ござさんの魅力を語る部屋

ピアニストござさんについて、熱く語ります

「アネモネ弾いてみた」リレー動画

 

為せば成る

昔からの言い習わし。どんなことでも、強い意志をもって実行すれば成就できる。

 

 

”なせばなるなさねばならぬ何事もならぬは人のなさぬなりけり ”

上杉鷹山

 

”なせばなるなさねばならぬなる業をならぬと捨つる人のはかなさ ”

武田信玄

 

   

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プロローグ:きっかけはいつも他愛ないことから(飛ばして結構です)

さて、自分はネットピアニストござさんのファンである。

【公式チャンネル:ござ / Goza's Piano Channel - YouTube 】

【公式サイト:ござ オフィシャルサイト 】

 

しかし自分自身は楽器演奏は苦手だ。ピアノも苦手、聴く専門。と思ってピアノには小さいころ以来触りもしなかった。

でもござさんは月刊ピアノに自分みたいな素人でも弾けるアレンジの楽譜連載を続けられている。それから、昨年はソロアルバムに準拠した楽譜もオンラインで出版された。

またどこかで言われていた気がする。「ファン界隈の音楽偏差値(?)を上げたい」とかなんとか。よく考えればござさんも音大みたいな専門機関で教育を受けて今に至ったわけではない。でもプロとしてやっていけているのは一にも二にもずっと続けてこられた練習、そして研究の賜物。ござさんの演奏の根幹をなしているのは何を置いても練習だ。それを生かしているのが独特のアレンジ、裏付にあるのは徹底した研究というわけだ。      

この動画でも言われている。毎日の練習が大切だと。          
結構大変!?クラシックもジャズも弾いてるピアニスト(兼YouTuber)の練習風景がこちら【解説付き】 - YouTube

いや、そもそも自分がピアノ練習に興味を持ったのは、ござさんの動画を片っ端から見る中でこれに出会ったからだった。
Youtubeを見ながらでもできる!「永遠に続けられる基礎練習」 - YouTube

 

そこで自分は考えた。

Youtube見ながら練習?

ステキ!

自分でもできそう!

 

……のちに、それはござさんだからできるのであり、そういう甘い考えでは全く太刀打ちできないことを骨身に染みて思い知ることになるのだけど。

純粋な目をしたピュアな当時の自分は、「ふう~ん、動画見ながら練習できるんだ!」って信じて疑わず、まんまとピアノ練習の世界に、小学生以来に足を突っ込むことになるのだった。

 

いや?後悔はしてませんて。

ピアノ練習楽しい。

その気持ちだけは間違いなく、最初に抱いてた気持ちと寸分たがわず持っている。

 

※練習始めた当時の顛末と、その後の練習日記

練習日記 その2 - ござさんの魅力を語る部屋

ピアノ練習の誘惑《実践編》 - ござさんの魅力を語る部屋

 

ピアノ初心者の練習日記 - ござさんの魅力を語る部屋

 

 

 

アネモネの噂(都市伝説じゃなかった)

ござさんのオリジナル曲、アネモネ

ソロアルバムにも入っており、楽譜集にも載っている。

Youtube動画:アネモネ - YouTube
アルバム販売リンク:EnVision | ござ オフィシャルサイト
【楽譜】「EnVision」全曲譜面集 / ござ (ピアノソロ / 上級) - Piascore 楽譜ストア
【楽譜】アネモネ / ござ (ピアノソロ / 上級) - Piascore 楽譜ストア

 

この曲の前身は、この短い動画だ。

第1回ねぴらぼの後、ござさんが進む道をコロナ流行のさなかに模索していく中で産声をあげた小さな曲。それから生配信でも弾いてくれたりしながら変遷を経て育ってきた、ファンにとっても思い出の曲だ。

 

そういうふうに今までのござさんの足取りをずっと眺めてきた曲ともいえるアネモネ

穏やかな進行の旋律、短いフレーズにも一編の物語のような起承転結の展開がある。

そしてござさんのアレンジの手法が凝縮されたような和音進行。

一つ一つの音は豊かな色彩を帯び、おのずから雄弁に物語る。

ござさんが言うように、しみじみと癒される曲。

 

 

この楽譜集が出されたのは去年の秋だったが、その後アネモネの曲を弾いてみようとか、みんなでやってみようという話をTwitterで目にした。

 

……何ですって、アネモネ

もう一回言って、アネモネだって??

