロン風で、もはや死闘でもなんでもなくなってますね。

さらにルパン三世も、葛飾ラプソディーも意表を突いたアレンジ。

 

生配信のアレンジはどれも実験的で攻めてて、聴いてて飽きないですがとくに最後のノーストップメドレーがどれも必聴ものっていうか最後の方が脂が乗ってくるというかゾーンに入ってるというか。

どれも発想の切り口が鋭角でその刃物で常識を切り裂く攻め方してて、素人ではその理屈は説明できないからとにかくみんな聴いてくださったらいいと思います、度肝抜かれるから。まあこれ読まれてるかたはいつも聴いてるかたとは思いますが。

 

(ほんとは11月のほかの配信、19日のとかも書きたいけど順番が前後しててすいません、ニコニコ動画の復習の都合上、こっちが先になりましたが11/19の感想書けるかどうかは都合によるのでわからない)

 

 

 

音楽とござさん

 

この記事の題名。お題がざっくりしすぎというか、対象が大まかすぎてはっきりしないのですけど、これ以外に適切な表現がない。

 

"音楽という人類共通の文化"

ーーーこれを普遍的に、世の中に分け隔てなく広めたい。

老若男女にあまねく親しまれるようにもっと魅力を発信したい。

ござさんの音楽に対する接し方、音楽活動における立ち位置を考えるとこうなるのです。

 

11/12のお誕生日配信でござさんはふと、さりげなく言われている。
【スペシャル】グランドピアノ弾いてますリクエスト募集中! 2023/11/12 - YouTube
(※この記事書くのが遅すぎてもうメンバーシップ限定公開になっててすいません)

「クラシック弾きましょうか?こういう特別な配信では、ひねらずに王道を弾けばいい気がするので。」

この言葉に自分は決定的に違和感を感じた。違和感ありすぎてこのお誕生日配信のアーカイブが二週間くらい振り返れなかったくらい、自分の認識と決定的にずれている何かがあった。でもそれがわからなかったのでここの日記も更新できずじまいだったのだけど。

お誕生日配信ってもっと華やかに楽しくやるんじゃないの?いつものアレンジも特別バージョンとか、豪華な盛り上がる曲でファンと一緒に今までの一年を振り返り、これからの活動の抱負を述べるとか・・・?

え・・・?ひねらず王道?????

と、オーソドックスな選曲を眺めながら自分の中で自問自答してみた。

でもどうしても答えは出なかった。

 

しかしちょっとしたきっかけで解決の糸口をもらった気がするので、考え方を変えてみた。

 

ござさんは音楽活動をしている。なんのために?

 

 

その答えはこの動画の冒頭で既に提示されていた。明文化されているのはこの時だが、語らずともその姿勢はネットで活動を始められた2009年から(2ちゃんのセッションスレを考えるともっと前かも)、ずっと一貫して続いていると言っていいだろう。

ござさんの目的は「全てのジャンルのピアノを弾きたい」

 

でもこの動画を見た時すでに、自分の中のどこかで疑問は提示されていたのかもしれない。

「すべてのジャンルをピアノでって、何のために?」

ござさんのこの徹底した満遍なくすべてのジャンルの曲を弾くっていう姿勢のために、練習内容とか選曲とか、音楽家としてのかなりのリソースをそこに割いていると思うんですよね。

それだけの腕前をお持ちなのだから、何かのジャンルを極めることなどたやすいとは言わずとも夢ではないはず。

たとえば。

JAZZアレンジを長い年月かけて掌中に納められているのですから、JAZZの本場のアメリカに行って研究なさるとか、ラテンの本場に行ってリズムを肌で体感し会得するとか…もう自分のものにしてしまわれてるけど、よりそれぞれの分野の研究が深まるのでは?それは、ござさんのレパートリーのあらゆる分野に言えることではないのか。

何かを究めたござさんのピアノ、進化したござさんの地平線の彼方に見える姿はどんなだろう?って見てみたいと思った。

自分のこの考え方がつまり現実のござさんの姿勢とずれていたから、ずっと自分の中の違和感は消えなかったし、しんどかったのかもしれない、と思う。

 

ござさんはどこまでも音楽の本質を追求している。

 

ござさん自身が演奏家として極めるため?

というよりは、

音楽の本質をつまびらかにして平易へいいに表現し、あまねく世の中に知らしめたいのでは?

つまり活動の主体はござさん自身ではなく、音楽そのものに置いているのではないか。

探求すればするほど、音楽に対して真摯に向き合うほど、ござさんの中では個としての自分の存在は音楽の中に埋没して個性は見えなくなっていく。

ござさんは唯一無二の個性的な存在であることは間違いないのだけれど、ご自身からは決して個を誇張して発信されない、という意味だ。

音楽を主体として発信するときに個はむしろ余計な存在だとでも言うかのように。

 

生配信のときにいつもあらゆる分野を長期的に見て偏りなく色々演奏されるのも、

それは聴く人全てに、あらゆる分野にわたって音楽は分け隔てなく素晴らしいのだということをわかってもらいたいからなのかも。

そのために手を尽くしてアレンジを色々試し、どのようにすれば聴き手に伝わるのかを探求しているように見える。

 

月刊ピアノでアレンジ楽譜とコラムを連載されてるのも(もう年明けから5年目になるのでは?)、

ござ式のピアノ演奏のアレンジの手引き的な本をまとめられたのも、

全部、ござさんの考えてる世界を少しでもファンに体験してもらって、一緒に音楽のすばらしさを共有したいからだと思う。

 

ござさんは超絶技巧を操り、また複雑な音楽理論を駆使して縦横無尽に夢みたいな演奏を配信で披露されている。

でもそれらの根底にあるものをわかりやすくファンにでもできるところまで解像度を鮮明にしている。なぜならファンが理論とか知らなくても、曲についての知識とかなくても、ござさんのピアノは直接心に訴えかけてくる説得力を持っているので。

 

音楽にはジャンルの垣根も国境もない。

色々気軽に取り組めるし、躊躇することなく気構えることなくやってみると、そこには無限にめくるめく世界が広がっているから、一人でも多くの人にそのことを知ってもらいたいと思われているのでは?

 

月刊ピアノの連載のコラムの懇切丁寧、優しく平易にして本格的に掘り下げた内容。

アレンジ楽譜の色んな分野を取り入れつつもしっかりとござさんならではの和音とかコード進行?が盛り込まれててしかも素人でも練習すればできるのでは?と思わせてくれる、現実的な難易度。
※動画一覧:月刊Piano「ござさんの All that Goza's Piano Arrange」 - YouTube

ござ式のアレンジガイド本の、わかりやすく系統的にまとめられた内容と、素人と中級者の方向けに分けられたステップ別の解説。そして圧倒的な量を誇る具体的演奏例と楽譜。ござさんによる何十本もの演奏音源までつけられている。

 

どうにかして、素人にも、ピアノ触ったことない初心者にも、音楽に興味持ってもらって一緒に楽しんでほしいっていう熱意をひしひしと感じるのだ。

もはや執念と言った方がいいかもしれない。

 

これらは全部自分の想像にすぎないけど、ござさんの性格とか活動の姿勢から考えてそう仮定するといろいろと腑に落ちることが多いということだ。

音楽は、時代も国境も人種も越えた、人類共通の文化。

 

音楽を英訳するとmusic、この単語が意味する狭義の音楽というのは、直截的には中世に端を発する西洋音楽を意味する。(このムーサという単語はmuseum、つまり美術館・博物館の語源でもある。)

英語の"Music"を始め、ヨーロッパの多くの言語においては、古代ギリシャ語のμουσική (mousike; 「ムーサの技[わざ]」の意)を語源とする。ムーサはミューズの名でも知られる芸術や文化を司る女神である。(※参考リンク:音楽 - Wikipedia より)

しかしござさんは民謡とか民族音楽とかも同様な視点で見ていて、そのほか音とリズムで表すことのできるすべての存在を音楽と捉えてるようだ。

ござさんの奏でる調べは世の中にあるすべての音楽に敬意を払っている。ゆえにどの曲のアレンジも聴く者の胸にひときわ深く響くのだろう。

 

 

ーーグランドピアノとござさんーー

2023/11/12の生配信はござさんのお誕生日ということもありグランドピアノスタジオからの演奏だった。

序盤の選曲も千と千尋の神隠しからの「ふたたび」という曲……

ほぼグランドピアノ配信は2年ぶりだからだろうか。

このスタジオも以前毎週通われていた配信のスタジオと同じ場所、たぶん同じ部屋でピアノも同じなのだろう。

ひさしぶりの懐かしい相棒との再会に際して「ふたたび」のアレンジをイメージされたのかもしれない。

「やっぱりグランドピアノ弾くの楽しいですねっ!」

と、ござさんは、はやる心を抑えかねてる様子。

 

グランドピアノをスタジオじゃなくて家に買えばいつでも弾ける、練習もいつでもできるという説もあるが。

ござさんはあくまでスタジオで弾きたいのだろう。

そのほうが色んなピアノに出会える。ピアノにはそれぞれ個性があるらしいから、その時置かれた状況でピアノにどう接するか、どう弾くかを工夫するのもござさんの中では楽しみの一つなのかもしれない。

家にもグランドピアノ、買えるはずですがござさんの音楽活動の中ではグランドピアノ弾くだけが全てじゃない。色んな音楽に対してフラットに接するというなら、ピアノ弾くだけじゃなくてござさんの表現方法はもっとマクロな選択肢を持つだからだ。楽器としてのピアノ演奏のみを通してござさんの音楽を理解しようとすると、途端に演奏から流れて来るござさんの思考は言葉を失ったように口をつむぐに違いない。

 

でも楽器としてのピアノ、そこでしか得られない音色も厳然として存在することに偽りはない。

だからこそござさんはグランドピアノの音色との出会いを楽しんでいるように見える。あくまで個人的な楽しみとして。

楽器は演奏すると自然な音の波長が何重にも派生して豊かな倍音を生み、音として聞こえる響きに豊かな表情をもたらす。その豪華で贅沢な音響には画一的な基準は存在しない。ござさんはピアノに実直に問いかけ、明るく伸びやかで豊潤な音のレスポンスを楽しんでいるかのようだ。

また、王道にして定番の曲としつつも、やはりござさんならではの和音の展開をひそませて、それに対しピアノから聴こえてくる響きに心地よい驚きとささやかな満足感を味わいながら、鍵盤の感触を楽しんでいるように見える。

だからこそ、ござさんにはグランドピアノの音を楽しむ空間を存分に味わっててほしいというか、好きなだけ楽器の生の音を愛でていてほしい。リクエストとか気にせずに二時間弾きっぱなしの楽しい時間でもいいじゃない。

 

と思うがござさんの生配信の題名にはいろいろ時季の文言をいれつつ絶対に外さないキーワードがある。それは「リクエスト募集中!」だ。あくまでござさんにとっては生配信はファンと、リクエストとピアノ演奏のキャッチボールの場なのだろう。多分そのスタイルはニコニコ生放送時代からずっと変わらないままだ。

 

それ見てて思うんだ。

ござさんはあくまでファンから求められてピアノ弾きたいんだろうな。

そしてファンが求める音楽という欲求に対して、演奏という形でどのように音楽を提示できるか?というキャッチボールの場、それが生配信なのかなと思う。

ファンから提示される音楽も、古今東西あらゆるジャンルに渡って音楽という存在全部を網羅せんとする勢いだ。

しかし、それに応えござさんが演奏にして現出して見せる世界は、ファンの思い描く楽曲そのもののもつ既成の概念を遥かに凌駕している。

あるときは孤高にして崇高な厳粛さを持ち、また誰もが涙せずにいられない抒情豊かな調べにあふれていて、ときにはロックやアニソンのビートが炸裂しベースラインが縦横に駆け巡る…

その発想は即興演奏のときにこそ、より鮮やかに閃いてまるで儚い陽炎のようである。

 

 

 

 

 

 

 

11/5の生配信

 

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テクい時代との訣別

ござさんのレパートリーにはテクい曲つまり技巧的なものが数多くあるが、少なくとも今はもう弾けなくなった、と言われていたものを挙げてみる。
「シュレーディンガーの猫(トイコンテンポラリー)」を弾いてみた (toy contemporary / piano cover) - YouTube

この音ゲー曲である。確かこの動画撮るのに年末年始の休みを全部費やしたそうで、定期的に弾く曲にするにはあまりにも練習のコスパが悪い、という事らしい。

 

テクい曲で行方不明のものは他にもある。やはり音ゲー曲が多い。生き残ってるのを祈るばかり。

L9 (piano cover) - YouTube (←11/5 弾いてくださったため生存が確認されました)
Macuilxochitl (piano cover) - YouTube
七つの海よりキミの海(波打際のむろみさんOP) on piano - YouTube

 

(そこでふと自分のかつての好みを思い出す)

自分も、いい演奏=テクい曲の演奏、という時代があった。音楽は競技、勝ち負けが全て、っていう価値観の時代。いわゆる若気の至りってやつだ。

 

しかし音楽は早さとかテクとかいう、ストップウォッチで測れる数字だけで比べることはできない。

そもそも、音楽を鑑賞するのに比べる必要なんかない

ていうことに、ござさんのピアノに出会ってから気づいた。

芸術は聴いた人がそれぞれにどう感じ取るか。

良し悪しというか順位なんて、聴いてる人の数だけ違う意見が存在するはずだ。

そういうことだ。

その感覚と、順位は全くベクトルの方向が違う。

 

三者が客観的につけた順位、それによって評価される演奏。

他人がつけた序列には別に興味ないです。

その序列は、音楽そのものになんか関係あるんですか?

それって運動会の徒競走の順位と何が違うんですか?

音楽ってそんな物差しみたいな単一の側面でしか見れないものなんですか?

