秋も深まる神無月の頃、暮れなずむ夕暮れの空。
とある都内某所のビル街に何気なく佇む、地味な事務所の一室。そこでは何気ない日常の会話が繰り返されていた。(↓↓↓この記事でも登場した部屋、登場人物も一緒。)
目次:リンクで各項目へ飛べます。
取材の成果
ここは謎の秘密結社のアジトーーただし掲げている看板は(株)G興業ーーその一室でTVのローカル番組を横目にしながら、黒縁眼鏡にサンダルの人がパソコンとキーボード片手にせっせと何かを編集していた。
それはアジトの主、J・Gさんだ。
「あーもう月刊ピアノ連載の締め切りが…!毎月地味に大変なんだよね……!」
隣で大きな革張りのソファに深く埋まりつつ、共同出資者のIさんが雑誌を片手にだるそうに振り返った。「うーん、日曜の生放送がいったんなくなったことで、ファンの方々は寂しい思いをしてると思いますけど……?」と、すげない返事をする。
Iさんが手にしている雑誌は「ストリートピアノ(仮称)」。
その片隅にこんな記事が載っていた。
”ピアニストの今を伝えるコーナー”
最近iphoneを8から12(13でない)に買い替えて、撮った動画を編集しているのですが、画質音質すごいっすね…。よくわからないけど映像がなんかすごい良い感じ(あいまい)
— ござ 🎹@11/24ソロアルバム1/15ライブ (@gprza) 2021年10月15日
雑誌にはあわせてファンの声も掲載されている。
「最近のスマホってびっくりするくらい性能高いですよね。ほんの4~5年前からすると、ウソのようです。あ、ストピの撮影環境の改善にご尽力いただきありがとうございます!ストピは設置場所がバラエティに富んでいるので、GZさんの動画をより生の音に近づけていただけるのは、遠方で聴きに行けない民としてはありがたい限りです。」
さっきから壁掛けの大きな液晶テレビでは夕方のローカル情報番組が流れているが、今日は所沢駅でストリートピアノを取材しているらしい。そこには地元民と称して街頭インタビューで意見を述べる、怪しげな人物の姿。
「んーなんか、このファンの人どっかで見たような……うどん屋だっけ……」
「なっなんで…ヤツが地元民としてこんなとこにいるんだ……?そこは所沢だぞ……?」
「しっかし、髪形なんてまたピアノからは関係ない、的外れな事言ってんなこの人……」
「リュックの肩ひもとか、長くのばして背負うのが流行なんじゃないんですかぁ?」
「まだ言ってるよ Σ(゚д゚lll) リュックどーでもいいだろ(でも荷物おろして弾けばいいのになぁGZくん……)」
そこで連載記事の執筆を終えたのか、J・Gさんはおもむろに大きな革張りのソファに腰かけ、休憩代わりにTVのスイッチを切り替えてYoutube動画を流し始めた。
その空間に訪れる気まずい静寂。
どちらからともなく顔を見合わせるIさんとJ・Gさん。
(なるほど・・・)←心の声
「しかしさあ、GZくんはヘアアイロンどこやったんだろう?」
「えーーー?僕はちゃんと電気屋に一緒に買いに行きましたよ!!!」
「じゃー何でこんなことになってるの!」
「うーーーん……動画のラストでは、ばっさばっさと髪振り乱してお辞儀してますねぇ……」
「そうだよねえ、あれ以上ぴょこぴょこお辞儀してるとまるで鹿威しみたいになっちゃうよねえ……」
「(J・Gさん話題逸らしましたね…もっと現実を見てください……)」
ほーん……。
と、アジトの向かい側のビルにオフィスを構える雑誌「ストリートピアノ(仮称)」編集部では、G興業の動向をくまなくチェックしてるのであった。
