先週の5/13Youtube配信で、
「これは覚えなきゃいけない曲なのでは?」
ということで最近練習されてるというYOASOBIの「アイドル」を演奏されていた。
【ピアノ配信】ピアノ弾いてますリクエスト募集中 2023/05/13 - YouTube
あらゆるジャンルの音楽に精通されてるされてるござさんだが、故意に「覚えなきゃいけない」ってどういうことだ。思いついてレパートリーに入れるというよりは、音楽売り上げチャートの上位に来そうな話題曲を覚えようとしてるという意味だろうか。
ござさんのレパートリーにある曲は、古今東西時代を問わないが、共通点を考えると例外なくリズムが面白かったりコード進行が特徴的だったりという側面があるのかもしれない。
そういうきっかけとは別ルートで最近の曲を練習されてるのはござさんには珍しく商業的な意図を感じる。
そういう思惑はともかく、この「アイドル」という曲の練習光景とこの曲そのものに、自分は思う所があったので、特にそこについて考えてみる。
※公式MV:YOASOBI「アイドル」 Official Music Video - YouTube
※アニメOP版【推しの子】ノンクレジットオープニング|YOASOBI「アイドル」 - YouTube
※この記事はアニメのあらすじを主として考えるものではない。
曲の題名が「アイドル」、アニメのテーマは第1話では推しだったようだ。
アイドルという単語を直訳すると「偶像」という意味になる。または、熱狂的に崇拝する対象。半ば宗教的な意味合いすら出てきてファンは第三者からすると「信者」とも揶揄される存在。
自分はこのアイドルの曲に部分的にだけど共感するところがあった。
推しの存在は究極という点に。
アニメにも部分的に首肯するものがある。
推しというのは時に自分の理性を狂わせて歪ませる存在でもあるという点に。
自分の推しは、ござさんだ。
でも「偶像」という言葉で表されるアイドルとは、根本的に存在意義が違う。
愛される存在を計算し尽くした上で演じ切るのがアイドル、とアニメでは描かれる。
ファンからの声援に完璧な笑顔で応え、人間らしい側面は明かさない。
自分はこの歌に出てくるテンションでござさんを応援したいという気持ちも心のどこかに持っている。
しかし、ござさんはアイドルという、投影された幻影ではない。
職業は「ピアニスト」、感情と人格を持った普通の人。
アイドルの笑顔は必然的に生み出された人工の仮面。
反して、ござさんの演奏とそこから垣間見える表情は、二度と同じものは見られない偶然の産物。
このアイドルという曲と推しの子のアニメは、アイドルとしての矜持とそれを演じる人間としての心の葛藤を描いていると思う。
しかしそうすると自分は、「推し」ているござさんを、なんか勘違いしてアイドルとして接していた面がなかったか?今までの自分の言動を、胸に手を当てて思わず顧みる。直接的にアイドルとその追っかけファンとしての当事者でないにしても、いや当事者じゃないからなおさら。無意識に自分の行動がそういった側面を持っていて推しに迷惑かけていなかったか?と、自問自答した。
そうすると、アニメとアイドルの曲のMVで描かれてるファンが、少なからず自分に重なるところがありすぎて、ぎくっとするのだ。
アイドルと違ってたんなる演奏家でありそういう意味で言うと一般人に過ぎないござさんを、応援するにあたってでは何が重要なのかというと、距離感だろう。
アイドルは応援されることを前提とした職業だが、ござさんは演奏と作編曲やアレンジが本業であり、顧客サービスはそこから派生した二次的活動に過ぎない。つまり、ファンとして距離感を誤って応援していると、ござさんの演奏活動そのものを妨げる事態になりかねない。
自分の気持ちの中で応援するのは自由だ。
それをござさんにどう伝えるのか、伝えた方がいいのか、伝える必要があるのか?
ござさんにとって幸せな活動形態とは何なのか?
ござさんのピアノが大好きなだけなんだけど、本当は。
ただそれだけだけど、だからこそ、ござさんのピアノを大切にしたいという気持ちも同じくらいある。
ファンとして無限に応援したい気持ちと、節度を持って距離感を置きたい気持ちをどう調節したらいいのか、それはずっと解決しない問題なのかなあ……