音楽を、演奏を聴いて個々人が素直に感じたこと。

それこそが、音楽に対する正直なレスポンス。

演奏に対するそれ以外の応えって、無いだろう。

 

まっさらな状態で聴いて、いいと思った演奏、いいと思った音楽が自分にとって大事な存在。

 

自分は、「自分なりにござさんのピアノが大好き」っていう感覚をずっと忘れたくない。

それは誰とも違う自分の存在意義だと思って、心の隅に大切に携えていたい。

この部屋の記事を読んで同感だと思ってくださってる方がいるとしたら一緒にござさんへの気持ちを共有できてうれしいですけど、それはあくまで奇跡みたいな偶然であり、必然ではない。

そんな、偶然ござさんへの気持ちを共有できたという喜びをかみしめながら、ああござさんの音楽に傾倒されてる人はこんなにいるんだなっていう事実に感動しながら、日々ここの部屋で自分の気持ちをしたためている。

 

 

さて、この記事では11/5の生配信のことについて考える。

嬉しさを抑えきれないござさん

配信の最後のノーストップメドレー、いつも必ず最後にお題を決めずにチャット欄からリクエスト拾ってくれる、ござさんもファンにとっても楽しい時間。

「メドレーを長めに自由に弾きたいんです」

と、とにかく好きなようにやりたいということでその台詞どおり一時間はあったのではないだろうか。

このメドレータイムの自由さ、一曲を丁寧に弾いてくれるところ、バラエティに富んだジャンル、奇想天外な発想、…どこかで見たな。

そう、2020年8月までの配信で、前半1~2時間ノーストップでやってたスタイルに酷似してきた。

そのころ、配信のら後半は休憩を挟んでスーパーチャットで投げられたリクエストをメモし弾くタイムだった。スパチャによるリクエストは今は廃止されてるので関係ないとして。

だんだんあのころのスタイルに回帰しつつあるのかもしれない。

自由に弾くのがメインのスタイルに。黙ってずっとリク拾いながら弾いてたあの姿に還りつつあるのかもしれない。

滝コメからリクエストを拾う方法として、メドレーで色んなジャンルをやるという手法が定着してる気がするが、ござさんのアレンジが冴えわたり、独創性が炸裂するのはなんといってもノンストップメドレーだと思う。

 

制約も足枷もなくなった時のござさんの発想は……

思索のアンテナを多重次元にめぐらせて、

思慮深く海よりも深い精神世界を湛え、

ひばりのように空高くどこまでも羽ばたく。

 

もはや生配信全部ノンストップメドレーでもいいやん?という暴論も常に自分の中の片隅に居座っている。しかし決まったジャンルのメドレーごとにやってほしいという需要もあるし、滝コメからリクエスト拾うのにはメドレーが効率いいから、結局今のスタイルが最適解なのかもしれない。

ただ、ござさんの独創性は膨大なインプットがあるが故の賜物だと思うので、ござさんの自由な様々なツイートを見ては、あー次の生配信も楽しそうだなーとそっちに発想が飛ぶ。

 

冴えわたるJAZZ、ついていきたいファン

11/5 この日の演奏、なんといっても白眉は冒頭の2曲、Moon Riverともののけ姫の曲である。

いや生配信は全てが名演奏なのだが、あえてこの2曲を挙げる。この2曲を聴けばこの日の生配信のすべてがわかる、とはちょっと言い過ぎ?ほかにもいっぱいあったでしょって?

ただ、JAZZアレンジが素晴らしかったと言いたいのだ。

JAZZってなんだ?JAZZに特有の和音進行、特有のリズム、特有のアドリブフレーズ……ていう色々な音楽的縛りがあるはずだけど、この記事は素人が書いてるのでそういう知識はないのでスルーする。自分はただ聴いててJAZZっぽいな、お洒落な物憂い和音だな、アドリブがアツくてかっこいいな、とか野生の勘で感じてるにすぎない。

 

(そういう素人が聴いても)このオープニングの2曲が殊更に美しくて艶を帯びていた。前奏というか導入部からのゆったりとした曲調を丁寧に、ワルツなど交えながら優雅に語ってくださるござさん、その憂いを帯びた調べに静かに耳を傾けるチャット欄。

それからもののけ姫の曲で、映画のラストシーンで流されるEDテーマ。

ござさんの演奏って楽曲という存在に魂から向き合ってるんですよね。穏やかな曲演奏してても、根底に流れる音楽そのものへの情熱は隠しきれてないんですよね。

そこから編み出される音の群れはしみじみと心に響く。

 

ござさんのピアノ、こういう音ひとつ取っても、明らかに何か語ってるんですよ。

寡黙にして雄弁。

陰翳礼讃いんえいらいさん

↑ ※元ネタは谷崎潤一郎の随筆から。【陰翳礼讃 - Wikipedia :『陰翳礼讃』は、谷崎潤一郎の随筆。まだ電灯がなかった時代の今日と違った日本の美の感覚、生活と自然とが一体化し、真に風雅の骨髄を知っていた日本人の芸術的な感性について論じたもの。】

抒情的な音の流れが紡ぎ出すわずかな陰………

その中にござさんは細やかな感情を織り込む。

 

 

この日は配信全体がえもいわれぬ艶をまとった雰囲気に包まれていた。

J-POPのリクエストも、クラシックも、どんなリクエストもJAZZふうにリズムを揺らして崩し、ブルースふうな物悲しい和音を混ぜている。

原曲ふうな雰囲気に仕立てられた端正なショパンの雨だれが合間で顔を見せると……周りの物音がしない中、雨粒が滴る如く規則正しく刻む中低音の響きだけが波紋のように広がっていく。

 

上記の通り、この日のラストのノーストップメドレーは一時間以上続いた。

「生配信だし、弾きたいだけ弾いていいよね!」

というノリで嬉々として早速リクエストを拾うござさん。

そうです、仕事として音楽活動を続けられる中、この週に一回の生配信枠は、数少ないござさんが自由に演奏できる空間なので。

のびのびと、それはもう思う存分、好きなだけはっちゃけてください。

そんな楽しそうなござさんと素晴らしい演奏を愛でる空間と化している、ラストのメドレー。ファンとしては楽しそうなござさんを見られるのは本望なので願ったり叶ったり。

 

聴きどころって全部ですが。

特に拾っていくと……

ノーストップメドレー冒頭のJAZZ曲二つがすでにアレンジが美しい。奇抜なアドリブとかいうよりも楽曲として美しい。

 

その次のアラジンの曲も人気で楽しいアレンジだが、

革命のエチュードが素晴らしい。革命がまずフルバージョンで必聴なのはもちろん。というかメドレーなのにどの曲も長め、原曲通りとアドリブも加えて丁寧にアレンジされている。その次のアンパンマンと混ざってる革命が素晴らしい。ノーストップの白眉は何を於いても革命風のアンパンマンである。

チャットで誰かがのたまう。「あんこの入ってないアンパン」と。言い得て妙である。そして、ラストのキメがなんとなくモルダウの終盤ぽく、格調高くて壮大。何言ってるのか分からない?だってそうなんだからしょうがないです。

 

それから、I amから始まるルパン三世からのカンパネラ。どの曲にもシレっと I amが混ざってきてて油断ならない。いいからとにかく配信を聴いたら分かる。

※参考アレンジ(この配信中のアレンジ例動画、もう暗記してしまってこの曲を配信で演奏されるとこの動画が自分の中で自動再生されてしまうので困ってる)
【演奏実況】ノープラン即興演奏あるある(ピアノ)【I am(報ステ)】 - YouTube

I amが普通は、気軽に他の曲と混ざらないでしょ。

 

それからイパネマの娘につられてボサノバ風になる KICK BACK。その後ガチ版の KICK BACKも来てて一粒で二度おいしい。その後トーマスを演奏されてるが、この KICK BACKに途中から現れるトーマスではなく、単体でのきかんしゃトーマス。混ぜて下さってもよかったんですけど?

ボカロのrain stops, good-bye、ミュージカルCatsのMemoryとバラード調の原曲ふうなシンプルなアレンジ から、畳みかけるようにラプソディーインブルーの壮大なサビが続く。配信冒頭の曲調と酷似した、流れるような美しい旋律が静かに胸を打つ。ござさんのメドレーは流れを切らさず鑑賞するに限るというのはこういうところだ。

大きなJAZZの中にアクセントとして美しく壮大なバラード調の曲を挟んで雰囲気を変えているというか。

 

JAZZって本来の解釈ではアドリブが最大の見せ場、奏者の腕の見せ所、ってググったら解説サイトに書いてたので、素人の自分はずっとそういう認識だった。熱く手に汗握るアドリブの応酬こそがJAZZの醍醐味。魂の鼓動が聞こえるような熱量。そしてJAZZならではのコード進行をどういうふうに独自の展開にして織り込むか。

でもやっぱりござさんのアレンジは好きな曲を好きなように演奏してる時が輝いてる気がする(素人感)。JAZZスタンダードがやはり長年セッションの現場で受け継がれてきた有名なアドリブと共に曲の構成も練られていてJAZZとして一番しっくりぴったりくるのだが。

しかしござさんが選ぶJAZZじゃない曲のJAZZアレンジが、より一層ござさんらしさが炸裂してて聴いてて楽しいしそのセンスに度肝を抜かれる。

 

さらにJAZZアレンジから季節が飛んで、なぜか春の海が始まった。

なんでだ、もうお正月か?まだ早いぞ12月にもなってないしお年玉年賀状も発売してないし(え?もう売ってる?)、大掃除もまだ、何もかもまだなんですけど!と一瞬混乱する自分。

そしてチャット欄でもあけましておめでとうとか総ツッコミされている。そらそうよ。

春の海をシンセの琴の音色を使って演奏、とかいうひねりのない事はするわけもなく、アニソンのアイドルと、ブルースのサマータイムと、アニソンの祝福、ポケモンの曲とのコラボになっていた。

それはそれでひねりすぎでしょ……?

脈絡ないともいう、いやあるのか、それぞれのコラボ曲に共通点があるはずだ?春の海が民族音楽ぽいスケール(?)として構造が共通してる曲を選んだんかな(素人考え)?とにかく和風な和音とかを混ぜとけばいいやろの精神。あれだ、演歌アレンジにもなんかパターンがあるし、一緒やろ。

と、素人の頭脳で叩いてもホコリも出ない思考回路では考えても意味ないので。

 

このあと普通バージョンのメルト弾いてくださって、なんか癒されるというか家に帰って来たような妙な安心感がしたのは自分だけか?

 

と、全編にわたってうっとりするようなJAZZふうアレンジの調べが流れる中ちょっとお茶目なのが挟まってた気がするが、どっちもというかどれもござさんの顔である。

むしろ冴えわたるアレンジもござさんの真の姿だし、

お茶目な姿が見えないと何肩ひじ張ってかしこまってるんだと心配になる。

ござさんは、謎アレンジに引っ掻き回されて混乱してるチャット欄を微笑みながら眺めてるくらいのキャラじゃないと(え?)。

そう、まじめなだけのアレンジ配信なんてつまんない。

ご自身の生配信なのですから、そこでくらい好きなだけやっちゃってくださってもよろしいかと存じます。

 

とかのたまってるところに突然降ってきたガチャガチャきゅ~と・ふぃぎゅ@メイト。この曲名からしてすでにwwwええ?なんでもないですよ原曲通りの演奏って安定感ありますよね名曲です(棒読み)、いやほんとこの曲の展開面白くて飽きませんよねここだけ大好き過ぎて鬼リピです。はいこの曲が好きなだけでして、ござさんってなんでも弾けてすごいですよね。

 

なんか聞こえた気がしましたが気のせいです。

最近何か一つの曲のアレンジだけを弾いてるおかげで?こういった好きにアレンジできる生配信枠は冗談ではなく貴重な癒し時間となっていることでしょう、ござさんには。

ファンはなんでもいいから聴きたいし、ついていきたいし、ついて行ったはいいけど惑わされ混乱して振り回されてる感も否めませんが、まあそれがござさんの生配信の醍醐味です。

 

綺麗なだけの耳触りのいい音楽は音楽の単なる一面にしかすぎないのだ。

音楽って、芸術って世の中のあらゆる事象を表現しているもの。

ござさんの音楽にはそれらを包み隠さず、しかも親しみやすく触れさせてくれる不思議な力が備わっている。

 

 

 

 

 

 

 

徹底的にマニアック!編ーーござさんのピアノと管弦楽曲

 

※この記事は前回の続きです。

 

一般的に有名な曲のうち、ござさんの名アレンジを用いて語ってみましたが、今回もうちょっと補完します。

 

題して、

まだまだある!

もっと極める!!

ござさんのピアノ配信を渉猟して巡る旅

 

鍵盤楽器とは違った音色に焦点を当てた圧巻のアレンジ!

 

 

目次:クリックで各項目へ飛べます。

 

 

 

シフラ編曲版の熊蜂の飛行とかもピアノ用の名アレンジとして、ござさんのレパートリーにも入ってて自分も大好きだが、あえてこの記事では取り上げない。

なんでかっていうと、古来有名なピアノ曲は、そういうアレンジ版も含め、鍵盤で演奏する楽曲として、完成されてしまっているからだ。

自分は、あくまでござさんが鍵盤上に自由に演出する世界を楽しみたいんだ。

この記事ではそのお題の例としてクラシック曲としているにすぎない。

 

完成された決められたお題を古来ある解釈通りに弾くってのは、自分が描くござさんの姿とは違う。ござさんが追ってる音楽もそこじゃないと思う。

ござさんがつくる自由な世界が好きなんだ。

ござさんのピアノでしか聴けない音があるから好きなんだ。

 

※ 生配信アーカイブは、今の所2020/8/20以前はメンバーシップ会員限定の公開です

 

①マスカーニの歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲

2023/4/15 【ピアノ配信】帰ってきましたリクエスト募集中 2023/04/15 - YouTube

原曲:マスカーニ/歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲 - YouTube

前の記事の、ドヴォルザーク交響曲9番二楽章「家路」のところで、原曲では管楽器のビブラートで歌い上げる旋律を、繊細なオクターブトレモロで表現しきっていてすごみがあると書いた。

家路が管楽器のビブラートだけで謳う名曲なら、こちらは弦楽器のビブラートで謳う名曲なのだけど、何も言わないからござさんの表現にただただ聴き入ってほしい。

この原曲のオペラのストーリー展開は凄惨だったりするのだが、間奏曲は俗世のしがらみから解き放たれたような、天上の世界を描いたような美しさ。

ござさんのアレンジは中間部のサビから入ってそのままクライマックスの山場に至る。

原曲はオペラの幕合いの間奏曲ゆえに、ピアノアレンジの旋律にもござさんはアリアのような情感をもたせて訴えかけてくる。ふとこちらも思わず引きずり込まれて旋律を口ずさんでいる……

 

 

ハチャトゥリアンバレエ音楽「ガイーヌ」より

α:剣の舞

2023/9/10  ピアノ弾いてますリクエスト募集中! 2023/09/10 - YouTube

原曲:Khachaturian: Sabre Dance / Ozawa · Berliner Philharmoniker - YouTube

もう有名すぎて原曲の説明いらないですね。みんなどこかで聞いたことあると思います。コンサートとかじゃなくても、どこかで。

このアレンジのかっこよ!ポイントは、右手です。

正確に言えば右手のクロスです。

爆速のリズムを左手で刻みながら、シロフォン(木琴)と高音の木管楽器で有名な旋律を右手(当然和音でやってる、装飾音つきで!)でやる。

これで両手ですね?これでギリギリ両手です。

でも原曲のトロンボーングリッサンドがこの曲の看板ポイントなので、そこを強調させたいがためにいちいち右手をクロスさせてなぜか原曲より低いBASS音域でやっている。

なんでですか?

BASS音域だとさらに目立ってかっこいいからですか?

なるほど。

あ、途中の右手の和音が変わる所はもっと看板ポイントなので当然入れてきてますね!