ファッション服飾問題はG興業では長年の懸案であったが、いちおうジャージや家族のお古は廃止し、襟付きのシャツを推奨することで解決を見たらしい。しかしIさん、J・Gさんお二人の尽力もむなしく、こと普段の髪形に関しては相変わらずマイペースぶりを発揮してるGZさん。(多分あのセンターパートでゆるパーマをやりたいから伸ばしてるんですね)
これは人類史上永遠の問題だろうから、解決はしないものと思われます。
しかし自分がこれ以上陰で暗躍してると、その辺り勘のいいJ・Gさんに何かかぎつけられてもまずい。怪しまれると困る。この辺でまじめにピアノについて書いとこう……
リアルな音、お洒落なビジュアル
上のツイートにある通り、ストピ撮影において(スマホが変わって)画質と音質がよくなったらしい。(あれ?デジカメは?)ある意味ピアノ動画の画質と音質は生命線だと思うしその改善は長年の懸案だった。ピアノ専業の道を選ばれて、その行く末に道筋が見えてきた去年末ごろから確かストピの録音も生配信も、機材を大幅に改良されていたので、さらに綺麗に聞こえるのはファンとして嬉しい。
と言うか現実のござさんのピアノの音は特徴的でとんでもなくきれいなはずなので、動画においてその音がちょっとでもリアルに近づいてくるのは、まるで横で聴いてるみたいな臨場感を生む。実際ストピ演奏の現場に遭遇できない遠方住民には、ござさんの演奏をより身近に感じられる、こうしたちょっとした変化でも嬉しいものだ。
それから動画の見た目もすっきりしてる。
今年の五月ごろ投稿のジブリ動画以降、動画編集ソフトを一新されたそうで、それ以後動画編集において試行錯誤されてきたことと思う。今回は動画としても編集がすっきりしてて、ロケーションも綺麗な新しい駅だ。
なんかこう、去年2020/8/13、(メンバー限定のメーキング動画で)動画編集過程を語っていた中で「YouTuberたるもの、ギラギラな感じにしていかないと、この先は生き残って行けません」「文字の縁取りが作業の9割を占めるといっても過言ではない」「容赦なくギトギトな感じにしていきましょう」と語られていたのとは路線が違ってきた気がする。
こういう意味でも、最近垢抜けてきたなあ。
ロケーション
せっかくお洒落なビジュアルなので、この動画のなんちゃってポスター作ってみた。
(※駅の画像出典:所沢駅 - Wikipedia)(※ディズニーは自分の撮影)
所沢は西部遊園地と西武ドームがある自然豊かな土地柄(多摩湖があるから)、あと菊池さんが初のソロコンサートやったのもここにあるホールだったというイメージだ。
それはさておき、この駅は去年?リニューアルを終えて全面的に新しくなったばかりの綺麗なショッピングモールが併設され、その真ん中にストリートピアノが据えられている。その人気ぶりから、期間限定で9/4~9/29だったのが今のところ12月まで延長になったようだ。ござさんにもぜひまた訪れていただいて演奏してほしい。
施設も新しくてきれいだし、ピアノは設置者の所沢市が「親しみやすいように」と木目調のものを募集したそうだし。レトロな紋様の入ったKAWAIのピアノ。
ござさんの音、その演奏の神髄とは
新しい施設にお洒落な木目調ピアノ、そして垢抜けた動画編集。
ござさんも演奏した感触が
「ホールみたいな残響で弾いてて気持ちがいい」
との事。
ホールみたいな残響で音がピカイチ綺麗なストピといえばこれ(2020/11/23投稿)の右に出るものはいないが、今回の動画は場所とピアノの音がきれいなことに加えて録音がいいときてるので、さらに自然なピアノ演奏を楽しめます。
だからござさんのピアノの音も綺麗で儚げな、さわったら壊れそうな繊細な存在かと思いきや?
