ござさんの魅力を語る部屋

ピアニストござさんについて、熱く語ります

ござさんの書いた本− 2023年5月の現状④本の出版β

 

先月ござさんから唐突に出された告知。それは2年間にわたり執筆していた本を出版するというお知らせだった。

2年間ずっと書いていたものがある………?

 

まだ何のことかわからなかったので、自分はその時点での予想記事を書いたりしていた。


 

 

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余計な個人的回想(読まなくても別に結構です)

2年間、そういえば何かひたすら書いているということをツイートで示唆されていたと上記の記事で自分は振り返っていた。

ちょうど2年前といえば何があったんだろう、そうだござの日ライブの告知だ。

 

この時告知された2021年のござの日は、結局コロナウイルスの緊急事態宣言が出て無観客での開催となった因縁のライブだった。しかしこの4/8の配信の時点ではそんなことはまだ誰も知らない。自分はこの記事でさんざんござさんと運営側を槍玉にあげているが、その原因はお墓まで持っていくつもりだから公開しないけど、要するに告知に際して行き違い、致命的なやらかしがあったとだけ言っておこう。

自分はこのとき不安しかなかった。

来るござの日に向けて自分は行けるわけでもないのに肝をつぶすくらい心配で、ござさんもこの日の配信では気負うものがあるのか演奏は画面を超えて肉薄してくる勢いだったし、全てにおいて異様な雰囲気が張り詰めていた。

 

上の感想記事で自分は不安のあまりにちゃぶ台をひっくり返している。そして題名のない音楽界を見ると言ってふて腐れていた。この時の出演者がかてぃんさんだった。その完璧な隙の無いプロデュースを目の当たりにして、自分は余計に凹んでいた。そういう目先のわかりやすい餌がぶら下がってなくて無意味に焦っててすいませんでした。この4/8記事の後半では気を取り直して、大丈夫!とか言ってるしメンタルが目に見えて不安定だった。

 

コロナ流行のせいだけではない、ござさんの活動全てにおいて先が見えなかったあの頃を思えば、というかあの頃からこつこつ書かれていたものが陽の目を見る事になって、それだけでも自分は感無量です。

……ほんと、この短絡的な性格をなんとかしたい。

 

 

さらに個人的なつぶやき

この部屋はまだござさんが介護職を辞めただけの時期(2020年5月)に個人的に開設したもの。まだ生配信はキャップにサングラス、インタビューされればペンギンマスクだったころ。

当時は、どうにかしてメジャーレベルにござさんの知名度を上げたい、ちょっとでも多くの人に聞いてもらって、とにかく知ってもらうところから開拓して少しでもファンが増えてくれたらいいな、という一心だった。(そんな大義名分よりは、個人的にはTwitterに叫ぼうと思って140字で足りなかったからブログに書いてただけとも言うが。とにかく叫びたかった)

 

さて、今回の本のビジュアルが公式に発表となったようだ。

まず明らかになったのは、出版社がヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス(以下YAMAHA出版と略す)。月刊ピアノの連載でござさんはいつもお世話になっている。しかし今回は個人で出す単行本だ。それは同好会の会誌でもなく、同人誌即売会で売る冊子でもなく。メジャーな出版社じゃないですか!!!CDも楽譜集もメジャールートで出されましたがついに本が…………

つまり自分はこの部屋で記事書かなくてもいいかなー、というかこの部屋の存在がもういらないのでは?と思った。

そういうわけで、この辺からブログ書けなくなり、ござさんの動画も(この次の週ごろから)聴く気がなくなり、どうにも動けなくてしんどかった。自分は文字を書くことで息してるようなもので、それを封じられるとどうしたらいいのかわからない。

動画も配信も見れないって、ほんと身を切られるより辛かった。

ツイキャスは5/5のだけ見てみたが)Youtubeの感想をこの部屋に自由に書けないのももっと辛くて、関係ない趣味に走った。ピアノに全然関係ない動画を見たり読書を進めたりした。それから有り余る時間を使ってピアノの練習もじゅうぶんできた。