 

β:レズギンカ

2023/5/13 【ピアノ配信】ピアノ弾いてますリクエスト募集中 2023/05/13 - YouTube

原曲:[1991 Live] "Lezginka" - Moscow Radio Symphony Orchestra, 7th Jun 1991 Japan - YouTube

レズギンカとは、コーカサス(カフカス)地方の民族音楽・舞曲のこと。

コーカサス地方ってどこかって?黒海カスピ海の間の地方。ジョージアとかアルメニアとかアゼルバイジャンがあるあたり。

作曲者のハチャトゥリアンジョージア出身のアルメニア人。

 

ござさんの生配信で何と言っても熱量がこもっているのが最後のノンストップメドレー。自由にアレンジして発想をつないでいくのがござさんの本領、何が起こっても不思議ではない。この5/13のメドレーの終盤、JAZZの名曲からモルダウとLet it be に感動して、Omens of Loveが爽やかな疾風と共に駆け抜けていって、その勢いで高速コロブチカが来て驚いていたら、さらにそのままの勢いでレズギンカ!なんで!?ロシア民謡つながり??なるほど!!って自分は納得してたのだったがチャット欄はコロブチカの派生アレンジの一部?と思われてたふしがある。いやほんと、コロブチカの高速右手の中に一音ずつ旋律を混ぜながら、そのまま次のが始まるって思わないよね。

チャット欄は、なんだ?とか、

ひえーとか、すごーとか、

どうしたござさん?

とかいう声が多い。みんなコロブチカの勢いを追撃できず、ござさんにまんまと撒かれた感が否めない。

してやったりとほくそえむござさんの姿が浮かぶ。

でもこの曲は、いつかやってくれないかなーと、自分はダメもとで時たまリクエスト投げてた曲なので、どうやって弾くんだろ、ござさんがやったらすごいことになるぞってワクワクしてたので。

たぶん名実ともにこの回始めて弾いてくれた思い出の配信です。

ご覧の通りです、もう笑っちゃうし(褒め言葉)。

(高速パートが得意なフルートほか、原曲の木管楽器の)高速の旋律を意地でも拾う右手。

おそらくオクターブで変則的に跳びまくる左手。

2:06:46 (頭出し済み)~の右手がさらに人間じゃない。この裏で、がっつり鳴らしながら下がっていく左手も圧巻。
【ピアノ配信】ピアノ弾いてますリクエスト募集中 2023/05/13 - YouTube

 

※おまけ:ガイーヌのバレエ動画(実際のバレエなので速度が現実的)
レズギンカ バレエ「ガイーヌ」より、ハチャトゥリヤン作曲 アルメニア・バレエ団 - YouTube

 

 

チャイコフスキーバレエ音楽くるみ割り人形組曲より 中国の踊り

2020/7/5 顔出しピアノ リクエスト受付中! / Piano live 2020/07/05 - YouTube

バレエ音楽つながりでソ連というかロシアバレエから。チャイコフスキーの3大バレエ音楽はどれもBGM風な場面も含めて全部、どこをとっても絵画的で美しく、劇的かつ壮大だ。その中でも知名度が高いからよく弾いてくださってるのだろうと思われる、くるみ割り人形。その中でも行進曲、金平糖の踊り、花のワルツは特に有名、しかしこの配信ではそれらの名曲に加えて中国の踊りも演奏されている。

レアです。たぶん中国の踊りはこの回だけなので。

ファゴットが刻む再低音域のリズムを左手で拾いながら、風のように過ぎ去っていく右手……そう、フルートの旋律をそのままガチで鍵盤でやってる。

この旋律はフルートだからできる、フルートを想定して書かれてるんですけど。恐るべし。

しかも、フルートの旋律と交互に現れる弦楽器のピチカートはきっちりスタッカートに変えてくる(和音で)。

 

※バレエの原曲は当時フランス発信の流行であったシノワズリ(中国趣味)をもとに東洋風なイメージで書かれている。衣装も東洋風。
紅茶(中国の踊り)、バレエ「くるみ割り人形」16/26 第2幕第12曲c、キエフ・シェフチェンコバレエ団 - YouTube

 

 

ロッシーニの歌劇「ウィリアムテル」序曲から スイス軍の行進

顔出しピアノ リクエスト受付中! / Piano live 2020/07/30 - YouTube

管楽器パートはダブルタンギングでやってるこのメイン旋律を同音連打でさらっとやっててかっこいい。それらの旋律の合間の左手でやってる低音も。この勢いのまま息つく暇もなくラストまでもっていってて圧巻です。

鍵盤がアップで映ってて画面左半分では鍵盤の全体像も見えるという色々な意味でサービスもすごい。背景になんか見えるのは気のせい。

 

※おまけ:同じく2020/7/30の配信で楽しむガーシュウィンとアンダーソン

Swing JAZZ 華やかなりし時代のアメリカを振り返る

3:46:36  I Got Rhythm 
3:47:20    パリのアメリカ人

3:03:41 トランペット吹きの休日(アンダーソン)

これらの曲は人気なので皆さまご存じと思いますが、同じ配信で楽しめるためメモしておきます。SwingJAZZだとラプソディーインブルーも配信では良く演奏されてましたが、あまりにも有名なのでここには書きません。

軽快なストライドにのせてきっちり旋律を左手の裏拍に充ててくる。

華やかなりし時代のオールドアメリカの雰囲気。

※おまけ:2023/10/14の配信でもアンダーソンの曲が聴ける(頭出し済み)、ぜひメドレーでお楽しみください。

ピアノ弾いてますリクエスト募集中! 2023/10/14 - YouTube

 

 

ラヴェルバレエ音楽「ダフニスとクロエ」第二組曲より「夜明け」

2021/7/7  七夕グランドピアノ配信! 2021/07/07 - YouTube

※原曲:Maurice Ravel: «Daphnis et Chloé». 2ème Suite, Simon Rattle - YouTube
「夜明けは」この動画の冒頭から7:20まで。ござさんは冒頭から5:00前後までをアレンジされている。

ほかにもラヴェル管弦楽曲アレンジはござさんの配信の中でも星の数ほどあり名演奏揃いですが、きりがなくなるので、極めつけのこの曲を選んでみた。

ござさんは、右手で木管楽器の静かな細かい音符をやわらかい絨毯のように敷き詰めながら左手は厳かに通奏低音を効かせている。右手が弦楽器がうねる旋律に移ると、左手が右手でやってた細かい音符をそのまま引き継ぐ。

????

ん?サラッとやってるけどその細かい音符左手でそのままやるんですか?

案の定、指足りないから両手でそれをやりつつ、旋律を両手のどこかの指で単音で弾いている。

いわゆる第三の手奏法。

その隙を突いてフルートの高速アルペジオが一陣の風のように爽やかに吹き抜けた。

おかしい。両手いっぱいのはずなのにそのアルペジオはどこから現れた?

 

この厳かな雰囲気の中、夜明けを迎える様を表現している。

そして左手の高速の木管のうねりを巻き込みながら、弦楽器の大きなうねりの旋律をダイナミックに右手で(右手は旋律以外にもなんかやってる)おおらかに表現しつつ、クライマックスに持っていく………最後の創作アルペジオの最後の音まで繊細で美しい。

もうござさんこれ指揮者ですよね。

 

 

 

ツイキャスから:★★ネタバレ注意★★ツイキャスを聴いてない方はあとでお読みください

 

2023/11/8 突発ランダムレパートリー練習無言配信 - ござ 🎹 (@gprza) - TwitCasting

ひょっとしなくてもこの演奏はござさんの配信とか動画でも初出かもしれない。

軽快にして軽妙、それでいて愛らしいアンダーソン独特の曲調を、小粒なスタッカートで打つ。ござさんはまるで現場のアンサンブルに参加してでもいるかのように、全てピチカートの中にもささやかな表情と僅かなうねりを忍ばせていて、まるで上品なウインクみたいな音が思わず微笑みを誘う。

※原曲:Leroy Anderson - Plink, Plank, Plunk /Anna Duczmal-Mróz conductor - YouTube

 

27:27~ ボロディンの歌劇「イーゴリ公」から韃靼(ダッタン)人の踊り

韃靼人とは、中央アジアモンゴル高原からカザフステップの草原地帯、いわゆるトルキスタンに広く分布したトルコ系騎馬民族遊牧民のこと。中世以降、勃興してきたロシア帝国と戦端を交える様が「イーゴリ公」に描かれている。

この韃靼人の踊りは、ござさんの配信ではオーボエの有名な旋律が主に演奏されることが多いけど、このツイキャスではもっといろいろな主題も演奏してくださっていて貴重。

オーボエの主題に続いて、木管楽器の掛け合いをなぜか右手だけでやってる謎。
(原曲の頭出し済み)ボロディン オペラ「イーゴリ公」より「韃靼人の踊り」 - YouTube

宇宙の神秘。右手でどうやって一人二役なのか何回見ても仕組みがわからん。そこから始まる迫力ある場面も演奏して下さりもう涙なしには語れない(´;ω;`)。なんてったって注目は低音部。華麗な木管楽器の掛けあいの裏で地響きと共に迫ってくる下降形のBASS音域。見てて空気がビリビリ震える(気のせい)。

ここからラストになだれ込むんだー!って思いきやラストには原曲中間部のキメを持ってきてる。なんでやねん。
(原曲の頭出し済み)ボロディン オペラ「イーゴリ公」より「韃靼人の踊り」 - YouTube

真のラスボスはここからだった。

原曲でいうチューバにバストロンボーン?にコントラバスバスクラとかファゴットとか(以下略)、後なんといってもバスドラム!とか、オーケストラの低音ていう低音が一斉に咆哮するのをがっつりやっている左手。

具体的にいうと右手が半音ずつ上がっていって最高音になる一歩手前で鳴らされる左手。あまりの踏み外しぶり、あまりの音圧にまじでパソコンの液晶壊れる(気のせい)。

恐怖におののいている隙に、右手がまたしても高速オクターブで動いてるのを発見し、さらにドン引き(褒めてる)。

 

 

皆さま、お楽しみいただけたでしょうか。

このあとに吹奏楽曲も続けようかと思いましたがさらに長くなるため割愛します

(さらにオタク道に走ってしまうため)

 

 

 

 

ござさんのピアノと管弦楽・吹奏楽曲

 

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このブログでは、ピアニスト 「ござ」さんについていつも書いてます。

Youtubeチャンネル ござ / Goza's Piano Channel - YouTubee
公式サイト ござ オフィシャルサイト
Twitter(現 X)ござ @本が出ました (@gprza) / X

 

この部屋では、だれでも読めるように書いてますが、今回は特にござさんの作る音楽の中から、弦楽合奏管弦楽曲吹奏楽などの編成の曲を基にしたアレンジに焦点を当てました。

オーケストラ曲の背景には何百年の時を経て連綿と続く膨大な歴史と、多様な楽器で表現される幅広くて奥深い森閑とした世界が存在する。

それらを題材に、周到に綿密に構築されたござさんのピアノアレンジ。

いつもyoutube配信で生演奏の即興でピアノソロに置き換えられている過程、そこにはどのような考察が加えられているのかをいろんな角度から、過去動画を使って考えてみる。

筆者は学生時代吹部だっただけのピアノはわからない一般人です。

 

 

ござさんの表現方法

ござさんの音楽は大別して方向性が2つあると思う。

自由に音楽的な形容詞を駆使してアレンジ

まず演奏できるジャンルがクラシック、JAZZやラテン、TVドラマやCM・映画音楽、ゲーム音楽、アニソン、ボカロ、J-POPや洋楽にロック、演歌、民族音楽に童謡、電車の発車メロディーに改札の通過音、古代の神への祈りからゲーム機の起動音まで……

およそ地球上に存在する音楽というか聞こえる音は全部掌中に納めてる。

 

さらに、それらの音楽を自在に操ってアレンジ=編曲。

バリエーションは、壮大とか荘厳風、ワルツ風、JAZZ風、ラテンとかボサノバ風、パリピ風とかユーロビート風、クラシックふう、演歌ふう、民族的とかエキゾチックふう、ホラー気味に、何かの調縛り等………

はっきりいってできない事はない(断言)

 

毎週のYoutube配信とかストリートピアノ動画、また解説動画などでは、奇想天外にして縦横無尽な世界観を遺憾なく発揮されてて、生放送で体験できる。

・毎週のYoutube配信:古いアーカイブ - YouTube
・ストリートピアノ動画:ストリートピアノ - YouTube
・解説動画:ピアノ講座(How to play Piano) - YouTube

【※詳しくは月刊ピアノ掲載の連載記事と楽譜をご覧いただければ、その多様な世界とどういう理論に基づいてアレンジしてるのかが詳しくわかるのでぜひご参照下さい】
動画リスト:月刊Piano「ござさんの All that Goza's Piano Arrange」 - YouTube

 

 

原曲に忠実に演奏

Youtubeとは別に、ござさんはツイキャスで"突発ランダムレパートリー練習無言配信"をたまに放送している。
ツイキャスアーカイブ集:Archive - ござ 🎹 (@gprza) - TwitCasting

ござさんのレパートリーは公称2100曲以上。

この膨大な数のレパートリーを実質現役で弾けるレギュラーとして維持するために、ツイキャスは計り知れない効果があるようだ。Youtube配信で演奏される曲にも珍しい曲が増えて来たのもこのキャスが関連しているかもしれない。でもそれは目に見える直接的な効果にすぎない。

プレーンな状態の原曲が記憶の引き出しにあるからこそ、ござさんの本領である自由闊達な発想、縦横無尽にジャンルを往来する手法が鮮烈に活きる。

そういう意味では、練習ツイキャスはファンが聞いていて楽しいだけではなくござさんの音楽そのものを見えないところで支えている根幹であると言っても過言ではない。

 

つまりツイキャスはござさんの音楽を補完する手段であり、それそのものが目的ではないという言い方もできるだろう。

 

ござさんのチャンネル、および音楽活動は多岐にわたっていて全容を把握するのは容易ではない。

一見すると単なる小部屋。

しかし何回カーテンを開けても実態がわからない小部屋のようで……だからこそ時折垣間見える底知れない深淵に魅入られて、二度と抜けられなくなるのだ……

 

先入観から抱いた偶像はいつも軽々と打ち破られる。

テンプレート、つまり常識的な型にはどうやっても嵌らないのだろう。

ござさんていう演奏家は。

 

 

管弦楽曲吹奏楽曲について

この稿では"原曲に忠実に再現"された演奏から、特に管弦楽曲吹奏楽のアレンジに絞ってござさんの演奏を振り返ってみたい。

(なんで管弦楽曲吹奏楽曲に絞るのか)

・ネットでそういうお題をいただいたので考えてみる気になったのはある。

・自分が学生時代に吹部だった(という遠い記憶)から、その分野の曲なら、アレンジの組成から考えることが出来るのもある。

・逆にピアノ曲は小さい頃練習が苦手だったこともあって避けて通って来たので、どういう曲があってききどころがどこかを解説できないという意味でもある。

 

管弦楽曲って何?