今回の録音から動画の音質がよりリアルで聴いてる音に近くなってきたらしいが、それで改めて思い知らされる圧倒的な迫力。ディズニーメドレーということで原曲はどれもオケ曲だったりするが、オケを再現と言うよりオケを凌駕する迫真の演奏だった。
選曲も即興でありながら名曲揃いで感動を呼ぶ。最初はゆったりJAZZから入ったりして無理なく聴ける構成が考えられているのも、聞く立場になっているからだと思う。
一曲ずつにも物語性を感じるが、動画全体の曲の構成もゆったり聴かせる曲にアンダー・ザ・シーを入れて聴いていて楽しくなるし、ラストは最終奥義・黒鍵ワイパーでばっちり決まってる。素人の自分は過去に髯ダン動画のイエスタディで黒鍵ワイパーが華麗にキマッてるのを見て、家でこっそりピアノでやってみて手が無事死亡しました。どういう物理的現象で音が鳴ってるのか?手がイタイ(>_<)
そして、多分主役は左手だ。
右手で普通なら両手分の和音を押さえてるので、左手で存分にJAZZのストライドなりその他あらゆるパターンのベースで曲ごとに表情を変えつつ、バシッと音の根幹を支えることが出来てるのだと思う。
だからあんなに迫力があるのだろう。
知らない間に、気が付いたらぐいぐい引っ張られて連れていかれるような謎の吸引力。
一曲ごとに起承転結を感じる豊かなストーリー性。
聴いてる人を捕まえて離さない、問答無用の説得力。
そして遠くにいてもすぐわかるであろう、はっきりと粒のそろった美しい音色。アップライトピアノは音がこもるはず、そして響きがいいとはいえコンサートホールとは根本的に音響が違う、そして駅の雑踏の中。……のはずだがその中にあって、豊かな響きと人の感性の本能に訴える表現は堂々としていて威厳さえ感じさせる。
子どもの行動は真実を衝く
うんうん、そうやってフラフラとおびき寄せられてきて、気づいたら立ち止まって聞き入ってる人多いですよね。そういう人チェックするのが趣味です(←ストーカーではない
— かまたまうどん (@pEcXkXhkAeo0D6t) 2021年10月15日
自分の趣味はこれだ。ござさんのピアノに無意識に引き寄せられてくる人を探すのが好きなのだ。(ストーカーではない)
この動画でも通りすがりの人が、恐らく帰宅途中の慌ただしい平日夕方に、足を止めて聞き入ってる人がいる。子どもたちも。彼らに付き添っていた大人は子供たちをそっと見守るように距離を置いてピアノを聴いている。
自分の経験から言うと、子どもは(特に未就学児)人から指示された通りには行動しない。ここで立ち止まって聴いてる子たちは、この演奏に何か感じたから聴いてるのだと思われる。
動画の最初に登場する通りすがりの3人のお子様。その中の下の年齢と思しき二人は横で手遊び?を始めるが、上のお兄ちゃんはあたかも魂を持って行かれたかのように、ピアノの音に、そしてござさんの躍動する手に釘付けになって動かない。下の子二人が横で遊び始めても、そこに「あのピアノ、イイよ!聴こうよ!?」と勧誘するかのように途中で話しかけている(本当は何言ってるのかわからないけど)。
こういう小さい時になんとなく感じた「いいなー」という記憶が大きくなってからの興味に結びついたりするので、子どもがじっと聴き入ってる時に無理に連れて行こうとしない保護者の方、素敵です。(時間の余裕があったのというのもあるでしょうが)
ござさんのピアノはそうやって老若男女問わず感性に訴える魂の演奏だと思うので、過去の動画にも子供たちが引き寄せられてきているものが見られる。たしか2つありましたよね?リンク貼っておきます。何回聴いてもござさんのピアノは迫力満点です。
そしてどれ見てもなるほど子どもって音楽の本質を理解してるなあというのが分かる。魔法使いに操られるかのようにござさんのピアノに合わせて動く子供たち。
子どもが音楽をどう分かってるのかというと、ピアノの演奏が終わると子供たちもピタッと止まる所です。体でリズムを感じてるんですかね。ござさん介護施設職員でしたが、この子供たちへの視線を見てると保育士でも良かったんじゃないと思うくらい(今となっては実現不可能ですけど)。
この動画でもピアノの周囲で遊んでる子供たちが、気づけばじっと静かになっている。(スマホ持って撮影してるからだけど)最初は走り回ってたのにそのうちじっとして聴き入ってるようです。
プロデュース活動に余念がない件
10/2の重大発表以降、ござさんのTwitterアカウントにこれがトップで固定されたのは記憶に新しい。ござの日ライブ以来の積極的な姿勢と言って差し支えないだろう。
ござ1stアルバム「EnVision」リリースと、ピアノソロコンサートの開催が決定しました!#ござEnVision
— ござ 🎹@11/24ソロアルバム1/15ライブ (@gprza) 2021年10月2日
・CD発売日→2021年11月24日
・ライブ日程→2022年1月15日(浜離宮朝日ホール)
詳細はこちらです! https://t.co/9NC0dyPlU6
よろしくおねがいします! pic.twitter.com/3LdG5zyaiA
今回のYoutube動画摘要欄にも同様の告知内容がきっちり盛り込まれていた。
この告知は、他のYoutube動画のコメント欄トップにも固定で掲載されている。要するにござさんのYoutubeホーム画面開けると「人気のアップロード動画」として冒頭に上がってくる、再生回数上位の動画のことである。知らない人のYoutube動画ホーム画面を開くと、まずこの再生回数多い動画を聞いてみるってケースは多いのではないだろうか。それを想定してというか、そこに絞って……つまり初見さんを想定してまるで絨毯爆撃(たとえが悪いが)のように軒並みコメント欄トップに告知をのせている。
今回のライブとCDは確かに広く告知してなんぼのもの、数を売ってこそなので、こうして正面から売りに出てくれてファンとしては嬉しい限り。自分がこんな地下部屋でいくら叫んだところで、Twitterでいくら言ってみたところで、通りすがりのござさんを知らない初見さんにはやはりご本人のアカウントから人目に付くところで発信してもらう以上の宣伝は無いわけなので、ほんと告知コメント眺めるたびにこっちは嬉しくて勝手に一人でニヤニヤしている(←アブナイ人では決してない)。
あのござさんが宣伝するなんて?