しかしそれだけ練習してもピアノは全然弾けず、ござさんの配信も(洋楽が)全っ然わからず聞けば聞くほど空回り、ここまで曲がわからないなんて聞いてる意味あるんか?ってさらに凹んだ。

 

しかしピアノはもともと素人なんだし、この部屋もそもそも個人が勝手に書いてるだけだから好きにすればいいんだと思いなおしてこれを書くことにした。

この記事のここまでは個人的なつぶやきです。スルーしてください。

 

 

メジャールートで本を出版する

本を出版社から出すということは、本屋さんに新刊扱いで本が並ぶし、店頭に本が出なくてもネット書店や通販サイトには名前が出てくる。自費出版とか同好会とは、流通ルートも販売規模も根本的に違う。

さらに言えば、売る本人にとっては、本は単なる製造業とは異なる販売形態を取るので有利と言えなくもない。つまり東販とか日販とかの出版取次会社を介するので著者は在庫を抱えないし本屋は在庫を返本制度で返品できる。

出版取次 - Wikipedia

リスクを抱えなくていいので、自分はそういう意味では本の出版と聞いて安心した部分はある。

また、装丁や文字のフォント、デザイン、どこから見てもデザイン会社が入ってくれててカラーも落ち着いた印象で素敵。鍵盤が、というか黒鍵が強調されてるのがさりげなくござさんらしい。その背景の模様がこっそりタタミ……じゃなくてござ模様。(タタミというのは本体の方で、ござというのはイ草の編み物でタタミの上に敷く敷物……)

 

 

ピアノの誘惑

しかしキャッチフレーズが、そんな事書いていいのか?という内容である。

左半分のページで手を置くだけで弾ける解説。

右ページでより進化した演奏へ……?

そんなわけないやろ。

ピアノっていうのは1日たりともたゆまぬ基礎練に裏付けられた鉄壁の技術と表現が物を言うんじゃなかったんですか?練習しなくても弾けるなんて聞いたことありません。

でたらめなこと言うなら今までの自分の2年間の練習の日々を返してくださいよ。

そもそもござさんアレンジは、隙あらば装飾音やらアルペジオが入り、重音で8分音符とか16分音符で動き、転調は当たり前。

………手を置くだけで弾けるわけないこと位はいくら素人の自分でもわかる。月刊ピアノアレンジでさえこの難度。

それで手を置くだけで弾ける?

いいえ騙されませんよ。

 

 

(上記のYAMAHAの出版サイトから転載)

商品の説明
大人気ネットピアニストGOZA(ござ)氏が演奏上達の手法を言語化した本がついに登場! 独学で身につけたからこそ、上達のポイントも挫折のポイントも体得したGOZA氏によるピアノ演奏裏ワザの数々。ピアノの先生も驚く手法を大公開!

 

★ござ式とは?
(1)独学で習得したさまざまなテクニック=寄り道の中で見つけてきたもの
→その過程を段階を追って丁寧に分析して言語化
(2)アレンジの引き出しの広さ+圧倒的な音楽知識量
→間口が広く、どなたにとっても役に立つ内容が満載!

★2段階のステップに対応!
(1)ピアノを弾きたいけど何から始めていいかわからない人
→手を置くだけで弾ける演奏法を伝授。まずは楽しさに触れて!
(2)自分の演奏には魅力がないと思っている人、もっと映える演奏がしたい人
→技巧的なテクニックが身につくだけでなく、キラキラしたピアノが弾けるようになる!

★こんな裏ワザを紹介!
● 手軽に弾ける和音
● ポップス演奏に使えるリズム
● ドラムのリズムをピアノで再現
● ファンキーフレーズを生み出す
● ストリートで使える裏ワザ
● ハーモニーの裏ワザ
● 空間を一瞬で和の雰囲気に変える
● ジャズっぽいイントロのアイデア
● ジャズっぽく曲を終わらせる
● クラシック風に弾く
● おしゃれな和音のアイデア
● チャイムを使ったアレンジ
● オルゴール風アレンジ
● ブルージーなアレンジ
● 民謡のロック風アレンジ
● ソウルフルなアドリブ
ケルト風アドリブ
● アジアンテイストのアドリブ
● ブラックミュージック系アドリブ
● 展開に驚きとメリハリを加える
● フラメンコ風アドリブ
● 戦闘曲風アドリブ

 

自分の愚痴は置いといてまじめに考えてみた。

この本は一通りコードで弾けるとかレパートリーをいくつか持ってる演奏者が、何か足りないというときに映える演奏にする方法を、ござさんが長年の経験をもとに伝授するっていう本なのでは?