狭義でいうところの管弦楽曲とはクラシックの交響曲交響詩、交響組曲など、いわゆる音楽ホールで演奏されることの多いオーケストラの曲って意味である。

オーケストラって何だ。弦楽器5部と管楽器、打楽器から成る編成の合奏団と言えばいいかな?でも人数的には70~100人を超えたりする大所帯。

オケの演奏はホールだけに留まらない。

バレエとかオペラなどの舞台音楽だけではなく、クラシックのオケ曲はTVやゲームなどにメディアミックスでアレンジされてりしてて馴染みのあるものも多い。また、映画音楽やミュージカルなどにもオーケストラ曲はサントラとして使われているし、JAZZやラテンでは主に管楽器(サックスやクラリネット、トランペットやトロンボーン等)が取り入れられている。ていうかJAZZのウッドベースは弦楽器のBASS音域=コントラバスのことである。

 

というわけで管弦楽曲の定義がそもそも身近過ぎてあいまい。

ござさんのレパートリーもあらゆる分野を網羅しすぎて何を題材にすればいいのやら?

ピアノソロにおいて基準にするべき指標

とにかくござさんの言葉を借りれば、指標はこのようである。つまりどれかを突出して重視するのではなくできるだけ正三角形に近づけたいようだ。

このツイートはあくまでござさんがアレンジ楽譜を作る際のことらしいが、ここでは実際にござさんが演奏し、配信でファンが聴く前提で考察する。

① 弾きやすさ

ござさんのレパートリーは電車の発車音とか、生活音からして再現するくらいなのでピアノ曲はほんの一部といっていい。オーケストラ曲も多分に漏れずピアノ演奏を想定して書かれてはいない。つまり奏者側の都合でいうと鍵盤では演奏に適さない、または物理的に演奏不可能な曲も多い。

ロックバンドとかアニソンの"リズムのバッキングとボーカル、ベースライン"という組成とは違って、オケ曲は高音部・中音域・低音楽器に分かれる。高音部が旋律とは限らない。※ちなみにオケの打楽器部門は効果音も再現したり、必ずしもリズムのバッキング担当ではない。

もうお分かりですね?

ピアノ向けにアレンジして演奏するとき、右手旋律と左手低音部orリズムでは見るからに足りないパートがある。

中音域です。またはいくつかのフレーズが色んな楽器で複数同時進行してて、両手=2つのパートだけでは再現できないときも含む。

両手だけじゃ足りないとござさんがつぶやいてるのはこういう意味です。

ここをカバーするべくござさんは
・手を交差
・第三の手奏法を使って両手で交互に中音域を拾う(つまり旋律やベースラインを弾きつつ余りの指で)
・たまに単発で入る低音を拾いに左手がありえない跳躍

……とかやってると演奏はだんだん人類には不可能な域に近づいてくる。

 

また、オケ曲は旋律だけでも複数の楽器が受け持ち常に和音で動いてたりする。

それをどうやって鍵盤だけで演出するのか?

……せや(゚∀゚)――!!右手で旋律の和音を全カバーしたらええんや!!!
( ↑↑唐突なニセ関西弁)

他のジャンルの曲でも共通してるけれども、ござさんの右手は常に16分音符だろうが複数の和音を押さえて動いてる。16分音符で和音で動くのがどんだけ非人間的か、しかも平行な動きではない。素人の自分には筆舌に尽くしがたい現象としかいえない。

 

このように原曲を再現すればするほど奏者の弾きやすさの指数は低くなる。そこをござさんはひたすら人力で、つまりコソ練による力業で補っていると思われる。

隙あらば欲しい音を一瞬でも入れてきたりして、ほんと聴いてて油断ならない(喜んでるファン目線)。

 

② 演奏効果

弾きやすさと反比例。

演奏にコブシが効いていたりキメがばっちりだったり、バッキングのビートがすごかったりするほど聴衆への訴求度は高くなるが演奏のハードルも上がる。

そこへのこだわりと実際の完成度自体は、13年前の配信当初からずっと変わらないのではとさえ思う。

技巧的な点では、そして配信の機材の充実度という点ではまるで別物だとしても、音楽へのこだわりだけは最初からずっと一緒なのではないか。

昔から変わったところがあるとしたら、たゆまぬ練習によって得られたアレンジの持ち札の多彩さ、というところだろうか。(コード進行とか和音の工夫とかそういう技巧的な点は素人はわからないけど)

 

③ 原曲再現性

弾きやすさとは反比例する指数。盛れば盛るほど豪華になる。

オクターブで動いてみて旋律のキメ、ガツンと来るベースラインなど印象的な場面を特に強調

木管楽器の装飾音を丁寧に拾う

ピチカートは軽快にスタッカートで、ソロヴァイオリンの重音は正確に和音で再現

鍵盤楽器はいわば構造は打楽器である。音が発生してから減衰していく仕組み。ペダルで響かせる機能もついてるが減衰がゆるやかになる程度、響きが多少長くなるだけ。音量を同じように保持、むしろクレッシェンドで豊かに増幅とかいうことはできない。

じゃあどうするのか?

ビブラートはオクターブトレモロにしてみたり……また、ギターのトレモロとか管楽器の曲で高速同音タンギングの場合はピアノで高速同音連打しているようだ。そうやってオペラのアリアとか、弦楽器の旋律の保持音とかビブラートで印象的に奏でられる旋律のキメ部分を抒情的に演出されている。

 

これらの3項目をできるだけ同率で演奏に盛り込みたい。

いや無理でしょ。どこかが必然的に弱くなる。

って思いつつ、配信で驚愕の演奏を聞いては顎が外れそうになり、原曲そのままの響きが広がってきて感動に涙を禁じ得なかったりする。

 

ござさんの演奏には素人目で見てもそんな工夫がされてるのは一目瞭然だ。

ご自分ではそんな点に一度も言及されないので今更ながらこの記事で振り返るのだが。

要するにそれらはござさんにとって手段にすぎなくて、目的はあくまで視聴者のリクエストに応えて、みんなが聴いて楽しめる音楽を届けることに主眼を置いているっていうことなのかなあ。

そのためにはどんな手段もいとわないということか。

 

例:限りなく全部盛りアレンジのストリートピアノ動画

オーケストラ原曲のストピ動画として、映画音楽をあげてみよう。どの演奏も、オーケストラの豊かな響きと、複雑な構成の多様なパートが聞こえてくるはずだ。

2022.1.30投稿のストリートピアノ動画
超激アツ映画音楽メドレーで冬の駅が熱狂の嵐!! - YouTube

2019.11.28投稿の都庁ピアノ動画
超有名映画ソングメドレー弾いたらまた外国人に話しかけられた!! - YouTube

(おまけ①:ディズニーの曲も原曲はオケ。このアレンジもすさまじい。)
【ストリートピアノ】パレード+プリンセス!超濃縮ディズニーメドレー! - YouTube

(おまけ②:ジブリの曲もオケが多い。このアレンジも色々な楽器の音が聞こえる)
ストリートでジブリ何曲弾けるかチャレンジ!そして奇跡の結果に…! - YouTube

 

 

編曲の設計と、音響の調整

ござさんは家のシンセ、RolandのFANTOM8で実際に楽器の音源ソフトで打ち込みデータも作れたりする。ほかにも色んな音源ソフトをお持ちのはずだが、ここでは特に管弦楽のシンセ音源ソフトについて振り返る。

 

これはモルダウの終盤のところです。2023/10/29のYoutube配信でもワルツコーナーあたりでこの展開が一瞬使われててムネアツです。

 

次に挙げるアレンジはこの後の2020/8/16の納涼ミニコンサートおよびネピサマリベンジ配信で披露されるわけですが。

ござさんは吹部でクラリネットユーフォニウムという木管金管パート両方経験されていたこともあり、様々な楽器の実際の音の組成に精通している。

そのイメージを投影し、そのまま楽曲の構成に活かすという、やってることがすでに音響エンジニアになってきて、ござさん何の職業だったっけ、ってなるんですが。

 

【実際の配信:2020/8/16 納涼ミニコンサート配信】

※注意・この時代、配信機材のスペックの事情で音が頻繁に飛んでます。

 

 

【実際の配信:今年の2023/7/29ネピサマ 配信】

この配信の冒頭で、上記の2020年納涼コンサートでもやっていた手作りバッキング音源に合わせてピアノ演奏ライブというのをやってる。

お題は映画音楽。納涼コンサートではパソコンのスペック上音切れしてたキャラバンの到着もちゃんと聞こえます。(あれから段階的に配信機材を一新されている)


(通常のYoutube配信では、ござさんの理論上、何のジャンルでも設計してるアレンジを実際弾くのは物理上困難と言いながらも一人で演奏をこなされている)

この配信で取り上げられてる映画音楽はオーケストラ曲が多く、壮大で多層的な構造の響きが特徴。バッキング音源を背に両手が自由になったござさんの演奏は、和音もより豪華なコード進行(たぶん)、合間で聞こえる効果音的なのも全部入れてきて、いつも想定してるほんとのアレンジはこうなんだなっていう完成形を見ることができる。

 

……あれ?

実際にいろんな楽器の音を使って音源作れるならもはやオーケストラの生演奏もいらないし、ござさんのピアノで聴かなくてもござさん自分で合奏音源つくれちゃうじゃん。もうオーケストラの生演奏コンサートも、ピアノでアレンジ演奏もいらないじゃん?

って思いましたね、そこのあなた?

違います、シンセで演奏する音源ソフトはあくまで現実の楽器の音をサンプリングしたデジタルデータ、仮想現実みたいな存在に過ぎない。

それらの音を使って単純に和音でシンセで弾いてもいわば仮想の響きの域を出ない。

ござさんは、実際の楽器の音色や奏法を熟知してるから、音源創作にもリアルさが活きる。

リアルな生の楽器の音、リアルな楽器の合奏の響きをイメージできるから、そのままシームレスに鍵盤上に色々な音色がよみがえる。

ただシンセ音源使って鍵盤を押さえるのとは、そこが理念として根本的に違う。

物理的な仕組みを超えてなんか概念としてござさんはシンセ音源をも操っているように見える。

 

ーーーーーここまでは、シンセ音源のピアノ以外の楽器の音をつかって楽曲をアレンジする場合について言及した。

 

そこを踏まえると、自然といつもの電子ピアノの演奏が様々な楽器の音色を想定したものになってくるのもうなずける。

でもくれぐれもいうけど、シンセの機能で音源ソフトの調整とか、音響エンジニアの領域だと思うんですよね。

さらに管弦楽的な響き、楽器そのものの音色を知っているとして、実際に和音とかを工夫して演奏に活かすのは上記の3つの条件が相反するとおり、バランスよく実現させるのは理論的に困難といえる。

それを涼しい顔で毎週生配信で2時間やってるとか、ちょっと大丈夫ですかねこの人(誉め言葉)。

 

ストリートピアノ動画にもクラシックのオケ曲アレンジはあるにはある。

史上最難!?なんでもアリな連続リクエストに全力で挑んだ結果…! - YouTube

ござさんの描く世界を現出してるという意味では大好きな動画、これも自分は鬼リピ。

しかし。

ストリートピアノの真髄はあくまで個性だと思うんですよ(演奏家としては)。

オケ曲のアレンジを純粋に楽しみたい、原曲をござさんの演奏で楽しみたい、って場合にはあくまで自分は生配信での演奏を推す(独断と偏見により)。

よりじっくりと深くござさんの世界を味わえるから。

 

それでは何曲か実際の配信(主にメンバー限定公開です、ご了承ください)を振り返りながら、実際にどうすごいのか概観してみよう。

キーポイント:3本の手奏法

※参考動画:ぜろいちさんの動画をお借りします
「3本の手奏法」ソロピアノアレンジに3本目の手を入れる方法 - YouTube

 

オーケストラ曲のアレンジ(生配信は頭出し済み) 

まず作曲家別にいきます

チャイコフスキー

序曲「1812年

2020/5/14:顔出しピアノ リクエスト受付中! / Piano live 2020/05/14 - YouTube

この回は交響曲6番「悲愴」三楽章という、現在ではリクが通らない幻の曲の演奏もあったのですがそこはスルーし、意地でも1812年について語りたい。

※原曲:チャイコフスキー 1812年(序曲) 小澤征爾 - YouTube
スヴェトラーノフ指揮版:スヴェトラーノフ指揮「1812」 0001 - YouTube

ナポレオン戦争と、ロシアの勝利を描いた15分を超える管弦楽曲

この回ではござさんは解説を交えながらパートごとに分解して弾いてくれているというレア中のレア回。(※ただし通信状況が悪く、音に対して動画が20秒遅れのため鍵盤は参考にならないけど)色んなフレーズが波状に折り重なって展開する中、ござさんは和音をひとつづつ確認しながら曲の歴史的背景、それぞれのフレーズの意味、調の展開も全部説明してくださってる。いやなんでいちいち和音全部覚えてるんですか?和音の展開が単純とかいうオチですか?(そんなわけない)謎です。この長大な曲をなんで楽譜なしで暗記してるんだ?で、弾いてくれてるフレーズがいちいちリズムも正確、和音もぴったりですごい。原曲知ってる身からすると凄すぎてぞっとする。

 

ピアノ協奏曲第一番

2023/9/3:スタクラありがとうございましたリクエスト募集中! 2023/09/03 - YouTube

チャイコフスキーはメロディメーカーとして親しまれ、名実ともに名曲も多いがその筆頭として挙げられ恐らくクラシック知らない人でもこれと白鳥の湖くらいは知ってるはず、っていうくらい有名。この曲、みんなどこかで聞いた事あるでしょ?ちなみに自分はゲームボーイ(の何かのゲーム)のボス戦で知りました。というテンプレ知識はさておき。

協奏曲ってオーケストラとソロ楽器の合奏なわけです。オケをバックにしたソロ楽器のパートは華やかで技巧に富んだ、いわゆる映える美しい旋律が多い。そんなソリストの業が存分に光るように作曲されたソロパートと、オーケストラのバックを一人でやってるのがまずおかしい(褒めてる)。まあソリストの冒頭の部分は両手で全力で和音を3オクターブ移動してるだけなのですがね(とサラッという)。で、同時にオーケストラの大音量全合奏での有名な旋律をやりながら、そしてしっかり聴かせながら、さらに全部和音で動けるていうか覚えてるのもすごい。

チャイコフスキーの曲はどれも豪華で贅沢、宮廷演奏会のような雰囲気に浸れる。

 