こんなはっきりきっぱり自分を売り込むなんて。
【※過去のディズニーメドレー動画、2020/10/8投稿。(2020年1月川崎ストピで演奏されたと思われる)まだ帽子にサングラス時代、演奏終わったら逃げるように立ち去る(のは今も同じか……)。曲の解説も無く「演奏聴いてくれたらいいです」だった時代のスタイルを色濃く残す。】
これで、Youtubeの最新動画と人気動画には軒並み告知が載ってることになる。それを見た人はTwitterやってなくてもみんなライブの存在とCD発売を知ってくれることでしょう。芋づる式にそのまま、これをきっかけに他の動画見てくれるかもしれないし。自然な感じで宣伝出来ててイイですね!
うんうん画面もすっきりさわやか、白シャツも綺麗に映える!
ばっちりです!
おや・・・?
ん・・・?
あれ・・・・・?
この # は一体?
#ピアノ当チャンネル紹介動画
って何ですか?
別にそんなベタなツッコミするつもりはなかったんですけどね。いつもストピにつけられてる#が、#ストリートピアノと#ピアノだったのでそれをいつも通りつけただけだったんですよね。それに下のリンクの説明コメントが連続しちゃっただけなんですね。それは偶然で、けっしてわざとボケたわけじゃないのは見たら分かるから大丈夫です。だいたいござさんのボケはいつもわざとじゃなくて気付いたらやらかしてる系がほとんどでございましょ?もう慣れました。
じゃなくて当チャンネル紹介動画のキャッチフレーズと共にいつもリンク貼ってくれる気づかいは、初見さんに向けての温かいお気持ちとして、見ててありがたく思っているところでございます。
しかしそこに貼られてるURLはこちらの通りとなっております。
https://www.youtube.com/channel/UC2Kb6k-aGIaKxlNPkrdcoHA
このリンクからどちらのサイトに飛ぶかと申しますと、ござさんのYoutubeページのトップ画面にリンクされているだけでございます。
↓ ここ。
大変申し訳ございませんが、ござさんの細やかな心遣いは今のところ何の意味もなしておりません。
現状、リンク貼るだけ無駄な事態となっております。
おそらく貼りたかった動画リンクはこちらの事と思われます。
「当チャンネル紹介動画」
https://www.youtube.com/watch?v=FsIOsWyjz7U
動画タイトルで出るタイプのリンクで貼ってみるとこんなの出ました。
4分で分かる「 ござ 」 / Goza's Piano Channel - YouTube
この動画のトップに出てくるキャッチフレーズ
「すべてのジャンルのピアノを弾きたい」
その通り、ござさんのチャンネルはジャンルが非常に多岐に渡りすぎていて、また動画数も非常に多く、初見さんが一瞥してその全容を把握できる規模ではありません。
ですのでござさんがこの動画を貼る重要性を意識していただいてるのは非常に結構なことですが、だからこそ………
ちゃんとURL貼ってください。
あ、ちなみにこの紹介動画が投稿されたのは2019年5月12日となっております。まだストピにすら出ていないころです。仕事は表向き介護職員の時代、シンセはまだFA08、ねぴらぼ?グランドピアノライブ?なにそれ?という時期です。
この頃とはあらゆる意味でござさんの環境も立ち位置もお変わりになったことと存じますので、このへんで新たなセルフプロデュース活動の一環として新しい自己紹介動画でも作成なさってはいかがでしょうか。いまのござさんの演奏とこれからの展望を盛り込んで作成すれば、初見さんにこの上ない宣伝となることは間違いないと思います。