え、ほんとに?アネモネ?(しつこいな)

 

楽譜集は買ってみたものの、月刊ピアノを仕上げかねている素人の自分には、ソロアルバムの曲は長いし、どうせ無理だろうと手を付けていなかったので。

下記リンクにある清新の風弾いてみた動画見ても分かるとおり、ソロアルバムの曲はどれも難しいんである。ござさんアレンジなのだから易しい曲など皆無である。と思っていた。

 

月刊ピアノの曲は通しで弾くと40秒~1分弱。それをノーミスで録画するのに、自分は過去にやった時は、繰り返し録画回数は50回をとうに超え、100回より超えてたと思う。

ましてやソロアルバムの曲はどれも5分以上(多分)。いやいや無理でしょ案件である。

 

というわけで、ネット上で数小節ずつ録画を投稿し、専門の動画編集ソフトを扱える人がまとめてくれるっていうこの企画に、まあ飛びつきましたよね問答無用で。

曲がそもそもアネモネっていう。

誰がやらずにおれようか。

ここで名乗りを上げないでは武士が廃るというもの。(だいたい武士じゃないから)

清新の風弾いてみた動画の参加メンバーは錚々たる面々。

対してアネモネ企画ツイートには、、練習中の方、少しだけでも弾いてみたい方……ってある。

 

ちょっと聞きました奥様?

少しだけでも弾いてみたい人でも参加できるんですって?

ほんとですか?少しだけでもいいんですか?(しつこいな)

 

え?はあ、前置きが長い?

いや、それだけ、素人がこの曲を練習するのに躊躇してた気持ち、それから練習できるんだっていう喜び、しかも動画にしてもらえるんだっていう驚きと衝撃は、こんな描写じゃ足りないくらいでっていうのを少しでも分かっていただけたらそれでいいんですよ(←何様だ)。

 

 

個人的実践編(読まなくていいです)

しかし、現実を見なければならない。

素人にとっては現実は厳しいものだ。

別名愚痴コーナー、ここだけグダグダで長い。ていうかクラい。

 

だいたい仕事とか家事の合間に練習するわけで。疲れていたり時間が無かったりする合間を縫って練習する、と見栄を切ったものの、そういう甘い問題ではなかった。こういう締め切りがはっきり決まっている練習は、いつかできればいいや~ではなく、絶対に間に合わせないといけない。

まったく、練習やってもやってもちっとも進まない素人民は途方に暮れるのだ。

しかし素人なら余分に練習すればいいじゃないかってことで、曲が覚えられないって足掻くよりもとりあえず、ずっとやってた基礎練習は、内容はともかくそのまま続けることにして、ござさんの曲は割り当てパートが決まったら音ひとつづつに運指を決めて覚えるしかない。覚えられないなら、時間を増やすまでだ。時間が足りないってのはたぶん練習したくない自分がどっかで言い訳してるだけだ。

 

という風に悲観的になるくらい、ござさんの楽譜はどの曲も右手だけでも和音の連続で、しかも単純な繰り返しも皆無、とにかく譜読み段階で心が折れがちである。

でもいつかは覚えられると思って毎日繰り返すしかない。

その間は心が折れないようにピアノ動画とか他の動画とか見ないようにして集中してみた。

 

時間の確保も素人民には難題だが、それよりも厄介なのは、練習できない日が続いてブランクが空くと、せっかく覚えた運指をすっかり綺麗に忘れることだ。さらに基礎練習でなんとなくわかってきた鍵盤のタッチの感触やら、楽譜からだけではない経験みたいなものも全部忘れてしまうところ。

あの日々はなんだったんだって思って、余計心が折れる

 

愚痴を言うのは全く非生産的なので普段言わないようにしてるけど、ちょっとここでだけ言いたい。いや別に今回のリレー動画の割り当ては、自分はたった4小節だったのだけど。それだけの話だが、しかし侮るなかれ4小節。