②ベートーベン

自分は古典派については特に語れるほど原曲を聴き込んでないのでノーコメント…でも古典派はあまりにも現代につながるクラシック音楽の基礎なので、ちょっと振り返る。

ござさんもこう語られていることだし(といってお茶を濁す)、特に下にURL貼った4/22はベートーベンだけのメドレーがあったりする。この記事では特に管弦楽曲に焦点を当ててるけど、ござさんの音楽は全体で一つのストーリー、メドレーにも起伏と緩急の流れをつけてきちんと起承転結があるので、その曲だけでなくできればメドレー単位で鑑賞すると、ござさんの稀代のストーリーテラーとしての語りをより深く堪能できるだろう。

交響曲第6番「田園」と、第9番「合唱付き」(イントロから完全版)
2023/4/22:【ピアノ配信】本が発売されますリクエスト募集中 2023/04/22 - YouTube

交響曲第7番第一楽章
2022/9/13:ピアノ配信 リクエスト募集中 2022/09/13 - YouTube

相変わらずござさんの右手は常に和音を堅実に押さえてて、左手はきっちりコントラバスの動きを追っている。合唱付きの通称歓喜の歌も、右手を混声合唱の和音にしてきっちり歌っている。

合唱とソリスト、管楽器、弦楽器の音の特徴をリアルに捉えてて、鍵盤の演奏にそのまま印象を如実に映し出す。奏法の異なる楽器の響きをも把握して反映させている。

※番外編:都庁ピアノでも第九を独自にアレンジされて演奏している。
【都庁】ベートーヴェンメドレー弾いたら外国の方に話しかけられた! - YouTube

 

ラヴェル

ボレロ

2020/12/4:グランドピアノソロ配信! 2020/12/04 - YouTube
2021/2/15:ねぴらぼお疲れ様でしたグランドピアノ配信 2021/02/15 - YouTube

ラヴェルは時代で言えば印象派から20世紀にさしかかるころ、作品は多様なジャンルにわたっているがとりわけ特筆すべきなのは、色彩豊かなオーケストレーション

ボレロは本来バレエ音楽だが、展開が最初から一つのクレッシェンドだけで構成、メロディはAメロとその発展形のBメロを繰り返すだけ、リズムパートはずっとスネアドラムが担当というふうに、時代を超えて今見ても斬新な展開の曲であり、色々な編曲も存在する。

ところでこの曲も、ござさんのアレンジは各楽器の微妙な音色をガチで再現しているが、過去の自分の感想で全て言及してるのでご参照ください。

※これをちゃんと聴くにはできればイヤホン等の環境を勧める。でないとござさんが拾って押さえてる全ての音を聞き分けるのは難しい。

ーーー以下、2020/12/4の自分のブログから、ボレロの感想を抜粋しますーーー

何がすごいって、スネアのリズムを左手親指だけでやってる所。ずーっと連打。やばい(語彙力)。テンポ走り気味なのにスネアより速くかつ正確な連打。まじやばい。で、その合間のリズムを他の指4本でやる所(ピツィカートのふんわり感まで再現)。←親指とリズムは別なのに。その後もどっかの指で連打を継続、同時に旋律を和音で動いて、終盤には全楽器のリズム分を左手だけで拾って中〜低音域で忙しくカバー……あーもうキリがないわ。どうなっとん。

何がやばいって理屈?で書くと↑こうだけど多分頭で考えてない所。若くは考えつつ同時進行で弾ける所。原曲で聞こえる和音や質感を何となく全部弾いたら再現できたとか言ってそう。(↑多分全部のアレンジに共通するんだろうけど)

何かすごいを通り越して怖い。ぞーーーーっとする。イケナイものを聴いてしまった感じ。
で、最後の盛り上がりに変わった和音をねじ込んでいる、気がする(1:15:22の音)やっぱお茶目。からバスドラムの低音キメつつ金管グリッサンド再現からユニゾンでなだれ込んでいくかっこよすぎ。( ・∇・)ポカーン(これやると、いつもどこが端折られるかというと中間部のソロパート。ちょっと寂しいが全部やると15分超えるから止む無し。)

 

 

展覧会の絵」からプロムナード、グノームス(小人)、キエフの大門

2020/1/19:顔出しピアノ リクエスト受付中! / Piano live 2020/01/19 - YouTube

原曲はムソルグスキーピアノ曲だがそもそもはそんなに知られた曲ではなかった。広く有名になったのはラヴェルの編曲版が出てからだ。リムスキーコルサコフ版もあるけど聴くにも演奏するにも管弦楽アレンジは絶対にラヴェル版を薦める。ラヴェル版以外は存在を認めない(独断と偏見により)。

この回、エレピ風音源でいい雰囲気の中、ここだけ音源をグランドピアノ風に変えている、ござさんガチだな!!???

第一プロムナード
あまりにも有名な主題のトランペットソロをござさんは次のリクエストをペンギンの500円玉の視界で探しながらノールックで右手だけで弾く。ペンギン時代はパソコン画面の位置からか、リク拾うために常にノールック。で、左手は主題が展開していくにつれバッキングが重厚になってくるので和音で動く。ノールックで。すごすぎる。

グノームス(小人)
ドラクエで言うゴブリン。大地の精、伝説上の小人をあらわしているらしい。断片的でどことなく不穏な音がラヴェルによって現代的にアレンジされている。冒頭部分だけだけど、じゅうぶん不気味さが伝わる印象的な演奏。

ここから組曲には10以上の曲があるが、いずれも原曲でもノーストップでつながるしござさんはグノームスからアレンジして壮大風にし(ござさんの十八番である)、最終曲へつなげている。(1:20:48~1:21:05で創作アレンジを足してる)

キエフの大門(終曲)
この曲の出だしが組曲の中でも最高潮のひとつといっていい盛り上がりなのでござさんはそこへピークを持ってくる。もう次のリクエストを拾ったからか?手前の画面へ視線を向けずひたすら鍵盤をガン見して和音を確かめながら弾くござさん。当たり前である。大編成のオーケストラが渾身の全合奏でぶつけてくるクライマックスなので(この曲の最初が)。原曲ではその後静かな祈りのようなパートを2回織り交ぜながら展開していくがござさんはそこは端折って終盤に行ってるが、どちらにしてもこの曲は教会で謳われるコラールつまり聖歌の和音と曲の展開をもとにした宗教曲の体裁をとっている。楽譜見ないで弾けてるということはそういう設定と展開も織り込み済み、覚えてて弾いてるみたいです。この曲がコラールだってことを。ござさん、なんで覚えてるんですか?

ラストは(キエフの町を想定してると思われる)教会の鐘が荘厳に打ち鳴らされる中、重々しくゆったりと主題が繰り返されるのが、原曲のオケ版。

しかし。ござさんはそんなん間延びするだけやん。つまんない。と思われたのか?右手はアップテンポかつリズミカルな旋律に置き換えられ、左手はランダムに跳躍してる。ん?左手が鐘の音ってことですか?そういうアレンジですか?

一番謎なのはこのキエフの大門の展開だけ見ても、その場で即興で考えてるとは言い難い緻密に計算された完成度を誇るってことです。どうなってるんですか?

キエフの大門?そんな曲知らんしって人は、配信の1:21:33~を聴いてみてください。いわゆるナニコレ珍百景で有名なパートです。みんな耳にした事あるよね?

 

 

ついでに同日2020/1/19の配信からもう2曲。怖いやつばっかり。

④オルフの世俗カンタータカルミナ・ブラーナ」より「おお、運命の女神よ」

念のためもう一回生配信URL:顔出しピアノ リクエスト受付中! / Piano live 2020/01/19 - YouTube

印象がモーツァルトのレクイエム「怒りの日」みたいですね、厳粛な雰囲気で怖いですね、夜に聞きたくないです。

ござさんの左手:通奏低音でBASS音域をむりやり跳躍で轟かせながら、同時にそのオクターブ上のBASS音域の16分音符の伴奏を不気味に刻むござさん。怖い。

ござさんの右手:旋律は原曲は混成4部合唱なので右手もつねに和音4つ?で動く(もはやそれが通常運転)。どんだけ弾きにくい事か(素人目線)。旋律は展開に従ってオクターブ上がっていって雰囲気は厳粛さを極め……いや?歌詞を聴いてみると世俗って曲名なだけあって庶民ぽく牧歌的なんですけどね。

ござさんは一切手綱を緩めずいっきに終幕へとなだれ込む。

※原曲(頭出し済み):カルミナ・ブラーナ - YouTube

 

 

怖い曲をもうひとついってみよー!(ΦωΦ)

ムソルグスキー交響詩「禿山の一夜」

2020/1/10:顔出しピアノ リクエスト受付中! / Piano live 2020/01/10 - YouTube

※原曲動画:・原典版(こっちのがガチで怖い)禿山の一夜(原典版) - YouTube

リムスキー=コルサコフ編曲(ディズニー映画のファンタジアで使われている) ムソルグスキー - 交響詩《はげ山の一夜》(リムスキー=コルサコフ編曲) ゲルギエフ ウィーンフィル - YouTube

作曲家は上記の展覧会の絵と同じく、ムソルグスキーである。シェイクスピア真夏の夜の夢と同様、ヨーロッパの夏至祭を題材に精霊や魔物たちが集まり夜明けとともに去るようすを写実的に描いた曲。

要するにお題が怖い。不気味。配信でちっとも映えない。自分は時折、この曲をリクエストしてみてるがちっとも拾われない。当たり前である。小さい子がこれ聞いたら泣きだすじゃないですか。

容赦なく叩きつけられるござさんの左手による低音。不安を煽る和音で構成される旋律。風雲急を告げる雰囲気がかもしだされる。合間の16分音符もきっちり忘れないのでさらに恐怖感が増幅。怖い!!!

 

プッチーニの歌劇「トゥーランドット」ーアリア「誰も寝てはならぬ

2020/8/6:顔出しピアノ リクエスト受付中! / Piano live 2020/08/06 - YouTube
2022/12/5:(サビのみなら)ピアノ配信 リクエスト募集中 2022/12/05 - YouTube

この曲はオペラのアリアなので、前奏に続いてござさんは歌の部分も全曲演奏されている。というかすでに前奏部分からエンジン全開の全部盛り豪華版。

相変わらず右手は一人二役。アリアの合間の弦楽器の旋律も左手が全部持って行って主役を張る迫力。

細かいことはおいといて、アリアを聴きながら自分で歌ってみるとぴったり嵌まるのでこのアレンジの楽しみ方はそこじゃないでしょうか。

 

ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」ーワルキューレの騎行

ピアノ配信 リクエスト募集中 2022/10/29 - YouTube

※正式な曲名は楽劇「ニーベルングの指環」から第一夜「ワルキューレ」より、ワルキューレの騎行である。

この回の独特なリバーブ?のせいか、劇的な響きもあいまってここだけラジオから交響楽団の演奏流れてきてるんですかっていうリアリティ。

まずこの曲は構造的に無理なんですよね(唐突)
【原曲 オケの参照動画:CLASSICAL MUSIC| BEST OF WAGNER: The Valkyrie, WWV 86b: "The ride of the Valkyries" - HD - YouTube 】

木管楽器のトリル、ホルンと低音楽器の裏拍、ヴァイオリンとフルートの高速アルペジオから始まってメイン旋律の金管楽器が全員ユニゾンで堂々と現れる。

この時点で手が4つ要るのおわかりですかね。

無理なんですよね。

ってことを念頭に入れていただければ、

右手で金管のユニゾン旋律と木管楽器のトリルを同時にやってる事にΣ(゚д゚lll) 驚愕しながらも、左手が何やってるのか が嫌でも分かってきて、さらに衝撃を受ける事でしょう。そう、たぶんホルンの裏拍とヴァイオリンの高速アルペジオをやってるんですよ、恐ろしい事です……

前人未踏とはこのこと。

ワーグナーの重厚な和音が、渾身の演奏から生まれる迫力を後ろから強力に援護する。

ただ、驚きと畏敬の念がわきあがるばかりである。

 

クラシックメドレーの最終盤を飾る名曲、ほかにもこの2022/10/29の配信ではシューベルトの軍隊行進曲、モンティのチャルダッシュグリーグのピアノ協奏曲、おもちゃの交響曲、ヴィヴァルディの四季から夏など、どれも名アレンジ揃い。一曲は瞬きほどの長さ、そこにそれぞれの曲のイメージをアグレッシブに切り取っている。

特に美しき青きドナウの左手の毎2拍目をござさんはきっちり微妙に遅らせている。その流麗なリズムは通常のワルツと違い、ウィンナワルツならではの舞踏会でのステップを彷彿とさせる。

 

ーー以下、ムダに長いヲタトーク

(ワルキューレの騎行のすぐ次の、リヒャルトシュトラウス交響詩ツァラトゥストラはかく語りき」はこの記事では取り上げない。リヒャルトシュトラウスの真髄は多彩なオーケストレーション、ここでござさんが弾いてる主題だけじゃ全容がちっともわからないので。でもこの主題はクーベリック2001年宇宙の旅の映画でも使われた有名なものなので、配信でやるとなるとこれがまず出てくるのはやむを得ないところなので反論もしない。リヒャルトシュトラウスをやってくれるなら、アルプス交響曲をダイジェスト版にするとか、ドン・ファンのイントロとか、ホルン協奏曲とか、そっちが聴きたい(わがまま大魔王)

 

ホルスト組曲「惑星」から木星

2022/7/9 ピアノ配信 リクエスト募集中 2022/07/09 - YouTube

この回が、イントロからほぼフル版。

冒頭の木管楽器の16分音符の和音を両手で軽快に表現、弦楽器の跳ねる旋律とか、この曲も和音もリズムも全部針の穴のレベルで完コピしてて、近未来感というか宇宙観が醸し出されてる。

平原綾香がカバーしてる有名な中間部は言及不要なので省略。

 

おまけ:木星の演奏回数はとても多いので、様々なアレンジが存在する。そのなかでも原曲が尊重されつつ新しい曲へ生まれ変わってる回を貼っておく。

2023/3/4ウッドベースの自動伴奏つき演奏
  【ピアノ配信】動画投稿しましたリクエスト募集中 2023/03/04 - YouTube

2022/10/10 幻想的アレンジ
ピアノ配信 リクエスト募集中 2022/10/10 - YouTube

 

ドヴォルザーク交響曲9番「新世界より」第二、第四楽章

2022/8/20:ピアノ配信 リクエスト募集中 2022/08/20 - YouTube

この回の第二楽章、通称「家路」は、メインの旋律をイングリッシュホルンが朴訥なダブルリードの音色で緩やかなビブラートにのせ、滔々と歌い上げる名曲。
(※じっさいのイングリッシュホルンの音色はこちらの動画でどうぞ:頭出し済み)Dvořák: 9. Sinfonie (»Aus der Neuen Welt«) ∙ hr-Sinfonieorchester ∙ Andrés Orozco-Estrada - YouTube

ござさんの演奏は随一の聴かせ処であるビブラートを、旋律の合間に嵌め込まれた微かなアルペジオで繊細にかつ情感豊かに語る。このビブラートだけで切々と訴えかけるような哀愁ある調べをピアノで表現しきる様、見事というほかない。通奏低音が低く重々しく鐘のように鳴らされる中を、滑るようにアルペジオに乗って静かに語られる主旋律。

そこにはただ、夕闇に覆われる寸前のような厳粛で静謐な空間が広がっている……

 

第四楽章は説明不要だろう、交響曲9番を代表する冒頭のメイン旋律は様々なところで引用されて使われているからだ。

ドヴォルザークアメリカに渡っていた時代に作曲され、新大陸の印象を描いていると思われがちだけど作風はがっつりとボヘミア民謡の影響が色濃く出ている。つまりドヴォルザークの慣れ親しんだ故郷チェコの音楽そのままである。(実際に新大陸に親しめず、ドヴォルザークは数年後アメリカを後にし故郷チェコへ帰っている)

この曲も両手では絶対に足りないので指が空いた隙に16分音符を使ったりして、原曲の断定的な緊張感を否応にも高めている。全合奏の和音と金管のユニゾンの旋律、これやるとピアノ両手で身動きできないはずだけど、どこからともなく間髪入れずに現れる他パートの装飾音。なぜ?どうやって?