そうすると技術が高度になって、初心者はまず門前にも立たせてもらえずにつまんなくなって本を閉じてしまうので、入り口を別にして敷居が低いやり方も載せてくれたのかなあと思う。

 

(こんなことをされていたので、てっきりこういう事典的なものを作るのかなあと思ったり。でも今時ネットで調べ物は住んでしまうから、紙媒体でそういうのを出すのはやっぱり違ったようだ。)

というかこの本を書くために色々調べものをしていたのかなあ、と思ったりする。見出しに掲出されたお題の例を眺めているとそれこそござさんアレンジ見本市、あらゆるジャンルに渡り、あらゆる技法を駆使しているように見えるので。

 

そもそもそんな本を参照する前に、ござさんのYoutube動画には講座系動画がたくさん出されているじゃないか。その数38個。

※チャンネル内の再生リスト:ピアノ講座(How to play Piano) - YouTube

 

しかし。この動画を例にとってみても鍵盤を上から見てて分かりやすいとはいえ超絶技巧が続出で、音楽理論はどんどん難しくなり、しまいにパワーをためるだの無駄に転調だの情熱のままに弾くとかいうパワーワードで締められてしるので結局よくわからない。(そもそも素人には弾けない)

【ピアノ講座】テトリスあの曲でラテンアレンジ講座! - YouTube

素人には無理だとしても、これらの講座系動画はアレンジの幅が楽しすぎて自分はどれも大好き。弾けないけど。

しかしこの講座系動画、2019年9月つまりストピに出始めた頃?を最後に新しい動画は(Twitterを除いて)ほぼ出されてなかったので、ござさんはこういう遊び心満載の方向から変わってしまったんかなあ、プロ宣言されて以降、自分は応援してきたつもりだったけどそれで良かったんかなあ?とそういう意味でも悩んでいた部分はあった。

Youtubeコメントでたまに、この頃のござさんが好きだったというのを見かけたし。

今思えば、この本を体系的に編集するために、新しい講座系動画にしようというお題は全部保留にしてYoutubeには載せなかったのだと仮定することもできる。そうだとすればほぼ2年分かそれ以上のこういう遊び心いっぱいの(というのか?)アレンジのアイデアがこの本には詰まってるわけで、やっぱり楽しみしかないですね!

素人だからそんなアレンジ弾けないにしても講座動画見るつもりで自分は楽しみです。

「楽譜が読めなくても楽しめる内容」ってことはそういうノリで見てても楽しいって意味かなあ。現に、模範演奏動画が逐一つけられているはずだから。88個。

 

それから。この演奏解説は前半部分であり、後半はござさんのピアノ遍歴について、となっている。謎に包まれてきたこの辺の歴史が今明らかにされるわけですね!(番宣ふうに)わーい楽しみです!ござさんのレパートリーは2000曲を軽く超える事さらに数百曲、それらを身につけるに至った遍歴ってどんなのか、楽しみすぎます!(わくわく)

※ござさんのチャンネルではないが、これらの対談でも今までのピアノ遍歴の一端が語られている。ほんとにピアノのことしか語ってないけど。

【ござ×ハラミちゃん】初トーク!実は似ている? - YouTube

【菊池亮太×ござ】ピアノ超絶技巧の二人の練習法を披露!月刊ショパン2月号ストピフリーセッション - YouTube

 

というわけで。解説文に書き出して校正するのも、演奏動画を撮って編集するのも全部自分でされたというやっぱり人間離れしてる作業により作られた本のようです。事務員Gさんが校正に入られたようですけど。

でも校正っていう部門の職業がちゃんとあることを考えると、そういうところに外注に出すのではなく、執筆から校正まで作・編曲の知識と経験がある人じゃないと校正できない内容だったと思われる。