音楽とは一つの音ですでに音楽なのだから(なんのこっちゃ)。

正確には音を出す前の所作、雰囲気、気持ち、体の使い方、……すべてが音にあらわれる。そして音を出した後、これはさらに音が聞こえた時の印象を左右する重要な要素。スポーツでいうところの、フォームのフォロースルーと似てる。

音を奏でるにおいて、一連のことが繋がって、音楽を形成しているから、そういう点で神経を集中しなければならない。

 

そこで自分の音を録音してみては、あんまりにそういう繊細なところができてないぶっきらぼうな演奏で凹んでは、気を取り直して録音……の繰り返しだった。

 

世の中のすべての音楽を奏でるひとは、自分が見聞きするかぎりどの人も、プロでもなんでもTwitter上でも、聞こえる音全てが素晴らしいタッチから放たれる繊細に考えられた音で、そういうの聞くたびに凹む。

毎日、どうやって演奏しようか考える。

 

さらに自分が持ってるパートの、フレーズの考え方っていうか前後の関係とかも考えながら弾いてみたり。旋律を歌わせるとか、和音を感じながら弾くとか、どういうことなのかなあって考えながら。

 

素人なりにわからないながらやってみた。

すごい綺麗に撮れる機器は持ってないからそのままケイタイで撮ったけど、そういう音の凸凹な粗を動画編集でエフェクトかけミキシングしてくれるというので、技術的にも素人な自分はありがたいこの企画に感謝してその作業をお願いしたのだった。

ござさんも言っている。

動画編集は超大変な作業でめっちゃ時間がかかると。

ていうか仕事しながらの編集作業、単に素人民の自分が練習するよりもよっぽど大変だったことは想像に難くない。企画から編集までありがとうございました。

 

 

ありがたい経験

 

というわけでyoutube動画にしていただき投稿された、弾いてみた動画。

上記の通り、自分ひとりだとまず弾いてみよう、譜読みしてみよう、ちょっとの時間でやってみようっていうきっかけも無ければ、意欲もわかなかったに違いない曲。

まあ最初からあきらめてましたので。

 

ここであらためて瞠目するのは、ござさんの曲の精密に設計された曲展開。

あの原型のツイートから、中間部の展開とかも入って、物悲しいなかにもどこか懐かしさを内包した曲になっている。

そしてござさんならではの優しい気持ちが、曲全体に込められている気がする。

 

そしてこの動画の趣旨に自分と同様、ござさんの音が好き!な動機で集まってきた面々。

弾いていると、一つの音にもしみじみ感動する、って言いながら練習してきた面々。

ネット上だから面と向かってじゃなくても、わからない録音方法やら演奏の箇所やら、運指とか曲の解釈とか、みんなで考えた。いや自分はアドバイスできる立場ではなかったが、でも聞けば誰かが応えてくれる場所。

 

アネモネへの、みんなが心の底へ抱えた限りない愛着と憧憬が、やわらかいタッチと、憂いを帯びた和音に滲み出ている。

それぞれの演奏は千差万別、ピアノは一人一人違う。

各々が描くアネモネの世界観が繋がって、美しくも儚い響きへと変容を遂げる。

ござさんは癒しを求めて、と語られていたが……

落ち着いた中にも力強さを感じる静かな展開には敬虔な祈りにも似たものを感じた…

 

 

繰り返すが自分一人では実現できない演奏と動画に参加させていただいて、この経験は何物にも代えがたい。

というか冒頭で述べたが、ちょっと休むとピアノ練習は振り出しに戻る。そこが怖くもあるけどピアノをやりがいあるものにしている、と、前向きにとらえることにして、練習は毎日続けなければならない。なんせ素人なので。

 

冒頭の慣用句を英語でいうと、これがあてはまるかもしれない。

Where there's a will, there's a way.

意志のあるところには道がある

 

ピアノやってると特に痛感する。

毎日積み重ねるしかなくて、ショートカットはできない。

そんな便利な付け焼刃は存在しない。

でも続けていくからこそ、昨日よりできるようになったこと、どんな些細なことでも何か自分の中で昨日よりマシになったことがあれば練習のテンション上がるし、そうやって続けていけば、何かそのうち弾けるようになる……かもしれない。と思って、地道に練習を続けるのみだ。