三本の手奏法の効果はここでも遺憾なく発揮されている。

ロックとかアニソンとかのビートを埋める左手にも見られるけどそういう聞き過ごしがちな、でも重要な音をきっちり恣意的に入れることで、聴き手の充足度を絶対に満たしてやるという意図が感じられる……

 

※2022/8/20の配信ではほかにも白鳥の湖展覧会の絵からプロムナード、カルメンのハバネラとか名曲にして名演奏ぞろいなので必聴です。

 

 

スメタナの連作交響詩「わが祖国」からーモルダウ(←ドイツ語、チェコ語ではヴルダヴァ)

2020/1/10:顔出しピアノ リクエスト受付中! / Piano live 2020/01/10 - YouTube

このわが祖国って曲はチェコにおける第二の国歌みたいな存在であり、毎年スメタナの命日5/12に幕を開ける「プラハの春音楽祭」で必ず演奏される曲。いわば19世紀国民楽派による潮流の筆頭ともいえる名曲だ。6曲からなる構成で全曲だと70分を超える大作である。その第二曲であるモルダウは、中間部の旋律の美しさからそこだけを編集して合唱曲としてもよく取り上げられることで有名。

ござさんも配信でモルダウといえば中間部の旋律を特に演奏されることが多いが、この回の配信では最初のイントロから(短縮版アレンジだけど)モルダウを全曲演奏されている。え?1/10はそもそもショパンのレパートリーを全部っていうくらい演奏されたことで有名?この記事は管弦楽曲の記事なのでそこはスルーします。あしからず。

 

確かこの旋律の低音部でダバダバした動きの左手は、あれじゃないのかな幻想即興曲のメロディを左手で練習して鍛えた動きに似てるのでスムーズに弾けてるんじゃないのかな(テキトー)。といううねる動きのベースラインというか低音部が特徴。

例に漏れず右手はきっちり和音を押さえてる。管弦楽の多重に交錯した和音を弾くにはどうしても右手で複数押さえるしかないっていう結論になったらしい。

モルダウの流れが急流にさしかかるところの劇的な表現をサラッと通過しつつ(1:23:48~1:23.57)、なんか和音を操作しながら終盤で原曲が長調になるところにうまくワープ。

このラストの長調モルダウは、川の流れがイントロの源流から平野部を滔々と流れてきて農村とかを眺めながら、激流の難関箇所を経てやがて海の河口にたどりつく、広く開かれた海への流れを明るい曲調で描くクライマックスの場面。自分はここが大好き。そこまでが哀愁を帯びた調べだっただけに。この長調の和音も全部きっちり押さえてる。すごすぎない?なんで全部覚えてるんですか?(n回目)

シビアなラストの右手の高速下降形アルペジオも意地でも入れてくる。すごすぎない……?その執念おそるべし……

 

 

吹奏楽

ここでそもそも吹奏楽とは何なのかを語っておく。

オーケストラと構成は似てるが成り立ちが違う。オーケストラがバロック時代の宮廷や貴族のサロンの室内楽に端を発するなら、吹奏楽は軍楽隊が発祥だ。だから吹奏楽のルーツである音楽は軍隊の行進時に軍楽ラッパと太鼓隊によって鳴らされた行進曲、つまりマーチだ。現代流行してるコンサートマーチは形式がだいぶ自由になってるけど、単なる軍隊ラッパの旋律から吹奏楽の編成のレパートリーとして育ったのはアメリカで言えばスーザの功績は大きい。今も吹奏楽のトップ楽団はどの国も軍楽隊が大きなウエイトを占めている。

さてござさんのアレンジにおける管弦楽曲は見て来たとおりだが、吹奏楽にもござさんは造詣が深い。たぶん学生時代に吹部でクラリネットユーフォニウムに指揮(高校の吹部だと生徒が指揮も担当する)、大学ではビッグバンドでキーボードといった様々な編成と楽器を経験してきたから、色んな立場で楽曲の構成を分析できるのだろう。また指揮といった楽団を俯瞰し調整・指導する立場にいたことで、アレンジとかに影響を与えてる気がする。

 

ウィンドオーケストラのためのムーブメントII「サバンナ」のイントロ(一瞬だけ)

2019/2/25 ピアノ生放送 / Playing piano live streaming - YouTube

このイントロが数ある吹奏楽曲アレンジの中でも一番すごいと思う。一瞬だけど。

現代曲なので和音はどういう仕組みか知りませんけどちょい不協和音気味?の不思議な響きがするのですが、それをまるでそこでスピーカーで鳴ってるんですかっていうふうにサラッと鍵盤で再現されてる。アフリカの鼓動のような左手も一瞬だけどがっつり鳴らされている。

原曲知っててもハイってそこで弾けるってならないでしょ。

ちなみに原曲はアフリカのリズム、JAZZに通じるところがあるかのような?というよりは野生動物の咆哮が聞こえるサバンナの景色を描いてる名作です。
※原曲動画(当該箇所を頭出し済み):
ウィンドオーケストラのためのムーブメントII:サバンナ (Recording at... - YouTube

 

フェスティバルバリエーション(フルで)

2019/5/27 ピアノ放送 リクエスト受付中! / Piano live 2019/05/27 - YouTube

ちなみにこの回ではたなばたもフル尺で演奏されてるがあえてそこはスルーしてこの曲について語る。

チャット欄でまだ流れが緩やかな頃だが、ホルンパートの所すごーっていう書き込みが非常に多い。そう、この曲はホルンが最高にかっこよく活躍するのだ。そりゃもうリヒャルトシュトラウス交響詩ばりにかっこいいのだ。

ホルンの響きはアルペンホルンっていうように牧場で鳴らされていた笛が起源、大編成のオケとか吹奏楽でこういうふうに鳴らすと、勇壮な分厚い音圧をもって透明なピンと張った響きになる。その音がござさんのピアノからは聞こえる。なんで?スタッカートではっきりした音飾だから?それだけじゃないと思う。

偶然ピアノの鍵盤が画面に表示されてる回で、弾いてる音が全部見えるので、どういうふうに第三の手が活躍してるのかも含めてよくわかるという意味でも貴重。

とにかくこの回、フルで弾いてくれてて後にも先にもこんなことはもう一生ないだろう。永久保存版。

※原曲動画:Festival Variations - YouTube

 

スーザのマーチメドレー

2020/5/6:顔出しピアノ リクエスト受付中! / Piano live 2020/05/06 - YouTube

マーチといえばスーザ、スーザと言えばマーチ王。ラデッキー行進曲みたいにウィーン発祥のマーチもあるがそういうロマン派ぽいのではなく、純粋に軍楽隊の音楽から成り立ってるのが吹奏楽のマーチ。色んな作曲家がいるが、スーザが群を抜いて作曲数も多いし有名な曲もたくさんある。

ござさんの配信でこの回ではメドレーにしてくれているが他の配信でもよくスーザのマーチが顔を出してるので、やっぱスーザがお好きなのかもしれない。みんな大好き吹奏楽のマーチ。

さて吹奏楽だから旋律を木管とかトランペットがやってバッキングは中低音ってこと?ってお思いの方いらっしゃいませんかね?吹奏楽曲こそ、そういう竹を割ったような構成じゃないから、これこそ第三の手の出番だと思う。

マーチのBメロと最終盤では木管やトランペットの旋律の裏で中音域(ユーフォニウムトロンボーンとか、アルトSAXとか)がもうひとつの旋律=対旋律、つまりオブリガードを担当するっていうお約束の展開が必ずある。

マーチとはそういうもの。

旋律とバッキングの他にもうひとつの動き。

これピアノだとどの手で弾くんですか?って話になる。

他にも複雑な構成の曲は多々あるという意味では、ピアノアレンジの困難度では吹奏楽はなんら管弦楽曲と遜色ない(そこで張り合ってどうする?)。

パーカッションも単なるリズムパートだけじゃない(それは管弦楽もだが)、パーカッションだけで旋律を担当する場合だってある。ていうかパーカッションは常に複数居て別々の動きをしてる。そういうのもピアノでどうやって拾うんだ。

というわけで、特に対旋律をなぜかきっちり拾ってるのを初めて聴いたとき、まあ自分はびっくりしたわけで。ござさんの動画を始めてみた時の衝撃と同様に、いやそれ以上になんか雷で頭を撃たれたみたいなショックだった。

それをピアノで弾こうっていう発想がまず信じられない。

そして実際に弾けてる事実ていうのも信じられない。

 

という訳でござさんアレンジのマーチを聴く時は華麗な超絶技巧に酔いしれるのも結構ですが、

ぜひ。

是非!!

対旋律を探して耳を澄ましてみてほしい。

どうなってるんですか?って思うはず。

そして、対旋律は中音部が奏でるので渋くてかっこいいことが多いです。なんでそこまでシビアに対旋律を拾うのか?ござさんは吹部時代、高校では指揮と共にユーフォニウムつまり中音域の楽器担当だったから対旋律になじみが深いのだろう、と推察する。

 

 

※さらに:あまり演奏されない吹奏楽曲だが(あまり知名度ないからな)、この2回の配信ではメドレーでレア曲も沢山演奏されている。必聴です。

2021/7/7 七夕グランドピアノ配信! 2021/07/07 - YouTube

2023/7/9【ピアノ配信】ピアノ弾いてますリクエスト募集中 2023/07/09 - YouTube

 

※資料:ござさんのチャンネルにある、2分程で吹奏楽曲が色々聞けるメドレー動画


 

実際の演奏を総覧してみての感想

ござさんは自身の発想を実際にアレンジし、演奏する場としてYoutube生配信を定期的に行われているが、そこではこの記事の冒頭に掲げたとおり自由闊達に様々なジャンルを渡り歩いている。

ござさんの中では音楽に境界線は全く存在しない。

先入観を0にして挑むのは真っ白な道であり、その前途はござさんしか歩めない、ござさんにしか拓けない。

 

そうした独自の世界とは一線を画して、やはり冒頭で述べた通り、ござさんの世界を見えないところで形作っているのはクラシックをはじめとする様々な音楽の知識と実際の経験だと思う。ピアノ曲?それについてはこんな所で素人が語らずともござさんの演奏をきけば一目瞭然、考察はいらないですよね。

 

クラシック自体が他分野との境界があいまいだし、ござさんの内包する世界はそれだけではない。

しかしそういう音楽っていう固定の分類に囚われず、

ござさんは音楽という存在に対して、

あらゆる音楽に距離感を等しく於いて接し、

敬意を払い、

音楽から教えを乞う姿勢を崩さず謙虚に、

そして真摯に向き合う姿勢が感じられる。

 

ござさんのピアノの演奏を聴けば、全てを物語ってくれる。

 

 

 

 

 

自分の本音編:ポルノグラフティのストリートピアノ動画の感想

 

目次:クリックで各項目へ飛べます

 

 

 

世紀の大事件

ござさんがストリートピアノに行ってる!

この情報を目にするなり、自分の脳内ではすでにピアノ弾いてる姿の幻想が音速つまり30万km/s の速度で駆け巡っていた。

 

而して後日動画も投稿してくださった。


一応その時見たままを衝動的に感想にはしてるので貼っておく。

 

【上記の感想にも書いた通り以前のストリートピアノ動画は2022年1月の投稿が最後、このYoutubeチャンネルの再生リストも、2022年4月を最後に更新されてない】

ストリートピアノ - YouTube

 

今回衝動的に感想書いてしまったくらい、自分はござさんのストリートピアノ動画大好きだし、過去のどの動画も聴き倒して魂にインストールされ、その音とリズムは自分の血となり肉となっていた。

(なんかやばさを感じたらここで戻っていただき、上記の通常版の感想をお読みください)

(※注:自分はござさんのストピ大好きファンだが、ござさんのピアノはYoutube動画だけではなく生配信、アレンジ解説動画、ピアノアレンジ楽譜月刊ピアノ連載といった多彩な活動をされている。この記事では特にストピ動画に焦点当てて書いてるだけであるのでご了承ください。)

 

ござさんは久しぶりと表現されてますが、自分の中では体感で優に100年は経ってます。

いえこの表現は盛っても何もないです。

ござさんのストリートピアノ好きとしては動画の更新がないというのは、まさしく水分補給をほぼ絶たれてもなお、何千年も生き延びる砂漠の植物のような状態でしたので。

ウェルウィッチア - Wikipedia

Welwitschia - Wikipedia

 

そこで砂漠の植物のごとく空気中の霧から水分を摂るように、自分は大好きな過去のストリートピアノ動画を鬼リピして生きて来た。

 

それにその間ござさんはソロアルバム発売とか有観客でソロライブ、オリジナルアレンジの楽譜発売、その他各種イベントに出演、月刊ピアノに定期の楽譜連載というふうに環境も激変された。その間にYoutube配信、ツイキャス練習配信……

それらを追っていると生き馬の目を抜くような展開に息つく暇もなく、自分はただ茫然と実況をこの部屋で書くのが精一杯だった。

しかしそれはあらゆる動向を追ってる自分みたいなコアなファンの場合だ。

 

ファンのおせっかいで余計な考察

ござさんのストリートピアノ動画が好きだったすべての人には新しい情報は供給されなかったという客観的事実は変わらない。

特にその理由について公的にアナウンスがあったわけでもないから自分は推測で動くしかなかった。つまり推測しかできない以上、表ではその理由は書けなかったという意味だ。

ずっと理由はこっそり考えてたけどほんとのところはわからなかった。

以下、心のつぶやき。

コロナウイルス流行の影響は法律上はなくなったのでもう関係ないかなあ。

・ストリートピアノでの順番待ちが長引いてるとか騒音として捉えられててクレームが出てる状況なのは、そんなに行列できてない所なら関係ないと思うけど…

・ござさんの活動はYoutube動画以外にも広がってるし、そもそも音質で言うなら生配信の電子ピアノとかスタジオ録画の動画とかのほうが聴くにはクオリティ高いから?