まじでガチですね。そりゃ解説動画同様のレベルで書かれたのなら当然かもしれませんが……。いや、このツイート通り、ピアニストとして練習と本番の舞台スケジュールをこなしながら、執筆を成し遂げたところがガチなのでは……意地でも自分で仕上げるという執念を感じる。そしてそんな文章力ある人は音楽業界にはなかなかいない、と思う。

 

確かにただ書けばいいならこの部屋でつぶやいてる自分もやってることはそう変わらないが、こうやって目標を定めて日々(本文だけで1年)、作家が本業じゃないのにひたすら書き続けたのは、出口の見えないトンネルをずっと走ってたようなのものなのではないか。本人が語るところでは「ライターさんに書き起こしてもらっても良かったのだけど」そこは自分で書く方を選択されたということだ。

これらの合間に息抜きとしてこなされてたのがYoutube生配信なんだなあ。息抜きと言っていいのかは知らないが。

 

さらに実際の本が出来上がってきたということで、これらの部数は著者本人の手元に置いとく用として、関係者へ配れるように持ち帰りを許可されたものなのか目の前に山積みである。

 

この本を手に取って眺めている様が、どう見ても聖母子像にしか見えない。(錯覚とでもなんとでもどうぞ)

大切にそっと手に抱いた我が子への、限りない慈愛がこめられた視線を感じる。

ラファエロのこの絵とか構図まで一緒である。(錯覚とでもなんとでも……)

画像リンク:大公の聖母 - Wikipedia

 

ラファエロの聖母子像をもう一枚貼っておく。こっちはルーブル美術館蔵。角度が違えど、全てを包み込むような表情とわが子に注がれる慈愛に満ちた視線は一緒。

画像リンク:美しき女庭師 - Wikipedia

 

 

 

この記事が本の告知から不自然に遅くなりましたが。

この公式書籍が発行されるにあたって、ずっとこの地下の部屋で独り言を書いてきた自分は、どういう距離感で書いたらいいのか分からなかったのかもしれない。

(結局スラスラ言いたい放題じゃないかというツッコミは無し)

 

ござさんが誰に訊くでもなく独学で習得したアレンジ、またそこに至るまでの足取り、そしてござさんの2年間、全部が詰まっている……

 

本は作り手の元を離れて、広く普遍的に受け入れられるようになった時、初めて名著と言えるのかもしれない。自分の中での定義はそうだ。時代と国境を越えていいものはいつまでも受け継がれる。ござさんの本は日本語だけど音楽理論に流行りも廃りもないと思う。または、流行ってるものは何十年かの周期で再び歴史を繰りかえす。

とにかくござさんの目線は、その手から巣立っていくわが子をいつまでも無償の愛で見守る親そのもの。

ピアノに関わる人、またアレンジして演奏する人すべてに届きますように、との願いをこめて。

 

 

追記:

ピアノのアレンジに関わる人たちとしてござさんのアレンジを日々研究されているござアレンジ研究会さんがコメント出されていたので引用します。

ござさんの第一回ねぴらぼ出演にインスピレーションを得て結成されたような気がします……とにかくアルバムも楽譜発売もされてなかったころから耳コピ Σ(゚д゚lll))でござさんアレンジに特有のコード進行とかリズムとか研究されている。

今回の本の告知、もしすぐに手元に実物が手に入り、アレ研の事務所があろうものなら、その足で自分は花束買って祝電と一緒に持ち込みたいところでしたがそんな事務所がないので、ここで勝手に引用し祝電の代わりとさせていただきます。

ござさんはコメントはしないけど、しかしこの本はアレ研に捧げるために書かれたんだろうなと勝手に自分は予想する。

これで、今まで謎の多かったござさんのアレンジとコード進行について一気に明文化されたというか実際に楽譜と模範演奏が添えられる?とかいうことだったので、解明できる部分も多いのではないだろうか。素人にはよくわからないけど。

ござさんの願いは、ファン界隈の音楽偏差値が上がるといいなってことらしいので、自分こと素人ファンは草葉の陰からアレ研の活躍を祈るばかりです。

自分からアレ研さんへ花束:💐💐💐💐💐