・ストリートピアノをベースに活動し始めたのがまだサラリーマンだった頃だから、音楽専業になった今もうストリートピアノには行かなくなった?

・アレンジ作業にピアノ練習、月刊ピアノ連載にその他事務作業に全部一人でやってるから単純に時間ないですよね、ピアノ練習なんて何時間あっても足りないって思われてそうだし。

 

 

単なるファンがそんなこと考えても詮無いことなので、一周回って自分は砂漠の植物みたいに黙ってじっとしてることにしたのだった……

でも別に悟りを開いた僧でもなくストリートピアノに全く触れずにこの部屋で書き続けるのは割合しんどかった。

またしても以下、心のつぶやき。

Youtube配信が毎回凄すぎる→→
このどれかでもストリートピアノでやってくれたら絶対まわりの人たちは興奮のるつぼに陥るだろうなあ、観てみたいなあって思う。

又はTwitter動画で面白いアレンジが投稿される→→
そのままストリートピアノでやったら面白いフレーズなのにって思う

 

どっかストリートピアノが期間限定で設置されますって知らせが上がる→→
ござさん行かないかなあ、でも話題のところは混みそうだし避けるかなあって思う。

 

新しいPOPSの曲やかっこいいJAZZやラテンの曲、その他ボカロや音ゲーとかござさんレパートリー曲をどこかで耳にする→→
いちいち反応して、ござさんが弾いてみたらすごいだろうなあって気になって夢に見そうになる

こんなふうにいちいちことあるごとに逡巡してやっぱ思い直したりしてしんどかった。

そんな余計なつぶやきは今回新しい動画が投稿されたので成仏したが。2年もずっとってしつこい?別にストーカーなわけではない。

 

熱いラテンメドレー

www.youtube.com

みなとみらいのステキなイルミネーションをバックに、遠くまで響いてるであろう、ピアノ1台とは思えない迫力。

上記の通り悩んでる自分のgdgdな思考に鉄槌を下すように響き渡るベースライン。

もう一回リンク貼っておこう。

2019年にも同じみなとみらいのストリートピアノ動画が投稿されてたが、あの暗めなセッティングのピアノとは違ってLEDライトも多めでスポットライトも当たっててTV番組か何かですかっていうステージの演出ぶり。なんか赤いじゅうたんまで敷かれてて白いカーテン?がちょっとおろされててさらに特別感ある印象。

素敵じゃないですか!.。゚+.(・∀・)゚+.゚・*:.。. .。.:*・。

 

久しぶりのストリートピアノってことで選ばれてたのはポルノグラフティのメドレーだった。

自分みたいなコアなファンにもおなじみ、生配信でも鉄板のJ-POP。

人込みの雑踏のなかでも、広くて音が拡散しがちな野外のストリートピアノでもはっきりした印象を与えやすい、賑やかな曲調。

ござさんの特徴である独特な左手のリズム感が存分に生かされた熱いラテンナンバー。

ストリートピアノにぴったりというかこれ以上ない選曲。

え?キラキラした横浜のイルミネーションが背景ならしっとりバラードとか格調高いクラシック曲が最適解ですって?

そういう説も否定はしませんが、ほかにもそのような選曲する奏者は絶対にいることでしょう。

ござさんはござさんの演奏がいちばん活きる曲だったのだからそれはそれで最適解でしょう。背景とか雰囲気とかそういうのも全部味方につけて巻き込むだけの勢いがござさんのピアノにあったということでしょう。

ござさんの動画はいきなり演奏から始まって演奏修了で終わるし、なんか呼び込みとか前振りとかなく、なんとなくフラッと聞きに来たという感じで人が集まってると思われるので。

 

ボーカルの旋律は勢いよく時に透き通ったような伸びを見せて、誰でも一瞬でああこの曲知ってるなとうなずかせてくれる。

ドラムやパーカッションのリズムも細かに拾ってて、知らない間に聴いててノリノリになれる。そのビートが平凡にのっぺりとならないのは、聴いててちっとも飽きないのは、なんでなのか?それはこういう旋律の裏で鳴ってるバンドのバッキングの音をそのまま拾うから、なんていうのメリハリが効いてるっていうんですかね?

バンドって少なくともドラマーはバスドラム、シンバル、ハイハット、小太鼓(スネア)、その他カウベルとかタンバリンとかあとタムタムとか?いろいろなリズムパートを担ってるはずだけどござさんはそれら全部を拾ってる(または拾おうとしてる)。旋律の右手も隙あらば何か他の音を拾おうとしてて油断ならない。

その中にサビのキメで両手全部ユニゾンを持ってくるので、みんなそこでハッと一瞬息を呑んでいる。そこだけ時が止まったかのように空間が動かない。

 

うーん左手のリズム、何か言おうとして……そう、クラーベだ。

J-POPでありながらラテンナンバーのポルノグラフティの曲には、バッキングにクラーベのパターンが入ってるのだ。

たぶん。

こういうリズム。あくまで一例だけど。

【参照リンク:クラーベ - Wikipedia より】

 

は?クラーベってなんなん。という人は解説動画でご確認ください。

★:クラーベ徹底解説! What is Clave? - YouTube

★:クラーベのリズム【ラテンドラム講座】クラーベとかクラベスと呼ばれる楽器のリズムがラテンの鍵となります。その発展を解説しました。I explain how to develop the clave. - YouTube

★:ラテンリズム紹介 #2 ソンクラーベ SON Clave - YouTube

 

そんなの理論的過ぎてわかんない。って人にはござさんの動画からラテン系をどうぞ。

☆:【ピアノ講座】夏祭りを色々なラテンにアレンジしよう! ( Latin-cover tutorial with sheets ) - YouTube

☆:【ピアノ講座】テトリスあの曲でラテンアレンジ講座! - YouTube

ただしござさんの解説は、適宣リズムを崩すだの次に向けてパワーをためるだの、ウイニングランのつもりでとか情熱のままにとか、素人が見るとさらに分からなくなるという事実は否めない。

 

最初のサウダージ、3曲目のMUGEN、ラストのアゲハ蝶の左手が、こういうリズムで弾いている。たぶん。そこで原曲聞きに行くとやっぱその通り。このライブの曲の前奏部分で、ファンのひとたちが手拍子してるリズムがクラーベぽい。
ポルノグラフィティ『アゲハ蝶』(つま恋ロマンスポルノ'11~ポルノ丸) / PORNOGRAFFITTI『Agehachou (Live ver.)』 - YouTube

 

JAZZとは違った分類であるラテン音楽。それらにも数えきれないくらいの種類があるみたいだけど、ござさんはきっちり理論を踏襲してきた経緯があるからこそ、アレンジもまた自分らしく活きるのだろう。

ござさんのラテンアレンジ聴いてて理屈ではなくなんか心臓の鼓動とリンクするといういか血が騒ぐというか、野生の本能が目覚めるみたいな胸騒ぎを抑えきれないのはこういうリズムが曲の根底に流れてるからだ。

 

さらに凄いのは、というかはずせないのはベースラインだ。ござさんのピアノは誰でも知ってる旋律も和音をいじってたりして面白いが、絶対に要チェックなのは左手だ。予測不能な展開で、まるで別の生き物みたいな存在感で主張してくる。

原曲でもはっきりエレキベースが浮き上がって聞こえるMUGENの前奏からAメロが、さらに正体不明の闇でうごめく魑魅魍魎みたいに(←褒めてる)制御できないムーブメントで空恐ろしい(←褒めてる)。

迫力ある、とか薄っぺらい単語で言いたくない。

かっこいいの通り越してピアノからなんか幻影が立ち昇ってこっちに襲ってくるような躍動感。

そして最後に向かってキレイ目のキラキラ音でタメをつくり……というところがテトリス曲のラテン講座動画の展開と一緒で、あーござさんやっぱ変わらないねってちょっとそこだけ安心感がある。

キラキラ音に癒されたのもつかの間、最後のアゲハ蝶の16ビート?のイントロからさらに観客の目が釘付けで場の空気をかっさらい、サビはラテン要素多めとかいうのんびりしたテロップとは裏腹に何もかも根こそぎもっていくような破壊的な威力のバッキング。

見てて茫然自失となるとはこのこと。

 

 

二年ぶりに見るござさんのストリートピアノでの姿はまるで別人のようにすっきりお洒落になっていた。

ピアノは初めて聞いたストリートピアノ動画から変わらず、いや初期の生配信から変わらず攻めの姿勢を貫いてて、いや最近の凄みを増した演奏がそのまま音に映し出されていた。

これ聴いて自分の2年間gdgdのくだらない迷いはどっかに吹き飛んだ。

ござさんのピアノアレンジのみどころが全部と言っていいくらい盛り込まれていて、通りすがりの人にもすごいなー面白いなって思ってもらえたかなと思うと、それを繰り返し味わいたくてまたリピートしてしまう。

 

というか自分がこの動画の演奏とともに深く共感するのがコメント欄。

2年の間、自分が表で言えなかった「ストリートピアノ大好き待ってました動画投稿ありがとうございます演奏最高です!!!!!」っていう声で埋め尽くされてるからだ。

毎日ある意味涙流しながらうなずきながら読んでる。

ヘンな人とでもストーカーとでも何とでも言ってください。

やっぱみんな、ござさんのストリートピアノ大好きなんだよ!

生配信でも味わえるが、この次に何がくるかわからない、けどきっと凄いアレンジ来るにちがいないっていういわば約束された、いやおうなしに高まる期待感。

例えるならディズニーランド。絶対楽しいってわかってるけど、やっぱ行ってみてそのすばらしさ、ホスピタリティを体感してあらためて素晴らしいエンタテイメント魂に驚嘆する。

 

ござさんのピアノにはそういうエンターテイナーとしての絶対楽しませるぞっていう執念を感じる。なにも語らなくても無言のうちにピアノの音が物語っている。

その証拠に曲と曲のつなぎが一番ござさんのピアノを特徴づけてると思う。理論的には次の曲へのコードを先取りしたりしてスムーズな印象を作ってるとかあると思うけど、そんな技巧を感じさせない美しいフレーズで知らない間に曲が変わっている。聞き終わった人たちは、メドレーなのにまるで一曲のドラマチックな展開の叙事詩を鑑賞したみたいに、感嘆に満ちた眼差しを送ってるのが印象的(ファンのひいき目)。

 

 

おまけコーナー1:ピアノ

前回のまじめな感想版で、このLOVE Piano3号機はござさん初めてかもとか書いたと思うが勘違いだった。以前にも秋葉原のストピでのアニソン動画を投稿されていた。

 

蜜蜂と遠雷がテーマのさわやかなペイントのピアノ。

 

 

場所がアキバだから?コスプレしてる人とかが観衆に混じってるが、みんなカメラで撮るでもなく、まんじりともせずただ聴き入ってるのはどの動画もいっしょである。

大好きな(そしてファンも大好きな)アニソンをたくさん弾けて、すっごいノリノリでめっちゃ楽しそうなござさんが観れる楽しい動画です。長年再生数が21万回くらいで納得できなかった動画のひとつですが気がつくと42万回再生で、ちょっと溜飲が下がりました。演奏されてるのも名曲ばかり、ござさんのベースラインがとりわけ生き生きしてて、曲への並々ならぬ思い入れが感じられる。

観衆(並んで待ってる人たちともいう)のなかにもYoutuberの方がおられてノリノリなので、ござさんアレンジの独特のリズムに共鳴してくれてる気がして嬉しい。

ござさんは結局どこで弾いても何のピアノでも素敵に弾きこなしてくれて、聴いてる人を魅了してくれるのは変わらないということかなあ(ファンのひいき目だとしても)。

 

 

おまけコーナー2:衣装のこと

ついでに服装は、このときのノーカラーのジャケットだと思います。

 

いつなのかというと、2022/1/15ソロライブとアルバムの追加告知のときと、
アルバム・ソロライブに関しての追加発表があります 2021/10/29 - YouTube

2022/5/3のござの日ライブ告知配信
告知があります!!! 2022/02/25 - YouTube

このときも着用されてたと思う。

 

新しい舞台に向けて一気に新しい情報があふれてたときで、この衣装には思い入れがあるし、これらの告知配信も食い入るように見てた。そういう思い出の衣装だったから覚えてたのでメモしておきます。

 

その前のメインの発表配信のこともあわせて当時の感想も置いておきます。



 

 

 

 

 

 

 

 

 

積極的に傍観する  10/14の生配信

 

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必要な距離

以前、今年の冬くらいに生配信について書いたことがあった。

当時の足跡として貼っておく。

 

 

色々な考え方の変遷があるのでこういう時期もあったし、忘れたくはない。

悩んでた形跡があるけどその気持ちも嘘じゃないので。

 

生配信のアーカイブには毎回、2万回以上の再生数がつく。

つまり、毎回必ず聴いてくれる視聴者がその規模で一定数は存在するということだ。

名実ともに生配信はござさんの看板コンテンツにして、最も身近に且つ手軽に体験できる演奏だから。

 

でも自分は納得したくない。

チャット欄に書き込んでるのは8~9割がメンバーシップ登録者だし、いや毎週聴いて下さるリピーターの方々で賑わってて面白いことこの上ないのだけど、でもファンのコミュニティが固定したままなのでは?と思うのだ。

自分はあくまでござさんのピアノをたくさんの人に知ってもらいたいのだ。

いや、ピアノだけじゃなくてござさんの作る音楽の世界をもっといろんな人に体感してもらいたいというか、世の中に広まってほしいっていう一方的な願望がある。

ストリートピアノとか、ピアノ系Youtuberとかいう一般名詞の括りで片づけられたくない。そんな形容はござさんの真の姿をほんの1%も表現できてない。

 

この部屋でつぶやき始めたのも、深層心理にそういう焦燥感があったからかもしれない。謎の衝動に突き動かされるように、何か熱に浮かされるようにしていつも書いてる気がするから。

ただ配信のチャット欄に書き込んでるのはいつも変わらないアカウントであって、初見さんも書きこまないだけでたくさんの人が配信を見ててくれてるのかもしれない。

そうだとしても自分は、こっそり潜んでるのであろう彼ら初見さんに、なんとしてでもござさんの世界についてもっともっと力説したいんだ。

 

先日ひさしぶりに投稿されたストリートピアノ動画で、通りすがりに聴いてる人たちに本気でチラシ配りたかったし。物理的に無理だけど(←←やめとけ)。どこでもドアが本気で欲しかった。

それが物理的に無理だとしても、生配信に来てくれたりアーカイブ聴いてくれてるかもしれない初見さんに向けて、もっとなんか効果的な対応をすればいいのに?と勝手に考えたりもした。

もっと配信時点での流行曲チャートをもとに弾けば人目を引くんじゃない?

そういう流行のキーワードを概要欄で# につければ検索にもヒットするんじゃない?

いやいやうーんなんか違う。

自分で列挙しといてアレだけど、ござさんがそっちの方針に行ったら即ファンをやめそうだ。

 

そんな下らない考察にかれこれ夏から2か月以上というか冒頭の記事くらいからなので1年くらい?自分の中でさんざん大喜利大会を繰り広げ(そのため生配信感想は更新も途絶えてた)、あらゆる議論を自問自答してみた挙句、当たり前の結論に落ち着いた。

結論ーファンは冷静かつ積極的に傍観するべきだ。

ファンにはファンができる事、ファンにしかできないことがあるはず、その範囲で動けばいい。

ござさんの動向は黙って静観していればいい。

(って言う結論が出るのに直近の2~3か月、いや1年半くらいかかった)

 

 

単なるファンの自分でも思いつく程度の対策、ござさんが気づいてないわけもなく。

だから今運営されてる姿が即ちござさんの意志ってことだ。

つまりピアノ以外の要素に関わりたくないんだと思う。

ただ、ピアノを聴いてほしいんだと思う。

語りは飄々としててつかみどころがない。

そしてファンに対して、あくまで徹底して平等にリクエストの機会を設けてくれて、どんな難題の曲もどうやってでも弾いてくれるし、底知れないサービス精神を感じる。

でも根底には強固な絶対に曲げられない意志と沸き上がる情熱を抱えてる(のに違いない)。

その意志と情熱はピアノにだけ向けられているからさらに輝きを放つ。

(だから運営はどうなのかといえば公式HPも整備され、色んな公演の依頼も受けられているようで、それにステージでのMCもまるで落ち着き払っておられるので別に心配はないといえばない。ここでは単におせっかいおばさんが個人的につぶやいてるにすぎない)

………そう、現実として心配することは別にない。

 

ただ生配信を見に来た初見さんにもっと詳しいチラシ配りたいという衝動が最近大きくて、でも物理的にチラシ配れないし。そこでチラシ代わりにこの部屋でなんか書くにも、もっと効果的な内容が書けないものか思案しながら月日が経つこと1年以上なんも名案が浮かばず、ただ惰性で書くのはもっと嫌で、結果として書けなかった、のかもしれない。

たぶん。

 

よし、そんなどうでもいい葛藤はどっか電車の網棚にでも置いていくとして。(←←忘れ物は鉄道会社に迷惑なのでやめよう)

無駄に工夫するのはやめて素直に考えることにした。うんそうしよう。

 

自分が無駄な思考回路にはまって出てこれない間、ござさんは着々とインプットとアウトプットにいそしんでいたのでそれを振り返ってみる。

(あれ?生配信の感想じゃないのこの記事?)

おおよそものごとを表現し創作し創造するひとたちは、目に見える部分のほかに膨大なインプットを経てきての今があるはず。

ござさんは相変わらず素人の自分には絶対リプできないコアなつぶやきをマイペースで投稿されてたので、ああ順調なんだなーとそれを横目で見ていた(その間ずっと自分の方向性は全然決まらなかったけど)。

 

生配信で見てるござさんの姿、リクエストに基づいたアレンジを演奏してる姿はあくまで氷山の一角だ。

ではござさんの創意工夫に富んだ(たぶん無意識のうちにやっているのであろう)アウトプットを並べてみる。以前の過去記事でリンク貼ったのがほとんどだけど、まあいいだろう。

ほんとはこういう奇抜なことを配信でリクエストしたいし、ござさんもそういうリクエスト(ないけど)を拾って下さると面白い演奏になると思うんだがコメントは滝で流れていくのでそんな贅沢は言わない。いちいちリクエストしないでも実際に演奏されてるアレンジが十分奇抜なのですでに面白いことになっているからだ。

電車の発車音?を耳コピするござさん、そしてそれを他の曲と組み合わせてシレっと弾くという、役に立つ立たないよりもっと別の論点で語りたい動画。

じゃあお店の入店音とか各チェーン店のテーマソングとかこういう電車の発車音とかいう生活の中の環境音だけ配信で弾いてみるってどうだろ。

 

たぶんほかにも生息なさってる方はいらっしゃると思われます。ござさんと接点がないだけです。

3年前ごろに菊池さんと家で2台シンセのセッション配信なさってましたよね?そんな二人での配信はもう叶わないと思いますが、おひとりでまたいかがでしょうか?

ぜひ、

一人合奏配信とか一人セッションとか、またお願いできませんでしょうか🥁🎸お時間ないとは存じますがまた機会があれば…!

 

もうすぐ冬だからこの動画も貼ってみる。

こうやって遊んでるときのござさんが一番いきいきしてると思います。配信でもこういうアレンジが出てくるの、楽しみにしています。

 

ござさんの演奏がなぜああまで原曲を徹底して再現してるのに音がすっきりしてて更にお洒落なのかについて語られてる気がする(素人の予想)。視聴者にござさん同様に耳コピしてアレンジしてる人が多いのではと推察するため、こういう話題は広く参考にされてるのかもしれないなあと思う(素人の雑感)。

 

そしてまた謎アレンジ。打ち込みによる豪華アレンジ。こういう曲ばっかりされてた配信ありましたよね、でももう今は時間がかかるこういう作業は難しいのかもしれない(´・ω・`)

 

これも耳コピの経過をうかがえそうな貴重な音源……

 

電車の発車音もそうだが、こういう生活の環境音をピアノで弾いてみようという発想も謎だが実際に弾けてしまうのもすごい。どうなってるんですか。

 

これも耳コピしてアレンジしてるファンの方々に提起されたお題って感じがする。

 

配信で何か弾きつつ、あの速さで飛んでくるリクエストを拾いつつアレンジを考慮する過程にこれらの発想と知識を組み込めるのは、ござさんならではの独特の感性だ。

でもそれだけじゃないはずで、やっぱり毎日の練習と長年の配信で叩き込まれた即興の持ち札、それらが積み重ねられた結果にほかならない。

 

10/14の配信のようす

ピアノ弾いてますリクエスト募集中! 2023/10/14 - YouTube

そんなわけで久しぶり?1か月以上ぶりに生配信のことを考えてるのだけど直近の10/14の配信から思い出してみる。

 

古典派ふう

今回の配信ではこの曲をフル尺で弾いてくださっていた。

数あるござさんのアレンジレパートリーでも鉄板のひとつ、クラシックのジャンル。

時代的にも現代曲ふう、印象派ふう、ロマン派ふうとかあらゆるレパートリーが存在しててまさしく何のリクエストがきても応えられるのだろうけど、この古典派の時代はござさんには格別に思い入れがあるのか、演奏される機会も多いし最近もTwitterに発案を投稿されていた。

 

クラシックはいわば古典芸能ともいうべきジャンル、誰もが知っている分野だ。しかしござさんは上記の通りアレンジの上書きに余念がない。

個性が活きる分野をしっかり押さえてて、さらに昔の十八番もきっちりアップデート。

なんだかしっかり地に足がついてきた感じがします…(涙)

 

軌道に乗るまでは……

どこかで聞いたなこのコメント、気のせいかな……

 

童謡と民謡

ござさんによれば「単純な構造の曲ほど、アレンジの余地がある」そうで、ダニーボーイとかはその最たるものかもしれない。

生配信でもそういった世界各国の民謡とか伝承音楽、それが童謡になったものをたびたび取り上げられている。

アレンジのお題としても動画で以前投稿されていた。


※過去動画にも童謡が題材のものも多い。

【解説付き】スイカの名産地をニュース番組オープニング風にしてみた - YouTube

【上級者向け?】コード(和音)とモード(音階)の違いが何となく分かる「うれしいひなまつり」アレンジ - YouTube

 

今回の配信では秋にちなんだ童謡をもとにメドレーにしてくださっていた。生配信の醍醐味のひとつは、こういった繊細な四季の移ろいを細やかに選曲されていることだ。

童謡とはいえ沢山演奏されてるなと思ったら、やっぱ曲数は10を超えている。

このお題ひとつとっても感動風アレンジのアイアイ、タンゴ風とかラテン風の曲を降りまぜ、また虫のこえとかの軽快な曲調とかも間に入れられていて、このメドレーだけでも起承転結という単純な展開では説明できないような複雑なストーリーが組み込まれている。

まるで短編小説を読んだかのような読了感、さわやかな語りと劇的な終止形に短い映画を鑑賞したかのような充足感を覚えるのだ。

技術的には冒頭に述べたような絶えざる探求がベースにあるに違いないが、そういう過程を微塵も感じさせずに、ただ観衆に聴かせるために黙って語るござさん、その姿勢が潔く感じられる。こちらも賞賛の辞をひっそりとここで語るにとどめよう……

 

 

ここだけ実況中継:スポーツの秋

唐突ですが!

ここは実況中継ふうにいってみましょう!

実況者:えー季節は運動の秋、スポーツの日もありましたし、今日は運動系の曲でお送りするようです。

解説者:運動系って何でしょう、秋は学校で運動会が多いからそれにちなんだ曲でしょうか。

実況者:最初は番組の始まりにつきもののCM曲からです。

解説者:なつかしのアミノ式。つかみはオッケーですね!

実況者:ロッキーとか負けないでとか、元気が出る曲に続いて……Runnerも文字通り走る人を応援する曲です。

解説者:ゆずの栄光の架け橋はアテネオリンピックNHKテーマソングですし、この実況でも有名になった曲ですね。また、他のスポーツでも広く親しまれています。
アテネオリンピック 日本体操男子団体 金メダル - YouTube

実況者:おっ??運動会の徒競走でおなじみの曲になりました!さわやかな秋晴れの下、汗を流すには絶好の季節となってまいりましたね。この週末、運動会という学校も多いのではないでしょうか。

解説者:保護者の方が運動会に出場される場合は準備運動を怠らないように……思ったより体は動かなくなっているものです。おおっと早速カバレフスキーの道化師のギャロップだ、木琴つまりシロフォンのリズムを軽快に再現しているが、速い、速いぞ?BPMは原曲を超える勢いで回しております。

実況者:続いても徒競走の曲、ショート版アレンジでいきなりサビから入ったのはトランペット吹きの休日!

解説者:ルロイ・アンダーソンの人気曲ですね!実際オーケストラで演奏するにあたっては、トランペットパートは休日どころかせわしない旋律にスタッカートに音符も小刻みで、むしろ奏者の間では酷使される曲として名が通ってます。

実況者:チャット欄からはまるでずっと走ってる気分で休めないとか追いつけないとか足絡まって転ぶとかいう意見が散見されているようですが……

解説者:むしろござさんはそんな視聴者を手玉にとってさらに息切れさせようという魂胆かもしれないですねえ♬♪

実況者:さー次も運動会でおなじみウインナ・ポルカ、視聴者を休ませようという気はないようです。

解説者:チャット欄に貴婦人の乗馬が見えたようですし、そのような優雅な曲を挟むと皆さん休憩できるのでは?フォークダンス系のオクラホマミキサーとかもいかがでしょうかねえ…

実況者:さらに続いてクシコスポスト、もう視聴者はついてこれないのではないでしょうか?ピアノは全然足ていうか指が絡まることもなく悠々と演奏を続けている様子、徒競走じゃなくて持久走の様相を呈してまいりました、視聴者のための給水ポイントは無いのでしょうか。

解説者:そんな親切設計の配信には見えません。

実況者:続いてはコンバット・マーチ、言わずと知れた大学野球発祥の野球応援曲です。

解説者:たしかこの曲、早稲田大学の応援団の持ち曲でしたね。マラソンは一段落して野球なら攻守交替で休憩できるので、視聴者の皆さんも一息つかれているのではないでしょうか?

実況者:それは一安心でした。さて次はみんな大好きポルノグラフティのMUGEN、この曲についてはスポーツとの関係はいかがですか、解説さん?

解説者:2002年サッカーW杯のNHKテーマソングです。ポルノグラフティの定番ナンバーとして広く親しまれている曲でもありますね。

実況者:B'zのultra soul も来ましたがこの曲については?

解説者:2001年の水泳世界選手権でテーマソングに使われてから以後、水泳の世界大会でよく使われてる曲だからでしょう。ライブでも盛り上がる曲として今も親しまれているそうです。

実況者:さて、おおっと再び徒競走が始まったぞ、オッフェンバックの天国と地獄だ、油断してる視聴者もいる中、一気にラストスパートになだれこんでいくのか!?

解説者:天国と地獄といえば、ござさんのアレンジパターンにはこんなのもありましたが、視聴者は優雅にお茶飲んでるような雰囲気ではなさそうですね…
【ピアノ講座】「天国と地獄」を感動アレンジしてみた&解説付き - YouTube

実況者:競争というより無事にゴールにたどりつけるのか、展開から目が離せません!

解説者:やっぱり運動会といえばこの曲は外せないですねえー(優雅にお茶を飲む)。それはそうとチャット欄ではもう勘弁して、ラジオ体操を、との声もあるようですが、こういう感じで締めにされてはどうでしょうか?(8/20の生配信から、頭出し済み。ただしメンバーシップ限定)
ピアノ弾いてますリクエスト募集中! 2023/08/20 - YouTube

実況者:そんな悲鳴をよそに徒競走は最終コーナーを回ったぞ、ゴールが見えなくて視聴者は走る気が失せている、さらに続く曲はウイリアムテル序曲だ、サビから終盤への盛り上がるところでラストスパートか!??

解説者:ラジオ体操にはなりませんでしたね……ござさんはピアニスト=アスリートなので休憩いりませんし。

実況者:このままでは誰もゴールにたどりつけないのでは、どうなる徒競走?おおっと、ここでいきなり表彰式だ、走者にメダル授与です、展開が早すぎるぞ!

解説者:最後の整理体操がありませんでしたね!表彰式で誰が優勝したのか興味あるところですが、みんな頑張ったねというところでしょうか?今時は運動会でも順序はつけないようですし。ござさんの月刊ピアノアレンジでクラシックふうの素敵なバージョンもあります。
月刊Piano 2021年7月号「ござさんの All that Goza's Piano Arrange」第19回 見よ、勇者は帰りぬ(バッハ&ベートーヴェン風) - YouTube

 

実況者:さて、解説さんにこの徒競走の総括をしていただきましょう。

解説者:えーいつもあらゆる音楽ジャンルのメドレーが楽しいござさんの生配信ですが、このような違った切り口からのメドレーも新鮮味があって面白いですね。ほかにもドラマ主題歌メドレーとか、CMメドレーとかもありましたし。そういうところに意外と名曲が使われていたりすることも往々にしてよくあることです。

えーと今回の生配信でいうと(チラッと台帳を見ながら)、童謡メドレーも普段耳にしない曲が楽しめて、またござさんならではのアレンジも堪能できて聴きごたえがあったのではないでしょうか?

実況者:ではまた、次の配信も楽しみですね~!